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2010年6月

2010年6月24日 (木)

“Dynafit-TLT”ビンディングの取り付け(補足情報②)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★★☆☆
(あくまでも自己責任で!失敗しても責任は持てません)


私の失念により公開が遅くなってしまいましたが・・・、 『“Dynafit-TLT”ビンディングの取り付け(補足情報①)』からの続きです。


さて、“Dynafit-TLT”のような山スキー用ビンディングの取り付けにあたっては、ショップで専用タルジグを使ってドリリングしても100パーセント誤差ゼロの正確なセンターが出るわけではありません。
これはピッチの荒い(リード角の大きな)タッピングビスだと、擂動運動(≒味噌擂り運動)しながら対象に進入していくという性質が顕著となるため、完全には避けられない現象なのです。

Jig
(プロショップで使用するメタル・ジグ)

また、ドリル穴にビス先端を当てるとネジ山のリード角と水平なドリル穴の周縁との関係でやや曲がった状態で安定しますから、そのまま漫然とビスを締め込むと回転軸がやや傾いて入ってしまうのです。
そして、ピッチの大きい木ネジ特有の擂動運動と相まって、5本のビスがそれぞれバラバラな角度で入って行き、センターの狂う原因となるわけです。

普通のアルペン用ビンディングはトーピースとヒールピースが機能的に独立しているため、それぞれのセンターラインが多少くい違っていてもまず問題は生じないのですが、トーピースのヒンジを中心にブーツが回転する山スキー用のビンディングの場合、トーピースが僅かでも曲がって付いてしまうと梃子の原理で誤差が拡大され、ヒール側の中心がヒールピースの正しい位置に下りなくなるという問題が起こってしまうのです。

ですから「たかがネジを締めるだけ!」といっても手を抜かず、精度の高いポジドライバーをしっかりビスにはめ込んで、ビスが垂直に沈んでいくように最初の一回しを慎重にしてください。これだけでもずいぶん精度が違ってきます。

また、“TLT”ではありませんが、フリッチ“DIAMIR”のトーピース後ろ2本のネジは構造上垂直にドライバーを当て難いので、後述のタッピングを行わない場合でも、ビンディングをいきなり板に乗せず、板の穴に直接ビスを2~3山締め込んで正確なネジ山を作ってから(画像↓)一旦ビスを外し、あらためてビンディングを取り付けると失敗がありません。
(ドリルはタップ無しの場合、板の表面にに記載の記載の寸法か、記載の無い場合でもΦ3.8mmで深さ9mmを設定すれば概ね失敗は無いはずです・面取りも忘れずに!)

Bis
(ビスを直接板に捩じ込んで垂直なネジ山を作り、一旦ビスを外した後にビンディングの本取り付けを行う)


【タッピングについて】

また、専門工具が必要ですがビスの曲がりをより少なくする方法も無い訳ではありません。
それは、垂直にタッッピングする事で穴の中心線とビスの軸を一致させ、ビスの頭がブレるのを最小限に抑える事です。
つまり、ビスのネジ山自体がワークに喰い込んで雌ネジを作りながら進入して行く事が軸ブレの原因となるのなら、予めタップで垂直な雌ネジを作っておく事でこの原因を取り除こうという訳です。


なお、タップ自体は通常の工具ですが、ビンディング取り付けビス専用のタップとなると話は別で、通常の工具屋では扱っておらず、プロショップ用のサービスツールを入手するしかありません。
価格も、見た目以上に高価?だったと思いますが、アマチュアにとっては末代モノですからクラブの共同装備としての購入や、永く山スキーを趣味とするつもりなら投資する価値は十分あると思います。

Tapb_1
(ビンディングのビス㊨と同じピッチのタップ㊥単体型か、㊧ハンドル型が必要)

また、下の画像のようにビンディングビス用のタップには2種類の形状がありますが、現在はタップ単体のものは市場で見かけなくなり、メタルジグのスリーブに対応したΦ8mmシャンクのハンドル一体型のものが主流のようです。

Tapb_2  Tapb_3
(㊧画像・上は通常型の単体タップ、下はとハンドル付きタップ、㊨画像の右端は単体タップ用ハンドル)

