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2009年4月 6日 (月)

“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策③

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

「“Dynafit-TLT/Comfort”の破損(欠陥?)対策②」からの続きです。

一連の記事で、“Dynafit-TLT/Comfort”ベースプレートに問題があり、破損の危険性のあるものが存在し、その臨時対策としてトーピース本体とベースプレートの間にワッシャーを追加するという手段を採ったものがあることは先に述べたとおりです。
しかし、前回の記事についても、私の一ユーザーとしての限定的な認識と推量の範囲で述べたものであり、すべての年式の状態やマイナーチェンジの時期などを詳細に把握している訳ではありません。

“Dynafit-TLT”ユーザーの方で追加・訂正すべき情報をお持ちの方がいましたら是非コメントいただきたいと思います。

●さて、今回はまず問題のあるベースプレートにワッシャーを追加した対策の有無を外見で判断する方法をご紹介します。

比較するために、私の所有する“Dynafit-TLT/Comfort”の3パターン「①最終型のVerticalと同じベースプレートのもの」「②欠陥ベースプレートのもの」「③欠陥ベースプレートにワッシャーで臨時対応したもの」を比較のために1枚の板にビスで取り付けてみました。(画像↓)

3item

まずは、②の未対策欠陥ベースプレートの画像です。(画像↓)

Pu_nw

次に、③の欠陥ベースプレートにワッシャーで臨時対応したものです。(画像↓)

Up_ww

お判りでしょうか?では、両者を横からの画像で見てみましょう。(画像↓)

Up_nw2  Up_ww2

上の左側の画像は「②の欠陥ベースプレートのみのもの」、右側は「③の欠陥ベースプレートにワッシャーで臨時対応したもの」です
(しかし、この対応ではトーピース金属シャーシー部分の先端が上側に反ってしまうことになるので、やはり正しい対応とは言い難い)


②のものを見るとトーピースの金属シャーシー部前端とベースプレートの面が同じ高さで一致しています。
一方、③のものはベースプレートの面からワッシャーの分だけ金属部分が浮き上がっているのが画像でも判ると思います。
このように、お使いの“TLT/Comfort”をご覧になって金属と樹脂製のベースプレートの面が揃っていなかったら、ワッシャーで対応したものだと判断して構わないでしょう。

また、ここで使用するワッシャーは一般の規格より穴の直径に対し外径が小さいもの(画像↓)を使用しないとベースプレートの凹部の幅に収まらないので、当時の代理店ないし指示を受けた販売店サイドで適当なものの手持ちが無い場合、外径の大きいワッシャーの両側をカットして場当たり対応をしたケースもあるため個体差もありますが、樹脂の面から金属部が概ね1mm程浮いて段差があったらワッシャーがあると考えられます。

Wa3

●ではこの僅か1ミリが実用上でどのような影響を及ぼすのでしょうか?
ブーツ無しで①②③のビンディングのトーピースを閉じた状態が次の画像です。

Nv  Nnw2  Nww3

画像が不鮮明ですみませんが、いずれもほぼ同じ力でレバーを起こした状態です。
㊧の「①最新のもの」と、㊥の「②未対策品」はレバーのギザギザとベースプレートの凸部が「カチカチッ」と接触しながら引き代を残しでレバーが止まりますが、㊨の「③ワッシャーを追加して対策したもの」はレバーがベースプレートに接触することなく最後まで起こし切ることができ、その状態でもベースプレートの突起とレバー下部の間には間隔が残ります。

下の画像はワッシャーを追加した対策品ですが、ベースプレートの凸部とレバー下部の間に間隔があるのが判るでしょうか?右側の写真のようにレバーを起こし切っても二つ折りの葉書が十分挟まるくらいの間隙があります。

Nww2  Nww4


●また、下の画像は上述の①②③のパターンの製品にブーツをセットした状態です。(ブーツ無しの状態よりレバーが若干押し下げられた状態で固定されます)

Bv  Bnw  Bww

画像の㊧㊥㊨が、それぞれ①②③のパターンに対応しています。
ブーツをセットしてレバーを起こしてみましたが、㊧の正常品を基準にすると、㊥の未対策品は正常品と同程度の力で最初のギザギザに乗りました。(それ以上起こすと破損につながるのでこの実験ではあまり強い力をかけませんでした)
それに対し㊨のワッシャーで対策したものでは、正常品より弱い力で同程度までレバーを起こすことができ、その後もより少ない抵抗で最後までレバーを起こし切れました。

つまり、未対策品では、この状態から更に強い力でレバーを起こそうとすると、カム様の作用でレバーが補強の無いベースプレート上面を押し下げ撓めてしまうわけです。
しかも全体が均等に撓めばよいのに、縦の補強リブ下部がスキーの表面で固定されているため、ここを支点としてレバーで押される部分との境(画像↓㊧のドライバーで指した凹角部分)に鋭角に折れ曲げようとする応力が加わってしまうのです。

Bp_ura4  Bp_ura3
(㊧レバーに押される部分の裏に補強が無い、㊨は正常品)

そして、この状態の繰り返しと、歩行モードでブーツから伝わるレバーを下に押そうとする強い力が、形状と素材に問題のあるベースプレートの応力集中部分に素材疲労を進行させるのでしょう。
(特にDynafit全般で、05年製造あたりから外見的にも樹脂部品の品質が低下しているような感じで、以前の“Tour Lite-TECH”や“初代 Comfort”と比較すると素人でも品質の差を感じます・・・生産国を変えたか、環境を考慮してリサイクル素材にでもしたのでしょうか?)

“山滑兎”さんの破損状態(画像↓)を見ても、このリブとの接線と取り付けビス部で板に固定されている部分との両境界で、応力の集中する部分から破壊が始まっているのが見て取れます。

177aadc24a823f5386121cca9124d7081_2

以上から導き出される結論は、問題のあるプレートも外形寸法上は正常な現行品と全く同様でTLTビンディングの基本設計に準じたものであり、そのプレートが1~2シーズンで破損するということは、明らかに所要の強度を得るための内部構造(補強)の不備と、素材の選択ミスだと言う以外にありません

●さて、以上の上記の要領でチェックして、自分のLTT/Comfortが不幸にして問題ありとなった場合ですが・・・。
代理店にクレームをつけるのも一つの方法ですが・・・、弱小代理店(失礼!)に無理を言うのも自作マニアの「“漢”が廃る・・・(オトコガスタル)」と、いうことで、とりあえずユーザーが採れる対処策について考えてみましょう。

(余談ですが・・・、樹脂のプレートぐらい安い物なんだから、メーカーも欠陥品と認めて全品リコールをかけ、パーツ交換に応じれば良いじゃないか・・・とお思いかもしれませんし、本来それが正しい対応なのでしょう・・・、しかし、いろいろ大人の事情?、があって・・・そのためこの程度の欠陥では、実際に破損事故が起こった場合のみ、クレームごとの個別対応にせざるを得ないのでしょうね・・・。“TLT/Tri-step”の時はDYNAFIT本社も全品リコールを公示したようなので、特に不誠実なメーカーというわけではないと思いますが・・・

(以下、次回に続く・・・)

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