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2009年6月30日 (火)

“HEX 3”の便利技「新・三角張り」とは?①

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


ご要望におこたえし・・・
『“HEX 3( ≒ Shangri-La 3)”ネタをもう一つ!』

GOITEの“HEX 3( ≒ Shangri-La 3)”は軽量コンパクトながら快適な居住空間を持ち、しかも抜群の耐風性を誇る優れたシェルターです。(山岳用テントとして抜群に優れているという意味ではありませんが・・・)

また、“HEX 3”はオプションのフロアーやネスト(蚊帳付きフロアー)を併用することも可能ですが、これらのオプションは何れも重く、使用時の快適性は得られても、このシェルター本来の“軽量コンパクト”というメリットはかなりスポイルされてしまいます。
私も“HEX 3”が生産終了になるという話を聞き、「買うなら今しかない!」と慌ててフロアーのみ購入してしまいましたが、重たいし嵩張るし・・・で、実戦では使用していません。

Hexw1  Hexw2
(画像のようにフロアー㊨の重さは実測でも本体㊧とあまり変わらない・尚、本体重量は後付けループ等含む)

やはり、“HEX 3”はあくまでキャノピーのみ!フロアレスで使うというのが“UL 正統派?”としての正しい作法だと思います。

Golitesugoroku

さて、この“HEX 3”の設営についてですが、オプションのネストやフロアーを併用する場合はそれをテンプレートにして底面を正確な六角形に張れるのですが、単体の場合にはきちんと正六角形にペグダウンするのに少々の経験を要します。

実際の山岳地帯では、地形の凹凸や埋まった石などで打ちたい位置にペグが打てなかったりするのが普通ですから、必要に応じてアジャスターを伸ばしたり細引きと石を使用したりと臨機応変な対応が必要ですが、基本は底面をなるべく正確な正6角形にして、均等なテンションで張ることです。
形良く張れていれば風でのバタつきも少なくなりますし耐風性も高まるはずです。


まあ、ぶっちゃけた話をすれば二人以上の人数で作業するなら、目見当でアバウトに形を整えて広げてペグを打ち、張ってからアジャスターで調整すれば全く問題なく使用できるのですが・・・。
しかし、ヘソ曲がりな私としては、“HEX 3”を単体で、しかも一人だけでなるべく正確な六角形に張り上げる術は無いものかと考え、机上および実地での試行錯誤を繰り返した結果、最善と思われる(?)方法に辿り着いたのです。


原理は「1つの角を共有する相似の正三角形」の応用という単純なものです。
“HEX 3”の底面の形態は、概ね半径150cmの円に内接する、1辺150cmの正6角形です。
また、この正6角形の6つの頂点のうち1つおきの3点を結ぶ正3角形(半径150cmの円に内接する正3角形)の1辺の長さを計算すると、sin60°=√3/2ですから、300×√3/2≒259.8cm→≒260cmとなります。

まずこの半径150cmの円に内接する正3角形の頂点に“HEX 3”の底面の6つの頂点の内、1つおきの3点を固定すれば自ずと他の3点の位置も円周上に定位させられることになります。

また、“HEX 3”の6辺の内、連続する2辺を適度なテンションで張った時の両頂点間の実測長は279cm(≒280cm)でしたから、上記の半径150cmの円に内接する正3角形の一辺の長さ260cmとの差は19cm→約20cmとなります。
そこで、1つの角を共有する2つの相似の正三角形で、大なる正3角形の1辺の長さが280cm、小なる正3角形の1辺の長さが260cmだとすると、大なる正3角形の共有されていない2点を共有されている頂点方向に20cm移動すると小なる正3角形と合同になるのは当たり前ですよね。 ・・・と、こんな簡単な原理を使うだけです。
なお、HEX3のカタログスペックでは対角長120in(304.8cm)ですから、これで計算すると内接する正三角形の1辺は≒264cmとなりますが、実測したHEX3の底面の1辺が150cmだったので、この数字を使用しました。