とは言っても、フリーハンドで正垂直にタップを切る事は意外と難しく、通常のISOネジのタップで金属にネジを切る場合でも、漫然と作業を行うと、僅かな曲がりが障害となってネジが上手く切れなかったりワークの途中でタップが折れて大泣きをするといった失敗も起こりがちです。

スキーの場合でも、慣れた方が十分注意して作業すればフリーハンドでも問題ないのですが、良かれと思ってタップを使っても、誤って斜めにタップを立ててしまうとかえって逆効果となってセンターが狂う原因となってしまいますから、初心者がタップを使うときは下記、①、②、のような補助具があると安心です。

 単体型タップを使用するときにはハンドタップガイド(画像↓)という補助具を使用すれば、よりイージーに正垂直にタップを立てられます。
下の画像はK2の山スキー用板のビンディングをDIAMIRに載せ替えしているところです。
この板のようにチタナル(アルミ合金)の硬いメタルシートがある場合は、Φ4.1mmのドリルを使いたいところですが、敢えてΦ3.5mm~Φ3.6mmのドリルと正確なタッピングを併用する事により、正確でより強度の高いビンディングの取り付けができます。

通常のゲレンデスキーでしたらここまで強度に拘らなくても問題ないのですが、特に山スキーは歩行モードの時トーピースのみに強いモーメントが加わりますし、山スキー以外でもモーグルやジブで遊ぶ方もできるだけ強固にビンディングを取り付けておいたほうがベターだと思います。

Tap  Tap_3  Tap_1 
(ハンドタップ・ガイドを使用している様子/載せ替えのためビス穴をエポキシで埋めた痕跡あり)


 また、現在プロショップではメタルジグの段付きドリル用スリーブの内径に合わせた、Φ8mmシャンクのハンドル型タップを使用するのが一般的で、現在アマチュアに入手が容易なのはこのタイプのようです。

Tapb
(段付きドリル㊨とハンドル型タップ㊧の軸径は同じΦ8mm)

しかしアマチュアがこのハンドル一体型タップを使用しする場合には、前述の汎用ハンドタップガイドは使用できません。
そんな時は、専用のタップガイドを自作すれば(画像↓)簡単に正垂直にタップを立てることができます。

Tapb_6  Tapb_7  Tapb_4
(アルミの端材で造ったハンドル型タップ用の自作ガイドの例)


また、プロショップにTLTビンディングの取り付けを依頼する場合も、純正ジグを使用してドリリングした後、ブロアーで切り粉を吹き飛ばし、そのままジグのスリーブにタップを入れて2回転ほどタップを立てる事で正確に垂直のネジ穴を作ることができますので、取り付けを依頼する時点で、メタルの有る無しに関わらず、板指定のものよりやや小径の段付きドリルで穴明けをし、タップを2山ほど切ってから取り付けるよう指定するのも一法です。

TLTの取り付けに慣れたショップならその必要も無いでしょうが、販売量の少ないTLTの場合、数年前まではTLTビンディングの特性を理解していないショップも多かったと聞いています・・・。


※話は変わりますが・・・、同じビスでもアメリカ製のテレマークビンディング用のビスは規格がまちまちで、アルペンビンディング用のタップが使用できないことも多いので、テレマーク用のビンディングを取り付ける場合は要注意です。(反則ワザですが、メタルシートに一山だけネジを切るという使い方なら流用可)


さて、正確に穴の位置をポンチし、正確にドリリングし、垂直にタッッピングできれば、それだけでメタルジグを使用しなくてもセンターはほぼピタリと許容範囲内に決まります。

つまり、作業は面倒ですが手間を惜しまず慎重に手順を踏めば、TLTでもDIAMIRでもNAXOでもDUKEでも・・・、自分で正確に取り付けられると言う事です。
もちろんテレマークビンディングなんて朝飯前?です!!。

“PL法”だか何だか知りませんが・・・、山スキーヤーにとってのスキーはまさに命を預ける道具ですから、何処の・誰が・どのように金具を取り付けたか判らないスキーを履くより、自分が慎重に組み立てたスキーを自己責任で使用したほうが安心だ・・・と、私は考えています(笑)。


【その他】
調子に乗って、またまた偉そうに薀蓄を語りましたが・・・、正直な話をすれば、実際のビンディング取り付けはここで述べたほど小難しいものでもありません。
ツボさえ押さえておけば、あとは結構アバウトでも大きな問題は起こらないでしょうから、私の文章に惑わされて躊躇せず、まずは実行してみてください。

“最初の1回”は、ベテランのプロだって必ず一度は経験した単なる通過儀礼なのです!

