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2008年12月

2008年12月18日 (木)

ULパックを重く改造?

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(パック自体でなく補強についての評価です)


ウルトラライト装備の基本となるのが超軽バックパックです。
道具道楽の私としては、やはりULパックが気になって、3~4年ほど?前にGOLITEのDAWNという超軽量パックを買ってみました。

Gl1
(GOLITEのDAWN)

しかし、実際に使用してみるとシルナイロンの極薄素材は私の感覚としては、あまりにも華奢すぎると感じました。
特に角のある装備を詰めた時、岩などに擦れると簡単に穴が開いてしまうのでは?という不安が先に立ってしまいます。そこで防水バッグのインナーと二重にしたり、生地と装備の間にエンソライトマットを挟んだりしたのですが、これでは本来のULの意味が無くなってしまうような気がして、結局あまり使用しませんでした。

その後、もう少し生地の丈夫なULパックが無いかと探していた時、目に付いたのが同じくGOLITEの丈夫なダイニーマグリッドリップストップ生地を使ったJAM2という製品です。
『先代のJAMpackと比較して、容量は大きくなったのに軽くなったのは好いが、全体に雑な造りになった』という事前情報もあったのですが・・・。
このパックは背中の部分に薄いマットが内蔵されているため、半身用マット使用時の足載せにもつかえそうだ・・・、と関係の無い理由で自分を納得させ、結局購入することになりました。

Gl7
(丈夫な生地のJAM2)

購入して実際に手にとって見ると、細部はやはり以前のこの会社の製品より手抜きが感じられます。
下の画像(↓)はDAWNのトップストラップの取り付け状態ですが、ご覧のように裏に力布を当ててしっかりと補強されていますが、新製品のはずのJAM2ではこのような配慮は一切されていませんでした。

Gl2   Gl3
(以前のモデルのストラップは補強され、順方向に力が掛かるように造られている)

特に、トップストラップやアックスホルダー・サイドコンプレッションストラップ等、力が掛かる部分で当然バータック補強があってしかるべき部分にそれが無いのです。(後期ロットの製品には全ての部分に補強が入ったとの事ですが、初期設計の段階でこれらの箇所にバータックを入れないというのは明らかに手抜きでしょう)

しかも、トップストラップは前後両側とも、力が掛かると、逆に引き千切る方向に引っ張られる意味不明な設計となっています。

私の使い方では、まずここから壊れそうなので、裏から力布(テープ)を当て補強縫いをしてかなり頑丈にミシンを掛けました。

Gl5   Gl4
(私の下手くそな縫製で、補強テープの裏側には盛大に鳥の巣ができてしまいました・・・)

ついでに、アックスストラップ等、補強の無い全ての場所(なんと合計14箇所)に補強縫いを入れておきました。
今回は底に近い部分を縫うのに便利な工業用腕ミシンを使い、8番糸で往復縫いをしましたが、大型の家庭用ミシンでしたら、振幅・送り共小さく設定したジグザグを往復させるバータック縫いを掛ければ私の物よりも綺麗に仕上がると思います。
私は裁縫は上手ではありませんから、画像で分かるように仕上がりはお粗末なものですが、とりあえず強度だけは出ています。念のため、ほつれ止め“ピケ”を塗っておきました。

Gl6
(往復縫いで補強した状態)

さて、これだけやっても、このパックは数グラムは重くなっただけです・・・。
“UL”も良いのですが、メーカーさんにはユーザーにこんな事をさせなくても、必要な所には初めから必要な耐久力を持たせた製品造りをしてもらいたいですよね。

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2008年12月11日 (木)

“Dynafit-TLT”ビンディングを自分で取り付けよう④(最終回!)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆

(あくまでも自己責任で!!)


