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2009年10月

2009年10月29日 (木)

プロモンテ VL23 は使えるテントか?①(検証編)

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(厳しいですが、改造前のデフォルト状態ではこんな評価です)


※旧VL23と現行のVL24の違いは、フライの素材がリサイクルポリエステルから通常のポリエステルに変更された程度でほぼ同一の製品です。


「装備をシンプルかつ軽量に・・・」という観点から、TPOをわきまえるなら、タープやフロアレス・シェルターも悪い選択だとは思いませんが、荒天の稜線では些か辛そうですし、虫の多い季節には防虫対策にも気を使わなくてはなりません。

私自身、北アルプスの2000メートル前後の標高だから・・・、と油断していたら、一晩中“ヌカ蚊”の猛攻撃に遭った経験もありますので、油断は禁物です。(“ヌカ蚊”は荒いモスキートネットの目なら潜り抜けるほど小さく、毛髪の中にも入り込んで吸血し、小さい割には強い痒みと腫れを起こしますので、私はブヨ以上に嫌いです)
そんな吸血性の虫が多いと予想される時には、タープに拘るより、やはりモスキートネット付きでフロア一体型のテントかシェルターを持って行ったほうが圧倒的に快適に眠れますよね。

そして、最近はBDのライトシリーズに代表されるフロア一体型のシングルウォール・シェルターに注目が集まっています。
この種のシングルウォール・シェルターは私も使用していますが、通常のテントとさして変わらぬ居住性を持ち、しかも軽量・コンパクトという事でUL系ハイカーに特に人気が高いようです。

しかし、私の使用した感想としては、確かに軽いことは軽いのでTPOを考えて使用するなら非常に効果的なシェルターとなりますが、その反面前室を持たないこの種のシングルウォール・シェルターは(ソロだったら良いのでしょうが)、二人で使用するとなると靴やクッカーなど装備の置き場に困る事も多く、また強い雨風の時の居住性にも問題があるというのも事実です。
また、HEX3のようなモノポール・シェルターは、きちっと張れれば耐風性も強いですし、居住性も良く装備の置き場や調理場所にも困ることは無いのですが、実際には日本の山の多くのテント場はペグが打ち難い場所も多いため、設営に手間取るばかりでなく、そんな場所ではこの種シェルターの耐風能力を十分活かせるとは限りません。
特に積雪期には竹のアンカーでも埋めないと所定の強度は確保できないと思いますし、裾の部分の積雪対策にも苦労しそうです。

そんな訳で、日本の山のテント場では、アライテントモンベル製あるいはエスパースシリーズ等の同じような形のテントを多く目にしますが、これは日本の“山屋”が没個性的だからという訳ではなく、日本の山岳地帯の状態と、四季の気候の中で、経験的に安全性・汎用性・快適性を突き詰めていった結果、同じ結論に行き着いたと考えてあげてください。

単純思考の“山屋”の辞書には、『天気が荒れてきたら、すぐに小屋に逃げ込もう』なんて軟弱な言葉は無いですから、自己顕示や他人とカブるのが嫌だという理由だけで外国製のヘンテコなシェルターを使うような冒険はしたがらないんですね・・・。(笑)
まぁ、少なくても現段階では、多少重くても自立式のWウォールテントという平凡な形式が、日本の山の風土や山行形態に最大公約数としてマッチしているということなのでしょう。

そこで、「シングルウォール・シェルター並みに軽いWウォールテントがあれば・・・」などと考えていたら、丁度“プロモンテ(旧ダンロップ)”から従来のVLシリーズをさらに軽量にフルモデルチェンジしたWウォール・テントが発売されたのです。
とはいえ、私はこの種のテントとしては既にアライのトレックライズとエアライズ(いずれも旧タイプ)を使用していますので、興味はありましたが購入する気までは起きませんでした。

Vl33_1hpb

そんな折、たまたまこの新シリーズの VL-23 というテントを購入した知人が、「テントに気になる点があるので何とかできないか?」と相談してきたので、このテントの検証を兼ねて仕事を引き受けることにしました。
・・・と、いう訳で、今回はこのテントの特徴と、その改良について記してみたいと思います。