 なお、山スキー用のビンディングの取り付け・調整で、何か御質問がありましたら遠慮なくお問い合わせください。

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2010年6月18日 (金)

MSR・スノーシューの改造/Part Ⅲ(確実なレトロ・タイプに)②

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(改造はあくまで自己責任の範囲で!)



(“MSR・スノーシューの改造/Part Ⅲ ①”からの続きです)



Snowshoe_1  Snowshoe_2
(完成品をテスト中の状態↑)

トー側に引き続き、アイゼンバンド形式のヒール側ストラップを取り付けます。
文章では表現が難しいので、ブーツを取り付けた状態の画像をご覧ください。

Ssb  Ssa_2 
(この方式だと爪先側にベイルの掛かるコバの無い登山靴でも装着ができますが、できるなら画像のようなワンタッチアイゼン対応のアルパインブーツを使った方が良いと思います)


今回改造したアイゼンバンド式バインディング単体では下の画像のような構造です。

Ssc

装着は爪先をトーベイルに入れ、踵側のストラップを足首に回して横側のリングに通し、次にトーベイルに付けたリングに通してからスプリングバックルで留めるだけです。

なお、本来の“理事長式(?)”固定バンドは、横側のリングの部分をフックにする事でリングやバックルに一々ベルトを通す事無く「フックを掛けてバンドの末端を引くだけ」という2アクションで簡単に固定ができるシステムなのですが、現在ちょうど良いフックの調達(自作)が間に合わないためこの形のままテストをしました。
改良ができましたらあらためてご紹介したいと思います。

この試験段階の状態だと装着には一般のストラップ式アイゼンと同じ手間が掛かりますが、上記の改良を行えば足場の悪いところでも着脱が容易になりますし、またストラップ特有の適度な柔軟性が応力を分散させてくれますので、乱暴に扱っても容易にはズレたり壊れたりしない(壊れても針金程度で臨時補修が可能)という安心感も絶大です。

実際にテストして見ましたが、スノーシューの爪先側を雪の斜面に蹴り込むような使い方をしてもズレたり緩んだりする事も無く、オリジナルのウレタンバインディングよりしっかり固定されているように感じました。
また、踵の入る後ろ側の金具の幅だけ足のセンターラインの角度も少々は変えられますので、私のガニマタ歩きでもテールを踏んでしまうことを少なくできます。

まあ、正直な話をするとランドーネブーツ(山スキー兼用靴)やアルパインブーツのみで使用するなら有効な改造だと思いますが、ボードブーツや防寒ブーツなど様々なタイプの靴での使用を予定するなら、無改造のオリジナル状態で使用した方が賢明かもしれませんね。(笑)

・・・と、言うわけで、強くはお勧めしませんが、登山靴やランドーネブーツでハードにライトニング・アッセントを使おうと考えている方には有効な改造だと思います。

(以下、続く・・・。)

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2010年6月12日 (土)

MSR・スノーシューの改造/Part Ⅲ(確実なレトロ・タイプに)①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(改造はあくまで自己責任の範囲で!)



以前に御紹介したMSRライトニング用のワイヤー固定式バインディング(画像↓)は、ほぼ完璧な仕上がりで、トーベイルをKAJITAXのアイゼン用トーベイルのナローとワイドを使い分ければアルパインブーツからランドーネブーツまで、靴の前後にコバがある靴でしたら実用上十分満足のできる固定が可能でした。

Ssb_2
(“MSR・スノーシューの改造/Part Ⅱ”での作品)

しかし、工作マニアとしてはもう少し弄って見たい気がしたので、今回は少々レトロなバンド式のバインディングに改造してみました。
オーソドックスな固定方ですが自由度や融通性が高く、無理な力が加わってもバンドが柔軟にショックを吸収してくれるので故障も少なくなるはずです。

また、この構造だと登山靴でしたら前後ともコバの無い靴でも一応は問題無く装着が可能な事は確認していますが、主にコバの無い登山靴やボードブーツを使用するならこのようなトーベイル式でなくストラップ式のアイゼンのフロント部分のような構造にしたほうが汎用性が高くなると思います。
私はワンタッチ式アイゼンの使用できるアルパインブーツかランドーネブーツを使用する前提でベースプレートの基本構造を作り、それを発展させてきたという経緯から今回このような形式に至ったという事を御承知の上、以下をご覧ください。

