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2008年3月

2008年3月26日 (水)

“ポジドライバー”って?

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


(以前のwebサイトの記事を再校した内容です)

欧米製のスノーボードビンディングの一部と、テレマークを含めたスキーのビンディングの取り付けや調節にに多く使われているビスの殆どは、直径とピッチはISO規格のであっても頭の十字溝の部分はポジ(POZI)ドライブ規格のビスです。わが国ではこのネジの規格は一般的ではありませんが、英国車などには古くから使用されていましたので外車のオーナーにはご存知の方も多いと思います。

  Pozitlt Poziblax
(写真はポジドライブビスを使用したDYNAFITのビンディングとBLAXのハードビンディング)

スキービンディングに使用されているビスは一見普通のプラスネジに見えますが実際は殆んど全てが我が国では特殊の部類に入る“PZ3”というポジドライブ規格のネジです。

Poziph
(左がポジドライブの♯3/右はフィリップスの♯3、違いが判りますか?)

まあ、普通の場合プラスドライバー(フィリップス)の3番で回る事は回りますので気付かないのですが、この融通性が曲者でトルクの掛かる締め付けをするとビスの頭をナメて潰してしまい取り外しの際にどうしようもなくなってしまう事も少なくありません。これは普通のフィリップス規格のビスがポジ規格のドライバーでは使用不可(奥まで入らないので適合しないと直感的に判る)なのに、反対にポジ規格のビスは普通のプラスドライバーでも何とか使用できてしまうという中途半端な片務互換性があるためですが、適正な工具使用という観点からは完全なルール違反と言わざるを得ません。

スキー量販店などでもビンディングの取り付けにポジドライバー(PZ・No.3)でなく普通のプラスドライバー(PH・№3)を使っている所があり、しかも電動工具に普通のプラス(PH・№3)のビットを組み合わせて使っているような場合はネジの頭を潰してくれと言っているような物ですから、こんなショップにビンディングの取り付けなど依頼する事自体が間違いといってもいいでしょう。

スノーボードのビンディングについては通常のプラス(フィリップ規格)ネジが使われている場合が多いのですが、ポジ規格のビスも一部で使用されています。特に欧州メーカーのハードビンディングには取り付けネジ以外に本体の調節用にもポジネジが使用されています。写真は私のBLAX(HEAD)のハードビンディングですがF2のハードビンも同様に、取り付けネジを含め全てのビスがポジ規格に統一されています。皆さんも一度ご自分の道具を点検して、ポジドライブネジを使用しているようなら適正なドライバーの入手を考えてはかがでしょうか?と、言うわけでこのポジドライブについて解説しようと思います。

 

【ポジ規格のメリット】

チョット見ただけでは区別ができないと思いますが、通常のプラスネジでは頭の十字形の溝に外広がりのテーパーがついており、当然それを回すドライバーも十字形断面の先端から根元にかけてネジと同じテーパー形状をしています。これと比較してポジ規格のネジの十字溝は表面から底までテーパーは無く平行な溝に作られており、これを回すドライバーも十字形の4枚の凸部の厚みが均等となっています。この形状のメリットですが、通常のプラスネジにプラスドライバーを使用した場合、先端を挿入しやすくする為に付けられたテーパーが災いして、カムアウト現象というドライバーが溝から外れようとする力が生じ、結果としてネジの頭をナメてしまうのです(スキーのビンディング取り付けネジを普通のプラスドライバー№3で回すのは、ポジ規格のビスを普通のプラスドライバーで回す事になりますから、点接触となりさらにこの傾向は強まります!!)。ポジ規格ではテーパーが無く回す側も回される側も平行ですからカムアウト現象は起きず、結果としてネジの頭をナメる事無くより強いトルクで締め付けができるのです。

【ポジ規格ネジの判別法】

ネジの頭を上から見てドライバーの先端が嵌まる十字形の溝だけが観察できるのが一般的なプラス(フィリップス規格)ネジ。これと比較して十字形の溝の間に45度の角度で放射状のケガキ線が4本刻まれているのがポジ規格のビスです。(この他にポジドライブと同じ英国のEIS社がパテントを持つ“スパドライブ”規格のネジもありますが、こちらはビスの頭に対角に2本のケガキ線がある事で見分けができます。

Pozibis
(左・フィリップス/右・ポジドライブ、4本のケガキ線に注意)

【ポジドライバー】

ポジ規格のビスを回すのはもちろんポジドライバーです。写真のように先端の4つのV字型の溝があるのが普通のプラスドライバー。V字溝の中央に小さな尾根状の出っ張りが観察でき4つの凸部が先端から均一な厚みになっているのがポジドライバーです。また、ドライバーの柄に、普通のプラス(フィリップス)ドライバーには№2とか№3、と表記されている場合があるように、ポジドライバーにも“PZ2”とか“PZ3”と表記されている事もあります。



Pozity
(ポジドライバーの先端を2方向から見たところ)

また、以前はスナップオン等の非常に高価な輸入工具を買うか、シアーズ等の海外通販を利用する以外入手が困難だったこのポジドライバーも、最近では市中の工具専門店でも入手できるようになりましたので(残念ながら普通のホームセンターにはまず無いでしょう)、特にテレマーカー・山スキーヤーやハードビンディングのボーダーなどポジドライブビスを使用の道具を御使用の方はポジドライバーの3番を1本持っていても絶対に損は無いはずです。

Pozi3
(ポジドライブの♯1・♯2・♯3、DYNAFITビンディングシステムのメンテには♯2・♯3が必要)

またこのポジドライバーの小型のビットは、BD社のツールセットなどには含まれていても、ホームセンターなどでは市販されていないようです。
そこで、私はパワーツール用のポジドライブ・ビットを短く切って他のドライバービットと同じ6.35ミリのハンドルに差し替えて使えるようにしてツアーに携行していますが、これはかなり便利です。

Poziset
(私のツアー用工具セット)

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2008年3月19日 (水)

ディアミールのヒールレバーに安全対策を!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

山スキー用のビンディングで最高のシェアを誇っているのは、依然としてフリッチの“ディアミール”のようです。
長いこと基本設計を変えず、マイナーチェンジの繰り返しで些か飽き飽きした感もありますが、使い勝手や開放機能の安定性、ランドーネブーツとアルペンスキーブーツの両方に使用できる融通性など、依然定番として売れ続けているのは、やはり総合的に優れた機械ということなのでしょう。
正しい例えかは判りませんが、これと言った特徴は無いのに圧倒的な信頼性を持っているHONDAのスーパーカブのエンジンのようなモノでしょうかね?

私は、最近の山スキーでは軽量なDYNAFITのTLTビンディングをメインに使用するようになりディアミールの出番は少なくなりましたが、ゲレンデや短いツアーなどでは今でもこの使い勝手の良いこのビンディングを多用しています。

さて、この定評ある“ディアミール”ですが、構造がシンプルなのは好ましいとはいえ、シンプルゆえの欠点も無いわけではありません。
私が考えるディアミールの一番の欠点は、歩行モードと滑降モードを切り替える為のレバーにロック機構が無いため、悪雪の滑降や不整雪面でスキーが暴れた時など、突然ヒールの固定が外れ歩行モードになってしまうことが稀にあるという事です。(一度はリフトの上で雪を落とそうと足をバタバタさせただけで何故か踵が開放されてしまいました!)

Dia1

幸いにして私はこの状態で転倒してもビンディングの破損に至った事はありませんが、私の知人はこれが原因でで新品のディアミールのヒンジ部分に致命的なダメージを与えてしまったそうです。
しかも代理店の某“T貿易”では、このヒールフリー状態での破損を新品でも保障対象から外しているとの事です。

そこで、私は以前からゲレンデでの滑降やツアーでの長い滑降の時は、念のため自作のストッパーを使用してヒールのレバーを固定することにしています。

Dia2

方法は画像(↑)を見ていただければ一目瞭然だと思います。
レバーが固定されれば何でも良いのですが、私は“リリースタイ”という配線などを束ねたりする樹脂のパーツとビニールチューブを組み合わせた物を使用しています。
ビニールチューブはやや細めな物をシリコン潤滑剤を使ってリリースタイに無理やり押し込みました。(画像・下右)

Diart1 Diart2
(当然ですが、一度締めてしまうと取り外せなくなるタイプでなく、着け外しが自由なタイプを買いましょう!)