(「“DYNAFIT”ビンディングを自分で取り付けよう」の最終回です。正直な話“DYNAFIT-TLT”は非常に独創的な製品・・・言い換えればとても癖のある製品ですから、誰にでも無条件でお勧めできる道具だとは思ってはいません。しかし、そんな癖や我侭さもこの製品の魅力なのです。)

⑪ヒールピースの位置決めをします。

作業前に、ヒールピース・ハウジングの回転軸となっている太いアルミ製のポストが調節範囲の前後中央に位置しているか確認し、中央でなかったら後端ビスをPZ3のドライバーで回して調節しておきます。この確認作業はビンディングの新規取り付けより付け替え作業の時に重要です。

まず、トーピースにブーツを取り付け、ヒールピースのピンをブーツ後端の金具の部分に挿入します。

(ビンディングの底面を実物コピーして作ったモノをゲージとして使う場合には、付属のクリアランスゲージ(シム)をブーツとヒールピースの間に挟み、その状態でヒールピース後端の位置を板にマークしておきましょう)

G1  G2
(クリアランスゲージ㊧は画像で判りやすいように旧モデルを使用、現在は銀色)

上からビス穴を覗いて、最初に付けたビス穴のポンチマークと前後2~3mm以内の位置の誤差でしたら(TLT-comfort やTLT vertical の場合は後で調節ができますから)そのままで良いので、靴を外して再度同じ位置に強くポンチを打ちます。

この段階で初めのポンチマークから大きく位置がずれるようでしたら、その場所に新たにポンチを打ち直しましょう。

(また、ビンディングの底面を実物コピーして作ったモノをゲージとして使う場合には、先ほど板に付けたヒールピースの後端マークとコピーの後端センターラインで自作紙ゲージの位置決めをしポンチを打ってください)

なお、同じDynafit でも“Low tech”や“Race”など、後で調節のできない機種を自分で取り付ける場合は特に正確かつ慎重にこの作業を行ってください。


⑫ヒールピースを取り付けます。


トーピースと同様、ドリリングからビスの締め込みまで一連の作業でを行います。
ヒールピースのセンタリング作業はトーピースほどシビアではないのですが、ブーツをトーピースにセットした状態でセンターが合うように、4本のビスを締めこむ順番を変えてみたり、プラハンマーで横から軽く叩いてみたりしてトライしてください。(トーピースの縦センターをバッチリ合わせてもヒールピースの微妙な曲がりでセンターがずれる事もありますのでここで油断しないように!)

また、最後にビスを本締めする際にはベース部分からヒールピース・ハウジングを取り外しておいた方が、ブラインドができずビスの締め込み作業が楽になります。(画像↓)

Heelbis

(重要!)
ビスを締めるときは、両手でドライバーを握り、満身の力で強く締めこんではいけません!
かえって強度を損なうばかりか、ねじ山を舐めてしまって取り返しのつかないことになる恐れもあります。


私の場合(握力60kg位?)は、片手の4本の指と親指を軽く合わせてドライバーの柄を握り、その状態で片手で強く締めこむ、と言った感じで締めています。
(ドリル穴周囲のの面取りを丁寧にやっておくか、予めビスを締めこむことよって盛り上がったビス穴周囲のバリ(?)を丁寧に削っておけば、この程度の力でもビンディング底面とスキーのトップシートが浮いてしまうことは無いはずです)

Imgp3075
(私はこんな感じでドライバーを握り、片手で目一杯締めこむ)

最後にブーツを取り付け、ブーツヒールの金具部部がヒールピースのピンの中心に正確にステップインできる位置になっているか確認します。
これまでの作業の各段階を丁寧に進めているなら、ここで再度調整する必要は無いと思います。

さて、最終チェックが終わったら、接着剤が固まるまで1日以上この状態で放って置きましょう。


⑬最終微調節をします。


ブーツをビンディングに取り付けて、付属のクリアランスゲージ(シム)をブーツとヒールピースの間に挟み、ヒールピース後端のPZ3のビスを回して微調節をします。

新品の板に取り付けた場合は、何度か板を強くあおっただけでクリアランスが変わることがありますので、気休めかもしれませんが私は取り付け作業の前にあらかじめ体重を掛けて何度も板を強くあおっておきます。

あとは、トーピースにリーシュコードを取り付け、各自の解放値にセットすればれば完成です。
お疲れ様でした!


