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2009年12月

2009年12月30日 (水)

ザックのAXループをプチ改造

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


登山用のザックにはピッケル(アックス)を固定できる構造が設けられているのが普通です。

最近は少数ですがピッケルのピック部分をスリットに収納できるタイプのアックスホルダーを装備した便利なザックも市場に出回っていますが、大半は伝統的な形態のアックスループをザックのボトム付近に縫い付けたもの(画像↓)がほとんどのようです。

Imgp4084

このシステムはシンプルでありながら確実にピッケル(アックス)を固定できる定番の仕組みではありますが・・・、実際に使うとなると、このシステムにも問題が無いわけではないのです。

それは、ザック・メーカーの立場として、取り付けられないピッケルが在ってはいけないと考えてのことか(?)、ほとんどの場合かなり大きめのサイズのアックスループが取り付けられているという事です。(メーカーによっては明らかに大き過ぎのモノもあります!)

まあ、大き過ぎたとしても通常は問題が無いのですが、普通のアッズタイプでは問題無くても、マルトーピオレ(ハンマー付きのアックス)を取り付ける場合はループが大きすぎると稀にループからヘッドが外れてしまう事もあるのです。

また、BDの“レイブン”(画像↓)に代表される把握性の良い細身のヘッドを持った最近のピッケルの場合は、外れる事は無いとはいえブラブラ動いて、かなり不安定にしか固定できない場合も少なくありません。

Imgp4085
(最近のピッケルの中にはループ式のアックスホルダー向きでないモノも・・・)

また、ループが大き過ぎてビックが外を向いてしまっていると(画像↓)同行者に危険なばかりでなく、藪などで引っ掛かってしまう恐れもあるので要注意です。

Imgp4063
(↑・大きすぎるアックスル-プは固定がルーズになってしまう)


そこで、私はアックスループを自分の多用するピッケルに合わせた長さに調節しています。
やり方は、画像のように丁度良い長さにアックスループの輪を縫い縮めるだけです。
バックルでアジャスト機構を設けても良いのでしょうが、せっかくのシンプルな構造なのでこのままにしておきました。

Imgp4086  Imgp4088
(ループの中間を3つ折りにして縫い、㊨画像のようにループを小さくする)

縫製に当たっては、使用するピッケルを実際に通してみて、ループが小さくなり過ぎない適度な大きさを決め、デフォルト復帰を考慮して細い糸で簡単に縫っておくと良いでしょう。
また、ミシンが無くても手縫いで十分ですので、このタイプのザックを御使用の方は早速改造してみてはいかがでしょうか。

皆さんにも是非お勧めしたい、簡単便利でとても有効なプチ改造だと思います。

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2009年12月23日 (水)

秀山荘のウォーター・ハーネスを使いやすくしました

便利度 :★★★☆☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(まあ、改造後でもこんな評価でですかね?)


私はもう岩やアルパインクライミングはしませんし、行っても簡単な沢くらいというのが現状です。(・・・というか、現在は足の怪我の後遺症で簡単な沢にすら苦労する状態です)
こんな場合、ハーネスはなるべく軽く簡単なものが良いと思います。
とは言うものの、ウエストだけのスワミベルトだと垂直のラペリング時にはさすがに苦しいですから、そんな時にはシットタイプやレッグループタイプのハーネスだと断然快適です。

で・・・、沢用のハーネスを市販のものの中で選ぶとすると、BDの“アルパインボッドハーネス”エーデルワイスの“ランド”、など、シットタイプの簡単なものが適していると思います。
理由は、レッグループ・タイプのハーネスはパンツを履くようにレッグループに足を通さなければならないので、足場の悪い場所(特に沢では詰めの変な場所でハーネスの再装着を要求される事も少なくない)や、アイゼンを履いている時など装着時に無理な体勢を強いられますが、これらのシットハーネス・タイプのものは立ったままで、極端な話スキーを履いたままでも装着ができるからです。
(また、使った事はないのですが、CAMPの“コーラル”も少し嵩張りますが、レッグループ式とシットタイプの良いところを兼ね備えた、プロテクション能力の高いアルパイン向きの良い製品だと思います)

