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2010年1月

2010年1月27日 (水)

G3 の“新型スキン・トリムツール”を試す

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆


北国から雪の便りが届く季節になると、道具のチェックやメンテナンスという山スキーヤーにとってシーズン前哨戦の年中行事が始まります。

久々に道具を物置から引っ張り出す山スキーヤーの心配の種の一つが、スキーシール(クライミングスキン)の状態がどうなっているかです。
昨シーズン使ったままで保管していたシールは、ゴミだらけになっていたり、接着力が落ちていたり、下手をするとベトベトの最悪状態になっているかもしれません。
チェックした結果が、今シーズンの使用にも問題無さそうだったら万々歳なのですが、何シーズンか経ていて状態が悪い場合には、辛いシールトラブルで泣かないように、グルーを塗り足したり全面塗替えをしなければならならないからです。

また、シールを新調した場合でも、スキーに合わせてトリミングしなければならないという避けて通れぬ作業が待っていますが、これもシールのメンテナンスに負けず劣らずかなり厄介な仕事ですよね。

以前の記事①、同  、で、私はこの厄介なシールのカットを何とか簡単にできないかと考えた末、新型のトリムツールを自作して2年前の当ブログで紹介したことをご記憶の方もいらっしゃると思います。
今シーズン私の作ったものと同じ発想のトリムツールがG3から発売されました。(画像↓)
どの国にも、少しでも楽をしようという私と同じような考えをする方が居るっていう事なのでしょう。

Ttool  Ttool_1
(G3の新型トリムツールはエッジガイドと刃が4㎜程オフセットされ、若干内側でシールをカットできる)

この自作ツールに関しては、私が実際に作ったのが2007年の秋ですから、アイデアとしてはG3より先行していたとは思いますが、さすがメーカーとアマチュアの差は歴然で、私のトリムツールが左右のカットで刃を付け替える作業が必要があったのに、このG3の市販製品は両サイドどちらでも使用できるようになっていて、使い勝手も格段に良くなっているように見えます。

Ttool_2
(㊧自作、㊨G3製のトリムツール)

まあ、私の自作品が優れている点はエッジからシールの切断面までの距離を任意に調節できるという事くらいでしょうか?。

で・・・、今回はこのG3のトリムツールを使って、今シーズン用のシールをトリミングしてみることにしました。

ところで、ここ数年、私はBDやアセンション、G3といったアメリカンタイプのスキーシールを主に使っていましたが、このタイプのシールは厚めで生地に腰があり、グルーも厚めのシート状でトラブルは少ないのですが、やや嵩張って重いという欠点もあります。

それに比較して大昔からあったコールテックスやモンタナ等のヨーロッパタイプのシールは、基布も薄めでグルーも塗布式で、カット面の処理や頻繁なメンテナンスが必要になる場合もありますが、その分軽くコンパクトに携行できます。
そこで今回私は久々にコールテックスのシールを使用することにしました。

薄めで軟らかいヨーロッパタイプのシールをこの新型トリムツールでカットするには、アメリカンタイプのシールより慎重な作業が要求されそうです。
・・・、はたして上手くできるでしょうか??

さあ、早速カットして見ましょう。

まず、シールを正確にスキーのセンターに合わせて貼り付けます。
そして、トップからトリムツールのガイド面をエッジに沿わせ、セパレーターをソールとシールの糊面の間に挟み込んでスライドさせ、刃がシールに切り込んだらそのままエッジに沿って慎重かつスムーズにテールまでトリムツールを移動させます。
カッターに先行して、セパレーターがソールと糊面を剥がしながら進みますので動かすには抵抗がありますが、なるべく一定の力・一定のスピードを心がけましょう。(画像↓)

コールテックスのシールは薄く柔らかいので、カッターが最初にシールに斜めに切れ込む部分では特に慎重に作業をし、カット中も切り落とした細い端材をもう片方の手で引っ張るなどしてシールが弛まないよう注意しながら作業を進めると良いでしょう。
G3やアセンションのように厚く張りのある基布のシールだと作業はもう少し楽になるかもしれません。

Ttool_3  Ttool_4
(テール方向にできるだけ一定の速さで一気にカット!)