久々に私の中学生レベルの数学能力をフルに使って見たものの・・・、結果はOKだったのですが、正直なところ実際に張ってみるまで実用可能かまったく判りませんでした。

これが前回の記事で『必殺三角張り』という名でご紹介した方法ですが、これだと名前がカッコ悪いので今後は『新・三角張り』と改名させていただきます。(笑)

この『新・三角張り』は、従来裏技とされていた『ポール・コンパス張り』(ポールに半径と一辺のペグ間隔の長さのマークを付けて作業する)や、『元祖・三角張り』(目分量でルーズな正三角形に3点をペグダウンし、ポールを立ててから残りをペグダウンする)と比べても、かなり簡単に、しかもピシッと張る事ができますので、単体使用がメインの“HEX 3”オーナーの方は憶えておいて損は無いと思います。


★では順を追ってこの方法を説明していきましょう。


まず、周囲にある6箇所のメイン・ペグダウンループの任意の1箇所を基準点としそこに目立つ色の細引きの輪(画像↓では緑色)を目印として結びます。(この細引きの輪は状況によりペグダウンにも使用します)

Gr



次に1個おきに(120度間隔)2箇所のメイン・ペグダウンループに、①と違った色(画像↓㊧では黄色)の細引きの輪を結んでおきます。

Ye  Yegr
(㊨2色に色分けした3つのの目印)

私はドアパネル右サイドのジッパーがある位置を基準点にしましたが、ここだとジッパーがありますので敢えて色分けしなくても識別は容易かもしれません。



そして、②のループから①の基準ループまでのスパンの幕体の裾の縁に②のペグダウンループの先端から20センチの位置に仮のマークを付けます。(画像では判り難いかも知れませんが、右のピンクのペグの近くの幕体の裾にある白い線がマークです)

13cm

私の場合は地表になるべく近く低く張りたいので、はじめからで全てのアジャスターを最短に近い位置まで戻しておきますから、この状態でループの先端から20センチ、ループの付け根の中心から11センチの所を仮マーク位置としました。

通常はこれで問題無いと思いますが、位置決めの過程でのテンションの強さによっても3センチ程度の差異は生じるでしょうし、地表とシェルターの間隔を広くとりたい場合などは条件が変わってきます。
地表との間隙を広くとるため、アジャスターを任意長に伸ばした状態で設営する場合は、その状態でループの先端から20センチの位置に仮マークし、トライアンドエラーで微調節してみてください。

まずチャコ等で仮マークをし、実際に張ってみてから各自でマークの位置を決定した後、ダーマトグラフやペイントマーカー等で消え難いマークを付け直すと良いでしょう。(目立つ色の糸で裾の部分に2~3針縫い目のマークをを付けるのが理想かな・・・)

“Shangri-La 3”の場合は張った事が無いので不明ですが、ほぼ同様な対応で大丈夫だと思います。(HEX 3 より若干小さいので、マーク位置とペグループの間隔を心持ち近づける必要はあるかもしれません、念のため底面の一辺の長さを実測して数値を計算してみてください)

以上で幕体自体の加工は終了です。
次回は実際の設営手順をご説明しましょう。

【以下、続く】

(おわび)
本日(6/30)、Niftyのシステム障害により、テストでアップした推敲前の記事が訂正も消去も操作不能となり、暫くの間公開されていました。
正式な記事に訂正して再掲載いたします。

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コメント

はじめまして。
以前からお邪魔はしてたのですが始めて書き込みさせていただきます。

メガ・ホーンⅡと言うHEX3と同じ六角テントを所持してます。
「新三角張り」を参考にして張り方を工夫してみました。
私の記事の中にこちらのお名前とリンクを張らせていただきました。事後承諾になりますがよろしくお願いします。

投稿: かわちゃん | 2009年8月29日 (土) 12時25分

“かわちゃん”さんようこそ!

私のブログは、思い付きや思い込みばかりかも知れませんが、実際に参考になったのなら幸いです。

では、今後とも「山道具道楽」をよろしくお願いいたします。

投稿: 理事長 | 2009年8月29日 (土) 17時01分

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