【テントの特徴】(概要はメーカーのサイトをご覧ください)

①本体とフライに20デニールの極薄ポリエステル生地を使用しているためとても軽量です。
ポリエステルはナイロンのような吸水性も無く、紫外線による劣化も起き難いので長期間耐久性を維持してくれそうです。
とはいえ、生地が薄いため設営にあたっては慎重な取り扱いを要求され、またガイライン取り付け部など、強風時の耐久性が気になる部分(後述)もあります。

また、本体実測重量は1480グラム(ガイライン含む、ペグ・収納袋除く)でした。
カタログデーターでは1400グラムとなっていますが、この数字はガイラインも除いた重さにしても「?」ですね。
重さの表記については各テントメーカーにより基準がまちまちで、正しい比較ができないのはこまります。
ザックに入れる状態(本体+収納袋+ガイライン)で、ペグを除いた実測重量での表示に統一(もしくは併記)してくれると比較がしやすいのですが・・・。

②組み立ては極めて簡単です。初めから中央のハブでX字型に連結されたフレーム(画像↓㊧)の末端を本体四隅の短いスリーブに挿入します。
フレームの中央がハブで固定されているのでこの状態でもしっかりと自立します。(画像↓㊨)

Vl23_2 Vl23_1_2 

次に、中央(画像↓㊧)と各フレーム3箇所ずつを幕体のクリップ(画像↓㊨)で順次フレームに連結させていけばテント本体が立ち上がります。

Vl23_2_2 Vl23_3 
  
【吊り下げ式はスリーブ式よりも強度が弱そうに感じますが、ブランド名変更以前のこのメーカー製の“ダンロップテント”(同様な吊り下げ式の超ロングセラーシリーズでした)は、私も冬山を含め、ずいぶんお世話になり、かなりの強風や荒天も経験しましたが、張り綱さえシッカリ固定してあれば特に吊り下げ式だということでの問題は感じませんでした。同じ伝統を受け継ぐこのテントについても強度に関する不安は杞憂だと思います(たぶん?)。】


そして、フライを被せ、フライ内側の4箇所の紐をフレームに縛り(この部分は貧弱な造りなので改造予定→後述)、末端のバックルを本体下部に連結すれば、あとはラインをペグダウンして完成です。
また、BDのシングルウォールシェルターのように生地エピックだったり、あるいはシルナイロンの場合は収納時に空気の抜けが極めて悪く畳むのに一苦労しますが、それに比較してこのようなWウォールテントの場合は撤収も非常に簡単です。

Vl23_11
(テント生地を袋縫いにした貧弱な紐でフレームに縛るだけ!しかも紐は縦1本の直線縫いで取り付けてある)

③前室はファスナーの位置がテンションラインとオフセットされるなど、造りや使い勝手は悪くないのですが、予想外に小さめです。軽量化のためなのでしょうが、此処はもう10cm大きく作ってくれたほうが使い勝手は数段向上するはずです。
しかし、小さいといっても2人分の靴とクッカー類を置くだけの広さは確保されています。(画像↓)
また、カタログには前室と同じ大きさの後室もあるような図が記載されていますが、あれは完全な誤表記で、後室は事実上ありません。メーカーには早急な訂正をお願いしたいと思います。

Vl23_4

④入り口のドアは有効開口部が小さく、中央にないので出入りの使い勝手はあまり良くありません。
また、ドアパネルを開放した状態でループ&オシャブリで留めておけるのですが、端から丁寧に巻いてからでないとドア端の部分が垂れ下がって非常に邪魔なので、何とか改良を望みたい所です。
また、モスキートネットが外側になっているドアは換気の面では使い勝手が良さそうです。
できれば、ドアの反対側の本体下部にもベンチレターあれば、さらに換気が良好になるでしょう。