Ss3_2
(コバの無い靴でも一応は装着が可能です)

さて、まず今回の改造のポイントですが、フロント側にグリベル・アイゼンに使用してあったスプリングトーベイル(画像↓)を使用し、その両端のリング部分にアイゼンの固定バンド式のようなパーツを取り付けたということです。
このグリベルのパーツもナロータイプとワイドタイプが用意されているので靴の種類によって使い分けるとよいでしょう。

はじめにトーベイルにリング付きのベルトを取り付けます。
カシメを使えば簡単なのですが、今回は確実な縫製を採用し、画像のように通常のアルパインブーツの爪先に合うような長さに加工しました。

Ssa
(基本は固定バンド式アイゼンと同じ)

これで爪先側は完成です。
あとは、ヒール側のバンドを工作すればよいのですが、ここは幾つかの方法が考えられましたが、複雑であっても確実な固定のできる画像のようなアイゼンバンド形式を採用する事にしました。

Snowshoe
(完成品のテスト風景)

(以下、続く・・・)

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2010年6月 6日 (日)

“Dakota 20”は山でも使えるか?⑤(新・地図レビュー)

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆


「“Dakota 20”は山でも使えるか?④」からの続きです。


一連の記事で、純正の“ TOPO10m ” と“ UUD製 ”の等高線入り地形図が“ Dkota 20 ”のディスプレー上でどのように描画されるか比較してきました。

その後、“いどんなっぷさん”より氏の製作した地形図の更新版サンプルを拝借できましたので、再度この3者の地形図を比較してみることにします。

なお、不公平にならないように明記しておきますが、“ UUD製 ”の地形図については旧製品についての評価であり、現在の製品についてはまだ確認しておりませんので、その点をご承知のうえでご覧ください。

また、今回は正確に比較できるよう3種類の地図を同じ条件で処理したスクリーンショットを掲載しますが、いずれの地図も実際の Dakota の画面上ではこのスクリーンショットほどきれいではありません。


では新たに拝借した、“いどんなっぷさん”の地図をスクリーンショット(画像↓)で見てみましょう。
場所は前回同様、双六岳周辺です。

Idnp2b

Dakota のディスプレーではどの地図も赤みがかった感じで、他の2者と一見大きな違いは感じられませんが、登山道の表示は変更パッチで強調された純正地図と同様、太くわかりやすい表現に変更されました。

また、純正と異なり崖記号は表現されませんが実用上は全く問題とはならないでしょう。
そして、この地図の一番の特徴は、敢えて県境線を省略してあるという事です。
見解の違いはあるかもしれませんが、私は紛らわしい県境線などGPSの画面上には必要無いと考えていますのでこれは私にはむしろ好印象です。


では、念のため以前にご紹介した純正の“ TOPO10m ” と“ UUD製 ”の等高線入り地形図も比較のため再度ご覧ください。

Topo2  Uud2
(㊧純正の“ TOPO10m ”、㊨旧“ UUD製 ”)

さて、いかがでしょうか?

旧“UUD製”の地図は画像右上に登山道を縫う形で通る黒実線で描かれた計曲線が他の地図よりも単純なカーブになっている事からも分かるように、この地図は数値地図から演算して等高線を描いているので、実際の紙地形図よりも単純化されているのです。
また、以前指摘したように登山道がピンボケのように曖昧で、おまけに県境線の方がハッキリしているので少々紛らわしい表現となっています。

また、純正の“ TOPO10m ” は他の地図にない特色として崖記号が表示されますが、その分(?)やや高価で、必要な図郭のみを選択して購入できる“いどんなっぷさん”の地図と比べると割高感は否めません。

新しいUUDの地図は、他の地図同様に紙の地形図と同じ等高線になったそうですし、登山道も改善されているかもしれませんが、もしそうだとしたらこの3種の地図は言語を除きほぼ同性能ということになるかもしれません。
そうなると、あとは機器への適応と価格が選択の基準になるかもしれませんね。