Hned  Hnbd
(私の使っているエーデルワイスの“ランド”㊧とBDの“アルパインボッドハーネス”㊨)

そんな訳で、沢用のハーネスを1つだけ選べと言われたら私はこのBDの“アルパインボッドハーネス”を推薦します。(㊟“ボッド・ハーネス”でなく、“アルパイン・ボッドハーネス”です)

しかし残念ながらこのハーネスはレッグループを取り外してスワミベルトとして使用することはできません。(エーデルワイスの“ランド”は取り外しもできますが、使用時にレッグループの部分がズレて不愉快なので私は自分のサイズに合わせて縫い付けてしまいました、また非常に軽い反面、素材が薄くペラペラで少々頼りない感じです)

必要な時にはレッグループを使用し、簡単な沢ではレッグループ取り外してスワミベルトとして使用したい・・・、そんな我侭を実現してくれる沢用ハーネスは、沢の名門『秀山荘』オリジナルの“ウォーター・ハーネス”くらいのものでしょうか?。
レッグループの落ち着きや装着の面倒さという点では不満もありますが、まあまあ悪くない商品だと思います。
(通常のクライミングハーネスもレッグループ取り外せるものが多いので、スワミベルトとしても使用できますが・・・、嵩張るし水を吸いますし・・・)


Hncz  Hncz2
(秀山荘のオリジナルブランド Climb Zone の“ウォーター・ハーネス”)

しかしながら、大小異なったウエストサイズに対応し、またレッグループを取り外し可とする必要から、後ろ側のレッグループ・ストラップをスワミベルトの背部中央に固定する部分が自由にスライドするような構造になっているのはいただけません。
まぁ、これはこれで仕方の無いことなのでしょうが、使用中にズレてしまうと少々の違和感がありますし、装着しようと「ガチャ袋」から取り出した時にこの部分がベルトからすっぽ抜けていてイライラすることもありました。
かと言って、この部分を自分のウエストサイズに合わせて縫い付けてしまうと使い回しがききませんし、着衣によってサイズを調整することも難しくなります。

そこで、取り外しと調節ができて、しかも使用中にズレないように改造することにしました。

構造は画像をご覧いただければお判りだと思います。
スワミベルトの背中部分に、自分のウエストサイズを中心に調節する余裕を持った長さのベルクロのループ面を縫い付け(画像↓㊧)、レッグループを取り付けるパーツの部分に短いベルクロのフック面を縫い付けただけです(画像↓㊨)。

Hncza  Hnczb

使用にあたっては、実際に装着してみてビレイループを腹の中心に位置させたとき、ちょうど反対の背中の中心位置にレッグループの後ろの取り付け部分を移動させ、ベルクロで固定するだけです(画像↓)。

Hnczc

簡単な改造ですが、使用中にレッグループはズレませんし、入渓する時にも悩まずスムーズに装着できるようになります。
また、当然のように簡単にレッグループを取り外し、スワミベルトとして使用することもできます。

正直な話をすると・・・、実は、普段私は脱着の面倒さからこのハーネスについては、レッグループを取り外し、もっぱらスワミベルトの状態で使用しているのですが・・・、まぁ、改造する意味はそれなりにあったと思います。

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2009年12月16日 (水)

ガスストーブ用“ローダウン・アダプター”の製作④

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(この種の改造はあくまで自己責任で!)


ガスストーブ用“ローダウン・アダプター”の製作③、からの続きです)

次に、これまでに製作したバーナーベース部とMSRのフューエルバルブをホースで繋ぎます。

Ld4_2  Ld4_5
(完成した“ローダウン・アダプター”㊧、とバーナー&キャニスターを取り付けた状態㊨)

ホースは500型カートリッジが使えるよう余裕を持った長さにカットし、それぞれのパイプに嵌めた後、抜け止めのクランプで固定します。

Ld4_1 Ldx Ld4_3 
(バーナーベース部の詳細)

私は体裁の良いステンレスのスプリングを適当な長さに切ってクランプとして使用していますが、この方法は簡単ですし圧力がかかっても十分な抜け止め効果を発揮してくれます。

