“山道具道楽”について

当ブログは、管理者の山道具への拘りを綴ったもので、山道具というハードウェアーのみに特化し、記録等の記述は基本的に掲載しない方針です。

記事の内容は私の主観に基づいてお、り多分に偏った表現も多く、また、時々コラムで個人的な意見を述べてみたり、近況などを記事にすることもありますが、それも御愛嬌と思って御容赦ください。

※ なお、当ブログ開設の経緯などは“山道具道楽へようこそ”(旧、トップページ)をご覧ください


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したがって古い記事の中にはかなり陳腐化した内容も含まれていますので記事の日付を確認してご覧いただければ幸いです。



(近況)

GWは八甲田に行ってました。
昨年は雪も少なくイマイチ楽しめませんでしたが、今年は平年並みの残雪といったところでしょうか。
幸いにも終盤を除いて天気に恵まれ、楽しいツアーと温泉を楽しむ事ができました。

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しかし、以前に比べシャトルバスの本数も少なく、運行ダイヤも不適当なのは困ったものです。
これではガイドツアー参加者以外の、普通の山スキーヤーや山ボーダーの八甲田離れがさらに進んでしまわないか・・・、チョット心配してしまいますね。








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2017年6月22日 (木)

軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

※当然の事ですが・・・、命にかかわる山道具の改造は100%自己責任にて実施してください。また、改造や修理を個人で行うとメーカーの保障は一切受けられない事も御承知おきください。


『軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ①』は、一般的でない改造でしたので、もっと簡単な方法でBDのクランポン“ネーベ”をボードブーツに改造する方法を試みてみまし。

前回はステンレスの中空リベットが入手できず、錆び易い鉄製の中空リベットを使いましたが、今回は特殊な打ち棒など自作しなくても、市販の材料と工具だけを使い、ステンレス製のリベットでストラップを留める方法をご紹介いたします。

今回は、ホームセンターなどでも良く見掛けるステンレス製の“ブラインドリベット”を使う事にしました。

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(ステンレスのブラインドリベット)

この改造に合うのは画像のサイズです。
とは言え、通常と違うカシメ方をするのでリベットにも少々加工が必要です。
外側にフレアーさせてフランジ状に広げるため、一旦シャフトを抜きリベットの先端の穴をカウンターシンクで45度に大き目に面取りをしておきます。

また、ブラインドリベットを使う場合、元々使われているφ5㎜用ワッシャーは穴が大きすぎて使わない方が無難です。
そこで、外径10㎜で4.5㎜穴の特寸ワッシャの穴をジャスト5㎜に広げて使うことになります。

バイスプライヤーでワッシャーの端を固く咥え、ボール盤で穴を拡げ、さらに穴の角を軽く面取りしておきましょう。

次に、ブラインドリベット専用の工具にセットし、ストラップとアイゼン本体を締結します。

本来、ブラインドリベットはシャフトの頭が完全に沈みきり、シャフトが頭だけ残して引きちぎれるまで引くのですが、今回はシャフトの頭がリベットの穴に沈んだところで引くのを止め、リベットのシャフトを反対から叩いて抜いてしまいます。

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専用のリベッターでカシメる)

後はリベットの末端を円錐形の先端を持つポンチか、あるいは鋼球(パチンコ玉)等でフレアーさせ、その後、適当な棒状の工具とハンマーで叩きリベットの末端を平らに広げてしまえば終了です。

Bdnbb_7   Bdnbb_8
(今回は変則的なブラインドリベットでの締結をおこなった)

画像のようにリベットには貫通穴がありますので、中空リベットに比べて、強度が弱いようにも思えますが、このサイズだとせん断耐力はデーター上500㎏あるそうですから、この用途ならまず壊れる事は無いでしょう。


えっ・・・!、まだ工作が難しいって?

