« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月

2007年8月31日 (金)

D.I .Y. スキー靴の“シェル出し”③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆(ブーツがダメになっても保障しません!)

Alltool_1

(道具一式、中央下の小円盤は小型ネオジウム磁石)

さて、いよいよ実際のシェル出し作業を始めます。

①まず、シェル表面のマークの所に先ほど使った強力磁石を置き、もう一個の磁石をシェルの裏側からくっつけて裏側にもマークをしておきます。

②そして、そのマークの部分をヒートガンで加熱します。(ショップではネストールという専用の赤外線ヒーターを使っているところもありますが、作業能率の良いヒートガンを使用しているショップが大半だと思います)
加熱はアバウトでもできないことはありませんが、もし放射温度計があるなら表面温度を計測しながら作業すれば確実です。
温度は、我々アマチュアや初めての方は90℃位で止めておいたほうが無難です。(本当は100℃以上まで上げたほうが確実に塑性変形させられるのですが無理は禁物です・・・)
ボトムとカフの二重になったシェルの部分を出したい場合は両側から加熱してください。

Bootuheat Termo_1

③次に、素早く自作のピンチクリアーのボール部分(この部分は事前に暖めておく)を熱で軟らかくなったシェルの裏側のマークの位置に当て、ネジを締め込み変形させます。

Bootspress

変形の度合いについては、通常は目で見てごく僅かの凹みが判る程度で十分なのですが、ピンチクリアーを外し暫らくするとかなり戻りますので、心もち大きめに変形させるような気持ちでネジを締めてください。(極端な変形はシェルに無理が出ますし、する意味もありません・・・)
あとは、冷えるまで待っピンチクリアーを取り外し、インナーを入れて履いてみるだけですが、可能なら冷えてから1日位はピンチクリアーをそのままにしておいた方が良いかもしれません。

初めての時は、捨てても惜しくない古いスキー靴で一度予備実験をしてから本番に臨むことをお薦めします。
シェルの素材には大きく分けて、一般的なポリウレタン系と高価格モデルを中心に使用されているナイロン系(ぺバックス)があります。
一般的にはポリウレタン系のほうがシェル出しは簡単なように感じますが、ポリウレタンでも品質の違いで熱塑性変形の容易な物とそうでない物がありますので、作業は臨機応変に進める必要があるでしょう。 (→補足情報)

また、プロショップに頼んだか、自分で行ったかを問わず、少しでもシェル加工を行ったブーツは、保障期間内であってもメーカーの保障を受けられないことを承知しておいてください。

| | コメント (2)

2007年8月24日 (金)

焚き火の“着火剤”

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆


沢登りの隠れた楽しみの一つが「焚き火」ではないでしょうか?
ローインパクトを信条としているナチュラル志向の登山者からは『焚き火など以ての外』と叱られるかも知れませんが、楽しいものは楽しいのですから・・・。
私は最大限の注意をすれば、沢の流木を利用した焚き火くらいだったら、許されるのでは・・・と考えています。

Fire2

焚き火上手の人は、マッチ一本と少々の新聞紙だけで短時間で立派な焚き火を作れますが、私のような未熟者では何らかの着火剤を使用しないと失敗も多いのです。
また、源流釣り師などは補修用に持参しているガムテープをて着火剤としても流用しているようですが、短時間で確実な焚き火を熾したいのなら市販の着火剤を使った方が確実です。

Fire
(左がロゴスの固形着火剤、右がジェル状の着火剤)


私は、以前には登山用品店で売っている“META”や“エスビット”という固形燃料を使っていましたが、たまたま手持ちがなかった時、近所のホームセンターでキャンプ用の小さなパッケージに小分けされたジェル状の着火剤を購入して使用したところ、これが大正解でした。
炎が大きく強力で、それまで使っていた小さなMETAのように火床にした丸太の隙間から下に落ちてしまうような事もなく、確実に焚き火を熾す事ができたのです。
という訳で、以来しばらくこのジェル状の着火剤を使用していました、が・・・ホームセンターのキャンプ用品売り場、恐るべし!。
昨年、このジェル状着火剤に勝るとも劣らない(・・・と言うか、完全に勝っている!)着火剤を見つけたのです。

