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2009年9月30日 (水)

“ピンチクリアー”を自作しよう

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前の記事で、スキーブーツを自分でシェル出しする方法をご紹介しましたが、その後非公開コメントでこの作業に使用する自作の“ピンチクリアー”についての問い合わせが現在まで数件ありましたので、改めてこの道具の詳細について紹介してみたいと思います。

Pc1

ピンチクリアーという道具は、本来スキーブーツのシェル出し以前に、皮製重登山靴の当たり出し用に古くから使用されていた道具です。
ペンチを巨大化したような形状、または懐の深いクランプのような形で、もともと受注生産的なツールですから価格も数万円~十数万円以上と非常に高価格な工具で、素人が趣味で持つことなど想定されていません。

私の足は比較的スマート(?)な足型なのですが、足指第1指・第5指の関節や舟状骨が出ており、また私はルーズな靴よりタイトなフィットのほうが好みなので、硬めの皮製登山靴を選んだ場合は往々にして履き慣らすまで痛い思いをしなければなりませ。
そこで、足に当たる場合には登山靴を購入したお店であらかじめピンチクリアーを使って当たりを解消してから履き慣らすことにしていました。

そこで、もちろんスキーブーツのシェル出しという目的が第一でしたが、このような事情もあり、自作のピンチクリアーを作ろうと思い立ったわけです。

また、最近の私の例では重登山靴だけでなく、トレッキングシューズにもこのピンチクリアーが顕著な効果をあげました。

画像は、以前、某登山用品店で」激安バーゲンだったのを思わず購入してしまった国産ブランドのトレッキングシューズです。
5.10 のステルスソールを使うなど、まずまずの造りの靴でしたが、実際に歩いてみると靴の構造と私の足の相性の問題で、シューレースを通すテープの部分の縫い目が指の関節と重なって、屈曲させるとそこが部分的に当たって違和感を覚えました。
そのため実戦投入せず、物置に仕舞い込まれていましたが、今回ピンチクリアーのテストのために久々に登板してもらうこととなりました。

Pcboots

まず、球の部分をヒートガンで暖め、当たり出しをする部分に軽く霧を吹いてからハンドルを締め込んでいけば作業完了で、後はそのまま1日ほど放置しておくだけです。
アッパーが軟らかい素材なので極端に変形したようには見えませんが、試してみたら気になった部分もウソのようにまったく足に当たらず快適に履けるようになりました。

Pcboots2

★さて、この自作ピンチクリアーの作り方ですが、文章では判りにくいので各パーツの画像を掲載し少々の説明を加えたいと思います。
なお、実際に製作したのは数年以上前のことです。

まず、ベースとなる深型Cクランプですが、これはホームセンターで購入しました。
ノーブランドでメーカーも不明ですが、75mm S-75D と刻印がありましたので開口が75mmで深型という意味なのでしょう。
深型のCクランプは全てのホームセンター・DIY店に在る訳ではないようですが2~3店探せば購入できるはずです。

Pc2

半球の部分は真鍮のΦ30mm丸棒からR15mm位に削り出し、タップを立てて2本のビスでCクランプの顎の部分に固定してあります。
下の右側の画像に一緒に映っているのはピンポイント用のRの小さな交換用半球です。関節部などの当たり出しにはなるべくピンポイントで出した方が効果的だと考えましたが、大きい半球で大体間に合いますので、こちらはあまり使用しません
真鍮でなくアルミでも良いと思いますが、この部分はシェル出しも含めて、作業時に温めて作業を行ったほうが効果的なので金属で作ることをお勧めします。

Pcball   Pcball2
(画像㊨の中央左にあるのはRの小さい交換パーツ)

最後にサークル状のパーツですが、ハッキリ言ってこれを作るのがこの工作のネックになる部分だと思います。
私は、2000系の快削アルミの厚板を四角く切断して、4ツ爪チャックに咥えて旋盤で挽きましたが、私の模型用旋盤では限界の大きさで、かなり苦労しました。

私の場合は画像のような構造となりましたが、このパーツは円形の穴があればどんな形状でも用が足りますので、この形にこだわらず、鉄工所で鉄筋を円く曲げて溶接をしてもらったり、場合によってはFRPやプラスチックまたは木製でも製作が可能だと思います。

Pcring   Pcring2
(アルミブロックから削り出したパーツをビスで結合した)

また、この円形部品は工作機械の送りハンドルなどのパーツを流用する事も考えられますし、ピンチクリアー全体をエンジン修理用のバルブスプリングコンプレッサーを改造して製作することもできるかもしれません。

Pcring3

また、このピンチクリアーは簡易型ですから、本物のように楕円形の押し型などのオプションパーツはありませんしスキーブーツの種類によっては作業範囲も少々限定されるかもしれません。
当然“ウン十万円~”もする、プロショップ用のシェル出し専用システムに比べればオモチャみたいな代物である事は否めないと思います。

しかし、私は実際の作業をする上では、ほとんどの場合アマチュアレベルとしては、十分満足できる加工ができることを確認しています。
制作費も2千円程度だったと思いますので、一回作っておけばスキーブーツに限らず、長い間家族や仲間内で重宝しますから、興味のある方は思い切って自作することをお勧めします。

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コメント

初めまして、勉強させていただいております。
私も、理事長のやり方でシェル出しを試みました。舟状骨の辺りが痛くて、そこを押し出して、無事成功しました!!ありがとうございます。私は内側からボルトで押し出しました。

ただ、別の個所も痛いところがあり、ここはピンチクリアーを作らないとできなさそうです。そこで、今日ホームセンターに見に行ったところ、とても私には作れなさそう。。。。。


すみません、もうすこし詳しく教えていただけないでしょうか?上記の内容も「???」状態です。

道具は何と何を揃えればよいのでしょうか?
とくに、サークル状の部品と丸い押し出すのに使う部品は、お店の人に何と言えばわかってもらえますか?


勉強不足ですみません。よろしくお願いいたします。

投稿: TK | 2012年1月21日 (土) 22時58分

TKさんようこそ。

シェル出し成功おめでとうございます。
早速ですが、ピンチクリアーのリング状部品については、私は旋盤で削り出しました。
また、市販品の流用でしたら、こんな↓パーツも使えると思いますが・・・、

http://www.monotaro.com/g/00024094/

いずれにせよ旋盤等の工作機械が無いと加工には少々苦労すると思います。
もし工具をお持ちでなかったり、自信が無ければ、金は掛かりますがお近くの鉄工所等に依頼すれば確実だと思います。

では!

投稿: 理事長 | 2012年1月22日 (日) 07時58分

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