それなら、次回は市販の材料とドライバーとハンマーというどの家にでもある工具を使うだけでできる究極の簡単改造をご紹介します。


(以下続く・・・)

夏なのに次回もアイゼンの改造の記事です。
そして・・・、申し訳ありませんが、それ以降もしばらく冬に使う道具の記事ばかりが続く予定です。

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2017年6月14日 (水)

軽いボードブーツ用アイゼンが欲しい! ①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

※当然の事ですが・・・、命にかかわる山道具の改造は100%自己責任にて実施してください。また、改造や修理を個人で行うとメーカーの保障は一切受けられない事も御承知おきください。


BCスノーボードでアイゼンの出番は少ないとはいえ、特にスノーシューを持参しない残雪期のツアーの時など、もしアイゼンを携行していたらこんな怖い思いをせずに済んだのに・・・、というシチュエーションにも時々出会いますよね。

そこで・・・、ボリュームのあるボードブーツに合うアイゼンといえばまず思いつくのが“グリベル G10/ワイド”でしょう。
私も少々改造して使っていますが(画像↓)、大きなボードブーツでも無理なくフィットします。

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(ストラップが適正な位置に乗るように小改造)
 
その他、“BD/コンタクト・ストラップ”を使っている方も多いようですね。
しかし、私もこのステンレス製のアイゼンを持っていますが・・・、ボードブーツでも履けることは履けるのですが、爪先部分の幅が狭く、“グリベル・G10/ワイド”のように安定した装着状態にはなりません。

特に“DEELUXE/Spark” のようなボリュームの大きなブーツの場合、爪先のストラップの掛かりが浅く、アイゼンバンドの締め付けが緩いとインサイドのポイントで岩角に乗った時など回転して外れてしまいそうです。

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(コンタクトはボードブーツには爪先幅がやや狭い)

そんな理由で“グリベル・G10/ワイド”が山ボードの定番となっているのでしょうが、このアイゼンの問題点は、お守り代わりにザックに入れるには些か重いという事です。

そこで軽い山ボード用のアイゼンが欲しくなり色々と物色してみたところ・・・、これは!というものはなかなか見つかりません。

“グリベル・エアーテックライト/ワイド(ニュークラシック)”というアルミ合金製のアイゼンがボードブーツにも合うようなのですが、山ボードのお守り代わりに使うには12Pは少々仰々しく、デザインも私的にあまり好みではなかったのです。

BDには上述の“コンタクト・ストラップ”と全く同じ形でアルミ合金製の“ネーベ”という製品があり、軽さとデザイン的には理想なのですが・・・、当然“コンタクト・ストラップ”と同じ爪先幅ですから大きなボードブーツにはジャストフィットとはいきません。

そこでこの軽量な“ネーベ”の爪先部分をワイドタイプに改造することにしました。

改造の概要はアイゼンの内側に付いている樹脂製のストラップを外側に移動させることで爪先幅を12㎜広げようというものです。
これは、グリベル・アイゼンのスタンダードとワイドの構造差が、ストラップが内側にあるか外側にあるかという違いであるのと同じ事です。

手順は、まずストラップと本体を固定している中空リベットの丸頭側に切断砥石で回り止めの線状の溝を入れマイナスネジの頭のような形にして、そこをマイナスドライバー代わりの鉄板を咥えたバイスに押し付けながらボール盤とφ5㎜のドリルで反対側のカシメ部分を皮一枚のギリギリまで削ってしまいます。

良く切れる新品のドリルならそのまま削っても上手くいく場合もあるでしょうが、リベットがドリルと共回りしないよう面倒でも頭の溝加工はしておいた方が良いでしょう。
あるいは、未確認ですがリベットの頭の先端をヤスリなどで削って凹凸を作り、下に敷いた硬質ゴム板等に押し当ててフリクションが生じるようにし、共回りを防ぐという手段も考えられます。
次に削ったほうの穴にオートポンチを当ててショックでリベットを弾き出して外します。

次にφ5㎜×12㎜の中空リベットを使い、裏表を逆にした樹脂製のストラップを本体の外側にカシメて留めればOKという訳です。

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φ5㎜×12㎜の中空リベット)

といっても・・・、言葉では簡単ですが、実はそう簡単に作業は進みませんでした。

まず、φ5㎜×12㎜のステンレス製中空リベットは1,000本ロットでしか購入できず、小口で入手できるステンレスの中空リベットはφ5㎜×10㎜の物しかありませんでした。
カシメ代の標準が直径の60%必要であることを考えると、10㎜長だと素人加工ではカシメられないと思われます。

検索して何とか鉄にニッケルメッキのφ5㎜×12㎜を入手できたのですが・・・、打ち棒は入手困難なので自作する必要があります。

中空リベットは工業的にはプレスとメカニカルダイスでカシメますので、手打ちのφ5㎜用工具など一般に市販されていないのです。

ハッキリ言って、素人加工でも上手く中空部をカールさせる先端構造の打ち棒を作るのはそう簡単ではありませんでした。
私は試行錯誤の末、旋盤と自作バイトでステンレス丸棒の先端を粗削りし、続いて回転させた丸棒に丸いダイヤモンド砥石を付けたリューターを当てて仕上げ、何とか自作の打ち棒を作る事ができました。(画像↓)