それは、“ロゴス”という量販店向きのキャンプ用品を作っているメーカーの固形着火剤なのですが、火力も十分で炎の持続時間も長く、半分に切って使用しても焚き火の着火には十分な能力を持っています。
また、水がかかっても消えない程の火力を持っていますので、少々の雨の中でも短時間で焚き火を熾すことができそうです。
これも自信をもってお薦めできる製品です。

| | コメント (2)

2007年8月17日 (金)

トリチウムの“ヘッ電”マーカー

注意!)
2008年7月17日にこれを作っていた業者が放射性物質規制関係の法律違反容疑で逮捕されちゃったようです。
記事の削除は行いませんが、一応違法商品のようなのでお持ちの方は御使用を中止したほうがよさそうです。
ところで、時計の文字盤や外国で売ってるこの種のマーカーは大丈夫なんでしょうか?


便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆(高価なのが難点!)
危険度 :★☆☆☆☆(安全とはいえ、放射性物質ですから・・・)


Tri_4

テント泊の深夜、キジ撃ち(トイレ)や水を飲むために枕元にあるはずのヘッ電(ヘッドランプ)を探したが、真っ暗闇の中で手探りで、見つけるのに苦労した事はありませんか?

以前、暗闇でも一発で場所がわかるようにするには、家庭用の照明のスイッチ紐の末端に付いているような蛍光を発するマーカーをヘッドランプに付けておけば良いと考え、蛍光テープと称するモノをヘッドランプに張ってみたのです。
しかし、現在はこの手の蛍光と称するモノは正しくは“蓄光”と呼ぶべき物であって、事前に光を当てておくと、長くても数時間ほのかな蛍光を発する性質を持っているに過ぎず、夜中には既に全く光らなくなってしまい役に立ちませんでした。

昔の時計の文字盤などには一晩中光っている本物の夜光塗料が使われていましたが、これらの発光体には安全とは言いがたい放射性物質が露出した形で使われていた為、現在では規制がかかり、替わりに安全な蓄光材を使用しているとの事です。

しかし、最近では放射性物質の中でもかなり安全な部類に入る“トリチウム”というガスを、内側に蛍光物質を塗った細いガラスチューブに封入した発光デバイスが一部の腕時計などに再び使われるようになりました。

Tri_1

そしてこのデバイスをキーホルダーなどに転用し、暗闇でも場所のわかるキーホルダーとして商品化しているメーカーもでてきましたので、早速購入してみました。
トリチウムは半減期が12年という放射性物質ですから、蓄光性の物質と違い暗闇の中でも(徐々に減光するとはいえ)20年以上は光り続けるそうです。

Tri_3
(画像では判りにくいですが暗闇ではかなり目立ちます)

私は、ヘッドランプにこのトリチウムの発光体を少し小さく加工して着けていますが、真っ暗な夜のテント内でも枕元のヘッドランプを瞬時に手にすることができ、大変重宝しています。

| | コメント (0)

2007年8月10日 (金)

“ヒルノック”は登山でも有効か?

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

Hiru2

最近は近郊の山でも“山ビル”の被害が増加しています。
メジロアブの猛攻撃も辛いですが、初めて山ビルに吸血され、ズボンやソックスが血だらけとなっているのに気付いた時のショックは、一生忘れられない嫌な思い出になります。

特に、ヒルは麻酔成分と血液を凝固させない成分を出しながら吸血しますから、一切痛みを感じませんが、普通で数時間、人によっては2日程出血が止まらない場合もあり、結構精神的な苦痛と不快感を味合わされます。

下の画像は南アルプスの深南部某沢の山ビルですが、歩いていると靴底だろうが何処だろうが体の前後にある吸盤で吸い付き、尺取虫式にあっという間に沢靴とネオプレーンスパッツの間から脛まで上がってきて吸血します。吸血したあとは最後の画像のように拭いても拭いても出血は止まりません。

