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2008年10月26日 (日)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆
(あくまでも自己責任で!!)


私はここ二十数年程、山スキーのビンディングは家族の分も含めて総て自分で取り付けています。

Dyna3
(最近お気に入りの“Dynafit-TLT”の取り付けは少々手強い)

しかし、最近は製造物責任の問題もあってか、メーカーも販売店も、オーナー自らがビンディングを取り付けるのを嫌う傾向があります。
そのせいか、以前はフリッチ・ディアミールジルブレッタディナフイットなどの山スキー用ビンディングには、紙製やステッカー状のテンプレート(簡易ゲージ)が必ず付属していたものですが、現在テンプレートの付属しているビンディングは販売絶対量が極めて少ないため、販売店が専用のメタルジグを持つメリットの無いMARKERのデューク位なものでしょう。(NAXOはまだ付いてるのかな?)
これも、ビンディングの取り付けを困難にして、オーナー自身による取り付けを減らそう、というメーカーの意図によるものです。

Dpg
(上からディアミール・Dynafitの自作ポリゲージ、下は以前のTLTに付属していていた紙ゲージ)

「ビンディングの取り付けは有資格の専門家以外できない」などと知ったかぶりのアドバイスをする無知な方もいるようですが、私は二十年以上自分で(メタルジグを使用せず)取り付けをしていて一度のトラブルも在りません。
だいたい、私は、2~3時間講習を受けただけで貰えるメーカー公認資格などという空証文を信じるほど素直な人間ではないのです。

北米などでは山スキーヤーやテレマーカーの三人に一人は自分で取り付けを行っている事を考えれば、この作業がアマチュアにも可能であることをご理解いただけると思います。
また、不安ならスキーに取り付ける前に、2×4材等で寸法出しを兼ねた予備実験をしておけばブッツケ本番の不安も解消するでしょう。

Dynabd
(私は付け替えも含め十数組のDynafit取り付けを経験しましたが失敗はゼロです!)

確かにズブの素人が取り付けるのは問題があるかとも思いますが、メーカーの講習会を受けて一応資格を持っている方でもずいぶんいい加減な奴もいますし、私などはかえって自分の自己責任で取り付けたほうが安心するのです。

現在は違うと思いますが、私が三十数年前に神○の某スキー用品店で取り付けのアルバイトをしていた経験では、ショップとはいえ当時は安心して取り付けを任せられるという感じではありませんでした。(敢えて詳細は記載はしませんが、私も反省しています!)

さて、今回は取り付けに独特のコツやノウハウを要するDYNAFITのTLTビンディングを例に、実際の取り付けを解説しようとと思います。(もちろん通常のビンディングの取り付けにも応用が可能です!)

さあ、始めましょう!


①取り付けゲージの用意

まず、簡易テンプレート(紙ゲージ)が有る場合はそれを用意して指定のようにカットし、注意深くセンターラインを記入してください。

Dpg1
(センターラインを記入した紙ゲージを貼ったところ)

無い場合は、ビンディングをコピー機の上に置き等倍のコピーを取り、ビス穴の中心に印を付け、同じくセンターラインを引いておいてください。


②取り付け位置の決定

次にスキーへの取り付け位置を決定しなければなりません。

通常はスキーのトップシートやサイドウォールにブーツセンターのマークがありますのでそれを目安にすればOKですが、フリースタイル用のツインチップスキー等には“Core Center(True Center)”のマークや“Freestyle/ FreeRide“または”Traditional(Standard)/Modern”などの2本のマーク、あるいはCoreCenterを基準にした目盛りなどがプリントされていたり紛らわしいものも多いのですが、山スキーでしたら“Traditional(standard)”のマークか、線が2~3本あったとしたら線のうち一番後ろ(テール)側をセンターにしておけば大きな誤りにはならないでしょう。

Dmark1
(K2のフリースタイル・スキーには目盛がプリントされていてわかり易い)

“Core (true)Center”のマークがある板の場合、飛んだり回ったり手摺を滑ったりする方はこのマークか、あるいはここから2~3cmセットバックした範囲にブーツセンターを合わせればいいのですが、通常の滑走やパウダー滑降の場合は、“Core (true)Center”から5cm~9cm位後ろにブーツセンターを持ってくるのが普通です。
ですから、通常は大体のスキーに上記の範囲の位置に通常滑降用のブーツセンターを表すマークが有るはずです。