下の画像のように左右1回づつでシールのトリミングがが完成です。
これは便利、便利! 以前のように貼ったり剥がしたりを繰り返した作業が嘘のようで、あっという間に完了です。

Ttool_5  Ttool_6

しかし、このトリムツールでカットしたスキンはエッジの端からシールの切断面までの間隔が3.5mm~程度開いてしまいます。(画像↓)
私としてはこの部分を2mm位にして、エッジの内側のラインギリギリまでのシール幅にしたいところですが、このトリムツールだとエッジだけでなくソールも僅かですが帯状に露出してしまうのです。
アメリカンタイプのシールの場合は若干違ってくるかもしれませんが、まあ、この程度でしたらシールの効きに殆ど影響は無いと思いますが、私的には少々気になる所ではあります。

Ttool_7
(カットラインはかなり内側になる)

まあ、、総合的に判断すると、非常に便利な製品であることは確かですし、特に上記のようにカットラインがやや内側になりエッジを大きく出すのが好みの方には理想的な道具だと断言できます。
あんなに面倒だったシール・トリミングの工程が大幅に簡便化され、手順をあれこれと悩まずに済むのですから・・・、とりあえずは絶賛!大推薦!と言うところでしょうか。

とは言え、私自身が再びこのトリムツールを使う時には、エッジガイドの部分に薄いアルミ板などを貼りカットラインとエッジのオフセットを少なくして使用するか、最初にこのトリムツールでカットした後、一度シールを剥がし、カットラインを前回より1mm弱ほど内側の位置に貼り直し、今度は普通のカッターで反対側のラインをエッジに沿ってカットする、という方法を採ると思います。
作業が1工程増えますが、こうすればシールの端はエッジから2mmくらい内側に位置しますし、張替えが1回増えても、最後のカットはエッジに沿って普通にカットするだけですから、このトリムツールで神経を使いながら作業するよりよほど楽です。

また、場合によってはこのツールでカットした後、張り替えずに、そのまま反対側をエッジに沿って普通にカットしても、結果として両側に1.5mm.以上はエッジが出ますのでこれが一番簡単な方法かもしれません
この、片側はこの新型トリムツール、反対側は普通のカッターを使用するという方法では、いずれもシールのセンターラインが若干ズレますが、この程度は以前の作業でも発生していた事で、実用上は全く問題にならないレベルと考えても良いでしょう。

・・・で、最後になりますが、このブログを参考にしてくださる皆さんに対する私としての最善のアドバイスは、G3の新型トリムツールを使う時は「迷わず一番最後の方法を採りなさい!」と言う事なんだと思います。
参考になれば幸いです!


【G3のトリムツールはエッジからカットラインまでの間隙が大きめに固定されているのに対し、自作のものは任意の位置(私は2mmに設定)でカットできる仕組みにしていますが、これは結構重要な事かもしれません。

また、このG3のトリムツールは樹脂製のためセパレーター部分に厚みがあり、スライドさせる時に抵抗となってしまうのに対し、自作トリムツールのセパレーターはステンレスの薄板ですから、G3製よりスムーズにスライドできました。
まぁ・・・、自作のものは左右のカット毎に刃の向きを変えなければならないという弱点もあるんですけど・・・。】



【余談ですが】

このトリムツールに関しても、私のほうがメーカーさんより早くアイデアを形にしていた、と自負していますが、もう一つ、今では常識となっているスキーシールのメッシュ状チートシートについても、私はBDのカタログに載る1年くらい前には、既に自作して使っていて、サイト上でも公開してたんですよね。

まあ、人間ですから、考えれば誰でも同じようなアイデアが出てくるのでしょうから、公表の時期が多少早かったといって自慢するほどのものでも無いのかも知れませんけど・・・。(笑)

『必要は発明の母』って言いますが、“今”に満足せず、この状況を自分に与えられた条件の中で、如何に改善できるか?って思惟すること自体、結果の如何を問わず、とても楽しい行為だと・・・、私は思います。
結局これが私の道具道楽の原点かな?