⑤VL23では 、VL33・43と異なりフライのサイド側下縁中央に張り綱を取り付けられるように設計されていません。
短いスパンですが、短辺の中央もショックコード等で外側に引くようになっていれば、風でバタついたり、フライが本体に張り付いたりしないと思います。(ここも改良予定→後述)

⑥フレームはプレベンドはなくストレートなのですが、中央のハブで2本が繋がっているため収納には慣れが必要で(?)、やや嵩張ります。
また、フレーム径は中央部がΦ9.5mm末端がΦ9㎜とやや太めです。
軽量テントではΦ8.5mm以下を使っている物も多いのですが、このテントでは強度を出すため太めの素材を使いつつ、天井部と末端で太さの異なる珍しい構造にして強度と軽量化のバランスをとっているのでしょう。
しかし、このためか普通のテントでは標準付属となっているリペアチューブが付いていません。山岳用テントを標榜するなら標準装備が当然だと思うのですが・・・。

まあ、フレームが頑丈という事は、ガイライン(張り綱)さえシッカリ固定されていれば、それなりの耐風性は期待できるという事ですね。


Imgp3888 Imgp3892
(中央部は末端より0.5mm程直径が太くなっている)

⑦全体に細部の設計が煮詰まっていないようで、ファスナーが波打っていたり、縫製もアライテント製などと比べるとやや丁寧さ・繊細さに欠ける感があります。

⑧その他、フライ用の収納袋(画像↓中央)が別に付いているのも他のメーカーには無い(?)良いアイデアだと思います。
フライだけをすぐ取り出せるところに仕舞っておけば、雨や風の中で休憩する時にツエルトのように使用することもできて便利そうです。

Imgp3897
(本体の収納袋㊨に、フライ㊥を一括収納することも可能)

★上記を含め、私個人の主観で総合的に判断すると、このVL23は同種の競合テント、“エアライズ2(アライテント)”“エスパース・デュオ(カモシカ)”と比較して、(軽いということを除けば)いま一つ見劣りする気もします。

その一つの理由は、上記2種は短辺130cmなのに、VL23は120cmと少々狭いからということなのですが、これは靴をテント内に収容しなければならない積雪期には、幅130cmが2人用のミニマムと私が考えるからです。
もちろん、前室に靴を置ける時期においてはこのままでも十分我慢できる寸法である事は確かなので、3シーズンのみで考えるならこの大きさでも不満はありません。
(ちなみに、私自身も夏場は、もっと狭くしかも前室も無いBDのハイライトも使ってます)

テントを軽く作る最も簡単な方法は、寸法を小さく作ることなのでしょう。
しかし、用途に合わせた最低限の寸法を確保しながら今以上の軽量化を図るのは、軽量化競争の中で逓減を続けたテントの重量がボトムに達した現在、そう簡単な事ではないでしょうから、どこで重さと大きさの折り合いをつけるかはメーカーのポリシーに任せるほかないのかも知れません。

まあ、テントを収容人数に対する重さ(軽さ?)だけで短絡的に評価する登山者も少なくないのですから、このように1グラムでも軽く仕上げようというメーカーのマーケット戦略も理解できない訳ではありません。

しかし、もしこのテントの短辺が130cm(長辺もできたら210cm以上)あって、フライに後室があって、そして本体後部中央下にベンチレターを兼ねた小さな窓があって、そこから後室にアプローチできたなら・・・、多少重くなっても、2人用で“3シーズン+α”の軽量テントとしては文句無くベストバイ・テントになると思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょう?。
ただ、軽ければ良いってもんじゃないような気もするんですが・・・。

★とは言え、全体を見れば素性の悪いテントではないようですので、細部の気になる部分に自分で手を入れ、少々チューニングすればもっと良いテントになりそうです。

自分が好意をもった製品ゆえ、辛口の評価になりましたが、本音を言うと私自身かなり欲しくなってしまった製品ではあります。(笑)

で・・・、次回は、この VL-23 をより良い状態にする改造について記事にしてみたいと思います。

(以下「改造編」に続く)