ツインチップスキー等で、どうしても取り付け位置が前過ぎるように感じて不安なら次の方法でチェックしてみましょう。
2枚の板をソール合わせにしてトップとテールの接雪点をマークして、さらにその2分の1の所にセンターマークを付けておきます。(このマークがほぼコアセンターとなります)
そして、そのセンターマークの位置に自分の足の拇指球を置いた状態で足の全長の1/2に当たる所でスキーにマークをしてみてください。
通常はこの足の中心の位置から1~3センチ位テールよりに通常滑降時のブーツセンター位置がプリントされているはずですから、先ほど自分で付けた足の中心のマークより大幅に前で無い限りそのプリントされたマークのセンター位置を目安に取り付けて良いと思います。

最近のロッカータイプのソール形状(いわゆる海老反り?スキー)はホント悩みますが、そんな時はメーカー推奨位置に自分の滑り(飛んだり回ったりするかしないか?orパウダー主体かハードパック&ジブか?)を考慮して位置決めをするしかありません。

(テレマークの場合、滑る方の個性によってかなり取り付け位置の好みも前後しますが、埋め込みのインビスで移動可能な場合は、とりあえずこのアルペン用のブーツセンター付近で試してみて、「トップが突っ込むようなら少し後ろ・・・」といった感じで適正位置を見出す事も可能でしょう)

スキーの形状によってメーカーの指定するブーツセンターは前後しますので何とも言えないのですが、一般的に女性など小さな足の場合はコアセンター(板の物理的中心)とブーツセンターの距離は短く、逆に大きな足の場合は長くなるということも頭に入れて微調整するのも良いでしょう。(一般的に女性は骨格の違いもあり、ウィメンズモデル以外の板では、センターマークよりも1センチ前をセンターにしたほうが良いと言われています)
スキー操作の理想は、板のコアセンター(=中心)に拇指球で加重する事だ、と考えれば、足の大きさとコアセンターやブーツセンターの相関関係も理解できると思います。(実際のスキー操作では、拇指球より後ろの位置でスキーに加重することが多いので、ブーツセンターマークはやや後ろ目に付けられていますが・・・)


③板厚の確認

ブーツセンターが決まったら、、ビンディングを大体の位置に置いて見ます。
そして、ビスの入る部分のスキー板の厚さをノギスで測りましょう。(画像↓)

Datusa

次にビンディングのビス穴にビスを入れてみて、ビスの先端が何ミリとび出すか測り、先程調べたスキー板の厚さと比較してみましょう。(画像↓)

Ddeps

この差が少なくても3ミリ以上無い場合は、ドリリングもシビアになりますし、ビスを締めたときにスキーのソールを押し出して突起を作って作ってしまいますので、稀ですがビスが長すぎる場合は1~2ミリカットしなければならない場合も出てきます。

短いスキーのテール側、特にディアミールのテールピースなどは板が薄くなっている場所に取り付けなければならない場合が多いのでビスの長さには要注意です。(短い板の中にはディアミールのMサイズだと取り付け位置が後ろ過ぎ、ビスの長さ以前に強度的に取り付け困難な場合もあります)
また、最近のファットスキー等は、幅は広くてもその分板厚の薄いものもあるので、この作業に慎重を期しておかないと後で泣きが入るかもしれませんヨ。

(以下、続く)

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山スキー・バックカントリー」カテゴリの記事

コメント

お世話になります
以前ビンディングの取り付けのアドバイスをいただき、先日取り付けを致しました。
物はDUKE13+アルマダTSTなのですが、管理人さんのTLT取り付け記事を再度熟読し、おかげさまで上手くいきました!?。
専用の4.1×9.5ビットを用意していましたが、スキーの指定ドリルが3.5/4.1と記載があり、迷いましたがフォームコアで金属が入っていない事もプレドリルで解りましたので、3.5×9.5を本穴としました。
後は、ビスを少しもみ突起した分だけカッターで削除、あえて余り皿もみをせずに、アドバイスいただいた「ボンドE」をいれ、本締めしました。(フォーム材との相性は解らず・・・)
フォームコアのためトルクのかけ具合が不安でしたが、最終的には全てのビスが締切れた手応えはありました。
こちらのブログが無ければとてもチャレンジ出来ませんでした。
有り難うございました。

投稿: katsu | 2012年1月26日 (木) 13時23分

katsu さん、無事取り付け終了おめでとうございます。

DUKEだとシートゲージが付属するのでビスの位置決めの苦労はありませんが、失敗すると痛い組み合わせですから、Katsu さんの勇気を称えたいと思います。(笑)
あと、蛇足ですがDUKEはブレーキを固定するビスが弱点なので要注意です。

では今後ともよろしく!!

