“山道具道楽”について

当ブログは、管理者の山道具への拘りを綴ったもので、山道具というハードウェアーのみに特化し、記録等の記述は基本的に掲載しない方針です。

 

記事の内容は私の主観に基づいてお、り多分に偏った表現も多く、また、時々コラムで個人的な意見を述べてみたり、近況などを記事にすることもありますが、それも御愛嬌と思って御容赦ください。

※ なお、当ブログ開設の経緯などは“山道具道楽へようこそ”(旧、トップページ)をご覧ください


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したがって古い記事の中にはかなり陳腐化した内容も含まれていますので記事の日付を確認してご覧いただければ幸いです。


【近況】

ご無沙汰しています!、定期検査は続いてますが、まだ生きています。

山には以前より行ってはいませんが、4月には谷川岳・天神尾根から熊穴沢を滑ってきました。
雪が少ないと聞いていましたが、直前の降雪のおかげでトマの耳から熊穴沢経由で田尻沢の下山コース経由で山麓ゴンドラ駅まで、標高差1100メートル?位を一度もボードを脱ぐことなく降りてこられてラッキーでした。
190416-24

それから、恒例の八甲田にも行きました。
箒場ルートは風は強かったものの前日の降雪のため綺麗な景色が楽しめました。
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だけど高田大岳では新しい熊さんの足跡に遭遇して少々ビビりました。
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それから月山にも行きましたが、やはり雪は少なかったですね。
湯殿山南面もブッシュだらけでした。
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それから・・・、この時期の八甲田や月山のクラシックルートは相変わらず素晴らしいのですが・・・。
一時は廃止の気配もあった八甲田の定時のシャトルバスが、今シーズンも運行されるのは嬉しいのですが、時間の間隔と時刻設定が悪く大変使い難いのは問題ですね。
団体のガイドツアーなら専用の送迎車があるのですが、私達のようなシャトルバスか流しのタクシーが頼りの個人客には大変不便です。

月山の姥沢までの臨時バスも、駐車場が満車の時のみの運行となりました。
つまり、その日になってみないとバスが使えるのか判らないので計画が立てられないということです。
西川町営バスの「志津→姥沢」定時便も1日4便で、しかも始発が9時30分では使い物になりません。
滑って麓まで降り、バスに乗って駐車場の車を回収しに行こうと思ってもかなり不便なのです。

まぁ、「バスがあるだけ良いじゃないか」と言われればそれまでなのですが・・・。

 

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2017年11月14日 (火)

ウィペットのピックカバーに一工夫?

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(ピックの改造を含めた評価です)

ご無沙汰しています!!
更新をサボっていましたが、もうそろそろ冬シーズンなので山スキーネタを記事にしてみました。
今回は“ウィペット”を使いやすくする小改造です。


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(改造ピックカバーを付けたウィペットは冬でも春でも大活躍!)

ウィペット自体はは良く出来た製品ですが、付属のピックカバーについては少々不満を感じてしまいます。

過大な要求かも知れませんが・・・、カバー不使用時の事までは考えられていないのです。

普通の滑降時や山の行き帰りの列車内などでは安全のためカバーは必須ですが、山の中で失くしてしまったのでは話になりませんよね。

不使用時に取り外したカバーはザックに着けたカラビナにクリップしておくか、ベルトなどにヒバリ結びでぶら提げておけば良いのですが・・・。

登行時、このキックターンでは滑落したくないなぁ~・・・と感じた時など、ピックにカバーが付けたままの状態だと、急遽カバーを外さねばなりません。

しかし、そんなシチュエーションで手袋をしたままカバーを外して、それを落とさないように収納するのは結構面倒です。

また、スノーシューで腰高くらいの雪の段差を乗り越える時に一回だけ手掛かりが欲しい時などに一々カバーを外すのも手間ですよね。

以前、私は外したカバーをオーバーパンツのポケットに入れてしまい、気が付いた時にはどこかに落っことし失くしてしてしまいました。

その後、リストストラップの付け根に細紐のループを作りそこにピックカバーのコードを通して紛失しないように工夫しましたが、それだと外した時のカバーがブラブラして鬱陶しい感じです。

そんな訳で急な着脱にも対応できて、かつ紛失の恐れを回避し、しかも必要な状況では容易に完全に取り外すことができる構造に改良することにしました。

構造は画像の通りです。(↓)

Wppc_4

構造の要となるのがヘッドにあけた穴と“タック・トグル”(トグルボタン)という樹脂部品です。

“タック・トグル”というのは軍装品などにも使われるパーツですが、簡単に言えば鞄屋やテント屋などが言う“オシャブリ”の事です。

Wppc_1
(タックトグルで固定した状態)

私のウィペットのピックには画像(↑)のようなφ15㎜の穴がありますので、タックトグルをここに通すと、カバー不使用時にブラブラさせておいてもまず外れる心配は無さそうですし、必用なら簡単に取り外して分離することも可能です。

Wppc_3
(一時的にピックカバーを外した状態でもまずは外れない)

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(完全に取り外すのも簡単)