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2010年1月21日 (木)

“VL-23 用ギアハンモック” も、作っちゃいました

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前、BDのハイライトファーストライト用のギアハンモック(ギアラックとかギアロフトとか呼ばれる場合もあります)の作成の記事を書いたのをご記憶の方もいらっしゃると思います。

今回は、行き掛かり上で、VL-23 用のギアハンモックを作ることになりましたのでご紹介します。
このような、2人だとギリギリのサイズの軽量テントは小物の置き場に不自由しますので、この種のギアハンモックは非常に有効な小道具だと思います。


Vl33_1hp
(カモシカ・スポーツのエスパースには標準装備されている機種があったり、アライテントでは別売オプションとしてギアハンモックがラインナップされているという例もありますが、専用オプションとして設定のないテントも多く、このVLシリーズもその一つです。)


さて、VL-23 の幕体内側には当初から天井の四ヶ所(中央を入れると5ヶ所)にループが付いており、ここに細引きを渡して小物などを掛けられるようになっていますが、この状態では強度も心配ですし、位置が下過ぎてここにギアハンモックを吊るすとなるとテントの中で座った時に頭が押さえられてしまいそうです。
そこで、ある程度の重さのモノ乗せたり吊るしたりした時にも、幕体の縫い目に無理な力が掛からない位置でなるべく上のほうにギアハンモックの支点を作ることにしました。

とは言え、スリーブ形式のテントでしたら任意の位置に支点を設ける事ができるのですが、このテントは吊り下げ式のため何所にでも安定した強度の有る支点を取り付けられるという訳にはいきません。
そこで、下記のような方法を採りました。

このテントは吊り下げ式で中央と12箇所のクリップでフレームに本体を吊り下げる構造となっています。(画像↓)

Vl23_1   Vl23_3

そこで、この吊り下げ部の一番上のクリップを本体に取り付けてあるループが縫いこまれた、裏側のタックの部分に薄いテープの輪を縫いつけギアハンモックの支点とすることにしました。
この位置でしたら、多少力が掛かってもクリップを経由してフレームで加重が分散され、ギアハンモックに多少重いものを載せても問題は無いはずです。(画像↓)

Imgp3894  Imgp3895
(画像㊨のテープ裏のタックの部分に支点のループ㊧を縫い付ける)

この位置の4つの支点の作る長方形は、概ね23センチ×46センチですのでこれよりもやや小さめなハンモックを作り細い紐で本体のループに固定することにしました。

まず、平紐で矩形の枠を作りそこにメッシュを縫い付けます。
メッシュを縫製する段階で、平紐の長さの数パーセントの縫い縮みが出ますので、それを想定して平紐の枠を作りましょう。
また、メッシュは伸びますので、縫う際は均一なテンションを保ちながらミシンを掛けないと歪な形になってしまうので注意が必要です。

Ghvl1
(取り付け紐を含み10g程度とほとんど気にならない重さです)

縫い上がったら、後はテントを張ってループに細紐で固定すればOKです。
以前紹介したBDのインナーフレームテント用のギアハンモックと異なり設営のたびに付け外しする必要が無いので、常時使用するならちょうど良い寸法に固結びをしてしまってもかまいません。
また、頻繁に取り外す事が予想される場合は、プラスチックのフックを介してループに接続すると良いでしょう。

Ghvl2  Ghvl3   

ギアラックを固定した状態と、使用している状態が上の画像ですが、狭いテントの中で置き場に困るメガネやサングラス、あるいは行方不明になりがちな小物などを置いておくのにとても重宝します。

また、小物置き以外にも以前にご紹介したように、メッシュ部分の中央にヘッドライトを下向きに置けばフロアをマイルドに照らす理想的な(?)照明になりますし、ラジオを置けば水平に回転させてフェライトアンテナの向きを変えることで中波のラジオ放送を感度良く聞くことも可能です。

以上のように、とても便利な自作道具ですし、VL-23 以外のVL-**シリーズでも寸法を変えれば同様に取り付けられますので 、ユーザーの皆さんには是非お勧めしたいと思います。

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2010年1月14日 (木)

アイゼン用ハーフサイズ・アジャスター

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆

(改造は自己責任で!!!)