さて・・・、手元にある地図のレビューは以上ですが、基本的に英語版しかない Dakota 20 については、表・裏(?)いろいろな条件により、どの地図を選んだらよいか非常に迷うところだと思いますので、続いてその点を考察してみましょう。


★Dakota 20 には概ね下記のバリエーションが存在しますが、(B)、(D)、(E)、に関しては個人のソフトウェアー改変により現実に存在するという意味であり、あくまで正規の商品としてではありませんし、また機器からの日本語入力や検索ができないという制約を受けてしまいます。

(A)英語版デフォルト(正確にはマルチランゲージ対応)
(B)日本語表示化した英語版
(C)台湾版デフォルト
(D)擬似日本語版化した台湾版
(E)英語版→台湾版→擬似日本語版

まぁ、国内では(A)と(B)が一般的な Dakota 20 でしょうから、取り敢えずこの2種類に代表していただいて、各種地図との対応を考えて見ましょう。


★さて、Dakota 20 で使用できる日本の等高線付き地形図としては下記の7種類が考えられます。

(ア)“UUD製”           →英語表記のみ
(イ)“純正“ TOPO10m”     →日本語表記のみ
(ウ)“いどんなっぷさん”の地図 (英語版)
(エ)“いどんなっぷさん”の地図 (日本語版)
(オ)“いどんなっぷさん”の地図 (台湾語版)
(カ)“TKA”製の地図       →画像としての日本語表示
(キ)地図画像から切り取った自作地図(→今回は比較対照外)

GPS本体が(A)“英語版デフォルト”の場合、(イ)日本語版の“純正“ TOPO10m ”はDVD版ではロック解除不能だそうですし 、 マイクロSD版でも文字表示不能ですから、この場合は(ア)“UUD製”地図、(ウ)“いどんなっぷさん”の地図 (英語版)、(カ)“TKA”製の地図”、の三つが選択肢に上がることになります。

(カ)“TKA”製の地図”は使用したことがありませんが、重たそうですし、東西日本を揃えると一番高価な地図になってしまいます。
今回テストした“ UUD製 ”TOPO20mとTOPO+(旧製品)と、(ウ)“いどんなっぷさん”の地図の比較では、今まで検証してきたように現時点では、(ウ)“いどんなっぷさん”の地図の方が断然優位に立っているように感じます。
また、必要な図郭だけ購入できるという経済性も“いどんなっぷさん”の地図の大きなメリットです。
(なお、TKA製の地図と、 UUD製の新しい10mプラグインとは、現物を見ていないのでこの段階ではコメントできませんが、UUDの旧地図の問題点が新製品で改善されていたら計約2万円と高価ですが、英語版Dakota用としてはかなり高評価の地図になると思います。実際にご使用の方は情報を御提供ください。)

仮に(B)“日本語表示化された英語版のDakota 20” で上記の地図を使うとしたらどうなるでしょう?

(ア)“UUD製”も使えますが、地名表記はアルファベットですから使い難いのは否めません。
しかし日本語表記のウェイポイントの転送は可能ですから、事前にカシミール3Dでウェイポイントを登録し、GPSに転送しておけば実用上はそれ程不自由は感じないでしょう。

(ウ)“いどんなっぷさん”の地図 (英語版)も状況は(ア)と同様ですが、それに加えて地図の正確さ・読みやすさは(ア)以上ですし、必要な図郭のみ購入できるというメリットもあります。

(エ)“いどんなっぷさん”の地図(日本語版)は今回テストしたように、快適に使用できそうです。
1MAP /1UNITのロックが掛かっていますがユニットIDによる制御なので、使用する機器のユニットIDを指定して地図を購入すれば日本語表示化したDakota 20 でも使用が可能です。

(イ)の純正“ TOPO10m ”については注意が必要です。
DVDメディアで販売されている“ TOPO10m ”については英語版のGPS本体に対し、ロックが解除不能な設定となっているらしく(?)使用できないようです。

また、マイクロSD版の“ TOPO10m ”に関しては、日本語表示化された Dakota でも使用はできますが、このマイクロSD版の“ TOPO10m ”はロックフリーになっている代わりに、PC上で地図を閲覧できないばかりか、データー破損の場合も全く保障はできないという理不尽(?)ともいえる条件での販売となっています。(画像↓)

Topo_x2
(㊧DVD版TOPO 10m、㊨マイクロSD版TOPO 10m)