さて、組み立てが終わったら燃焼テストに入ります。
バナーは画像のようにスノーピークのULストーブを使用しました。
当たり前といえば当たり前なのですがご覧のように快調に燃焼します。(画像↓)

Ld4_6

ただ、フューエルバルブがバーナーユニットとキャニスー側の2個になりますので、バーナーを取り外す時はカートリッジ側のバルブが閉まっていることを確認する必要があります。
また、キャニスターを先に取り外す時には、キャニスター自体にシャットオフバルブがありますので、カートリッジ側のバルブを閉めていなくても大きな問題は起きないでしょうが、やはり分解時にバルブを閉めておく習慣は持っていたほうが良いと思います。

さて、気になる重量ですが、“ローダウン・アダプター”のみで160g、スノピのULストーブ込みで220gですから、この状態でも思ったよりも軽く仕上がりました。
バルブやホースに軽いものを使えば、まだまだ軽くできると思います。


実際の山行時の使用法としては、アタックキャンプのテントまでは“ローダウン・アダプター”を使って安定した状態で調理を行い、アタック時には軽量化のためULストーブのヘッドのみ持って行く・・・、なんていうケースが考えられますが、・・・現在の私にはあんまり関係無さそうな想定ですね。(笑)


まぁ、ハッキリ言って、誰にでもお勧めできる改造ではありませんが、私的には“山道具遊び”として十分楽しめた工作であったことは確かです。

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2009年12月 9日 (水)

ガスストーブ用“ローダウン・アダプター”の製作③

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(この種の改造はあくまで自己責任で!)


ガスストーブ用“ローダウン・アダプター”の製作②、からの続きです)

前回のベースプレートは見た目は良いのですが、折りたたんだ時にぴったり収まらず嵩張ってしまいました。
今回は別のパターンのベースプレートを試してみます。
今回の設計は、中心から放射状に足を配置するのではなく、中心からオフセットされた位置から三角形の辺を片方に延長された形に足を配置するというものです。

Sk10_2
(今回は㊧のプレートを使用した)

組み立てた状態は(画像↓)のとおりですが、足は各2本のブラインドリベットで固定してあります。

Skb21  Skb22

では、足を折りたたんだ状態はどうでしょう?(画像↓)

Skb23  Skb24

設計どおり折り畳んだ足が上手く互いに逃げ、ピタッと折りたためますから、収納時の厚みも最小限に収まりました。

これで、主要部分は完成です。
後は、カートリッジに取り付けるバルブとホースを用意すればよいのですが、バルブは例のインチネジの関係で自作は無理(・・・と言うか、ネジが切れたとしても私には技術的に困難)なので、古いMSRの分離型ストーブのバルブの手持ちがあったので、それを利用する事にしました。

Sk9
(㊨が古いMSRのバルブ)

また、ホースは耐熱性と耐油性、更にガスが通りますので炭化水素全般に強い素材でないと実用品にはなりません。
シリコンゴムは耐熱性はあるのですが、圧力の掛かるところに使ってはいけないのがこの素材使用上のセオリーですし、また酸やアルカリの薬品には強くても炭化水素への耐性は極めて小さく、液体燃料に触れると膨潤し僅かの力で裂損してしまいます。
この用途としてはフッ素系ゴムのホースが理想と考えられますが入手法すら知りませんし、次善の策としてはテフロンチュ-ブも良いのですが(MSRのメッシュホースのインナーはテフロンです)素材が硬く自由度が少なく、鋭角に曲げる潰れてしまうので金属メッシュのカバーが必要となり、アマチュア向きではありません。

そこで、私の選択肢にあるのは、以前EPIから純正補修用パーツとしてホース単体で販売されていたもの(画像↓㊧)の手持ちストックを使うか、または市販のガソリン用フューエルホース(画像↓㊨)を使うかですが、今回は試作と言う事でフューエルホースを使用する事にしました。これだったら耐熱性もあり、本来の用途から炭化水素にも十二分な耐性があるはずです。