Hiru_a Hiru_b Hiru_asi

山ビルの被害を避けるため山仕事の人たちは安価な食塩を使ったりしていますが、登山用としてより強力な効果を持つ薬剤としては『ヤマビルファイター(忌避剤)』『ヒルノック(忌避剤)』「ヤマビルジェット(殺蛭剤)』等があります。
ヤマビルファイターは塗料成分を含み山仕事の長靴などには適しているようですが、山靴・沢靴やズボンに使用するには ??を感じますし、ヤマビルジェットは大きな忌避効果もあるようですが基本的に農薬なので人体に使用するには不安を感じます。

そこで、塗料成分を含まず比較的毒性の低いジエチルトルアミドを主成分とし、雨に濡れても効果の落ちにくいという触れ込みの『ヒルノック』を実際の沢で使ってみました。
忌避効果としては、吸血中の山ビルにスプレーしてみた所一瞬で落ちましたので十分だと思います。
残念ながらその時は写真を撮る余裕がありませんでしたので、テン場でやってきたヒルに『ヒルノック』を使って見たのが次の画像です。
獲物を狙って元気に動く山ビルも軽く一吹きで悶絶していました。

Hiru_bs Hiru_nk

この『ヒルノック』を登山靴やズボンにスプレーしておけば、かなり長時間効果を発揮する事を確認しておりますので、山ビルの生息情報のある山域に入る場合は念のため持参すると良いでしょう。

しかし、残念ながらこの『ヒルノック』は登山用としては、自信を持って推薦できますが、渡渉を繰り返す沢ではやはり短時間で効果がなくなってしまうようです。
とは言え、沢では靴の濡れないアプローチで山ビルの被害を受ける場合も多いのでその意味では大変有効ですし、吸血中のヒルを剥がすのにも使えますので、沢に持っていっても損にはならないと思います。

| | コメント (0)

2007年8月 4日 (土)

D.I .Y. スキー靴の“シェル出し”②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆(ブーツがダメになっても保障しません!)


道具が揃ったら、まずシェルを出す位置を正確に割り出さねばなりません。

(使用するのは)
①小さなネオジウム等の強力磁石2個(ピップエレキバンでも場所により使用可能かもしれません?)
ダーマトグラフ(色鉛筆等でも可)
③テーピングテープ

Innermark

できれば1回ブーツを使用し、足の当たる部分を確認してからインナーのみを履いてみます。
そして、当たる場所をインナーブーツにダーマトでマーキングし、そこに強力磁石をテーピングテープで貼り付けます。
その状態でインナーをシェルに入れ、シェルの表面から別の強力磁石を近づけるとインナーに貼った磁石の位置にピタリと張り付きます。
シエルのその位置にダーマトグラフでマーキングします。(→下の写真)

これで、正確にあなたの足の当たる部分がシェルのどの位置に対応しているのが割り出されたことになります。ちなみに、この磁石を使う方法は私のオリジナルアイデアだと思っています!

ただし、内踝や舟状骨の場合は足が内転することを考慮して、その位置から5~10ミリ程下の位置を加工したほうが良いと思います。

Bootsmark
(マークの位置がずいぶん上のように感じるが、これが舟状骨の正しい位置)

さて、これで準備は整いました、次回は実際のシェル出し作業について解説します。

ブーツのシェル出しは本来、足の骨格と運動を熟知しスキー技術に長けたプロが、シンデレラフィットシステム等の専用の道具を使用して行う技術とされています。
しかし実際には、フィットするまで何度でも嫌な顔一つせず誠実に対応してくれる方もいる一方、長々と薀蓄を語る割には値段不相応なかなり中途半端な仕事しかしてくれないプロもいるのです。
競技用のブーツならいざ知らず、スキーツアー用のランドーネブーツの当たり解消程度でしたら、正確なシェル出しの位置さえ判れば、足の当たる状態を一番知っている自分自身で作業を行ったたほうが、納得のできる仕上がりが期待できると思いませんか?
私はこれまで10足以上のブーツを加工してきましたが、失敗した事例は皆無です。

続く!

| | コメント (0)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »