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2009年9月

2009年9月30日 (水)

“ピンチクリアー”を自作しよう

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前の記事で、スキーブーツを自分でシェル出しする方法をご紹介しましたが、その後非公開コメントでこの作業に使用する自作の“ピンチクリアー”についての問い合わせが現在まで数件ありましたので、改めてこの道具の詳細について紹介してみたいと思います。

Pc1

ピンチクリアーという道具は、本来スキーブーツのシェル出し以前に、皮製重登山靴の当たり出し用に古くから使用されていた道具です。
ペンチを巨大化したような形状、または懐の深いクランプのような形で、もともと受注生産的なツールですから価格も数万円~十数万円以上と非常に高価格な工具で、素人が趣味で持つことなど想定されていません。

私の足は比較的スマート(?)な足型なのですが、足指第1指・第5指の関節や舟状骨が出ており、また私はルーズな靴よりタイトなフィットのほうが好みなので、硬めの皮製登山靴を選んだ場合は往々にして履き慣らすまで痛い思いをしなければなりませ。
そこで、足に当たる場合には登山靴を購入したお店であらかじめピンチクリアーを使って当たりを解消してから履き慣らすことにしていました。

そこで、もちろんスキーブーツのシェル出しという目的が第一でしたが、このような事情もあり、自作のピンチクリアーを作ろうと思い立ったわけです。

また、最近の私の例では重登山靴だけでなく、トレッキングシューズにもこのピンチクリアーが顕著な効果をあげました。

画像は、以前、某登山用品店で」激安バーゲンだったのを思わず購入してしまった国産ブランドのトレッキングシューズです。
5.10 のステルスソールを使うなど、まずまずの造りの靴でしたが、実際に歩いてみると靴の構造と私の足の相性の問題で、シューレースを通すテープの部分の縫い目が指の関節と重なって、屈曲させるとそこが部分的に当たって違和感を覚えました。
そのため実戦投入せず、物置に仕舞い込まれていましたが、今回ピンチクリアーのテストのために久々に登板してもらうこととなりました。

Pcboots

まず、球の部分をヒートガンで暖め、当たり出しをする部分に軽く霧を吹いてからハンドルを締め込んでいけば作業完了で、後はそのまま1日ほど放置しておくだけです。
アッパーが軟らかい素材なので極端に変形したようには見えませんが、試してみたら気になった部分もウソのようにまったく足に当たらず快適に履けるようになりました。

Pcboots2

★さて、この自作ピンチクリアーの作り方ですが、文章では判りにくいので各パーツの画像を掲載し少々の説明を加えたいと思います。
なお、実際に製作したのは数年以上前のことです。

まず、ベースとなる深型Cクランプですが、これはホームセンターで購入しました。
ノーブランドでメーカーも不明ですが、75mm S-75D と刻印がありましたので開口が75mmで深型という意味なのでしょう。
深型のCクランプは全てのホームセンター・DIY店に在る訳ではないようですが2~3店探せば購入できるはずです。

Pc2

半球の部分は真鍮のΦ30mm丸棒からR15mm位に削り出し、タップを立てて2本のビスでCクランプの顎の部分に固定してあります。
下の右側の画像に一緒に映っているのはピンポイント用のRの小さな交換用半球です。関節部などの当たり出しにはなるべくピンポイントで出した方が効果的だと考えましたが、大きい半球で大体間に合いますので、こちらはあまり使用しません
真鍮でなくアルミでも良いと思いますが、この部分はシェル出しも含めて、作業時に温めて作業を行ったほうが効果的なので金属で作ることをお勧めします。

Pcball   Pcball2
(画像㊨の中央左にあるのはRの小さい交換パーツ)

最後にサークル状のパーツですが、ハッキリ言ってこれを作るのがこの工作のネックになる部分だと思います。
私は、2000系の快削アルミの厚板を四角く切断して、4ツ爪チャックに咥えて旋盤で挽きましたが、私の模型用旋盤では限界の大きさで、かなり苦労しました。

私の場合は画像のような構造となりましたが、このパーツは円形の穴があればどんな形状でも用が足りますので、この形にこだわらず、鉄工所で鉄筋を円く曲げて溶接をしてもらったり、場合によってはFRPやプラスチックまたは木製でも製作が可能だと思います。