投稿: 理事長 | 2012年1月26日 (木) 14時09分

お世話になります。
先日、上手くいったとコメしたばかりのバロン13とアルマダTSTの取り付けですが、恥ずかしいのですが、ビンディングのセンターばかりに気がいき、締切った手応えはありつつも、僅かにスキーとビンディングに隙間?浮きがあります。
凄く迷っているのですが、エポキシも入れて硬化2日目ということもあり、一度はずして再度閉め直すか?
僅かな隙間という事で目をつぶるか・・・
これがメタルの入ったスキーなら迷わず外しますが、何しろトップシートでしか止まっていないフォームスキーなので、大変判断に困っています。
稚拙なミスで恐縮なのですが、何かアドバイス願えたら助かります。

投稿: Katsu | 2012年1月27日 (金) 17時33分

Katsu さん、毎度です。
ビンディングによっては樹脂製ベースの成型の関係でシッカリ取り付けても浮いたような感じになることもありますので、たぶん、そのままでだいじょうぶだと思います。
しかし・・・、エポキシも冬で2日目だったらビスを取外してもOKだと思いますので、気になるのなら思い切って再取り付けしても良いんじゃないでしょうか。
ポジドライバーならトルクが掛けやすいので一気に弛めて取り外し、穴の面取り・バリ取りをやり直してから再取り付けをしてみてください。
では!

投稿: 理事長 | 2012年1月27日 (金) 20時17分

ありがとうございます。
コメントいただけると少し安心できます。
この週末、滑ってストレスを一度与えてから
再度外して閉め直すか考えます。
その際は、もう一度エポキシを入れた方が良いですかね?
何しろ、あの頼りないフォーム材に何度もトルクをかけるのは気が引けるものですから・・・・。
たびたびお答えいただきありがとうございました。

投稿: katsu | 2012年1月27日 (金) 21時50分

こちらのページのおかげで atomic blog+dynafit speed の取付が出来ました。ありがとうございました。

投稿: 田中 | 2012年4月23日 (月) 05時57分

田中さん、取り付け成功おめでとうございます。
この記事も4年近く前の記事だと思いますが、今でも皆さんのお役にたっていることを嬉しく思います。
では、今後とも『山道具道楽』をよろしく!

投稿: 理事長 | 2012年4月23日 (月) 09時58分

はじめまして、dynafit speedを購入し、Merkerから自分で付け替えようと考えています。少しずつ作業しているのですが、ビンディングの取り付け位置に関して教えていただけないでしょうか?
スキー板にはセンターマークと前方へ+3、後方へ-2の表記があるのですが、少しの変更でどれ程の違いが出るのでしょうか? 操作性も大きく変わるのでしょうか? よろしくお願いします。

投稿: yo | 2014年10月21日 (火) 09時20分

“yo”さん、はじめまして!
この記事は6年も前のものですが、基本はあまり変わっていませんから安心して参考にしてください。
さて、ブーツの位置ですが、ジブなんかをやる方はスキーのコアセンターとブーツのセンターを合わせちゃってる方もいるようですが、これだとビンが前過ぎてパウダーでは浮かなくなっちゃうでしょう。(ただしパウダーでも派手に回ったりしたいしたい人はフルロッカーの板でかなり前に付けている人もいます)
山スキーでは、自分の拇指球が板のコアセンターに乗る位置、あるいはそれより少し後ろ位が普通でしょう。
また、ビンが前過ぎると足を上げた時テールが下がってキックターンがやり難くなります。
では、健闘を祈ります!

投稿: 理事長 | 2014年10月21日 (火) 10時15分

初めまして。オークションで落札した山スキー板(168cmのswallow bc-platinum)のビンディング(tyrolia aaambition
)がスキーセンターについていたので、今シーズン中に山スキー用にバックさせたいと思っています。大いに参考にさせていただき、結果報告します。インビス化も考えてますが、直付けとどちらがいいでしょうか?

投稿: 山スキー初心者 | 2015年12月15日 (火) 17時43分

“山スキー初心者”さん、はじめまして。
この記事は7年以上も前のものですが、基本は変わっていないので参考にしても大丈夫だと思います。
頑張ってD.I.Y.に挑戦してください。
それから、私は頻繁にビンディングを載せ替えるような使い方をする場合以外は、インビスの埋め込みは不要だと考えています。
加工の精度も必要ですし、強度や重量増などを考えると、普通に使う場合のメリットはあまり無いんじゃないかと思いますよ。

投稿: 理事長 | 2015年12月16日 (水) 08時25分

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