⑭その他 

新品の板だと1日滑るだけでクリアランスが大きく変わることもありますので、最初は小まめに点検と調節を行いましょう。

ヒールピースとブーツの間のクリアランスは狭いほうがしっかり固定されそうな印象をお持ちかもしれませんが、あまり狭いと板に荷重がかかって逆ベンドした時、ヒールピースによってブーツが前方に押され、その前圧でトーピースが誤解放してしまい危険ですし、解放値も設定より高めの強さとなってしまうので要注意です。

Dynafit-TLT ビンディングは、ブーツの縦センター合わせという独特の工程があって手間はかかりますが、落ち着いて作業を行えば特別困難というほどの作業では有りません。
また、自分のスキーですから、ショップで取り付けるより手間と時間を掛けて丁寧に取り付けを行うことができるのも大きなメリットです。

(この一連の記事では、TLTビンディングに慣れない方でも絶対失敗しないよう工程を細分化してありますが、慣れてくれば幾つかの工程は省略が可能です)


ディアミールやテレマークビンディングでしたらもっと容易に取り付け作業ができますので、皆さんも一度、自宅で取り付け作業を行ってはいかがでしょうか。
ご不明な点があれば、必要な助言は惜しみませんので遠慮なくご質問ください。

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2008年12月 4日 (木)

JETBOIL With パイトーチ(チタン仕様)

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


前回、JETBOIL の パイトーチバージョンの試作をご紹介しました。
この試作品は0.5mm厚のチタン板の手持ちが無くなったため、ステンレスで作ってみましたが(画像↓)、この結果何とか実用品として満足できる能力を持っていることがわかりました。

Pt1

その後、チタン板が入手できましたので最終形態としての実用モデルを製作してみました。

(入手できたのが200×300mmの0.5mm厚でしたので、ワンピース構造では作れず、今回も2ピース構造となりましたが、2ピース構造の方が周囲長の微調節ができて工作は容易です)

Pj1  Pj2
(チタン製の改良型㊨と、JTBOILにセットした状態㊧)

実用版、ということでプレスの突起でコンパニオンカップと連結する構造は同様ですが、細部は少し凝ったモノにしてみました。

JETBOILのコンパニオンカップ内に収納するためには、どうしても結合部を着脱できる構造にしなければなりません。
前回の試作では端面を折り返して組み合わせる構造としましたが、今回は画像のようにアルミ製のノブとキーホールシェイプの穴(画像↓)を結合させる形式を採ってみました。

Pjkh

アルミ製のノブ(画像↓)は2017アルミを卓上旋盤で削り出し、中心に3㎜のタップを立てチタン板の裏側からトラスビスで留める構造としました。
当初はリベット状に裏側から潰してカシメようとしましたが、意外と力が掛かる場所のため、耐久性に問題が出そうだったのでビス留めに変更したのです。

Pjnob

組み立ては、マッシュルーム形状のノブの頭を大きな穴に通し、横にスライドさせるとガッチリ結合されます。(画像↓)

Pjb

能力については試作品と同じですが、500CC の水を短時間で完全に沸騰することができ、登山用としても十分な能力を持ったアルコールストーブとなりました。
また、風にもかなり強いようで、風の強い戸外でも実用になりそうです。

前回も述べましたが、パイトーチに標準付属のバーナー部の栓は役に立ちませんので、持ち運びの時には市販のゴム栓をタンク部に詰めておけばアルコールが漏れることも無く、安全に持ち運ぶことが可能です。(タンク開口部端面にバリのある時は耐水ペーパーで平滑に仕上げておくと良い)

Pjin2  Pjin
(結合部を外し直系を小さくすると、パイトーチ一式と一括してカップ内に収納できる) 


(おまけ)
今回、今まで使っていた黒いゴム栓の代わりに、耐薬品性の高いシリコンゴム製の栓を使ってみましたが・・・。
シリコンゴムは耐アルコール性が高いはずなのですが、ずっと栓をしたままにしていたら先端部が白く変色してしまいました。(画像↓㊨)

Pjp   Pjgom

素材自体は膨潤していないので実用上は問題は無いと思うのですが・・・何故なのでしょう?
気になる方は、はじめから白色シリコン製のゴム栓を使ったほうが良いかも知れません。

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