Pcring   Pcring2
(アルミブロックから削り出したパーツをビスで結合した)

また、この円形部品は工作機械の送りハンドルなどのパーツを流用する事も考えられますし、ピンチクリアー全体をエンジン修理用のバルブスプリングコンプレッサーを改造して製作することもできるかもしれません。

Pcring3

また、このピンチクリアーは簡易型ですから、本物のように楕円形の押し型などのオプションパーツはありませんしスキーブーツの種類によっては作業範囲も少々限定されるかもしれません。
当然“ウン十万円~”もする、プロショップ用のシェル出し専用システムに比べればオモチャみたいな代物である事は否めないと思います。

しかし、私は実際の作業をする上では、ほとんどの場合アマチュアレベルとしては、十分満足できる加工ができることを確認しています。
制作費も2千円程度だったと思いますので、一回作っておけばスキーブーツに限らず、長い間家族や仲間内で重宝しますから、興味のある方は思い切って自作することをお勧めします。

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2009年9月20日 (日)

ライスクッカー/改・で“α米”とお別れ?②

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(軽量化して使用する場合の評価です)


“ライスクッカー/改・で“α米”とお別れ?①”からの続きです。

さて、改造したライスクッカーで早速ご飯を炊いて見ることにしましょう。
使用するストーブはトロ火も可能な、MSRのドラゴンフライを使用しました。

ライスクッカー/改・で2合の米を研いで40分ほど吸水時間をとり、早速炊飯開始です。

Rc1

まずは、強火で加熱し、蓋を持ち上げて蒸気が噴き出したのが確認できたら火力を落とします。
本来はここで、蓋のカタカタ音が持続する程度の火力を維持するのですが・・・、なにせ蓋が自分で板金加工して寸法を合わせたもので精度が悪く、しかも軽量化してあるためか、あまり明確なカタカタ音とはなりませんでした。
この意味では、蓋はある程度重いほうが良いのでしょう。

Rc2

しかたなく、時々蓋を触って振動で沸騰状態を確認し、水分が無くなって振動が消えたのを見計らって火を止めます。(私の場合は“軽いオコゲ”が好きなのでわずかに焦げた香りが感じられるまで暫く待ちますが・・・)
ここまで点火から約15分、雰囲気音度、約20℃で、燃料消費量はプライミング(予熱)の分を除き23グラムでした。

Rc3

その後、10分ほど蒸らしてから試食しましたが・・・。

「う~ん」最高!本体に厚みがあるから熱が均等に伝わるのでしょうか?しかもスミフロン加工のおかげで絶妙な軽いオコゲ具合です。

山で毎日こんな美味いご飯が食べられたら最高なんですが、標高が高くなるとそう簡単にはいかないんですよね。
まあ、それでも十分な吸水時間さえとれば北岳の肩のテン場であったとしても、かなり美味い飯を炊けそうな手応えを感じさせてくれるクッカーであることは確かです。(やはり炊飯には、チタンではなく、多少重くても厚めのアルミ製が適しているんでしょうね)

残念ながら蓋の軽量化に伴い、謳い文句の『“カタカタ音”で勘に頼らず簡単に炊飯できる』というメリットはイマイチ感じられなくなりましたが、クッカーの形状から2.5合程度までなら吹きこぼれも焦げ付きも無く、便利に使用できますから、(軽量化して使うなら・・・)登山用としても十分お勧めできる優れものだと思います。

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2009年9月12日 (土)

日本地形図 “TOPO10M Ver.8.03 ”を再検証する

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(未確認の部分もあり満点は付けられませんが、評価大幅アップです)


以前から、日本地形図 “TOPO10M Ver.8.00 ”の問題点と、これに対する代理店の対応について度々話題にしてきましたが、このたびバージョンアップした “TOPO10M Ver.8.03 ”の実物を入手いたしましたので実際に検証した結果を報告し、このテーマの総括をしたいと思います。

私の指摘した主要な登山道の欠落箇所が “ Ver.8.03 ”になってどのように改善されたかは以前の記事で、代理店サイトのマップビューアー(サンプル地図)でご紹介しましたが、今回は実際のマップソースの画面で新旧バージョンを再比較して見ることにします。