アイゼンが靴に合っているかいないかは、かなり重要な問題です。小さいときちんと履けませんし、大きすぎると動いたり引っ掛かって危険ですよね。

40年以上前、私が初めて履いたアイゼンは調節機能の無い鍛造の8本爪でしたから、リングの付いた部分にビニールテープを巻いて気休め程度の寸法合わせをして使用していました。
今考えれば、よくあんなものを使っていたな、と思います。

それに比べると現在のアイゼンは、ジョイントバーで細かく調節ができるようになり靴にまったくフィットしないということはほとんどなくなりました。(トーベイル型のワンタッチアイゼンはつま先の形を選びますが・・・)

特に、PETZLシャルレのアイゼンは(画像↓)長さが細かく調節のできる画期的な仕組みを持ったアイゼンです。

Adjuster
(PETZLシャルレの調節機能は細かい調整のできる秀逸な設計だ)

しかしPETZL以外のアイゼンは細かくアジャストできるといってもせいぜい6~7ミリ前後を単位とした調節機構しか持っていません。
普通はこれでも不都合はないのですが、靴との相性の関係で、時としてもう少しフイットさせたいというケースも無い訳ではありません。

特にBDのステンレス製アイゼン(画像↓)は7.6ミリと大き目の調節単位となっていますので、靴によってはジャストフィトとならないケースも考えられます。

Adjuster_1

そこで、その半分の3.8ミリ単位で調節のできるハーフサイズ・アジャスターを作ってみました。

構造や工作は極めてシンプルなので画像をご覧頂ければ一目瞭然だと思います。

素材は1ミリ厚のステンレス板で3.8ミリ幅の平角線を作り、それをアイゼンのジョイントバーの寸法に合わせた治具に巻きつけるようにて曲げ加工し、末端を溶接でつなげば完成です。

接合部はオーバーラップをとれば銀ロウ付けでも可能ですが、今回のケースのように曲げる力が加わる部分は銀ロウ付けだと壊れてしまう危険がありますので、可能な限り溶接すべきだと思います。

Adjuster_2  Adjuster_3

使用に際しては、「もう少しタイトに靴に合わせたいが、穴1つ縮めるときつくて入らない」という場合に、このハーフサイズ・アジャスターをジョイントバーに通してからアイゼンを組み立てれば良いのです。(画像↓)

Adjuster_4  Adjuster_5
(一度ジョイントバーを抜いて、アジャスターを通してから組み立てる)

必ず必要という物でもありませんが、靴とアイゼンの相性がイマイチ、という場合には試してみる価値は十分あると思います。

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2010年1月 7日 (木)

携行型の浄水器を山で使う

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★☆☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(今回ご紹介するMSR/ハイパーフロー・マイクロフィルターは現在輸入許可が下りず、メンテナンスも不可能なため、現状では残念ながら推薦できません)


我が国の通常の登山では浄水器が必要と感じる場面にはあまり出会いません。
池塘の水を飲用に使う場合でも度胸(?)さえあれば手拭いで濾過する程度で概ねOKです。(・・・とは言え、大昔ですが私も“間山のテン場”で生水を飲んでかなり酷い目に遭いましたので“概ねOK”とも言えないのですが・・・)
心配なら次亜塩素酸系の殺菌・浄水剤を添加するか、それでも不安なら煮沸すれば特に問題は生じないからです
しかし実際問題として、すぐに水を飲みたい時に浄水剤を加えて10~30分待つのもかったるいですし、ましてやその都度煮沸するというのも現実的ではありません。
そんな時に重宝なのがMSR製などの携帯型浄水器です。

Msrhf1
(北海道ではきれいな流水でも油断は禁物?