付属のコードロックをこの形で再利用するならから穴の直径はφ15㎜必要ですが、タックトグル単体ならφ10㎜程度の穴でも使用できるでしょう。

ウィペットのピックカバーの取り扱いを面倒だとお考えの方には、(穴明けの手間は掛かりますが・・・)おススメの改造だと思います。

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2017年10月13日 (金)

スプリットスキンのテール・フィックスを改良

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

Tgl_1
(こんな風に改良しました)

以前、スプリット・スキンのテールフィックス改造について記事にしましたが、その後改良を行いましたのでご紹介いたします。

Tst_8  Skint_2
(改良前は細いショックコードとアルミのトグルの組合わせ)

テールに穴のあるスキーやスプリットボードなら、その穴を利用すれば簡単かつ確実なシールの固定ができる仕組みです。

基本的な改造については以前の記事をご覧いただくとして、今回はテールに固定するトグルボタンの改良についてです。

単純な話仕組みなのですが、画像のように全長の半分の断面を分銅型(地図記号の銀行)にしてみました。
Tgl_2
(全長の半分を分銅型断面に切削)

加工はフライス盤とボールエンドミルで円弧形の溝を切っただけですが、この溝でショックコードの逃げ代を造れば、穴の直径が小さくてもやや太めのショックコードを使ってシールのエンドフィックス効果を強化する事ができます。

また、この形式だと万が一の故障の時も応急修理も簡単だと思います。

テールに穴のある板をご使用の方にはお薦めの改造です。

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2017年9月 4日 (月)

カーボン・ウィペットを短く切る!

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

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(“カーボン・ウィペット”を仕舞寸法62㎝に改造)

最近更新をサボっていますので・・・、もう秋だっていうのにまたまた冬用装備の記事でスミマセン!

さて、過去にも何度か記事にしていますが、BDのセルフアレストポール“ウィペット”は山スキーや山ボードに非常に有効な道具です。

しかし、この道具の難点は以前からスキー用の2セクションの物しかなく、山ボード用には使えませんでした。
そんな訳で私は、2セクションの上段を短くカットし、3セクション・ポールの中段・下段を組み合わせてボード用に改造していました。

ところが2シーズン程前、ようやく3セクションの“ウィペット”が発売されたのです。
しかも軽量なカーボン製とあって私の物欲もかなり刺激されたのですが・・・、スペックを見てがっかりです。
使用寸法が100~140㎝と無駄に長く、さらに仕舞寸法が70㎝と、私の受容限界を超えた長さだったのです。
今日日ピッケルだってこんなに長くありません。
これじゃあ、滑降時にザックに着けてツリーランでもしようものなら、木の枝ラリアートを喰らってしまいます。

しかも、短く改造しようとしてもサブグリップが2セクション同様かなり下の位置にあり、その制約であまり短く出来そうにありません。
サブグリップを剥ぎ取ってしまおうかとも考えましたが結構ガッチリと貼り付けてあるようで剥がすと下地が傷んでしまいそうです。

同社の3セクションポール“エクスペディション”の仕舞寸法が62㎝ですから、せめてこれに近い寸法に収まっていなければ買う気になれません。

そこで購入をいったん断念したのですが・・・、ショップで現物を手に取ってみたところ「これだったら7~8センチ位は詰められる!」と確信しました。

そこで早速購入、そして改造です。
“カーボン・ウィペット”と言っても上段は7000系のアルミ合金ですから上段の改造は慣れたもの。(改造の詳細は過去の記事をご覧ください)

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(上段パイプを7センチ程カットする)

また、中段・下段は上部をカットしますが、カーボンは目の粗い鋸を使うとササクレますので、カットする線をパイプカッターで軽く切り込んだ後、極細目の糸鋸で切りました。

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(カーボンチューブのカットには目の細かい糸鋸を使用した) 

問題は上端部のスライドに抵抗を与えるための赤いプラスチックプラグを再使用するためカーボンパイプから取り外す方法です。
御承知のようにカーボンファイバーは非常に堅牢ですから、プラグを傷付けずに取り外すのはそう簡単ではありません。

私は最初、リューターに薄い切断砥石を取り付けて縦にギリギリまで切り込みを入れて、次に折った金鋸でプラグ直前まで切り込み、最後はカッターで残ったカーボン繊維を完全に切ってからマイナスドライバーでコジって外しましたが、これが結構苦労しました。
そこで、その後は旋盤でカーボン部分をプラスチックプラグ寸前まで削り込み、最後は薄く残ったカーボン繊維をカッターで切って取り外しましたが・・・、これまた結構大変でした。(笑)

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(㊨赤いプラグは、㊧のリューターと薄い切断砥石での取り外しも可)

最後に取り外したプラグと短く詰めたカーボンパイプ上端をエポキシ接着剤で固定すれば完成です。

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(接着剤で固定すれば完了!)

なお、作業は上段の加工後、寸法を見ながら中段をカットしプラグを取り付け、その後に下段の作業に取り掛かるというように、現物合わせで段階的に作業を進め、可能な限り寸法を短く出来るように加工しましょう。

Wp_c_3
(上段から寸法を見ながら作業する)

画像が完成した状態ですが、仕舞寸法は改造前の状態より8センチ短い62㎝と、“エクスペディション3”と同じにすることができました。
たかが8センチとは言え、ザックに着けた状態ではずいぶんと短く感じます。
また最伸長は、セクション間に十分なオーバーラップを取った場合でも126㎝にはなりますから私には十分な長さが確保されています。

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(やっと完了!)