しかし、所詮素人の手造り工具による加工ですから、末端は中途半端にしかカールしませんでしたので、最終的には丸頭リベットの打ち棒でカシメ部分の形を整える必要がありましたが・・・、最終的には何とか上手く仕上がりました。

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(打ち棒はステンレスシャフトの先端を画像のように加工する)

ストラップを外側に付け替えた後の状態は画像(↓)の通りですが、外見でもかなりワイドになった事がお判りだと思います。

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(いずれの画像も、㊧改造前 ㊨改造後 → 爪先幅が12㎜ワイドになった)


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(上から見た ㊧改造前 ㊨改造後、フロントポイントの突き出しも適正に)
※撮影角度の関係で爪の出方が誇張されちゃってるます!
画像のとおり、フロントポイントもあまり突き出さず、ストラップもしっかり爪先を包み込む位置に収まりました。
色々と苦労はありましたが・・・、これで安心して使用できる理想のボードブーツ用アイゼンが完成したわけです。
今シーズンの出番はありませんでしたが、来シーズンが楽しみです。


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(横から見た ㊧改造前 ㊨改造後 → ストラップも安定した位置に)



しかし、改造が成功したとはいえ私的には中空リベットがステンレスでなく錆び易い鉄製というのも納得いきませんし、特に今回の手法はご紹介しても誰でもできる種類の改造ではないという大きな問題もあります。

そこで、次の段階として、普通に入手できる素材を使って“ネーベ”を山ボード用に改造する方法を考えて再改造を実施してみましたので、近日中に記事にて御紹介してみたいと思います。

(以下続く・・・)
 
 

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2017年5月29日 (月)

ピッケルのスパイクプロテクターを改良した!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

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(今回はスパイクカバーの改造です)

年齢に反比例してに冬山に行く機会も少なくなり、今使っている歩行用ピッケルもまださほど傷んでいないのにもかかわらず、また新しいピッケルが欲しくなってしまいました。

理由は、最近は歩行用のピッケルでもシャフトの曲がったものを山で見かける機会が増えたため、自分でも使ってみたくなったからです。(笑)

そしてピッケルを新調したついでに石突部のカバーを購入しました。

この種のカバーは今まであまり使用していなかったのですが、黒部立山アルペンルートの持ち込み規制が厳しくなり、ピッケルの場合すべての尖端にカバーが付いていないと持ち込みができなくなったからです。

大学生のころは粋がってピッケルにカバーなど付けないどころか、ドメゾン(だったかな?)に影響されてリーシュ(ピッケルバンド)すら着けない時期もあった私ですが、歳をとってマナーが気になりだしたようですね。

さて、とりあえず軽いものを・・・、という訳でブラックダイヤモンドの“スパイクプロテクター”(商品名)を購入しました。

ところがこの樹脂製のカバー、純正品なのにスパイク(シュピツェ)に上手く収まらず、カバーに付いているショックコードをリーシュに結んで留めるなどにして持ち運ばないと、容易に紛失してしまいそうです。


そんな訳で単独で固定できるように早速改造です!

改造は画像をご覧頂けば一目瞭然だと思います。
スパイク部の穴を利用し、そこに両側に穴あけ加工をしたスパイクプロテクタ―を貫通させるように自作のジュラコン製のピンを嵌め込んで、カバー本体がスパイクから抜けないように固定する仕組みです。

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(カバーの両サイドに貫通する穴をあけ、自作のピンを通す構造)

ピッケルのスパイクの穴の位置に合わせでφ8㎜の貫通穴をあけ、ちょうど良い長さにジュラコンのφ8㎜の丸棒をカットしてピンを作り、元々スパイクカバーに付属していたショックコードとコードロックを再利用して画像のような構造に仕上げました。
コードロックでショックコードにテンションを掛けるとジュラコンのピンは抜けなくなりますから紛失の心配も無いでしょう。

なお、適切な穴の位置はピッケルによって異なるので、現物合わせで決めてください。


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(スパイクの穴とピンでカバーは外れない)

立山黒部アルペンルートはもちろん、公共交通機関を利用する場合には、ピックカバーはもちろんスパイクカバーもマナーとして使用すべきものなのでしょうから、どうせ使うなら嵩張らず外れにくい物が好いですよね。
その点このピックカバーの改造は、簡単な工作の割には便利に使えると思いますよ。

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2017年5月13日 (土)

“MSR/ウインド・バーナー”は“JB”を越えたか???