また、本州では沢の流水は直接飲用に用いてもまず問題はありませんが、こと北海道となると話はまったく別になります。
現地の山屋の中にも『沢の水や融雪水は全く問題無いべ!』、『濾過するにしてもコーヒーフィルターで十分っしょ!』、『内地の人はなまら神経質だわ!』と断言する方もいますが、私はきれいな沢の水でもエキノコックスの存在を考えると沸騰させる水以外は必ず浄水器で処理してから飲用するようにしています。
私も以前はそれ程気にはしていなかったのですが、エキノコックス症について知識を得た現在は少々神経質になってしまったようです。
また、沢の水以上に藪漕ぎなど汚れた手をそのままにしておく事のほうがよっぽど危険らしく、頻繁に手や手袋を洗うことも有効な防除手段だとも聞きました。

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(北海道の林道で頻繁に出会う可愛いキタキツネ、しかしこいつの居る場所はエキノコックス危険地帯でもある)

さて、現在私はMSRの“ウオーターワークス EX“と”ハイパーフロー・マイクロフィルター”、それから“マイオックス”という殺菌・浄水剤生成器を所有しています。

ウオーターワークス EXはセラミックと逆浸透膜の2段濾過のできる最強の浄水器ですがコストの関係で現在は製造されてませんし、500gと少々重いのが気になります。(現在もセラミック・フィルターのみのミニワークスEX は入手可能)

それに対し”ハイパーフロー・マイクロフィルター”は290gと軽量コンパクトでストレスを感じずに山に持っていくことができます。(残念ながら現在国内販売停止中→後述)

また“マイオックス”はインド旅行の時に購入しました。キット一式で190g以下と軽いのですが、使用は意外と面倒で、それ以後山では使用していません。
数日以内の登山で、プール臭い水でも病気になるよりはましだと考えるなら、“ピュア”などの市販の浄水剤を持参した方が、マイオックスを使うより簡単だと思います。
早い話が、マイオックスも塩水を電気分解して次亜塩素酸系の殺菌成分を生成するだけなのですからね。

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(㊧“ウオーターワークス EX“、㊥”ハイパーフロー・マイクロフィイルター”、㊨“マイオックス”)


(参考)

オーヤラックスの“ピュア”など市販の浄水剤は登山用品店や海外旅行用品店で購入できますが、薬品原価を考えると恐ろしく割高です。

食品加工場に知り合いがいたら清掃・消毒用の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を100CC 程分けてもらえば暫くは(有効期限は一年とされますが、緊急時の対応として一年経ったら2倍、3年以降は3倍量を添加、という反則技を使えば数年は実使用も可能です)この種の薬剤を買わずに済むでしょう。
また、家庭用の塩素系漂白剤も次亜塩素酸ナトリウムが主成分ですから、殺菌・浄水にも使えそうな気がするかも知れませんが、通常は界面活性剤や水酸化ナトリウムなどが添加されていますので、浄水器のフィルターや水筒の内部を滅菌する程度なら問題無いとしても、飲用には不適だと思います。

・・・で、私が必要に応じて持って行くのはプール用の殺菌・消毒剤“バイゲンラックス”(画像↓)ですが、これも10%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液です。
一応医薬品として認められている薬剤なので、お勧めはしませんがあくまで自己責任の範囲でなら口に入れても問題はないと思います。
なお、これでしたら水1リットルに1~2滴混ぜるだけで飲用および浄水フィルターのバックフラッシュ(逆洗)ともに適当な濃度となりますが、残念ながらこの程度の塩素濃度ではエキノコックスまでは除去できないそうです。