それぞれの段で、左側の画像が登山道に欠落のある“ Ver.8.00 ”で 、それが右側の“ Ver.8.03 ”でどのように修正されたかを比較して見てください。(画像をクリックすると拡大してご覧になれます)
その他、私の確認できたその他の細かい登山道の欠落についてここで論おうとは思いませんが、何で選りにも選って私の好きな山の登山道ばかり欠落しているのでしょうネ。(笑)


まずは私の一番好きな山、剱岳周辺です。
ここでは真砂ロッジ経由で池の平方面・ハシゴ谷乗越方面への登山道が武蔵谷付近で途切れていましたが、Ver.8.03 では修正されています。

Turugi800  Tsurugi803
(㊧“TOPO10M Ver.8.00 ” →  ㊨“ Ver.8.03 ”)


次は私の大好きな山スキーのメッカ朝日岳周辺です。
ここも朝日岳付近の登山道が欠落していましたが、Ver.8.03 では修正されています。

Asahi800  Asahi803
(㊧“TOPO10M Ver.8.00 ” →  ㊨“ Ver.8.03 ”)


次にみんな大好きな北アルプスの登山道欠落部分です。

北は赤木岳の手前で登山道が途切れていました。なお、黒い破線が登山道です、灰色の太実線は県境で登山道ではありません。(以下同)

Akagi800  Akagi803
(㊧“TOPO10M Ver.8.00 ” →  ㊨“ Ver.8.03 ”)

そして、三俣蓮華岳周辺を経由して樅沢岳まで十数キロにわたって登山道表記が欠落していましたが、Ver.8.03 では修正されています。

Mitsumata800  Mitsumata803
(㊧“TOPO10M Ver.8.00 ” →  ㊨“ Ver.8.03 ”)

最後は南アルプス主脈縦走路の欠落です。

北は塩見岳直前で南下する登山道が途切れていました。

Shiomi800   Shiomi803  
(㊧“TOPO10M Ver.8.00 ” →  ㊨“ Ver.8.03 ”)

そして、前岳周辺までこれまた十数キロにわたって登山道は表記されていませんでしたが、Ver.8.03 では修正されています。

Sennmai800   Sennmai803
(㊧“TOPO10M Ver.8.00 ” →  ㊨“ Ver.8.03 ”)


以上のように、日本地形図 “TOPO10M Ver.8.03 ”では、国土地理院の25000分の1地形図の破線の登山道が全て表示されているという訳ではないようですし、私も詳細な検証をしてはいないのですが、他の主要な山域をざっと見てもこの地図の「登山道が表示される」という謳い文句に偽りの無いレベルには仕上がっているようです。
(まあ、2Gバイトの枠内で上記の欠落箇所を補填するために更に別の登山道を削った可能性も大ですが・・・)
Ver.8.00 発売当初、私のブログで高評価をして皆さんに推薦してしまった責任上気になってはいたのですが、これでやっと皆さんに薦められるハンディーGPS用地図になったことを嬉しく思います。

国土地理院の25000分の1地形図の破線の道が総て表示されることに拘るなら、“UUD製の地図”“いどんなっぷさんの地図”をお勧めしますが、この純正の“TOPO10M Ver.8.03 は”崖記号も表示されますし登山道も画面上で読みやすく、また特に OregonやColoradoのユーザーにとっては描画の美しさの面でもベストバイ地図と言っても良いでしょう。



【総括と私の見解】 “TOPO10M Ver.8.00 ”の登山道欠落は欠陥か?

Ver.8.03 にバージョンアップし製品の品質が向上したことは歓迎すべきことです。
しかし、代理店の見解ではこのバージョンアップについて「必要と思われるデータを補完しつつマイナーバージョンアップ」をしたもので「“欠落の補正”では無い」、つまり『“TOPO10M Ver.8.00 ”に瑕疵はない』との見解を表明していますが、私としては、下記の理由でこれを詭弁と断じます。

北アルプスの核心部の縦走路に欠落がある。
しかも、欠落のある三俣蓮華岳周辺は“アルプス銀座の交差点”と呼ばれるほどの要衝であり、南北アルプスを通じてロングルートとしては二番目くらいに登山者の通行が多い登山道なのです。

