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2008年10月 9日 (木)

“山屋”なら“ツェルト”でいきましょう!②

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(自立式のテントのほうが快適で設営も簡単ですが・・・)


Zelt3  

【“山屋”なら“ツェルト”でいきましょう!①】からの続きです。

石井スポーツの“ゴアライト ツェルト”はかなりの優れものなのですが、基本はあくまで緊急用のツェルトですから、軽量テントとして使用するとなると当然のように不足する機能も多々あります。

まず、トレッキングポールや流木をポール代わりに使用して簡単・確実に設営できるようなパーツを作ってみました。
ナイロンテープをクロスさせて縫い(画像↓㊧)、2ミリのダイニーマロープと組み合わせ、トレッキングポールのグリップや流木の末端に被せるだけでしっかり張り綱を固定できるようにしました(画像↓㊥)。
このパーツはツェルトだけでなく、シェルターやタープの設営にも便利ですから皆さんも作ってみてがいかがでしょうか?

さらに、テントのリッジに直接張り綱のテンションがかからない様なシステムとしました(画像↓㊨)。
また、張り綱は総てΦ2mmのダイニーマロープにして軽量化を図りました。(詳細は画像をご覧ください)

Misinn1  Zelt_2  Zelt

また、ツェルトは非常時に被れるように、結んだ紐を解くと底がフルオープンするようになっていますがこれではテントとして使用する場合問題がありますので、後半の部分の底をミシンで縫ってしまいました。

次にベンチレターにモスキートネットを取り付けることにました。
ネットの素材は激安バーゲンで購入したキャンプ用の蚊帳です。
画像のようにネットを円筒状に縫い、ベンチレターの巾着部分にミシンで縫い付けました。
ネット自体も細引きで巾着状に絞れるようにして、ネットが不要なときは完全に開放することも可能なようにしましてあります(画像↓)。

Zelt_1

実際に使用した結果ですが・・・、このツェルトのベンチレター自体が構造的に垂れ下がってしまうため元々換気効率が非常に悪いのに、さらにネットを取り付けたためネットを閉じてしまうと換気が頗る悪くなりました。
まだまだ工夫が必要のようですが、現在のところ本体の巾着部分1周にラケットのガットを通して円筒形状を維持させ、上部で吊って通気性を確保できるようにしようと考えています。

さて、ツェルトといえばはかなり古典的な山道具の典型かもしれませんが、工夫次第ではテントと同様に快適ですし、現代でも立派に通用する、快適な先鋭的ウルトラライトアイテムとして復活する可能性もゼロではないかもしれませんよ・・・?


※(わが国では緊急用の簡易テントをツェルトと呼び習わしていますが、ドイツ語で単に"Zelt"と言うと普通のテントという意味になってしまうそうで、この種の製品は正しくはツェルトザック(Zeltsack)と言わなければならないそうです・・・)


〈余談ですが・・・『熊さん対策』〉

最近、山野井さんの事件もあってか、登山における『熊』対策について話題となっていますが、この件についての私見を述べてみたいと思います。

結論から言うと、『熊』をあなどってはならないということです。

伝聞や過去の経験から、高を括っったり妙な自信を持っている方も多いようですが、私達の性格に個性があるのと同様『人も色々・熊も色々』だと考えたほうが良さそうです。『“熊”とはこういうものだ』とステロタイプ化するのは明らかに危険な誤りだと思うのです。

まずは“福岡大学ワンダーフォーゲル部の日高における事故”をクリックしてご一読ください。(その他、検索すればこの事故についての記述は多いと思いますし、古いですがサンケベツの惨劇の記録なども、合わせてご覧ください)
福岡大の事故は私が大学山岳部現役在籍中の事件で、当時大変ショックを受けたことを今でも鮮明に覚えています。
これらをご覧なれば私が冒頭に述べた結論にご納得いただけると思います。