【余談ですが・・・】 -テントの収容人数・考-

大昔の家型テントの収容人数の基準寸法(モジュール)は、一人当たり6尺×1尺5寸・180cm×45cm、つまり1畳に2人、でしたが日本人の体格が大きくなった今ではこんな単位は現実的ではありませんよね。

上記のテントのメーカーは日本古来の“尺”を単位とした独自のモジュール(メーカーでは、1モジュールを概ね2尺×6尺8寸と考えているらしい?)を基準とし、2人用なので幅は4尺(121.2cm≒120㎝)と決めたようです。
そして公式サイトでも、尺寸の方が人間の身体感覚に適合している、とも解説しています。
しかし、尺寸自体、成人男子の平均身長が160cmに満たなかった近世以前の身体を前提にして決められたものですから、高校生男子の平均身長が170センチにも達した現在、この理屈ががそのまま通用するかは疑わしいと思いませんか?。
なにせ、寸法を決める基準となる身体そのものが大きくなってしまったわけで、尺骨の長さに由来する、1尺=30.3cm 自体が根拠を失っているんですから・・・。

また、日本の住宅の伝統的モジュールである“畳”にしたって、江戸間の1間が6尺なのに対し、京間では6尺3寸ありますから、江戸間の1畳は柱割という理由もあって、2尺9寸×5尺8寸(880mm×1760mm)なのに対し、京間では柱割りでなく畳割で家を建てますから、1畳の寸法も、3尺1寸5分×6尺3寸(955mm×1910mm)となっており、同じ人の身体を基準にするといっても“住まう”ことに何を求めるかで1モジュールの大きさにもずいぶん違いが出てくるのです。(以前、京間に暮す人は狭い江戸間を見下して“田舎間”なんて呼んでたそうですよ)

この新しい VL23に、旧モデルの VL*1シリーズの冬用外張りが流用可能かは知りませんが、前モデルと同様、荷物の多い積雪期に使用する事も視野に入れて設計しているなら、この寸法の基準にいつまでも拘泥するのは如何なものかと思います。
「狭いならプラス1人用を選べ」というのでは軽量化になりませんからね。

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2009年10月22日 (木)

山で使うナイフは?

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(下に紹介した現在使用中の小型ナイフについての評価です)


昔から山登りに刃物は必携とされていました。
最近は死語となっているかもしれませんが、以前はやや大振りのフォールディング・ナイフを『登山ナイフ』などと呼んでいたことを御記憶の方も多いと思います。

確かに、沢旅や藪山、あるいはサバイバル登山(ナンチャッテも含む?)などで、いざという時に役に立つのはナガサや剣先鉈を含む大型のナイフ類であることは間違いないかも知れません。

しかし、私も以前はナガサを自慢げにザックのサイドに取り付けて沢を歩いたこともありますが、実際には岩魚をさばく時に「使いにくい包丁」として活躍したくらいで、本来の出番はあまり無く、今では物置の何処かで錆にまみれているはずです。
また、テント場の整地で笹などの刈り払いを行うときも、ナガサや鉈より“ゴム太郎”というノコギリのほうが意外にも大きな威力を発揮しますし、流木の薪作りも良く切れるノコギリはナガサの何倍?もの能率で薪を作ってくれます。

そんなわけで、私は此処十年程は山にはノコギリ以外の大型刃物は持参せず、調理と岩魚をさばく為の中型のフォールディング・ナイフ程度しか携帯していませんでした。
さらに、ULの流れもあってか最近は沢でも、さらに小型の刃物しか持っていかなくなりましたし、通常の登山の場合にはスイス・アーミーナイフの鋏とピンセットと爪楊枝の付いた、一番小型のナイフ(画像↓)だけで済ましてしまうことも多いのです。

Vic  Vic_1


さて、そんな小型ナイフの中でも私がお気に入りなのが“BUCK/HARTSOOK NeckKnife(S30V) ”と“Karshaw/NationalGeographic JEEVA”です。
前者は刃渡り4.8cm 重さ15gとかなり小さく、頼りなげですが、S30V 製のブレードは切れ味も鋭く、また刃持ちもよく、小さくても尺岩魚位までなら難無く捌くことも可能です。
(画像↓、の樹脂製のシースが古いモデルで固定が甘いため、不用意に抜けないように細引きで固定するようにしてあるが、現在のシースは改良されている)