Cholorite



その他、UV照射式の浄水器などもあるようですが、使用条件を考えると国内では一般的なフィルター式の浄水器を選択する方が無難でしょう。
 
さて、これらのフィルター式浄水器を使用すれば誰でもその場で直ぐに安全な飲料水を得ることができるのですが、さらにチョット工夫するとより効率的に、安全な水を使うことができますので、私が前回の夏の北海道で試してみた方法をご紹介したいと思います。


MSRの“ウオーターワークス EX“と”ハイパーフロー・マイクロフィイルター”は自社製のハイドロメダリーバッグやナルゲンボトルの口部のネジに直接接続することを想定していますが、これらの容器は使い難かったり嵩張ったりしますので、私はナルゲンの“フォールディングカンティーン”という広口の水筒(画像↓)を使用してみました。
プラティパスより嵩張りますが不使用時は小さくたため、通常のナルゲンボトルを使用するより断然便利です。
(余談ですが・・・、この製品は冬のテントでPボトルとして使用するのにも最適ですし、防水コンテナの代用等いろいろ便利に使えますので1個持っていても損はありません)

Msrhf3
(ナルゲン・フォールディングカンティーンと、MSR ハイパーフロー・マイクロフィルター)


まずこのナルゲン・フォールディングカンティーンを浄水器に接続し浄水作業を行い(画像↓㊧)、その後この浄水を普通のプラティパスの水筒に移すのですが、”ハイパーフロー・マイクロフィイルター”の場合は浄水器本体のみ取り外し、アダプターをフォールディングカンティーンに取り付けたまま(画像↓㊨)プラティパス注ぎ移すとスムーズに作業ができます。

Msrhf2 Msrhf4_2


また、沸騰させる調理用の水は濁っていなければ浄水器で濾過する必要がないので上手く使い分ける方が能率的です。
しかし、同じプラティパスの水筒だと中身が同じ水だけに、どちらが濾過済みの水だか判らなくなってしまいます。
そこで、プラティパスの栓の部分に細引きで目印を付けて生水と濾過済みの直接飲用可の水筒と区別しておきました。
小さな工夫ですが、こうしておけば安全・安心ですし無駄な濾過を行わずに済み効率的でもあります。

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(赤い細引きは調理用の生水、青は浄水済みの飲用水と分けておいた)

さて、この山用として最適な
”MSR/ハイパーフロー・マイクロフィルター”ですが、中空糸膜をフィルターに使用したこの製品は軽いだけでなく、“ミニワークス”や“スゥィートウォーター”などのセラミックフィルター式の浄水器に比べ濾過速度が格段に早いのも特徴で、以下の事情が無ければ絶賛大推薦間違いなしの製品なのですが・・・。

しかし、海外では現在も購入可能なのに、国内では何故か今年から購入できなくなってしまいました。
代理店の通関申請が突然不受理となったためとの事ですが、困ったことに交換用のフィルター等のメンテナンスパーツも国内では入手できなくなってしまったのです。

原因は、どうも日本のお役人の杓子定規な法規運用のためのようです。
聞くところによると浄水器は輸入の際に「食器」の範疇に分類され、したがって食器と同じ基準の食品安全検査にパスしない限り輸入の許可が下りないのだそうです。
国民の健康と安全を守るための浄水器を、融通の利かない石頭的法規運用で輸入禁止にするなど、本末転倒のお役所主義には怒りさえおぼえますね。

代理店もMSR本社とこの馬鹿げた非関税障壁を乗り越える方策を協議し、一日も早い輸入再開を図ってもらいたいものです。
同じ樹脂とOリングを使った“ウオーターワークス ”がOKで“ハイパーフロー”がダメと言うのも説得力がありませんし、売りっぱなしで機能維持に必須の交換用フィルター等のメンテナンスパーツの供給をしてくれないというのも、この製品を供給した企業としての責任を果たしているとは言い難いと思います。

そんな事情がありますので、メンテナンス部品の安定供給などを考えますと、我が国での現在のベストバイ浄水器は、マイクロフィルターに次いで軽く、濾過速度もまずまずな“MSR/スゥィート・ウォーター”  か、“カタダインのハイカー”ということになると思います。

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