便利度 :★★★☆☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆

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(MSRの“ウインド・バーナー”)

最近では山で使う“高速湯沸かし器?”も種類が増え、数社から販売されています。

現在、この手のストーブの代名詞ともなっているジェットボイルから数アイテム、MSRからも“リアクター”とこの“ウインドバーナー”に加えとそれぞれに専用ポットが何種類か発売されており、山道具道楽の私はたいして使わないにもかかわらず馬鹿みたいにその殆どを所有しているのです。

今回ご紹介するMSR の“ウインドバーナー”という1リットル・ポット付きのバーナーは、ガス険の関係で“リアクター”同様、日本での正規販売はされていなかったのですが、面白そうだったので海外通販で購入してみました。
(ついでに、あまり使わなそうな1.8リットルポットまで合わせてポチってしまいました ↓)

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まぁ、この製品自体はすでに2年ほど前から発売されていて、当初は“ウインドボイラー”という名前だったはずなのですが・・・、何かマイナーチェンジでもあったのでしょうか??

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(“リアクター”より一回り小さい)

そんな訳で早速使ってみましたが・・・。
宣伝の通り、たしかに風の強い時は“ジエット・ボイル”より沸騰にかかる時間は実感できるほど早いです。

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(競争相手はたぶんJBだろう・・・?)

しかし、残念なのは、この製品にはイグナイターが組み込まれていな事、そしてこのような輻射式のバーナーには同じMSR社の“ピエゾ・イグナイターも”使えないという事でしょう。
必ずマッチかライターを一緒に持つ必要があります。

条件によっては組み込み式のイグナイターでは点火に手間取る事もありますが、有れば有ったでとても便利であることは“ジエット・ボイル”で実証済みです。

この会社は、どうも機器にイグナイターを付けるのが好きで無いようで、MSRの名が知られるきっかけとなった初代“XGK”の最初の一時期フリント式の着火装置が付いていたくらいで、その後は別体型の“ピエゾ・イグナイター”を発売したものの、イグナイター一体型のストーブはあまり見かけませんよね。

そんな訳で、イグナイターを持たない、この“ウインドバーナー”の場合は一旦消火してからお湯を沸かし直ししようと再着火する場合、一度ポットを取り外して着火し、再びポットを取り付けなければならないのです。
しかも、バーナー部はポットのノッチに固定されているので片手でバーナー部を押えもう片方の手でポットを少し回さなければならなりません。

ジェットボイルだったらポットを取り外す事無く、イグナイターをカチッと押すだけで再着火できるのですから、この点で比較すると使い勝手は頗るよくありません。
また、ポットを取り付けた状態では風に強いとはいえ、ポットを外して着火した直後は炎が安定せず風に極めて弱いため、強風下での着火に手間取ることもしばしばです。(バーナーのメッシュが赤くなれば少々の風にもビクともしない!)

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(社外品はあるようだが、純正のポットサポートは発売されていない)

加えて、ジェツト・ボイルのように純正のポット・サポート(五徳)が無いので、普通の鍋を使用できないという事も、汎用性という観点からは大きなマイナス・ポイントでしょう。

そんな訳で、海外ではかなり高い評価を受けているとはいえ、私としては強くお薦めする山道具という訳ではありませんが・・・、まぁ、風に強いのは確実なので、取り敢えずジェット・ボイルの代わりに暫く使ってみて、何かあったらまた記事にしてみたいと思います。

いっその事、ダメモトで改造しちゃおうかなぁ~。(笑)

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2017年4月30日 (日)

最新のビーコン “ARVA/Axio”を試す!