Imgp3937  Hs

後者は樹脂のカラビナ状のハンドルがあるためナイフとしては使いにくいのですが、ザックやギアラックに掛けて置けるため、沢登りやクライミングの最中に咄嗟に使用する事も可能ですし、テントの中でループに吊るしておいたりできますのでとても便利です。
製作しているのは“貝印㈱”なので、刃もパッケージ出しの状態で産毛が剃れるほどしっかりしています。
またこのナイフも32gと軽くほとんど負担になりません。

Kar_1  Kar
(Karshaw/NationalGeographic JEEVA)


さらに小型のモデル(画像↓㊨)もあります。このナイフもブレードのロック機構こそありませんが、アルミ製のカラビナ部分の造りも良く十分実用的です。
なお、上記4種については刃渡り6cm以下なので、目的さえあれば(原則として)合法的に携帯が可能です。
(なお、同じメーカーの、さらに大型カラビナツールはドライバーが付いていたりして便利かもしれませんが、重さが200グラム以上あり山用としてはちょっと中途半端な感じがします)

Kar_3

また、クライミングや沢で、緊急時(?!)にロープを切断する時や、急遽ラペリング用の捨て縄を作るときなどもナイフは必須ですが、こんな目的に限定するなら、セレーション・ブレード(波刃)のナイフが絶対的に有利です。(画像↓)
また、波刃だと調理には不向きと思われがちですが(まぁ、実際に不向きなのですが・・・)岩魚の刺身くらいでしたら、私でもそれ程見栄え悪くなく造ることもできましたので、思ったより普通に使えます。

Buck  Buck_1
(このような大きな穴のあるナイフだとカラビナで吊るしておける)

また、普通の直刃のナイフでも普通に研いで鋭く刃付けをした後、ハンドルの付け根から3~4センチ位の部分を♯400以下の荒目のダイアモンドファイル等(画像↓)で、カッティングエッジの角度に添って軽くタッチアップして荒らしておくと、ロープの切断が頗る容易になりますので、ロープを使う登山に直刃のナイフを携帯する方は是非試してみてください。
(昔の武士がいざ出陣という時に、普段は剃刀のように研いである日本刀を、庭石に一撫してから門を出た・・・、というのと同じ原理ですね)

Imgp3932




(余談ですが・・・) -戯論・ナイフ考- 


実は、私・・・、現在は卒業してますが、秋葉原の事件以来、さらに日陰者扱いされるようになった、ナイフ・マニアだった時期がありました。

そういえば、あの事件以来ダガータイプのナイフは所持自体が非合法になりましたよね。
私としては、ダガーナイフに肩入れするつもりはありませんし、私自身もこんなナイフを持ち歩きたいとも思いません。
しかし、型の如何を問わず、必要な?道具を自由に持ち歩けないばかりでなく、所持すら禁止している国なんて、逆説的かもしれませんが、私はある意味でとても不健全な気もします。

実際に街中で腰に大型ナイフを帯びている人が居たら・・・、私だって、それは確かに異常だと思います。
「おい、おい!、お前はクロコダイル・ダンディーのマイケルか?」って感じですよね。

しかし、所持すら禁止っていうのは大きなお世話って感じるんです。
私の目から見れば、ナイフの収集は児童ポルノの収集よりもよっぽど健全(笑)ですし、違法薬物と同列に所持自体が禁止ってのは如何なものでしょうか?
「ダガーナイフは主として刺突を目的とした形状であるから、一般的に考えて、所持する合理的な理由は見出せない」というのが優等生的説明なんでしょうが、“それ”を美しいと感じて傍においておきたいという合理的理由のあるマイノリティーの存在は、統計上無視され、有意数とは考えられていないのです。
美術館には「人殺しの為」に作られ(しかもその目的で実際に使われた!)た日本刀が芸術作品として陳列されていますが、あれだって総ての人が美しいと感じる訳ではありませんよね。
だったら、まずはそんな危険な物から所持を禁止し、スクラップにしてしまえば良いんじゃあないでしょうかね。
拳銃や自動小銃ならいざ知らず、「たかがナイフ」・・・、たかがナイフなんですから。

