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2008年10月 2日 (木)

“マイクロマックスUL”のウインドシールド(超軽・改良型)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★★☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★★☆☆☆
(改造は自己責任で!)


先にスノーピークの“マイクロマックスUL”のチタン製ウインドシールド作製の記事を書きましたが、今回その改良型を作りましたのでご紹介します。

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(1号機㊧、と改良型の2号機㊨・縁の部分の高さに注目)

前回のウインドシールドは、丈夫な造りではありましたが、軽いとはいえストーブ本体よりも重くなってしまいましたし、また縁の部分が高すぎて大き過ぎるクッカーだと炎の逃げ場が塞がってしまうという問題もありました。

今回はその問題を総てクリアーしたウインドシールドを目指して設計に取り組んでみました。
まず、軽量化のために取り付け部の四角い1mm厚チタンプレートを省略しストーブ直付けとし、縁の高さも低くカットすることにしました。
素材は既製品のチタンクッカーの蓋ですから、こちらが希望する高さに調節するためにはどうしてもカットせざるを得ないのですが、問題は縁をカットした切断面をどうするかということです。
素材となったクッカーの蓋の縁はプレスでカールさせてありますが、素人ではとてもそんな加工はできませんし、かと言って0.4ミリの薄板の切りっ放しでは強度的に弱く簡単に変形してしまいそうです。
そこで、板金加工で縁を幅4ミリ程内側に折り返し二重にする事にしました。

理屈は簡単ですが、板金などやったことがない素人がいきなり難加工材のチタンを相手にするのはかなり無謀な試みであることは確かです。
しかし、乗りかかった舟ですからアマチュアの特権「駄目で元々」精神でチャレンジすることとなりました。

まず希望する縁の高さに折り返し代の幅を加えた高さに一周をカットします。
次に、全体を熱して焼き戻しを行い、折込む高さに加工した自作の当て金を内側に当てて外側からプラスチックハンマーで叩いて折り筋を入れ、徐々に全周を内側に折り込んでいくのですが・・・そこは、やはり素人の悲しさで、注意して作業してもどうしても直線にはならず苦労しました。

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とはいえ、折り返した部分を金床と板金ハンマーでイジメて馴染ませたら不細工とはいえ何とか縁の部分の強度は出たようです(画像↑)。
また、判っていたことではありますが、加工に際しバーナーで焼き戻しをしたら、全体がチタン特有の焼け変色を起こしました。

(チタンの焼けはサンドペーパーで擦ったぐらいでは簡単に落ちません。どなたか簡単にチタンの焼けを取る方法をご存知でしたら教えてください)


後は、前回同様サークルカッターでストーブのゴトクに刻んだスリットと組み合わさる円形の穴をあければ完成です。
テストした限りでは(外観を除けば!)理想的なウインドシールドだと太鼓判を押せるほどの性能だと思います。
そして、重量も34gと前作の約半分となりましたから、この世界最軽量のストーブのパートナーとしては最適ではないでしょうか。

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戸外でストーブを使う場合、ウインドシールドの有無が沸騰時間に大きな差をつけます。
かと言ってストーブ全体を覆う折りたたみ式やMSRのようなアルミホイル製のものは重く嵩張りますし、手軽ではありません。
その点このタイプの物は、セッティングも簡単でありながら十分な効果が得られますから、省エネの観点からも是非お勧めしたい改造だと思います。

(なお、現在更なる改良型が完成していますので、追ってご紹介します)


(余談ですが・・・)

このストーブにも“ウルトラライト”という名称が冠されていますが、私も最近のウルトラライト・ブームにはかなり毒されているようで・・・、「ウルトラライト」とか「クラス最軽量」などというキャッチコピーに、ほいほい乗せられてしまいます。(まぁ、以前からチタンだとかカーボンなどという言葉に弱かったのですが・・・)

しかし、最近つい衝動買いしてしまった(使用頻度の低いであろう)軽量山道具を前に、ふと考えたことがあります。
それは、私の登山にとってウルトラライトという方向性は、はたしてどのような意味を持つのか?ということです。

私の場合は、年齢からくる体力の低下やあちこちガタの来た骨格をカバーする、というのが主目的なのかもしれませんが、同時に自身が反省しているのは、装備の進化に甘えて“担げる躰”を維持するトレーニングを怠っているのではないかという事です。
沢などで装備を省略できず、必要に迫られて重荷を背負わなくてはならなかった時、特ににこれを感じてしまうのです。歳なのだからしょうがない、とも思うのですが・・・。

そもそも、“ウルトラライト(=「超」のつく程の軽量化)”とは長期山行やロングトレイルを“無補給”“ノー・デポ”で歩き通す必要から、「その目的のためなら、寝る・食うは多少不自由でも我慢しよう・・・」というところがルーツであって、「ただ、楽をしよう・・・」ではなかった筈です。
そんな気概を持ってロングトレイルに挑戦する人のバックパックは、旅の前半には食料や燃料でパンパンに膨れ、ウルトラライトどころか、肩にズッシリ負荷を掛けているはずです。

また、通常は3日以上掛かるようなコースを1昼夜で駆け抜けるようなトレラン的登山を志すアスリートにとっての“ウルトラライト”とは、限界まで身体を鍛えあげたた上で、更なる高みを目指すための残された唯一の選択肢としてのそれなのでしょう。

つまり、“超”軽量化の前提として、それは『己の目的を実現する手段であって・それ自体が目的ではない』という事を忘れてはならないと思うのです。

私もこのブログの記事では、「○×gの軽量化!」などと大騒ぎし、『軽量道具自慢』を発信している張本人なので大きな口はたたけないのですが、本音を言えば、私はこのウルトラライト志向自体が自己目的化してしまうと、私自身の中で、山登りという遊びが本来の楽しみ(食う・寝る・遊ぶ)を失ってしまうのでは・・・とも、危惧しているのです。

さらに、冗談半ばで極論すれば、1~2泊の山行にウルトラライトな装備を駆使するのは、5.9のラインをボルトラダーで攀るような行為に等しいかもしれないのです。

逆説的ではありますが・・・軽量化でロングトレイル踏破を目指す、真のウルトラライト志向のバックパッカーは、寧ろ普通の山行ではザックに石でも詰めて足腰を鍛えるのが本筋なのかも知れませんよ~。

な~んちゃって!
肩の凝る精神論は「閑話休題」。

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