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

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(最新のビーコン “ARVA/Axio”

今シーズン新しいビーコンを入手しましたので、その第一印象を記事にしてみます。

以前の記事にも書いたように、私は現在まで長くMAMMUTの“PULSE Barryvox”を使っていました。

昨シーズン終了後にファームアップした“PULSE Barryvox”の Ver.4 はかなり良好で、初心者にも使い易く、またガイドの厳しい要求にもこたえられる最強のビーコンと言っても過言ではない製品なのですが・・・、もう7年も使っているのでそろそろ買い替えかなぁ~、と思って調べてみたら “ARVA/Axio”という製品が目に留まってしまったのです。

何がすごいかというと、まずは探索距離が最大80メートル幅という事、そしてアンテナ配置がコロンブスの卵的発想で非常に画期的だという点でしょう。

通常の3アンテナビーコンは水平のXY軸の2本のアンテナに対し、垂直にZ軸のアンテナを配置してあるのですが、筐体の厚みという制約からこのZ軸のフェライトバー・アンテナは、どうしても水平のXY軸のアンテナより短い、つまり感度の悪いアンテナにせざるを得ない事になります。

しかしこの“ARVA/Axio”というビーコンは3つ目のZ軸のアンテナを可動式にすることで、XY軸のアンテナと同等の性能としたのです。

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(Z軸のアンテナを垂直方向に回転することができる)

これで被探索側のビーコンのフェライトバー・アンテナから林檎のような型に立体的に放射される電磁波を3軸で捉える、球形探索(メーカーの表現)が可能になるとの事ですし、また好感度ゆえに複数のビーコンからの電波が干渉して機器の解析に混乱が発生した場合には自動的にアッテネーターが働き、最短距離にいるの埋没者の探索を容易にする機能もあります。(画像↓)

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(上部BAND25の表示は探索範囲を自動的に25mに狭めた状態)

また操作性もシンプルで、初心者が直感で操作をしても、ほぼピンポイントで後は渦巻きプロービングでの探索に移行可能な数十センチ以内の誤差で埋没者の位置を特定できるといっても良いでしょう。
ただし進行方向を指示する矢印の表示は、“PULSE Barryvox”よりやや見にくく、また、“PULSE Barryvox”のようにプローブポイントまでは表示されませんので数値の一番小さくなるポイントを探索者自身が読み取ってプローブを刺す必要があるのは従来機種と同様です。

二昔前の、アバウトな方向表示と音の強さで埋没者に辿り着くという職人芸が必要だったアナログ・ビーコンとは全く別物と言っても良い出来になりましたし、もちろん、アナログモードを併用しする上級者にも対応できる性能も秘められています。

ただし、外観はお洒落なフランス人好みなのかもしれませんがチョット安っぽい感じで、私としては重厚な“PULSE Barryvox”の意匠の方が好感を持ちました。

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(付属するホルスターの造りはイマイチかな?)

また、ジョイスティックによる操作も悪くは無いのですが、まだこの機械に慣れていないせいか、“PULSE Barryvox”と比較しても格段に操作性が進化したようには感じられません。
メインスイッチも、これまでのほとんどのビーコンが誤動作防止にメカニカルな構造を採用していたのに対し、“ARVA/Axio”はONはメインスイッチを押すだけですが、OFF する時はメインスイッチを長押ししてからジョイスティックをクリックするというチョット解りにくい方法なので、レンタルなどで初めて渡された方はONはできてもOFFにするのに少々手間取るかもしれません。

また、発信モードから探索モードへの切り替えは赤いZ軸アンテナを起こすだけの操作ですが、付属のホルスターだと雪崩に揉まれた時、万が一にもこの赤いアンテナが起きてしまう可能性が無いかが、(発信モード自動復帰機能があるとはいえ)やや心配ではあります。


そんな訳で、ビーコンメーカー各社の新鋭機中でも、この“ARVA/Axio”はベストバイと言っても良いとは思いますが・・・、とは言え“PULSE Barryvox”はディスプレイにカタカナ表示もでき、また分厚い日本語マニュアルも非常に充実しています。(“ARVA/Axio”のマニュアルは折り畳んだ1枚の紙のみ!)

さらに、“PULSE Barryvox”は約10年前の製品とはいえ、ファームアップで最新の機能を維持していますし、設定可能な項目も“ARVA/Axio”より格段に多く熟達者向けの詳細なカスタマイズも可能です。
北米のプロガイドからの“PULSE Barryvox”の定評がずば抜けているのもこのためでしょう。

そんな訳で、私としてはこの2機種のどちらをお薦めしたら良いかは非常に迷うところです。

まぁ、古い機種ですがトレーニングを重ねればプロガイド並みに使いこなせるかという多機能性を優先する方は通好みの“PULSE Barryvox”を、探査距離が長く、どちらかというと簡単な操作を優先される新しいモノ好きの方は “ARVA/Axio”を選べば後悔しない・・・、と言ったところでしょうか。

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