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2007年9月21日 (金)

“タイベック(Tyvek)”シートを使う

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


最近のテントは軽量化が進み、本体のみならずフロアーの部分も以前のテントに比べてずいぶん薄い生地を使うようになってきました。
しかし軽いのは良いのですが、軽いという事は同時に弱いということを意味します。特に尖った石などが多く、キャンプサイトを選り好みのできない山岳地帯で軽量テントを設営する場合、強度のない薄いフロアーが傷んでしまう事も覚悟しなければなりません。
多くの軽量テントにオプションとして“フットプリント”と呼ばれるアンダーシートが設定されているのは主にこれを避ける為です。

しかし純正のオプションということで、ただのシートとしてはかなり高めの価格設定がされているのが普通です。
そこで北米のクライマーやバックパッカーの間では高価な純正品を使用せず、主に建材として使われる丈夫な透湿防水シートをテントのフロアーの形に切って使用することが数年前から流行しています。

Tyvek1

因みに、私はテントも消耗品と考えていますので、せっかく軽量テントを使用するのに敢えて重量を増やす意味はない、と考えて通常は“フットプリント”の類は使用していません。
とは言え、この素材にとても興味を持った私は、沢でのタープ使用時のグランドシートや、GOLITEのHEXⅢというフロアレスシェルター用の軽量シートの材料として、この透湿防水シートを入手してみることにしました。

早速建材店に情報収集に出向いてみると、建築用のハウスラップと呼ばれる透湿防水シートは何種類も販売されていました。
私の欲しかった、北米で定評のあるデュポン社のタイベック(Tyvek)シートは国産品の4割高と高価だったのでビックリしましたが、現物を見較べてみると、安価な国産品は不織布の片面にコーティングしたような素材で見劣りしたため、やはりタイベックに的を絞ったのです。・・・しかし、問題は寸法と価格でした。
建材店に在庫のあるのタイベックシートの標準品は1メートル幅で、基本販売単位は100メートルのロール、価格は一本1万3千円弱の物しかなかったのです。
1メートルでは何に使うにもチョッと幅が足りず、そして高価格とあって、その場での購入は一旦中止としました。

その後、色々調べてみたのですが、建材用の1㎡あたり60gのモノの他に垂れ幕や看板用の1㎡あたり40gの薄いものも在り、これでしたら150cm幅の物もあるそうなのですがやはり小口の販売は無く、しかもこれでは薄すぎて強度が心配です。
そこで、再度建材店に出向いて調べてもらった所、『元売に注文すれば3メートル幅で40メートルロールも取り寄せ可能、しかし価格が2万2千円(計算すると1メートル幅の標準品と比べて平米単価が1,5倍!同じ商品なのに!)になる』との事・・・。暫し熟慮の後「ええいっ!乗りかかった舟だ!」と購入決定!(建材屋さん、素人の私に親切に対応していただいてありがとうございました!)

Tyvek2

こうして、私は突然に使い切れないほどの在庫を抱えるタイベック長者になってしまったのです。
早速、フロアレスシェルターのグランドシートとして使用してみましたが、結論から言うと、軽いし平米単価でみればそこそこリーズナブルで非常に満足できる素材でした。
また、日帰りの山行でも2メートル四方のシートを休憩用として持って行っていますが、少々嵩張るもののこの大きさで重さは僅か240グラムと、まったく負担を感じません。

Msr_ml
(これは2メートル四方のシートを半分に折った状態)

現時点で気になる事としては・・・

①初めは厚い和紙のようでゴワゴワしていて、安っぽい感じ(何回か使ううちに少しずつ柔軟になります) 
②白い色はまさしく紙のようで頼りない印象(実際は両手でも引き裂けないくらい強いし、白はテントの中が明るく感じる) 
③いかにも建築材料といった自己主張なのか、表面に商品名がデカデカとプリントしてあり山道具としては多少の違和感あり 
④セルフインフレータブルマットを敷いた下の部分に多少結露が見られた(透湿性の為なのか?はてまたは防水性が良すぎるのか?或はたまたまなのか?)
⑤表面が滑る。特に新しい時はブルーシートと同等以上に滑ります

