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2008年11月20日 (木)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

(あくまでも自己責任で!!)


(“DYNAFIT”ビンディングを自分で取り付けよう②、からの続きです)

⑦ドリルで穴をあける

ポンチマークを付けた位置に、メーカー指定のある場合はその指定に従ったドリル径と深さで穴をあけます。
私の場合はパイロットドリル(Φ2.5mm)で下穴をあけてから、Φ3.5(~3.8)mmの穴をあけます。
深さは通常8~10mm程ですが、始めに測っておいたビンディング底面からビスが何ミリ突き出していたかを考慮し、薄い板の場合は特に穴の深さに注意しましょう。

薄いスキー板に取り付ける場合は穴の深さに注意するのははもちろんですが、ビスも短いもの(ジュニアビンディング用の物など)を用意するか、ビスの先端を1~3mm位カットする必要があります。

私はパイロットドリルでコアの材質や硬さ、メタルやビンディング取り付け部の補強などを推測しドリルの直径やタップを使用するかを決めます。
はじめから軽くタップを立てるつもりなら、どんなタイプの板でもドリルはΦ3.5mm1本でOKです。

Dillp  Drills
(㊧パイロットドリルと、㊨ストッパー付きドリル)

垂直になるように慎重に穴をあけます。ボール盤を使ってもビンディングのセンターが微妙にズレる事もありますので普通のドリルでかまいません。(これは後述の木ネジの特性も参照してください)


⑧穴の面取りをします


ビスを捻じ込むと穴の縁が盛り上がって、このままではビンディングが浮いてしまいますので、予め面取りカッター(大径ドリルでも代用可)で穴の周囲を沈めます。(必要ならここでタップを軽く立てますがメタルの無い場合は通常タッピングしないほうが良いと思います)

Men  Tap1
(面取りカッター㊧と、タップ作業㊨)

私の場合この次の段階で、総ての穴に一度ビスを3山ほど捻じ込んでから取り外し、この作業で盛り上がった穴の周囲をカッターで削り取っています。自分で取り付けをするメリットは、ここまで丁寧な作業ができるということです。(画像↓)

Bis  Men2


⑨トーピースを取り付けます

ドリル穴の中に木工ボンド(私はエポキシ系接着剤を使いますが、プロショップなどでは取り扱いの簡単な木工ボンドと同一素材の接着剤が一般的です)を少々流し込み、爪楊枝などで塗り広げておきます。

(TLTのトーピースでは樹脂製のベースにビスが初めから捻じ込まれていますが、これはデリバリー時のビスの紛失を避けるため非常にキツい穴になっています。
後でビスを締める時に障害となりますので、一度ビスを取り外しΦ5.5mmのドリルで穴を拡げておくことをお勧めします)


ドリルの穴にビンディングの位置を合わせ、5本のビスを必ずポジドライバー(PZ3)を使って軽く最後まで締め込みます。
後の縦センター合わせ作業がありますので、この段階ではまだ強い力では締め込まず9割程度の力加減止めておいてください。
また、アマチュアはパワーツールを使わず、必ずドライバーで手締めをしてください。

Tpst_2 


⑩ブーツの縦センターを合わせます

まず、ブーツのヒールの中心にダーマトグラフ等でマークを付けておきます。

Hmark
(白いのがダーマトグラフのマーク、金具の黒い線はビスの緩み識別用に付けた線)

次に使用するTLT専用のランドーネブーツをトーピースのピンにセットします。
この状態でスキーのセンターラインと、ブーツヒールのセンターマークが合っているか確認しましょう。
正確に合っていればこのままビスを均等に増し締めをすれば作業完了ですが・・・、実際には3回中に2回以上はセンターが僅かに左右にずれてしまう筈です。

Hline
(この程度だったら許容範囲かギリギリのところ?だが、これをさらに修正する)

センターがずれたままだと正常にヒールピースが解放してくれなかったり、極端な場合はステップインにも支障が出るかもしれません。

しかし、これはメーカー純正のメタルゲージを使用し、ビス穴が正確に明いていても、紙ゲージを使ったのとほぼ同様の確率で、必ずおきる現象なのです。
理由は、木ネジ特有の大きなピッチ角に起因するもので、真っ直ぐ入っていくように見えるビスも実は擂動運動といって、頭を振りながら入っていくからなのですが・・・、小難しい理論は省略します。(正垂直にタップを立てればかなり補正できるはずですが、完全には無くせないでしょう・・・)


さて、センターがずれていたら、⑨で締めこんだビスを前端の1本以外、締め込み切った状態から半回転戻してください。

まずは、前端のビスをある程度強く締めておき、これを基準にして他の4本のビスを何回かトライして合わせる方法を初めに試します。

さあ、ビスを1本ずつ順番に締めてみましょう。(順番というのは「ビスA」を締めたら、次は「ビスA」をまた半回転緩めて、今度は「ビスB」というように、5本中締まっているのは常に1本という事を意味します/面倒でもその都度ブーツを脱着しながらチェックすると完璧です)
そして、5本中一番ずれたビスから自分の頭の中で番号を付け、どちら側にずれたかも覚えておいてください。そして、一番ずれなかったビスから順番にずれた向きなどを考えながら強く締めこんで行けば、センターはかなりの確立でジャストになるはずです。

それでもずれるようなら、前端のビスも半回転緩め、全てのビスを順番に基準点にしてみたり、ネジを締める順番や、どのネジが左右どちらにずれたかを推理しながら、何回か締めたり緩めたりしてセンターを合わせなければなりませんので結構面倒ですが、落ち着いて作業すれば結果は出るはずです。

どうしてもセンターが出ないか、面倒な作業はこれ以上したくないようなら、ビスを全て半回転緩めた状態でブーツを取り付け、ロックレバーを上げてからブーツのヒールを無理矢理センターに合わせる側に強く圧しながら、前述の細径に加工したポジドライバービットで前3本のビスを締め付け、ブーツを外してから後ろ2本のビスを締めるといった力技などを使えば何とかなると思います。

以上は私の経験から申し上げる方法で、必ずしもベストな方法ではないかもしれませんが、専門店でもほぼ同様かそれ以下の方法しか行っていないはずです。
しかし、この一連の作業は Dynafit-TLT ビンディング取り付け作業の成否を決める工程ですから、慎重かつ根気良くセンターを合わせてください。

さて、上手くセンターが出たら、次はヒールピースの取り付けと調整です。

(以下、次回「最終回」に続く・・・)

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コメント

こんにちは、Dynafit営業してるものです。
久々に、こちらのサイト覗かせていただきました。
TLTビンディングの取り付けマニュアル、おみごとの一言です。
今年からTLTを扱う店も多く、取り付けに関する説明も日々多くなってきてます。
これからは、たった一言「このサイトを見てください」と言っておきます。

投稿: 雪豹 | 2008年12月 2日 (火) 17時42分

雪豹さんお久しぶりです。
シーズンインでお忙しそうですね。

で・・・、私流のTLTビンディング取り付け法は、メタルジグを持っていないアマチュアが、失敗せずに取り付けられる方法という前提で書いていますので、ショップの方にはあまり参考にならないかもしれませんよ。
ただし、センター合わせの方法や、前端のビス用ドライバーなどは私の試行錯誤の結果でもありますから多少は役に立つかもしれませんね。

私も、DYNAFITファンとして今後もお世話になると思いますので、よろしくお願いたします。

投稿: 理事長 | 2008年12月 2日 (火) 20時39分

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