最後にバスケット近くのテーパーで細くなっている部分に、フリックロック・レバーが節度を持って閉じられるよう、熱収縮チューブを使って若干太く仕上げておきました。

Wp_c_2
(バスケット上部を熱収縮チューブで太くし、フリックロックで固定できるように


苦労もありましたが、これで何とか使えるBCボード用3セクション・カーボン・セルフアレストポールが完成しました。

3セクションの“ウィペット”は欲しいけど、仕舞寸法が長すぎるとお感じのBCボーダー方には、是非お勧めしたい改造です。

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2017年7月 6日 (木)

軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

※当然の事ですが・・・、命にかかわる山道具の改造は100%自己責任にて実施してください。また、改造や修理を個人で行うとメーカーの保障は一切受けられない事も御承知おきください。


さて、前々回前回に引き続き“ネーベ・改”第3弾の御紹介です。
概要は以前の記事をご覧ください。

今回はだれでも入手できる材料とご家庭にある工具でできる改造です。
しかも、これまでの物より強度も遙かに高いはずです。

とはいえ、使う材料は市販されているとはいえやや特殊な部類ですから、小さなホームセンターには無いかもしれませんので、その場合は通販をご利用ください。

必要なのは、ステンレスのスリムヘッドビス(超低頭ネジ)φ5㎜×12㎜とステンレスナット3種φ5㎜の二種類、4個づつだけです。

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(φ5㎜×12㎜のスリムヘッド・ビス)

スリムヘッドビスφ5㎜×12㎜は3種のナットを使うと偶然にも長さがジャストサイズですから加工の必要はありません。
なお、ステンレスナットの「3種」という規格は通常のナットより薄いので改造後もあまり出っ張らず見栄えも良好です。
また、ワッシャーは製品に使っていた物を再利用しますので新たには必要ありません。

Bdnbb_4  Bdnbb_5
(ステンレスナット3種は通常より薄く3㎜程度の厚さ)

改造の難しい点は、元々カシメてある中空リベットを取り外す事だけです。
過去の記事を参考にして、慎重に作業をしてください。

後は、ストラップを裏返しにしてアイゼン本体の外側へ付け替えるだけです。
書き忘れていましたが、ストラップを裏返しにするのはワッシャーの納まるくぼみがある方を外側にするためです。(BDのロゴマークは裏側で見えなくなります!)
ビスは8㎜のレンチと♯2ドライバーでビスを締め込み、ビスの頭に短いプラスビットを当ててビスの反対側の末端の周囲をハンマーで叩いてネジ山を少し潰して外れ止めにしておきます。
プラスビットを当てるのは衝撃から薄いネジの頭とネジ溝を保護するためですが、真直ぐに置けるならネジの頭を直接アンビルに当てても構いません。

これはかなり強力なナットの脱落防止策で、ナットが外れることはまずありません。
原状復帰の予定があるなら、適度な状態まで締めた後ナットとビスの接点3カ所程度に先端があまり尖でないポンチを強めに打って弛み止めにしても良いでしょう。

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(ビスの頭にドライバービットを当てて、ハンマーでビスの先端の周囲を叩く)

最後にネジを少し緩め、適度な抵抗でストラップが回転する位置まで戻します。
末端の潰しが適当なら回らなくなる位置まで戻して丁度良いと思います。
もし必用なら、念の為アロンアルファで回り止めをしておいても良いでしょう。

以上で完成です。

Bdnc_2  Bdnc_4
(完成した状態は結構好い感じだ)

偶然、12㎜長のナットがジャストサイズなので、ネジのカットも不要で作業はとても簡単ですから、必要な方には是非お薦めしたい改造です。

まぁ、私としては2番目に改造したブラインドリベットを使った改造が外見的にもスッキリしていて一番良かったと思っていますが、再々々改造も面倒なので暫くこのまま使ってみようと思っています。

また、現在BDの“コンタクト・ストラップ”を持っていて、ボリュームの大きなボードブーツで履こうと考えている方も、同じ方法で(本体に板厚の差がありますから、できたらビスは0.5㎜位削ったほうが良いかも知れません)改造できますからお試ししてはいかがでしょうか?




【余談ですが・・・】

今年の残雪期、久々にアイゼンを履いたまま薮漕ぎをして酷い目に遭いました。
苦労するのは分かってはいたものの・・・、夏道まで20m位だと高をくくり面倒なのでアイゼンを脱がず這松に突っ込んだのですが・・・。
アイゼンは枝に嵌って抜けなくなるは、ザックに着けた板は引っ掛かるは・・・で、蜘蛛の巣に捕まった蝶々みたいになってしまいました。
おまけにオーバーパンツは松脂でベタベタです。
まさに、後悔先にたたずでした。
皆さん!薮漕ぎをする時は面倒でもアイゼンを外しましょうね!(笑)

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