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2009年12月 2日 (水)

樹脂ストラップ・アイゼンをレトロなバンド式に!

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


先日、重い冬靴ではオーバークォリティーとなる初冬や残雪期用として、軽い革製登山靴を夫婦で新調しました。

靴自体はバーゲンでかなり安かったので思慮なく購入してしまったのですが、その結果、コバの無い靴でも履ける前後ストラップ式のアイゼンまで購入する必要にせまられたのです。(その時まで、ワンタッチアイゼンの取り付けられない冬季に使用できる登山靴は持っていなかったのです!)

そんな訳で、連れ合いの小さなサイズの靴用として、PETZLシャルレの“イルビス”という樹脂ストラップの10本爪アイゼン(画像↓)を購入してみました。

Petzl_3  Petzl
(兄貴分のサルケン&バサックと同様の良い造りのアイゼンです)

実際に使ってみると(画像↓)、カミサン用のこの靴はかなり小さいので、通常のアルパインブーツで使っている12本爪バサックよりもこの10本爪のイルビスのほうがこの靴に合っているようで、またフロントポイントとセカンドポイントの間隔も適切で履きやすかったと言ってました。
ただ、付属のアイゼンバンドは緩みにくいのですが操作性が悪いため通常のスプリングバックルのものに換装しました。
また、ヒール後端の突起(ストッパー)で靴の踵の位置が決定されるので、後端の爪が踵の縁にくるのは良いのですが、踵の幅の狭い靴の場合にはサイドのリングの部分に間隙ができてしまうという問題があります。
現在、状態を検討してこの突起を切り落としてしまう改造も検討中ですが、まぁ、それ程目くじらを立てるような問題ではないので、総合的に判断して、なかなか好いアイゼンだと思います。

Pe

しかし、以前の記事にも書いたように、PETZLシャルレの樹脂製ストラップは材質が硬く、動きが渋いので、収納する時に小さく畳もうとしても嵩張ってしまうのです。
しかもイルビスはヒールも樹脂ストラップなので余計気になってしまいます。(画像↓)

Petzl_1  Petzl_2
(㊧のフロントストラップの反転にも苦労するし、㊨画像のように畳んでも嵩張ってしまう)

幸いにこのアイゼンは従来のバンド式アイゼンをベースにしているため、リングを残した堅実な設計となっていますので、少々レトロな感じはしますが、アイゼンバンド式に改造をする事にしました。
樹脂製ストラップは外見はスマートで格好が良いので、切り取って旧式に改造するのには勇気が要りましたが、コンパクトに畳めて、しかも装着もかえって簡単になりそうなので思い切って改造する事にしたのです。

バンドとステンレスリングは手持ちの物を使用し、画像(↓)のような構造としました。

Pet  Petz2

より簡単にしかもコンパクトに収納できるようになりましたので、まずまず大成功と言ったところでしょう。


【余談ですが・・・】 -“冬靴”を選ぶ -

上の記事の靴とアイゼンを試しにカミサンとシーズン初の雪山に行ってきました。
冬山入門として人気の山だったので、連休という事もあって大小のパーティーを含め多くの登山者と遭いましたが、稜線は20~センチの積雪があり、ほとんどの方がアイゼンを(必要の無いところでも!)使用していました。

そこで私が気になったのが、その方々の足回りです。
雪山なのに、ほぼ全員がトレッキングシューズというパーティーもいました。

まあ、最近のトレッキングシューズは硬めのシャンクやゴアブーティー等のライニングを装備した物もあり、スペックや特性を知って使用すれば軽快に雪山ハイクが楽しめる性能は十分備えた物も多いので、ガタガタうるさい事は言いたくないのですが・・・。
私としては8本爪以上のアイゼンを使用するような雪山には、多少重くてもある程度硬めでハイカットの、皮革もしくは専用素材を使用したアルパインブーツを使用した方が良いと考えています。(特に中高年以上の方は!)

その最大の理由は、アイゼンバンドを締めた時に足の甲を圧迫して血行を阻害し、それ程の低温でなくても短時間で凍傷やトレンチフット様症状となり、歩行不能に陥る危険性があるということです。
私も大昔に経験がありますが、山からは無事帰れたとしても、街でもかなり長期間痺れや痛みといった後遺症に悩まされることもあります。

もう一つの理由は、アイゼン使用時には積雪に隠れた石などにアイゼンのツァッケを引っ掛けて足首を捻ってしま事がよくあるのですが、そんな時に足首の極端な内外転が抑制される程度の足首の深さと硬さが無いと、足首を捻挫してしまう危険性が高まるからです。

岩場など目視で足場が確認できる時は注意のしようもあるのですが、初冬などゴロ石に軽い雪が被っているような場合や、モナカのようにクラスト面の下に空洞があり、度々雪面を踏み抜いてしまうような状態の時は、突然片側のツァッケが岩に引っ掛かって足を捻ってしまう危険が特に高くなりますし、疲労して注意散漫になっていればなおさらのことです。

この事はあまり登山の教科書でも話題になっていないようですが、山の中では捻挫くらいでも行動不能となり、パーティー全員を危険にさらしてしまう事態にもなりかねませんので、「たかが捻挫」などと舐めてはいけないのです。
私の友人は、アルパインブーツを履いていたのにも関わらず、登り初めでいきなり1メートル位の高さ(低さ?)からグランドフォール(笑)した瞬間に、アイゼンの内側のツァッケを下にあった石に引っ掛けてかなり重症の(?)捻挫をしてしまい、ビバークを強いられました。

特にトレッキングシューズは、ゴア・ブーティーを使用した高性能モデルでもキックステップは苦手でしょうから、いきおいアイゼンやその他のトラクションシステムを使用する機会が多くなり、したがって捻挫の危険性もより大きくなる事にりますよね。
確かに最近のトレッキングシューズは透湿防水性に優れ、保温さえ工夫すれば冬の低温にも十分耐えられるとは思いますが、アイゼンの使用が予想される場合には、以上のような観点から十分な配慮が必要だと思います。

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