【補足説明】
文中では判りやすい表現で登山道の欠落と表記していますが、正確にはある区画全体の登山道情報が欠落しているといったほうが良いかもしれません。
つまり、上記①の場合はWGS 84 で概ね、N 36°25′/  E137°28′・  N 36°25′/  E137°37′・  N 36°20′/  E137°37′・  N 36°20′/  E137°28′ の四点で囲まれた区画の総ての登山道が記載されていないという事です。
メッシュの内1区画の登山道情報がそこだけ虫食いのように抜けている・・・(『北アルプス総図』という名の簡単なジグソーパズルの中央のピースが無くなっている、と言えば分かり易いかな)。これを欠落と言わずに、なんと呼べば良いのでしょうか?
以下②③④の場合も同様にグリッド毎の欠落なのですが、面倒なので経度・緯度での表記でなく「登山道の欠落」と表現しています。


南アルプスの主脈・核心部の縦走路に欠落がある。
塩見岳から赤石岳までの登山道は縦走派山屋の憧れ、南アルプス全山縦走の核心部にあたり、中部山岳を代表する登山道です。ここの欠落も常識ではあり得ないことです。

剱岳周辺にも登山道の欠落がありますが、剱岳は日本百名山でもあり、しかも百名山の中でも「登ってみたい山」の人気1位・2位を争う名山中の名山です。
また、、欠落のある三田平から池の平経由欅平、あるいはハシゴ谷乗越経由黒四ダム方面への登山道は、この山域では登山者に人気が高く、八ッ峰やチンネに向かうクライマーを含め、本峰往復コースに次いで通行の多いルートといっても過言ではありません。

朝日岳も日本300名山の一つでしかないとはいえ、最近の夏山シーズンでは蓮華温泉と組み合わせ中高年登山者が列をなすほど人気の山です。
ここの登山道が途中で途切れるなど、悪天候時には遭難に直結しかねない危険な欠落箇所だと思われます。

①~③も同様ですが、国土地理院の地形図でも破線の道が途切れている例が多くあるとはいえ、上記のような日本の山岳を代表するようなメジャーな山域で登山コースが途切れているなど、紙の登山用地図では在り得ない事柄であり、GPSマップだから許されるという種類のモノではないと考えます。

Ver.8.00 発売間もない昨年の7月、①の登山道の欠落について私が代理店に指摘したところ、その回答に『当社でも、該当個所のデータは収録するべき箇所かと考えております(原文ママ)』とあるように“収録すべき箇所”がされていない、つまりハッキリと欠落だと認めているのにも拘らず、後日になって前言を翻すのも可笑しな話です。

そして回答の最後に『(前略)・・・地図ベンダー(北海道地図株式会社)及びガーミン社への調査依頼及び対応についての検討依頼を行いました。状況判明次第、再度ご連絡させて頂きます(原文ママ)』と、結果報告の約束をしていながら、その後2~3ヶ月で行われたV. 8.03 へのマイナーバージョンアップの連絡はおろか、その後現在に至るまで14ヶ月間回答はおろか一切の連絡を頂いておりません。
自分のした約束すら守らないのには何か理由があるのでしょうが、どのような理由があるにせよ、約束違反は企業の顧客対応としては事態を悪化させる最悪のパターンであることは確かです。

また、一般的なGPSマップのバージョンアップは一定の頻度で行われるのが普通ですから、このTOPO 10m の例でも同様な対応だと思われるかも知れませんが、それは誤った認識だと思います。
通常のGPS地図のバージョンアップは、新たな道路が出来たり、橋や道路の付け替えが行われたり、ランドマークが変わったりと、旧地図と現状が乖離してきたために地図を定期的に書き換える必要が生じた結果行われるのであって、これまで現実に道として存在しており、また“表記されてしかるべき箇所”の道の欠落を補填するための変更は通常の地図のバージョンアップとは根本的に性格を異にするモノだと考えます。
V8.03 へのマイナーバージョンアップは、V.8.00 発売から半年以内と通常のサイクルと比較して異常に短く、しかも変更内容はおろかバージョンアップの実施すら公表せずに行われた事実は、これ自体が通常のバージョンアップとは異なることの証左ではないでしょうか。

上記の例のように主要な登山道に欠落箇所が存在する一方、他の場所では既に廃道となったような登山道でも表記されている例が多数存在することを考えると、少なくても上記①~④の登山道については明らかに人為的、あるいは重大な過失でもないと欠落する理由の無い場所だと考えられます。
地図ソフトの製作にあたった“北海道地図㈱”は紙のエリア別登山地図も出版している地図の老舗であり、上記の箇所で登山道を故意に省略するなど考えられないのですが・・・。