レバーを固定しない時はこの“リリースタイ”をどこか適当な所に留めて置けば(画像↓)紛失する事もありません。

Dia3 Dia4

簡単ですから、ディアミールを使用している方には万が一を考えても是非お勧めしたいと思います。

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2008年3月11日 (火)

ロータリーブラシを買いました

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

山スキー屋の中には意外とスキーのメンテナンスやチューニングには無頓着な方が多いのですが、私は「滑るスキーに乗っていれば下手くそな自分でも少しは上手に滑れるだろう!?」と思って結構手まめにワックス掛けをしています。
しかしワックスを掛けるのはよいとして、山行の前にはしっかりスクレーピングしてブラシを掛け、ストラクチャーに残ったワックスを取り除いておかないと、ワックスの効果が発揮できないばかりか、シールの糊にも悪影響を与えてしまう恐れもありますから、丁寧に作業をするとなると結構手間隙のかかる作業です。

しかも、我が家ではカミさんのスキーから、ものぐさな2人の子供(とっくに成人してますが・・・)のスキーやボードまで、私がメンテナンスをすると言う暗黙の役割分担がいつの間にか出来上がってしまっているので冬場は結構大忙しです。

Bla3

そんなスキー・メンテナンスの負担を少しでも軽くする為、昨シーズン半ば突然ロータリーブラシを買おうと思い立ちました。
結構高価な買い物となりましたが、早速ハンドルとセットでナイロンの硬いブラシ〈仕上げ用〉と馬毛・ブラスのミックス〈下地用〉をセットで購入しました。(画像↑)

Bla2

使い心地は、と言うと・・・・「最高!!」と言いたくなるほど楽ですね。
スクレーパー・シャープナーでエッジを鋭角に研いだプラスチック・スクレーパーで滑走面の余分なワックスを削り取ってから、このロータリーブラシを使えば残ったワックスを取り除くのと同時に仕上げの磨きまで一気にできてしまいます。
画像はバッテリー式のドリルをハンドルに着けて使っているところですが、これでも十分使えるのですが、何セットも同時にメンテナンスする時には、延長コードを使ってAC電源で普通のドリルを使った方がパワフルで能率的に作業ができます。

Bla1

しかも、これで滑走面を仕上げたスキーは、私如きの低レベルのスキーヤーでもはっきり体感できるほど良く滑るのです。これには驚きました!

アマチュアでも、何セットもスキーやボードをメンテナンスしなければならない方は(長い目で見れば・・・)買って損は無いと思います。

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2008年3月 4日 (火)

絶対お奨め!“ブーツドライヤー”

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

これは数年前に私のホームページでもご紹介したものなのですが、私もかれこれ十年ほどの間にいくつか製作して大変重宝していますので、あらためてご紹介したいと思います。

Dry1

最近のランドーネブーツ(スキー兼用靴)のサーモインナーは足にもフィットするし保温性もあるので、すでに定番となっていますが、唯一の弱点はやや乾きにくいと言うことではないでしょうか。
しかも無理に乾燥させようとストーブの上に吊るしたりすると、下手をすると焼きが戻って再成型しなければならなくなる恐れだって無い訳ではありません。

そこで私は、熱風でなく常温の風をインナーの中に循環させてインナーを乾燥させるタイプのブーツドライヤーを自作して使っています。
温風でなく室温の風ですから、当初はその効果に過度に期待しないで製作したのですが・・・実際に使ってみると予想をはるかに上回る効果があり、以後山行の後には必ず使用するようになりました。
熱を加えませんので、一晩送風したまま放置したとしてもインナーブーツに悪影響を与える恐れが全く無いのも大きな長所です。

パーツはご覧の通りで、秋葉原のジャンク屋で100円くらいで売っている小型の軸流ファン2個とあり合せのホースをタイラップで繋ぎ合わせただけで完成です。
あとは誰の家にでもある使わなくなったACアダプターがあれば、即作動します。

Dry2

私の場合は定格DC24Vのファンを12ボルトのACアダプターで駆動させるという形式にしました。
これは12Vのファンを定格の電圧で作動させると風量は多くて良いのですが、かなり音が煩いので、敢えて定格以下の 電圧で駆動することにしたしたのです。
私の場合、たまたまジャンク屋でただ同然で売っていたのが24ボルト用だったので数個まとめ買いをしただけの話で、12Vのファンを6ボルトで動かしたり、5Vのファンを直列でつないだりと、条件に合わせていろいろな工夫ができると思います。

Dry3

また画像には写っていませんが、シガーライタープラグを使用すると車内でも使用ができますが、この場合はやはり24Vのファンを探して使用したほうが良いでしょうね。
車内の後部座席でもヒーターとエアコンを効かせれば3時間くらいでかなり乾燥させることができます。
また、当たり前の話ですが湿ったグローブなども暖房の効いた部屋ならあっという間に乾かすことができますので、小さな子供をスキー場に連れて行くときにも重宝しますよ。

何かの機会に安い軸流ファンのジャンクを見つけたら、是非この簡単な工作にチャレンジすることをお奨めします。

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