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2009年1月18日 (日)

“逆反り板”レビュー/ボード編(K2・GYRATOR)

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


近年、フリーライディング・スキーの世界では板のファット化が進行し、パウダー・ライディング以外は不可能といってもいいような形状の板まで普通に(?)市販されるようになりました。

一方、スノーボードはと言うと、もともと構造的にパウダー・ライディングに適している事もあって、古くからパウダーガンといった深雪専用の板も存在しましたし、普通のボードでも少々セットバックを多めに取れば中級者でも容易に深雪に突っ込んで行くことも可能な潜在能力を持っています。

私も以前パウダーガンを購入しましたが、思いのほか出番が少なく、現在山で滑る時にはグルーミングバーンも卆無くこなすBURTONの“FISH”(画像↓)がメインになっています。

Fish

“FISH”は、全長を抑えながら、ワイドなノーズと大めのデフォルト・セットバックで深雪での浮力とテールの抜けを向上させつつ、通常のサイドカーブとアーチベンドで圧雪面での滑走性を確保した名機だと思います。

さて、このようにパウダーボードとはいえ、“GENTEM”などの一部のボードを除いてはソールにコンケーブしたアーチ状のキャンバー(アーチベンド)を設け、加重時の均等面圧と有効エッジ長を確保しているのが普通です。
しかし、昨シーズンだったか(?)、K2から、“GYRATOR”(画像↓)というソールがコンベックス状に逆反りのカーブを描いた画期的なネガティブ・キャンバーのボードが発売されたのです。

Gyrator
(アウトラインは通常のボードと変わらないが・・・)

スキー板では 、パウダー対策として長大なトップベンドを設けたロッカー構造とか、ネガティブ・キャンバーは古くから試みられていたのですが、スノーボードにおいては本来的に深雪に強いという性質のためか、ソール形状までも逆反りにしたモノを市販しようという発想は出にくかったのかもしれません。
敢えて“GYRATOR”を世に出したK2開発スタッフの遊び心には喝采を送りたいですね。

Gyrator2
(2枚合わせるとビンディング位置からロッカーが始まる異常なキャンバーが確認できる)

さて、ボードのソールを船底型に反らせすればパウダーで浮くのは当然のことですが、その反面エッジの有効接雪長は両足の間隔だけと極端に短くなり、アイスバーンやスキー場のグルーミングバーンでは全くコントロール不能になってしまいそうです。

気になります・・・。乗ってみたいです・・・。確かめたいです・・・。

で、買っちゃいました!
訳あって(画像↓)1日しか乗っていませんし、今シーズンはもう乗れませんが、結構お勧めなので(チョコットですが・・・)乗った印象を報告いたします。

Bone1

はっきり言って、浮きます。絶対的な浮力というのか、今まで絶望的だった深雪の緩斜面でも何とか止まらずに浮き上がって走ってくれます。
また、私程度の(≒下手糞)技術でも、先行者が喰い荒らしたトラックだらけのパウダー斜面でも溝に引っ掛からず、自由に縦横に滑ることが可能でした。

一番気になったグルーミングバーンでのエッジホールドですが・・・。
案の定、エッジの押さえは効きにくく、全般に少々不安定なことは確かです。
しかし、想像していたほどダメと言う訳ではなく、圧雪面ではエッジを起ててターンしている限り、この逆反りを意識させる挙動の不安定さはあまり感じませんでした。
これはよい意味で予想外で、ガリガリの人工雪やナイターだと(多分)楽しめないと思いますが、通常の圧雪されたゲレンデでしたらそれほどの違和感を感じず楽しめそうな感じです。

また、パウダーボードというと、つい長めの168を買ってしまいそうになりますが、そこはチョット我慢して158か162くらいのサイズを選べばショートターンでもテールの抜けが良さそうでツリーランも快適そうですから、“山ボード”用としても合格点を付けられるでしょう。

と、言うわけで、安くはない板ですが「どうしても深雪を楽に滑りたくて・・・」、また「“FISH”を持っていなくて」、さらに「お財布に余裕がある」なら、買って損のない、十分楽しませてくれる板だと思います。


“逆反り板”レビュー/スキー編(K2・HELLBENT)も近く公開予定・・・!。

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コメント

お久しぶりです。おーやってしまいましたね。1シーズン棒に振るのは残念ですね。くれぐれもお大事に!
ところでK2 Gyratorですが、私は去年から09モデルを乗っていますが、はっきり言って最高です。パウダーは勿論、グルーミングバーンやアイスバーン、さらにコブでもガンガン行けます。慣れは必要ですがFISHやMALOLOとなんら遜色無くゲレンデバーンを楽しめると思います。しかもセットバックいらずでパウダーフリースタイルも楽しいですよ!文句無く軽い!ツリーやヴァルディーズなどの急斜面パウダーは勿論楽しいですが、なんと言っても超悪雪に対する滑走性の良さは未だかつてないでしょう。わたしは158cmを乗っていますが、やはり深雪での初動時にやはりノーズの短さを感じるというくらいしか文句はありません。K2CINCH CTXと組み合わせると最高です。この板はすばらしいですよ。LIBのT/RICE BANANA HAMMOCKもパウダーでは面白いですけど、、、あれはハードパックでは自殺行為です。とにかくリバースキャンバー万歳でしょうね。友人の話ではスキーもK2 PONTOONは楽しいらしいですよ。では、お大事に。

投稿: AK4LIFE | 2009年1月21日 (水) 12時41分

AK4LIFEさん、お久しぶりです。
私は現在「寝たきり老人」状態で落ち込んでいます。
Gyratorは思ったよりも汎用性がありそうで、これから楽しもうと思っていた矢先に・・・スキーで怪我しちゃいました。

Gyratorは悪雪にも強いんですか?それも試したかったなあ・・・。(涙!)

今回は貴重なレビューありがとうございました。
今後ともよろしく!

(追伸)このブログでは、投稿されても管理者が許可するまで表示に反映されない仕組みになっています.

投稿: 理事長 | 2009年1月21日 (水) 17時27分

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