代理店は『国土地理院の地形図に記載のあるものが“登山道の基準”と仮定すると、Ver. 8.03 でも依然“欠落”がある』との論理で上記①~④に挙げた Ver. 8.00 での登山道の中断・不表示を欠落や瑕疵などではないと強弁していますが、私はマイナーな山域の山道やゼンマイ道まで表示せよと主張しているのではありません。
「登山用の地図」と言いながら、日本の登山道を代表するようなルートに複数欠落箇所があるのは、いわば「全国道路地図」に“東名高速道路”と“名神高速道路”が記載されていないようなものだと私は思うのです。
どんな「道路地図」だって地形図にある全ての細街路まで記載されているわけではありませんよね。でもそれを理由に“東名高速道路”や“名神高速道路”が途中で長距離にわたってブツ切れになっている地図を、正常だなどと言い張る地図会社があるでしょうか?
また、こんな「道路地図」を金を払って買う奴が居るでしょうか?
市場に競争原理が働けばこんな会社はすぐに淘汰されるのが普通ですよね。

よって、上記①~④の箇所に登山道表記が無いこと自体も異常ですが、これを『異常ではないと主張できる企業の常識』の方がさらに異常であると私は考えます。

その根拠として、普通の登山愛好家に『もし貴方が北アルプス裏銀座の縦走のため購入した紙の登山地図の①の箇所に欠落があったら、返品または交換を要求せずに黙ってその地図を使用し続けますか?』と、質問したとして、“YES”と答える人がいるとは常識的に考えられない事を挙げておきます。
普通はその地図を返品して他社の正常な地図との交換を要求するでしょうが、仮にこのケースがその地図を製作した側の人に起こったとしても地図購入店に同様な返品・交換を要求をするんじゃあないでしょうかね。

※繰り返しを避けますが、これは、②~④の部分でも同様なことです。

私が常々主張しているように、新製品における初期不良発生は不可抗力の領域を含み、完全には避けられぬ現象だと考えていますが、問題はその初期不良への対応の仕方なのです。
私は無理難題を要求しているわけではありません、今回のように明らかに常識では考えられないミスが複数重なったり、場合によっては消費者の安全や生命に関わる瑕疵であった場合については、面子や採算にこだわらず情報開示が最優先されるべきだと主張しているに過ぎないのです。
利害関係人に対するディスクロージャーが企業倫理の基本理念となった現代、このような意図的な不作為と情報の隠蔽は、非常識を超えた異常な企業行動と考えざるを得ません。

提案ですが、地形図と同様な破線の登山道を総て表記する能力が無いなら、紙のエリア別登山地図のように山域を指定して、こことここは登山道が地形図同様網羅されている(その他の地域に関しての欠落に関しては免責とする・・・)と明記した方が供給者とユーザー両者にメリットとなるはずです。


今回のケースでも、私は「金を返せ!」と言っているのでも、無料でバージョンアップを要求しているのではありませんし、ましてや風説を醸して特定の企業を貶めることを意図してるわけでもありません。

もちろん、今回のケースでは無償もしくは適正な価格で旧製品のユーザーにバージョンアップ・サービスを提供するのが常識ある企業としての通常の対処だとは思いますが、経営方針でそれを拒否するというのなら、呆れ顔で傍観する以外の行動は考えていません。

しかしながら、それでもなお私が妥協できない点があります。
それは、旧製品のユーザーに『貴方がお使いの当社製GPS地図には日本を代表する主要な山域でも、○○と××と△△に欠落があります』という注意喚起のインフォメーションを最優先で実行してもらいたかったし、今からでも公式に明らかにしてもらいたいということです。
偽善の謗りを恐れず述べるなら、私は登山用品を扱う企業には登山者の安全に可能な限りの配慮をしていただきたいのです。
そして、我が国で唯一日本語で表示されるGPSを独占販売できる地位にある企業に、そのような意識の欠片も見られないということは、我が国の登山者にとっても、そして山登りを安全にしかも楽しく演出してくれるGPSという素晴らしい道具にとっても不幸な出来事であり、延いては日本の登山文化にもプラスになるとは思えないのです。