さて、以上私の検証できた事実によって導き出された結論は・・・。

★(A)英語版デフォルトの Dakota 20 で使用するなら、(ウ)“いどんなっぷさん”の地図(英語版)を必要な図郭だけ購入して使用するのが実用上でも経済的にも賢明な選択だと思います。

★また、お勧めはしませんが、もし貴方が酔っぱらった弾みで“英語版 Dakota” を日本語表示化してしまったなら・・・。

そんな時は、お財布に余裕があり、万が一のデータ破損で一瞬にして2万円がパーになってしまっても我慢できる方だったら、思い切って純正のマイクロSD版“ TOPO10m ”を買ってしまうのが良いと思います。
しかし、それも不安だと考えるなら・・・、まず、(エ)“いどんなっぷさん”の地図(日本語版)の体験版サンプルをダウンロードしてみて、気に入ったら必要な図郭のみ購入する・・・、というのが今のところ一番賢明な選択ではないでしょうか?。



【余談ですが・・・】

登山用のGPSとその地図に関してですが・・・、1MAP for 1UNIT という縛りは私を含め多くの方が、できれば無いほうがよいとは思っているのではないでしょうか。
しかし、そんなルールであっても私としては可能な限り遵守したいと思っています。

私自身も他所様に言えた義理ではないので、遊び半分の“やんちゃ”にまでとやかく言うつもりはありませんが、自分なりのコンプライアンス基準くらいは持つべきだと考えています。

・・・、てな“綺麗事”を言っているうちに、現在も所有している“TOPO 10m”だけでもこんな数になってしまいました。(画像↓)

Maps

その他、シティーナビゲーターや海外地図、その他の機器と一緒に手放してしまった地図や、何より今まで使ってきたGPS本体を合わせると、あの代理店にはずいぶんと儲けさせてあげたはずです。
まぁ、ユーザーとして手厳しいことも言わせてもらいますが、これだけ稼がせてあげた客ですから・・・、そのくらいの権利はありますよね?(笑) 

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2010年6月 3日 (木)

“Dakota 20”は山でも使えるか?④(日本語地図編)

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆



「“Dakota 20”は山でも使えるか?③」からの続きです。

その後、別の.gtt ファイルを少し書き換えたモノに換えてみたらメインメニュー(画像↓)を含め、かなりマシな表示に変わりました。(・・・と、親切な“小人さん”が言ってました・笑)
機器側からの日本語入力はできないものの、見た目はかなり日本語版に近づいた感じです。

Mainj  Dakotaj
(㊧以前のメニュー画面 → ㊨新たな .gtt に書き換えた後のメニュー画面)



さて、今回は日本語表示が可能となった Dakota/改で、日本語の陰影表現のできる純正地形図“TOPO10m Ver 8.03 ”がどのようにディスプレイ上に表現されるか、 VISTA-Hcx との比較で検証してみましょう。
※〈追補〉英語版のGPS機器では、micro SD 版以外の純正日本語地図は使用できません。

まずは、Dakota で“TOPO10m”を読み込んだ時の画像です。
場所は前回同様、双六岳周辺ですが、当然のように地名と転送したウェイポイント名はしっかりと日本語で表示されています。

また、前々回の記事でテストした“UUD製の地形図”と異なり、登山道も曖昧にならずハッキリとした破線で表現されています。

Topo803d2

陰影表示は見た目にも美しく、直感的に地形の凹凸を把握させてくれますが、これ以上ズームアップした場合は陰影無しの画像と比べても地形の読みやすさに大きな差異は無いと思います。

ちなみに、 Dakota では陰影表示の ON / OFF が選択できますが、陰影表示をキャンセルした場合が下の画像です。
かえって陰影無しの画像の方がスッキリしている様な気がしませんか?

実際の戸外では、陰影のある画像は Dakota の精細度のイマイチな液晶画面の影響もあってか、条件によっては視認性にかなり問題があるような気がします。
例えば、バイクのハンドルに Dakota を取り付けて林道ツーリングをする場合など、陰影表示のある地図だとコントラストに乏しく、常時バックライトONにしても走行中の一瞥視認はかなり困難でしょう。
そんな時は陰影表示をキャンセルすると少しは視認性が良くなるかもしれません。

私見ですが・・・、陰影表示は室内で眺める分には綺麗で良いのですが、実際の登山ではほとんどの場合無用の長物かもしれません。

Topo808dnr
( 結局、陰影表示をキャンセルし等高線のみにした方が・・・)

さて、次は“TOPO10m”のほぼ同じ場所を VISTA-Hcx で見てみましょう。

Topo803v2
( VISTA-Hcx で 同じ“TOPO10m”の同じ場所を描画した状態)

いかがでしょうか・・・・・・・?

