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2007年10月26日 (金)

“フロアレス・シェルター”の限界は?

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(HEX3の寒い時期の使用に関しての評価)



近年、北米を中心に一本のポールで立てるティピー型のモノポールシェルターあるいはフロアレスシェルターなどと呼ばれるテントが一定の評価を得ているようです。
ブームの火付け役はデイナデザインの“ヌックタック”あたりでしょうが、BDの“メガミッド”“メガライト”やGOLITEの“HEX 3”さらに、シェラデザインの“ORIGAMI”、マウンテンハードウェアーの“ KIVA LITE”、モンベルの“モノポールシェルター”などがこのタイプです。

Golitesugoroku

また、これらのタイプのテント(シェルター)には専用のフロアやモスキートネットのインナーがセットあるいはオプションとして設定されているものや、はじめからフロアレス専用と割り切っているものまで、外見は似ていてもその性格にはずいぶん幅があります。
しかし、私個人としてはせっかくの軽量なシェルターに重いインナーテントやフロアーを組み合わせるのだったら、最初から軽いテントを選べば良いわけですから、これらのフロアレスシェルターはあくまで単体で割り切った使い方をするのが筋だと考えています。
私の友人で“ヌックタック”を衝動買いしたのは良いが、重さとボリュームに閉口し、山ではまったく使用しなかったという例もありますから・・・。

さて、「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言う喩えは適切ではないかもしれませんが、アメリカで流行ると直ぐ猿真似をしたがるのが日本人(=私)ですから・・・、実は私もかなり早い時期に海外のウェブサイトで非常に評判の高かったGOLITEの“HEX 3”を衝動的に購入してしまったのです。
本体800グラム、タイベックのシートとペグを入れても1300グラム以下で納まりますから、2人用テントとしては異例に広い(上から吊って設営すれば楽々3人)にも係わらず、通常の2人用テントと比較しても最軽量の部類に入るでしょう。

しかし、実際に使用して感じたのは、北米大陸と我が国の気候や地形といった自然条件の違いや、アメリカ人と我々日本人のモノの考え方や感性の相違から、必ずしも海外の好評価がそのまま我が国の自然や登山形態に慣れ親しんだ登山者にも受け入れられるとは言い難いのでは・・・、という現実です。

私個人的には、沢ではタープだけでビバークすることもありますから夏を中心に使うのでしたらこのHEX3というフロアレスシェルターには非常に好感を持っている  (決してこの製品を買って損をしたとは思っていません)のですが、通常の登山者で普段フロアーと一体になったテントを使用していた方にとっては、悪条件になればなるほど、かなりの違和感を感じるであろう事は想像に難くありません。

そんなフロアレスシェルターですが、今回寒い時期に使用するとどんな感じなのか、体を張って(?)テストしてきました。
場所は、北アルプスの主稜線鞍部、標高2500m.超の某小屋テント場、時期は小屋閉め直前の十月中旬です。
当初、ICIのゴアライトXかアライテントのトレックライズを使用する予定でしたが、テストということで急遽HEX3に変更しました。
例年だと根雪の降り出す直前で、朝の気温が零度前後、テント内に置いた水筒の水までは凍らないが、霜柱が立ち、外の水溜りには薄氷が張ると言った気温、風はコンスタントに風速5メートル以上と、この時期としては晴天とはいえ結構厳しい環境でした。
シュラフは羽毛を380グラム使ったカモシカスポーツの“ヨセミテ”(強く推薦、しかし現在発売中止?)で、私は春・秋には、このお気に入りのジッパー無しの軽量シュラフを多用しています。

さて、テストの結果ですが・・・。
結論から言うと、熟睡はできました。しかし夏場は有難いと思っていた地面とシェルターの隙間から吹き込む風の寒いこと寒いこと!
調理でストーブを使用中は良いのですが、火の気が無くなると風の吹き込みで急激に温度が下がり、食後の酒盛りも隙間風が寒くてまったく盛り上がりませんでした。
『この時期に、このタイプのテントを使用する時は、1ランク上の防寒着も必要になる』と言うのが私のアドバイスです(率直に言えば、寒い時期は快適でないということですね!)。

Golitefrost
(早朝にはシェルター表面が霜で覆われていました・寒いはずです!)

また、今回のように一晩中風が強いと、あのパリパリ感のあるシルライトの幕体が常にバサバサと風に煽られて結構うるさいので、寝つきの悪い人はそれなりの覚悟が必要かもしれません。

最近は北米のバックパッカーの真似をして、尾根歩きでもビビイサックでのビバークをする方もいらっしゃるようですが、やはり四季の変化があり雨の多い我が国で、一般の登山用として、自立式で前室のあるダブルウォール・テントが圧倒的なシェアを占めているというのは、それなりの必然性があるからなのかもしれませんね。

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