さて・・・、私はかつて二人の山の後輩をルートロスが原因の疲労凍死で同時に失いました。
晴れていれば間違いようの無い夏道のある支尾根に下ればよいだけだったのですが、視界の利かぬ吹雪の中、降りてはいけない別の雪稜に迷い込んでしまい、急傾斜での彷徨の末力尽きてしまったのです。
あの時代にGPSが普及していれば失われるはずの無い命だった・・・、そう考えると今更ながら残念でなりません。

そして、近年は中高年の登山ブームとやらで、年輩になってから登山を始めたにも拘らず、実力不相応な背伸びをする高齢者も多く、また昨今ではブームがきっかけで突然登山の楽しさに目覚めた若いビギナーを山で見掛ける機会も多くなりました。
そんな登山者の安全を守り、また登山をより楽しむための手段として、この種のGPSは地形図とコンパス同様の普通の登山用具として今後もますます普及していくでしょう。
そして、おそらく今後はこのGPSのお陰で命拾いをした登山者の体験談なども少なからず報告されるようになるものと思われます。

しかし、その対極としてGPSを過信したがために失われる命も、今後ケースとして出てこないとも限りません。
特に中高年登山者はGPSをPCと連携させず、したがって自分でウェイポイント等を登録せず、単に現在位置確認用の地図として使うケースが多く、このような使い方をする場合は特に登山道の欠落が問題となる可能性が高いでしょう。

たとえば貴方が、悪天候時、正しいルートを歩いているのにも拘らずGPS画面を確認したところ、自分が今歩いているはずの『記載されてしかるべき箇所』の登山道が表示されなかったとしたら・・・、その正しいルートを誤りだと思い込んでパニックに陥り、在りもしない正しいルートに戻ろうとして彷徨った挙句に体力を消耗し遭難死に至るということだって考えられますよね。

そんな時、『GPSを過信するなと注意する旨の記載があるだろ。機械を過信してロクった本人の自業自得だよ!』・・・と、嘆き悲しむ遺族の方々に言い放つのも法的には間違いでないのかもしれませんが、そうならないための最低限の情報開示ぐらいはまず行っておく責任があるはずです。

健全な市場において、独占的支配権を与えられた企業は、競争原理という当座の淘汰圧から解放されたかに見えても、実は市場から完全なフリーハンドまで付与された訳ではありません。
つまり、そのような企業には、その保有する市場独占権に起因した利得・恩恵に見合った、より高い次元の企業倫理と自己規範性の確立が要請されることになるのです。
そして、もし市場を独占するに相応しい企業モラルに欠け、自律的経営姿勢も見られないと市場に判断されたなら、そのような企業は早晩市場から退場のジャッジを宣告されることになるでしょう。

まぁ、言うならばこれが『企業の品格』というものなんでしょうが・・・、同じ山道具を買うなら品格のある会社から買いたいものですよね。  (以下省略)



★あ~ぁ、疲れた。これ以上書くのも些か馬鹿馬鹿しくなりましたので、途中ですが以上をもってこの問題に対する私なりの見解の総括といたします。
面白くも無い話に忍耐強くお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、今回述べたことはあくまで私見であり、異論をお持ちの方も有ろうかと思います。
賛否を問わずコメントがあれば御遠慮なくどうぞ!。

 

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2009年9月 5日 (土)

ライスクッカー/改・で“α米”とお別れ?①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(軽量化改造した場合の評価です)


沢登りでは焚火に丸型飯盒で飯を炊くのが簡単でいいのですが、1~2人でのテン泊縦走中にストーブとコッフェル(クッカー)で飯を炊くのには些か躊躇します。
なぜなら、吹きこぼれてバーナーヘッドに掛かったり、ガンタになったり、焦げたり、また鍋洗いの手間が掛かったりと、結構面倒だからです。

水が豊富なら“不思議なめし袋”という道具を使えば、少量でも予想以上に美味しいご飯が炊けますが、これも手軽と言う訳ではありません。

また、ウルトラライトも好いのですが、“いい歳をしたジジイ(=私)”が α米の混ぜご飯を袋から直接口に運ぶような夕食” というのも侘びしい気がします。
そこで、軽量化と手間を省くため“α米”を普通の米のようにクッカーで軽く炊いてみたり、“α米”にフリーズドライなどを利用した一見豪華な(?)副食を合わせた食料計画を立てる事になるのですが、これでも食費が嵩みますし、何より決して美味いと言えるようなご飯にはならないのです。