Sk8_2
(㊧のEPI純正クランプ付ガスホースは残念ながら現在パーツ販売されていない)

さあ、これでパーツは揃いました。
後は組み立てて燃焼テストをするだけです。

(以下、続く・・・)


【余談ですが】 -冬用アンダーウエアーに悩む-

最近はアンダーウエアーなどと呼ばずにベ-スレイヤー などというお洒落な呼称があるようですが、要するに山用の“下着”ということですね。
しかし、「たかが“下着”、されど“下着”!」で、何だかんだ言ってもやはり冬山の快適性・安全性を左右するのは“下着”みたいな気がします。

最近はアウターシェルの高機能化(≒高価格化?笑)が進行しましたが、私が学生だった時代はゴアテックスなんてありませんでしたから、最新の冬季用アウター・シェル(この言葉も当時ありませんでしたが!)といったら、それはナイロンツイルのWヤッケの事でした。
これでも厳冬期にも特段不都合は感じませんでしたし、そればかりか、ラッセルなど運動量の多い時など(春のベタ雪を除けば)今のゴアアウターよりむしろ快適だったかもしれません。
つまり、1~2月の厳冬期に限定すれば、ゴアのような高品質な透湿防水素材でなくても、風を遮りつつも必要にして十分な通気性のあるアウター素材であれば、それで十分、という場面も少なくないような気がします。

しかし、事“下着”に関しては当時も現在と同様に「何でも良い」という訳ではありませんでした。

と・・・いう訳で、大昔の私は、Wヤッケとカッターシャツの下には、当時の私にとってはアウターのWヤッケと比べても、かなり高価だったウールの下着を着ていました。
所謂“ラクダ”といわれていたウールの下着なのですが、(本物のラクダは高くて買えなかったので紛い物で済ませたせいか)私としては当時のウールの下着にあまり良い思い出はありません。

汗をかくとチクチクしたり、キスリングで擦れる背中を中心にメチャメチャ縮んでフェルト化してしまい、結局1シーズン位しかもたなかったですからね。
(そう言えば当時の主流だったハンガロテックスの手袋は1シーズンで見事に縮んでしまいましたが、斉藤メリヤスの無脱脂毛糸?手袋は高品質であまり縮まなかったのを思い出しました)

そんな理由もあって、その後“オーロン”というポリエステルの異型断面繊維を使ったアンダーウエアーが登場するや、あっという間に山用のアンダー市場からウールの下着を駆逐してしまったのです。

さらにその後も山用のアンダー市場では、“ウイックロン”など名称は様々ですが、同様な合成繊維が主流である状態は揺るがず、さらに最近は“ブレスサーモ”や“ヒートテック”などという吸湿発熱系の高機能合成繊維でできたアンダーまで登場してきました。
そんなわけで、“オーロン”の登場以来、私は現在まで三十数年、ずっと、このような科学繊維系のアンダーを着用し続け、それで十分満足しています。

しかし、正直な話をすると、私自身としては“ブレスサーモ”や“ヒートテック”などという吸湿発熱系の合成繊維の性能については、体感としてはなんとなく効果を認識しつつも、どうも理論的に納得できない部分があるのです。
繊維が吸湿して発熱するメカニズムは分らなくはないのですが、合成繊維のフィラメント自体の吸湿率はおそらく自重の数パーセント以下でしょうから、そこまでの吸湿段階での発熱は理解できるのですが・・・、しかし、これらの繊維のもう一つの特徴は湿気を溜めず外部に放出して肌面に水分を残さないようにする事ですよね?
だとしたら、リミットまで吸湿した繊維はその段階以降は既に発熱は行わず、今度は水分の蒸散によって逆に気化熱を奪って行く事になりはしないでしょうか?