「熊に鉈で立ち向かって命拾いした」話も実話なのでしょうが、熊と間合いを詰めた勝負をしても、まず勝ち目はありません。ヒグマだけでなく月の輪熊でもです。
以前お話しを伺った鉄砲撃ちの方の表現では熊の前足の攻撃は、「バットの先に漬物石を縛りつけて、それに手鉤を5本縛り付けて、それでフルスイングで殴られるような・・・」だそうです。

(まあ、鉄砲撃ちの方の多くは(?)話の相手が若造や素人だと見切ると突然ミュンヒハウゼン男爵と化し、脚色過多の武勇伝や、「お前だけに教えてやるが・・・」系の楽しい話をたくさん聞かせてくれます。しかし、これらの話はあまり参考にしないほうが身のためです。彼らは30-06ライフルやスラッグ弾専用銃などという民生用では我が国で最も強力な武器を携えているから強がりも言えるのでしょうが、私たちは丸腰なんですから・・・。)

また牙での噛付き攻撃の方も猛烈そうです。
関東の美渓ナルミズ沢の入渓路にある、宝川温泉・汪泉閣は人気の温泉宿です。
この温泉には月の輪熊が数頭飼われており、温泉客は檻を挟んで熊と至近距離で対面し、餌を投げ入れることができます。
そして、桃の収穫時期になると落果した出荷できない桃を熊に与えられるよう檻の脇に置いてあるのですが・・・、桃を投げ入れたとたん、彼らは桃に喰らい付き、あの硬い桃の種をまるで麩菓子のようにバリバリと何も無かった様に噛み砕いて丸ごと飲み込んでしまうのです。月の輪熊ですらこんな感じです、北海道のヒグマだったらたぶん人間の頭の骨など簡単に噛み砕いてしまうでしょうね。
よい温泉ですし、日帰り入浴もできますので山の帰りにでも寄って、熊と至近距離で向き合い餌をやるのも良い経験だと思います。(山の帰りに汗を流すには高額ですが・・・)
平湯の熊牧場(画像↓)なんかよりよっぽどリアルな熊体験ができますよ。オススメです!

Kumabokuzyou

さて、「熊に鉈一丁で勝てた」などというのは事実であっても、それは「熊は自分の胸元まで手が届かないから、いざとなったら抱きついてナガサで一突き・・・」、などという机上論と同じで、偶然生き残った方の幸運なレアケースだと思います。だって、熊に襲われた老人が夢中で突き出した手が熊の咽まで入り、呼吸ができなくなった熊が堪らず退散した、という実話があるからといって、何時でも都合よく手を伸ばした先に熊が口を空けて待っていてくれるとは限りませんよね。

これらの話は、熊スプレーなど無かった昔や、熊スプレーを携行しない圧倒的多数の山仕事の方の武勇伝であって、もし、熊と対峙して鉈を抜いて身構える時間と間合いが有るなら、熊スプレーを使用した方が熊の攻撃を中断させるのに圧倒的に有効だと思います。

また、熊スプレーの残留液に興味を示し舐める熊が居るという話ですが、これはスプレーの効果が無いということではありません。スプレーは熊の目と敏感な鼻の粘膜に強烈な痛みを与え攻撃を止めさせるのです。
熊スプレーの主成分は唐辛子のカプサシンですが・・・、人間だってウドンや蕎麦には唐辛子をかけて美味しく頂きますが、唐辛子を目に擦り込んだり鼻から吸い込むのが好きな馬鹿はいませんよね。

また、「向かい風だとスプレーの効果に・・・」という問題ですが、これは確かに噴射した人間の方にもかなりの影響があるかもしれません。いや、かなりあるでしょう。
私も一度有効期限切れの熊スプレーを捨てるため、河原の葦原で全量噴射してみたことがあります。
その経験では、名前こそスプレーと言っていますが、実際には霧ではなく“勢いの強い水鉄砲”と言った感じで5メートル以上飛び、いわゆる殺虫剤のスプレーのように霧状に拡散したり風で流れたりと言う感じではありませんでした。(もちろん風下に向けましたが、それでも『これは強烈に凄いな!』と熊に同情したくなった程ですから、携行や保管には工夫が必要です
向かい風だと人間もかなり辛い思いをするかもしれませんが、熊に殺られるよりはましだと思うしかないでしょう。