まあ、刃渡り6センチ以下なら持ち歩いても良いそうですが、万が一職務質問された時にポケットから出て来ようものなら、どんな小さなナイフでも警察署まで連行される口実となってしまうのですから困ったものです。
70年安保闘争時代には、文房具のオルファ・カッターですら、持ち歩く時に新品の刃でも6センチ以下に折っておかないと、公安の職質で別件逮捕される(・・と、友人が言ってました、笑)ことも現実にあったのですから・・・。

むしろ、ダガーナイフ以上に危ない刃物だって身の回りには一杯ありますよ。
ほとんどの包丁は所持してはいけない刃渡り15センチ以上の刃物なんじゃないでしょうか。
私なんか、ダガーよりむしろ刺身包丁やアイスピックのほうにより恐怖感を覚えます。

しかも、大多数の健全な(?)ナイフマニアは大事なナイフを血で汚そうなんて思っていないはずです。
もし必要に迫られても(?)大事なコレクションには手を触れず、別の刃物を使うってのが本当のナイフ愛好者なんだと思いますよ。(多分?笑)

だいたい、あの秋葉原の事件にしたって、初めに群集に突っ込んで人の命を奪ったのはトラックじゃなかったでしたっけ?。
そして、我が国で、1年間に病気以外が原因で死ぬ人の直接の死因を分析したら、トラックが原因となる事件事故の方が、ナイフが原因となるものより何千倍も多いんじゃあないでしょうか?
だったら、まずトラックを所持禁止にしたほうが良いんじゃあないのか・・・と、真剣に考える私は、論理的なのか、それとも馬鹿なのか、どっちでなんしょうかね?

なんか、この国は都合の悪い事が起こると、象徴として、皆に分かり易い悪者をでっち上げて、それを槍玉に挙げて、(それも、多くの場合マイノリティーか反撃できない弱者を・・・) 皆でボコボコに叩いておいて、それで事足れり、と安心してしまい、本質的な原因はほったらかしにしてしまう、という悪い風習が幅を利かせている・・・。何かそんな風通しの悪さを感じちゃいますね。(“バイク乗り”なんか、いつも十把一絡げにこういう扱いをされてきました・・・し、ましてやナイフ愛好者なんてホビーの範疇ではモロにマイノリティーですから、ジャンケンする前から“鬼”にされちゃうんでしょうね)

私も、モラルやエチカなどという言葉を恥ずかしげもなく口にできる歳にはなりましたが、それでもなお、モラル・マジョリティーを自称する胡散臭い連中にはどうしてもシンパシーを感じられません。

(例によって論旨不明瞭につき・・・、閑話休題)

そんな訳で、我が家には数え切れない?ほどの刃物があります。
そればかりか、約25年ほど前にナイフメーキングに凝った時期がありまして、工作好きが高じて、最終的にはスプリングロックのフォールディング・ナイフの製作まで手を伸ばした経歴の持ち主なのです。(道徳的多数派から見れば、モロに変態かな?)