つまり着て暫くは暖かかったにしても、繊維が限界まで吸湿を終えた時点以降は普通のアンダーと同じ保温性しか無いような気がするのですがいかがでしょうか・・・?。(まぁ、普通の天然繊維だって吸湿すれば多少発熱するんですからネ)
それとも、発熱される熱量と奪われる気化熱が相殺されるので、その分他の繊維より暖かく感じるという事なのでしょうか?
「発熱するから暖かい」なんて言われても、素直でない私には何かウソ臭く聞こえちゃうんです。熱力学の第一第二法則を持ち出すまでもなく、この繊維がずっと発熱だけし続けるんだったら永久機関だってできちゃうはずですからね・・・。(誰か御存知の方は私の納得できる解説をお願いします)

また、昨シーズンにはブロガーなどの間でもかなり評判の良かったF社の薄いのに結構高価な撥水系メッシュ素材の山用アンダーを買ってみました。
しかし、(少ない回数ですが)自身で着用した感覚では、この製品が冬用として特別優れているという感覚は持てませんでした。
素材が薄いので、寒い時期はもう一枚吸汗性のアンダーを上に重ねるか、中間着を工夫しなければなければならない、というのも気になりますし、生地が滑りやすくタイトフィットな着心地というのも私としてはイマイチな感じです。
率直な印象として、冬季での使用については、モンベルのジオラインなどの一般的な登山用アンダーの方がむしろ快適なように感じました。(メーカーの宣伝にまんまと引っ掛かったような気がしますが・・・しかし、夏山や沢なんかでこれの半袖を使えばはかなり好い感じだと思いますので損をしたとは思っていません)

・・・で、今冬用のアンダーで悩んでいる理由は、アンダーの素材に、大昔に着ていた羊毛系の天然素材のアンダーがメリノウールなどという高品位な素材になって、リバイバルで登場してきたからです。
しかも、これまたブロガーの間でかなり評判がよろしい・・・。

先に述べたように私自身はウールのアンダーには良い思い出は無いのですが、今年の冬は再び以前より快適な着心地になったという、メリノウールという天然素材をウン十年ぶりに再び試してみるか・・・、それとも今まで通り高機能合成繊維のアンダーを継続使用するか・・・。
はてまたは、もう一度F社に騙されたつもりで、ウールと化繊を紡績段階でミックスし、両方の素材の“イイとこ取り”をしたという同社の新素材アンダーを試してみるか・・・。

これが、私的には、今、ちょっぴり悩ましい問題なのです。

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2009年12月 2日 (水)

樹脂ストラップ・アイゼンをレトロなバンド式に!

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


先日、重い冬靴ではオーバークォリティーとなる初冬や残雪期用として、軽い革製登山靴を夫婦で新調しました。

靴自体はバーゲンでかなり安かったので思慮なく購入してしまったのですが、その結果、コバの無い靴でも履ける前後ストラップ式のアイゼンまで購入する必要にせまられたのです。(その時まで、ワンタッチアイゼンの取り付けられない冬季に使用できる登山靴は持っていなかったのです!)

そんな訳で、連れ合いの小さなサイズの靴用として、PETZLシャルレの“イルビス”という樹脂ストラップの10本爪アイゼン(画像↓)を購入してみました。

Petzl_3  Petzl
(兄貴分のサルケン&バサックと同様の良い造りのアイゼンです)

実際に使ってみると(画像↓)、カミサン用のこの靴はかなり小さいので、通常のアルパインブーツで使っている12本爪バサックよりもこの10本爪のイルビスのほうがこの靴に合っているようで、またフロントポイントとセカンドポイントの間隔も適切で履きやすかったと言ってました。
ただ、付属のアイゼンバンドは緩みにくいのですが操作性が悪いため通常のスプリングバックルのものに換装しました。
また、ヒール後端の突起(ストッパー)で靴の踵の位置が決定されるので、後端の爪が踵の縁にくるのは良いのですが、踵の幅の狭い靴の場合にはサイドのリングの部分に間隙ができてしまうという問題があります。
現在、状態を検討してこの突起を切り落としてしまう改造も検討中ですが、まぁ、それ程目くじらを立てるような問題ではないので、総合的に判断して、なかなか好いアイゼンだと思います。

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しかし、以前の記事にも書いたように、PETZLシャルレの樹脂製ストラップは材質が硬く、動きが渋いので、収納する時に小さく畳もうとしても嵩張ってしまうのです。
しかもイルビスはヒールも樹脂ストラップなので余計気になってしまいます。(画像↓)