・・・と、問題点も無くは無いのですが、登山用として考えてもかなり機能性の高い素材であると感じました。
今後、タープやビビーサックなどを造ってみたいと、創作意欲をかき立てられずにはおられない素材です。

(参考)  メーカーの商品解説
デュポン®タイベック®はポリエチレン100%の不織布。「風や水分を通さず、水蒸気を通す」という性質があり、住宅の結露防止に高い効果を発揮します。そして壁体内の結露を防ぎ、構造材の寿命を大きくのばします。
ポリエチレン100%で出来ていますので、燃やしても有害ガスを発生せず、水と二酸化炭素に分解します。
アスファルトフェルトの約7分の1の軽さと約5倍の引裂強度を持ち、柔軟性にも優れ、縦、横、斜めと、どの方向にもカッターナイフで簡単に切ることができます。また、ガンタッカーなどの施工も楽に行えます。
アスファルトフェルトのおよそ1.4倍の防水性で、外部からの水の浸入を防ぎます。また、風を遮断する優れた防風性で、室内の冷暖房効率を高めます。
デュポン®タイベック®の透湿性は、アスファルトフェルトの約50倍以上。壁体内に浸入した室内の水蒸気を外側の通気層に通過させて結露を防止。断熱材を常に乾燥した状態に保ちます。
酸、アルカリなどの耐薬品性にも優れています。また、カビにくく、腐食することもありません。

(追伸)
edy555さん、こんな解説でご理解いただけましたでしょうか?

さて、知人に分けたりしましたが、まだ20メートル以上(?)余っています。
試しに使ってみたいと考えている物好きな方が複数いらっしゃる様でしたら“実費”程度でお分けしたいとも考えています。
この素材に興味のある方は先ずはコメント欄に書き込んでみてください。(書き込んでも管理者が許可するまではブログに反映されませんのでのでご安心ください)
ただし、お分けすることになった場合でも、公私多忙につき、統一サイズ(例えば、3メートル四方など・・・)に統一し、また迅速には対応できませんのでその点はご容赦ください。

【おことわり】在庫切れのため、タイベックシートの頒布は終了いたしました。

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テント・シェルター」カテゴリの記事

コメント

さっそくの詳しい解説ありがとうございます!海外で流行なんですね。
実は最近住宅建設に関わり、タイベックシートは見知ったところでした。北海道の住宅では断熱と結露しないことを両立するよう、いろいろ工夫しているようで、これがアウトドアウェアのレイヤリングの考え方に似た要素があって面白いなと思っていたところでした。
アウトドア的使い勝手はとても参考になりました。私も試してみたいので、つきあいのある工務店に交渉して少し分けてもらおうかと考えています。
理事長さんの一味違った情報を楽しみにしていますので、これからもよろしくお願いします!

投稿: edy555 | 2007年9月22日 (土) 00時47分

すばらしいブログですね。さすがです。EQUIPMENT~がなかなか更新されていなかったので心配しておりました。今年はBURTONのSUPERMODELが復活してますので乗ってみたいと考えるこのごろです。
ところでタイベックシート余っていたらお願いしたいのですが、どうすればよろしいでしょうか?BIBLERのTODTEXに似てるのでしょうかね。以前タイベックと同種のような建材を使ってみましたがかなり調子良かったもので興味あります。いつでも構いません。

投稿: AK4LIFE | 2007年10月 2日 (火) 14時41分

AK4LIFEさん、ご無沙汰しています。
ご指摘のようにウエブサイトの方は放置状態でスミマセン!
最近BCボード関連の老舗サイトが次々に閉鎖されていますが、私のサイトも同様にそろそろその役目を終えたのかもしれませんね。サイトに掲載された情報のうち役立ちそうな物はこのブログに移動して再掲載も考えていますので宜しくお願いします。
さて、Tyvekシートの件ですが、余っているので当方も喜んでお分けいたします。
用意ができましたらコメントの投稿に記載されたホットメールのアドレス宛ご連絡いたします。
3メートル四方を単位に統一したいのですがそれでよろしいでしょうか?また、これだと風袋込みで600グラム程になってしまいますが、安価な配送方法を検討しますので、送料込みでも2,500円以内となるはずです。(代金は到着してから振り込んでください)
しかし、あくまで建材ですから期待しないでくださいね!
ところでAK4…さん、現在のお住まいはアラスかではないですよね?