Kniv_8
(自作したナイフ達)

男子は総じて刃物に興味を持ちがちですし、工作好きの私としては当然の成り行きだったのでしょう。
当時は金も無く、高価なナイフ用のベルトサンダーも買えずコツコツと手造りをしていたのを懐かしく思い出します。
また、シース(鞘)作りのおかげで、レザーワークも上手になりました。

そんな訳で、ナイフの記事を書いたのを機会に、自宅に残っている作品を、久々に押入れの奥から引っ張り出してみましたので、ついでに幾つか御披露したいと思います。

まだ工作技術も未熟でしたし、さすがに四半世紀前の作品なのでミラーフィニッシュも曇り、ニッケルシルバーのヒルトも緑青が浮き、手縫いのシースもカビや経年変化でくたびれていました。
一応掃除はしましたがなかなか元通り綺麗にはなりませんでしたので、事情を斟酌してご覧ください。

Kn Kn_2 Kn_3 Kn_4

Kn_5 Kn_7 Kn_8 Kn_9

また、当時は、サバイバルナイフが流行だったためか、使いもしないのに、この種のナイフやファイティングナイフなど、ずいぶん物騒で非実用的なものを沢山作りました。
今考えれば赤面モノですね。

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2009年10月15日 (木)

スノーピーク“GST-110A”のウインドシールド

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



Sp4
(今回はGST-110Aにウインドシールドを取り付けた)


スノーピークの超軽量ストーブ“ギガパワー・マイクロマックス・UL(GST-120)”用のウインドシールドは以前の記事でご紹介しました。
このストーブは、僅か56グラムしかなく軽量という点では最高評価をしても良い製品ですが、残念ながら使い勝手という点では多少重くてもイグナイター付きのストーブには及びません。

そこで、イグナイター付きの“ギガパワー・マイクロマックス(GST-110A)”を入手したのを機会に、前作のウインドシールドを装着できるように改造を行ってみました。

Sp1
(GST-110A/チタン仕様)

問題はイグナイターの碍管部分がウインドシールドの穴の内縁と干渉しないか?という点でしたが、寸法を測ってみたら前作と同じ設計で何とかOKそうでしたので早速ストーブのゴトクにスリットを加工しました。(画像↓)

Sp2

結果は設計どうり、上手くイグナイターの碍管部分に当たらずにウインドシールドの取り付けが可能でした。(画像↓)

Sp5  Sp3

工作については過去の記事( )をご覧いただければ、あらためて説明の必要ないと思います。
また、ウインドシールドの部分はチタンが理想なのですがステンレスでも十分実用になる製品となりますし、取り付けも簡単でかなり効果のあるウインドシールドなので、皆さんにも是非お勧めしたい改造です。

Gst110ax


(参考)-旧作品の例-

P-153 用、ウインドシールドの製作』
P-113 用、ウインドシールドの製作』

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2009年10月 8日 (木)

“パン・ハンドラー”を使いやすく

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


“パン・ハンドラー”などと言うとお洒落なのですが、要は鍋の柄のことですね。そして今回は改造と言うより、この鍋の柄を使いやすくする簡単便利なアイデアです。


さて、国産の山用クッカー(コッヘル)には大体折りたたみ式のハンドルが本体に取り付けられていますが、何故か欧米製のクッカーは本体とハンドルが別体式の物が多く、一個のハンドルを複数のクッカーで共用している場合が多いようです。
確かにその方が合理的なのかもしれませんが、鍋の中をかき回す時や、特に雪で水を作る時には頻繁にしかも乱暴に鍋を動かしたりしますから、一々ハンドルを確認したり握り直したりするのも結構面倒です。

そこで、ハンドルを手で握っていない時もそのまま鍋に固定されていて、しかも鍋から外したい時にはすぐ外せるように工夫してみました。

Ph1

上の画像はMSRのデュラライトクッカーです。
このクッカーは肉厚で少し重いものの、調理全般や特に飯を炊くには(吹きこぼれに注意すれば!)最高のクッカーでしたが残念ながら今年から廃番となってしまいました。


パン・ハンドラーの改造は画像を見れば一目瞭然なので、特に解説は必要ないでしょうが、ただ適当な長さのショックコードの輪をハンドルに結び付けただけです。
必要な時は上下のハンドルをショックコードで固定しておけば不用意にハンドルが動いてしまうこともありませんし、不必要ならそのまま使用すれば良いだけの話です。

Ph2  Ph3

単純ですが、重くもならずそこそこ便利になりますので、このタイプのクッカーとハンドルをご使用中の方には是非お勧めしたいと思います。

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