Petzl_1  Petzl_2
(㊧のフロントストラップの反転にも苦労するし、㊨画像のように畳んでも嵩張ってしまう)

幸いにこのアイゼンは従来のバンド式アイゼンをベースにしているため、リングを残した堅実な設計となっていますので、少々レトロな感じはしますが、アイゼンバンド式に改造をする事にしました。
樹脂製ストラップは外見はスマートで格好が良いので、切り取って旧式に改造するのには勇気が要りましたが、コンパクトに畳めて、しかも装着もかえって簡単になりそうなので思い切って改造する事にしたのです。

バンドとステンレスリングは手持ちの物を使用し、画像(↓)のような構造としました。

Pet  Petz2

より簡単にしかもコンパクトに収納できるようになりましたので、まずまず大成功と言ったところでしょう。


【余談ですが・・・】 -“冬靴”を選ぶ -

上の記事の靴とアイゼンを試しにカミサンとシーズン初の雪山に行ってきました。
冬山入門として人気の山だったので、連休という事もあって大小のパーティーを含め多くの登山者と遭いましたが、稜線は20~センチの積雪があり、ほとんどの方がアイゼンを(必要の無いところでも!)使用していました。

そこで私が気になったのが、その方々の足回りです。
雪山なのに、ほぼ全員がトレッキングシューズというパーティーもいました。

まあ、最近のトレッキングシューズは硬めのシャンクやゴアブーティー等のライニングを装備した物もあり、スペックや特性を知って使用すれば軽快に雪山ハイクが楽しめる性能は十分備えた物も多いので、ガタガタうるさい事は言いたくないのですが・・・。
私としては8本爪以上のアイゼンを使用するような雪山には、多少重くてもある程度硬めでハイカットの、皮革もしくは専用素材を使用したアルパインブーツを使用した方が良いと考えています。(特に中高年以上の方は!)

その最大の理由は、アイゼンバンドを締めた時に足の甲を圧迫して血行を阻害し、それ程の低温でなくても短時間で凍傷やトレンチフット様症状となり、歩行不能に陥る危険性があるということです。
私も大昔に経験がありますが、山からは無事帰れたとしても、街でもかなり長期間痺れや痛みといった後遺症に悩まされることもあります。

もう一つの理由は、アイゼン使用時には積雪に隠れた石などにアイゼンのツァッケを引っ掛けて足首を捻ってしま事がよくあるのですが、そんな時に足首の極端な内外転が抑制される程度の足首の深さと硬さが無いと、足首を捻挫してしまう危険性が高まるからです。

岩場など目視で足場が確認できる時は注意のしようもあるのですが、初冬などゴロ石に軽い雪が被っているような場合や、モナカのようにクラスト面の下に空洞があり、度々雪面を踏み抜いてしまうような状態の時は、突然片側のツァッケが岩に引っ掛かって足を捻ってしまう危険が特に高くなりますし、疲労して注意散漫になっていればなおさらのことです。

この事はあまり登山の教科書でも話題になっていないようですが、山の中では捻挫くらいでも行動不能となり、パーティー全員を危険にさらしてしまう事態にもなりかねませんので、「たかが捻挫」などと舐めてはいけないのです。
私の友人は、アルパインブーツを履いていたのにも関わらず、登り初めでいきなり1メートル位の高さ(低さ?)からグランドフォール(笑)した瞬間に、アイゼンの内側のツァッケを下にあった石に引っ掛けてかなり重症の(?)捻挫をしてしまい、ビバークを強いられました。

特にトレッキングシューズは、ゴア・ブーティーを使用した高性能モデルでもキックステップは苦手でしょうから、いきおいアイゼンやその他のトラクションシステムを使用する機会が多くなり、したがって捻挫の危険性もより大きくなる事にりますよね。
確かに最近のトレッキングシューズは透湿防水性に優れ、保温さえ工夫すれば冬の低温にも十分耐えられるとは思いますが、アイゼンの使用が予想される場合には、以上のような観点から十分な配慮が必要だと思います。

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