そこで、軽量装備の山行でも本当の米を炊いてみようと考え、少量の米(1~2合)を簡単に美味しく、しかも吹きこぼれること無く炊く方法はないかと模索していました。
(MSRのデュラライトは厚みもあり美味い飯が炊けますが油断すると盛大に吹きこぼれてしまうのが難点です)

そんな時、キャンプ用品売り場で見かけたのがユニフレームの“ライスクッカー・ミニDX”というキャンプ用の小さな炊飯釜だったのです。
釜の上縁が蓋の位置より上側まで伸びているので吹きこぼれることもなく、蓋が蒸気でカタカタいう音で火加減の目安となるとの能書きがあり・・・、しかもスミフロン加工なので焦げ付きの心配も無く、洗うのも簡単そうです。

Rice1
(画像は改造済みのライスクッカー)

しかし、残念なのは用途がキャンプ用ということで、釜本体はアルミですが蓋と取っ手はかなり重いステンレス製だったのです。(しかも、蓋は以前のモデルよりかなり重い物に改良?されて、さらに重くなっていました)
本体が1.5mm厚というのは美味い飯を炊くのに欠かせないとしても、蓋と取っ手は山に持って行くのに躊躇せざるを得ない重さです。
蓋が重いのはそれなりに理由のあることなのでしょうが、いくらなんでもこれは重すぎです。
また、約3000円という高価格だったこともあり、店頭でしばし悩みましたが・・・、自分で軽量化の改造をするという前提で結局購入してしまいました。

購入後、さっそく軽量化のための工作開始です。
蓋は軽いアルミの蓋を100円ショップ“ダイソー”で200円で購入し、切断と板金加工で直径と形状を合わせ、ツマミも小型のものを削り出で作り、蒸気抜きの穴はリベットで塞ぎました。(沸騰時にカタカタ音がするように)

Rices   Riceal
(オリジナルと自作の蓋、これだけで何と!140g以上の軽量化)

また、鉉も細いステンレスワイヤーを真鍮の削り出しパーツに圧着した軽い物に取り替えました。(加工状態は画像をご覧ください)

Riceh   Ricehu
(軽量化したワイヤー製の鉉、㊧画像の下は取り外したオリジナルの重い鉉)

なんとこれだけで170gもの軽量化達成。
この状態で蓋・本体合わせて294gと、なんとか山に持っていく気になる重さになりました。
はたして、この軽量化改造ライスクッカーで美味い飯が炊けるでしょうか?
早速実験してみましょう。

(以下、続く・・・)

〈おまけ〉

*ガンタ(芯のあるご飯)の原因の多くは米の吸水不足です。高所では炊き始める前に最低30分できたら1時間位の吸水時間をとると極端な失敗はなくなります。

*標高の高いところでは、かなり多目の水で米をグツグツ煮てしまい、十分煮えた時点で一旦火から下ろし、余分な湯を捨てて、最後は弱火で加熱して炊きあげるという裏技を試してみても良いでしょう。

*クッカーの蓋に石を乗せて内部の圧力を高めようする方法も一般的に行われていますが、これは経験上ほとんど効果は期待できません。重い木製の蓋のあるカマド炊き用の釜ならいざ知らず、蓋との間に隙間のある登山用のクッカーで、沸点が顕著に上昇するほどの圧力が継続的に加わる事は理論上考えられませんし、仮に圧力が上がったとすれば薄手のクッカーだったら底面が凸変形してしまうでしょう。私が以前そう考えていたように、ほとんどの方がクッカーの蓋に重りを乗せた方が良いと思っているようですが、実際には思った程の影響は無いというのが私自身の経験からの結論です。(蓋に石を乗せるのは、蓋の浮き上がりを防ぐためには効果的です)

*炊飯中に蓋を開けてはいけない、というのは半分迷信です(半分は本当です・・・)。不安なら躊躇せず蓋を開け試食しましょう。炊飯に失敗して友人から顰蹙をかうより得策だと思います。

*山では「無洗米」が絶対便利です。水の豊富な沢以外では多少高くてもこれを持って行きましょう。しかし、無洗米でも炊く前の吸水時間は普通の米と同様に十分確保する必要があります。

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