投稿: 理事長 | 2007年10月 2日 (火) 20時28分

こちらで購入したタイベックを、雲取山で使って来ました。
初テント泊がフロアレスという結構無謀な事をしましたが、問題ありませんでした。
頼りない位薄っぺらいんですが、手で裂けないほど強いのでびっくりしました。
裏側が結露していましたが、しょうがないですね。
防水性が高いという事でしょうか。
もっと使い込んで柔らかくしたいと思います。
良い買い物でした。

投稿: やすろう | 2007年10月29日 (月) 01時19分

数年前に、タイベック(DUPON)の60g/m^2を
友人から譲っていただき、ためしにハンモックを作りました。しわくちゃにするのが大変手間が掛かりましたが
3m*1.5mぐらいで切り出したものが、実用に使えました。80kgの人間が乗っても、大丈夫な強さです。
中心線に対して、斜めに身体を振ると、水平に近い
寝心地を得られてウオーターベッド並みの?
熟睡ができます。難点は下側の寒さ(爆笑)
  Tyvek布団干し袋とのコラボで何か作れないのか
思案中です。ビビィは、誰でも考えそうなのでボツ!


蛇足ですが
40g/m^2のタイベックで作ったハンモックでは
人は乗れませんでした(笑)
タープには使えますが、グランドシートには
雨水が通して来てダメでした!

投稿: JSB | 2009年6月29日 (月) 02時14分

JSBさん、まいどです。
・・・で、最近思うのですが、タイベックは過大評価されているような気がしますね。
例えば、フットプリントに使うなら良いのですが、直接グランドシートに使うとマットの下が結露します。
これは、素材の透湿性がかえって地面の湿気を呼び込んじゃってる感じで、このような場合は普通の防水素材のシートのほうが良いのかもしれません。
まあ、タイベックは単価が安いというのが最大のメリット・・・、というのが北米での定着した評価みたいですよ。
では!

投稿: 理事長 | 2009年6月29日 (月) 07時38分

UL仲間の一人、jotaroさんが製作販売サイトをオープン

LOCUS GEAR

Tyvekでも、ベンチレーターを追加してあります(笑)
フロアレスが基本展開のようです
お暇なときにでも、見てください

投稿: JSB | 2009年12月 3日 (木) 13時28分

こちらに顔だしたら Tyvekに  JSBサンのカキコがあったので。。

ホントそうですね Tyvekを直接グランドシートとしない方法に一票です! あれ突き刺しなんかに対してポリエチレンシートより強いですが防水に関しては それほど良くないです。 そこで 私は人間の加重ポイントだけの小さなTyvekを敷いて その上に大き目の0.06mmのポリエチレンシートを敷いて使っています。 この使い方凄くいいと思うんですけどね~~。 


ミシンですが欲しいの見つからないです。。
いっそ JUKIの工業用ばらして外付けモーター付けようかと・・・ どうなっちゃうんだろ~~~ 

投稿: vagabund | 2009年12月 3日 (木) 20時56分

JSBさん。
LOCUS GEAR さんのサイト拝見しました。
こんな個性的な道具を造る小さなメーカーが誕生したなんて楽しいかぎりですね!

Vagabundさん。
この記事はもう2年半も前のものなんですが、当初は物珍しさとアメリカ信仰からか、タイベックに過大評価を与えていた感がありますね。
今では多少冷静にこの素材を語れるようになりましたが、本来はアメリカでもタイベックは「安価な透湿防水素材」という位置づけだったんですから。
では!

投稿: 理事長 | 2009年12月 4日 (金) 08時24分

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