ご覧になる方の主観で評価はそれぞれだと思いますが・・・。

私の印象では、 Dakota は新製品としてタッチスクリーンや3軸コンパス、陰影表示など、それなりの進歩はしているようですが、ディスプレーの視認性に関しては旧世代のGPSから進化しているようには感じられません。
純正の地図を使用する場合でも、山での実用性を考えると、むしろ VISTA のほうに軍配を上げたいような気がする、というのが正直な印象です。


★さて、以上述べてきた Dakota 20(デフォルト状態の英語版)の気になる点を整理してみましょう。

①英語版しか購入できず、しかも正規代理店品は英語版でもかなり高価
②アウトドア用だからか?タッチスクリーンのレスポンスはあまり良くない。
③タッチスクリーン操作の階層はやや複雑で、慣れるまで戸惑う。
④ディスプレーの明瞭度・精細度がイマイチで、視認性には明らかに問題がある。
⑤英語表記では上記④とも関連し、即座に地名の読みとリが難しい
⑥英語版では当然のように日本語のウェイポイントの登録ができない
⑦バッテリー寿命がカタログ値でも20時間だが体感ではそれ以下。(→実測テスト予定)

という訳で・・・、私も自分の所有する新鋭機?の悪口ばかり言いたくはないのですが、率直な話をすると 、Dakota 20(英語版)を正規代理店経由で購入し、英語表記の地図を載せて使用するのは、費用対効果の面で貧乏で賢明な山屋の選択肢ではないと断言できます。

とは言え、日本語版の VISTA-Hcx/J の販売価格が、最新の Dakota 20 の最安実勢価格と比べて約2倍と高価なことを考えると、今更旧世代機種の日本語版 VISTA-Hcx を買うのも馬鹿馬鹿しいですよね。(純正の日本語地形図も高いですしね!)

結局日本語版の無い現状では、 Dakota20 を購入した場合、ユーザーはかなり使い勝手の悪い状況に甘んじるか、あるいは下記の理由でお勧めはできませんが、自己責任において日本語の地図を読めるようにして使うかの二者択一を迫られるわけです。

まぁ、私も英語版のファームを無理矢理台湾版のファームに入れ替えるというのはさすがに問題アリだと思いますが、ギリギリの“力ワザ”や“裏ワザ”が許されるなら、やはり一番良いのは台湾旅行にでも行って正規品の台湾版をお土産に買って帰ることでしょう。(笑)
台湾版でしたらデフォルトで日本語の地図や日本語のウェイポイントが表示できてしまうそうですから・・・。
それでも不満なら、買ってきた台湾版を自分で擬似日本語版にしちゃうのもアリかもしれません。

しかし、完璧に拘らなければ、今回の一連の記事のように、安価で入手の容易な英語版を英語版ファームのまま、日本語表示化しただけでも、実用上は十分だと思います。

ただし、これらの作業は今日のIT社会の趨勢として“消費者の裁量”の範疇だと言えなくもないとはいえ、(著作権の制約を受けないフリーフォントを使ったとしても)あくまでグレーゾーンの行為であることにはかわりありません。

ちなみに、私も実験終了後には初期状態に復帰させてしまいましたので、私の Dakota 20 も現在はノーマルな英語版に戻っています。
(私は正規品の VISTA-Hcx/J のほうが山では使い易いと考えていますので、当面“テスト”以外では Dakota を山で積極的に使用するつもりはありません。)

何れにせよ、ユーザーに(一抹の後ろめたさを感じさせてまで)このような作業を行わざるを得ない現実を醸出させている最大の原因・・・、それは機器のローカライズ名目で世界標準からかけ離れた価格が設定されている“日本語版 Oregon” の例を見れば明らかですよね。
結局、この問題が解決しないうちはこのような不幸な状態がなお続くのでしょう・・・。

(以下、続く・・・。)

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