そこで、私は沢にノコギリは持って行っても、熊と戦えるような大型の刃物は持って行きません。
その代わり、熊との遭遇が予想される沢には、北米のグリズリー王国の住人に『ベアアタックの90パーセントを阻止できる・・・』と控えめ(?)にその効能を認められている“熊スプレー”をホルスターに入れて持参しています。(正直な話、多くの場合ザックの雨蓋の中にある場合が多く、一昨年葛根田川で熊に遇った時もかなり慌てました。反省!!)

もちろん、出会い頭の遭遇では何が起きるかわかりませんが、距離があったら敵意が無い事を示し(どうやってだ?)熊スプレーの安全ピンを外しながら、ゆっくり後退するしかないでしょう。
嘘だか本当だか知りませんが、熊は100メートルを7秒台で走るそうですから、攻撃する意思のある熊だったら走って逃げたって結果は明らかですよね。

いずれにしろ、突然向かってこられても勝ち目はありませんので、そうならない為に私はヤバそうなエリアでは熊鈴(沢だったらガチャ)で常時金属音を立て、時々奇声を発したりホイッスルを吹いたりして、相手(熊)にこちらの存在を認識させ、熊に遠ざかってもらうようにしています。

また、沢での野営の場合も、焚火などで煙や臭いを立てたり、ラジオを鳴らしたりして人間の存在を知ってもらうようにしています。
仮に野営地が特定の熊のテリトリーで、しかも熊の巡回路の近くであれば、如何に上手に気配を消したつもりでいても、彼らには遠くからでも人間の存在が判ってしまうそうです。
私のは、彼らが気が付くより早めにこちらから気が付かせてあげて、それで退散してくれるであろう大半の熊に近寄らないでもらおうと言う作戦ですね。

だけど・・・、逆にそれが自分のテリトリーへの侵入者を排除したいと感じる熊や、その食料に興味を持ってしまう性格の熊だったら・・・逆効果ですかね?。
まあ、テントの周りまで近づいて来たら・・・。熊スプレーを構えて大声を上げながら退散してくれるのを待ちつつ、震えながら成り行きを見守るしかないでしょう(涙)。

最後まで読ませてからでは申し訳ないのですが・・・。こんな雑文を読むより“ココ” (盛岡のOUTBACKさんのサイト)をご覧になった方が為にになりますので是非ご一読ください。

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コメント

http://www.th21.jp/bbs/jsbjsb/thumbnail/jsbjsb_1257295856.jpg?052517
ベンチレーター
台所の三角コーナーの微細アミで超軽量のメッシュ袋を
バグネットとして、試しに使っています。良く伸びて
フィットしています

輪の補強
縫い目の筒状のところへシリコンチューブを
一回り突き通して代用しています。これは
ガスストーブの燃料パイプと共用する皮算用からです

シングルツエルト
足元部分に結露対策と換気の意味で、このアミを取り付けて
実験しています。奥琵琶湖キャンプでは、さほど湿気が発生せず、11度でした。
換気の効果は確認できませんでした。水辺とか里山では
樹林などのためか、蚊が多くバグネットは欠かせません
人一倍、刺される性分なのかも(苦笑)


投稿: JSB | 2008年10月15日 (水) 20時13分

JSBさんようこそ。
私のバグネット用の素材は、バーゲンでただ同然で買った細目のキャンプ用の蚊帳です。また、タープ部がベトベトになって使用不能のMSRトレッカーテントのメッシュインナーがありますので当分素材には不自由しそうもありません。
また、ベンチレター部の縁を円形に張りを持たせるためにはシリコンチューブも好いかも知れませんね。
私はもう少し硬くて軽い素材としてラケットのガットか、ウレタン製の細径エアホースなんかが良いと思っています。
では今後ともよろしく!

投稿: 理事長 | 2008年10月15日 (水) 21時54分

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