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2010年10月

2010年10月25日 (月)

サープラスの浄水フィルターは使えるか?②

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★☆☆☆☆
危険度 :★★☆☆☆


「サープラスの浄水フィルターは使えるか?①」からの続きです。

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(軍用のMSR“Inline Filter”)

さて、この浄水フィルターをハイドレーションシステムに組み込んでみましょう。
本来“キャメルバック”製リザーバー対応ということになっていますが、下の画像のように私のイスラエル製“SOUCE”社のハイドレーも“キャメルバック”と共通規格のようで、問題なく装着が可能でした。

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また、以前ご紹介したプラティパスのハイドレーションにSOURCE のコネクターを付加したものでも、当然無改造で装着ができます。(画像↓)

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実際に池塘などの水を飲用として水筒に汲み上げる時にはMSRの“ハイパーフロー・マイクロフィルター”の方が圧倒的に便利だと思いますが、これがコンプリートで約300gであるのに対し、この“Inline Filter”は75gしかありませんから、非常用として持っていくのでしたらこちらのほうがメリットは大きいと思われます。

また、この製品は本来軍用ということで300ℓで使い捨てを原則としているようですが、外部にプレフィルターを持たないいこのシステムの場合、頻繁にバックフラッシュ(逆洗)を行うことで寿命をかなり延ばせると思います。(たぶんインレット内部にプレフィルターがある?とは思いますが、分解不能のため確認できません)

マニュアルにあるように本体を丸ごと鍋で煮て殺菌するというのはさすがに気が引けますが、1回または数日使用する度にごく薄い次亜塩素酸溶液で逆洗・殺菌するといった程度のメンテナンスは必要でしょう。

それから、この製品はフィルターの濾過抵抗がかなり小さそうですので“グラビティー・フィルター”のような重力式濾過にも使えそうです。

幸いなことに(?)、実際の山ではまだ使用する機会に恵まれていませんが、実際に使用した後にあらためてご報告したいと思います。



【余談ですが・・・】

先日新聞に、埼玉県議会が山岳遭難救助費用(主にヘリ代?)を遭難者に負担させるための検討を始めた、と書いてありました。

おそらく話の発端は、過日の奥秩父・滝川流域での沢登り事故とその救助に向かったヘの二重遭難というセンセーショナルな事件を受けてのことなのでしょう。

危険を承知で救助に向かわれた複数の方々が事故で亡くなるという衆人の耳目を集めた事件の後ですから、世論を集約したとしても、恐らく大衆の大方の意見は、「遊びで山登りに行って、勝手に遭難したんだから自己責任は当たり前!!」とか、「遊びに行った人の救助に公費を使うなんて税金の無駄遣いだ!」という結果が大勢になるのは明白だと思います。
事実、メディア上でも「年寄りが分不相応な山に行ったお陰で貴重な命が失われたんだ、いい歳して他人に迷惑掛けるぐらいだったら、山なんか行くな!」なんて正論ぶって捲し立てている物言いの酷い文化人?もいたようです。
登山者はこんな場合、まだマイノリティーすから・・・。

まあ、こんな世知辛い御時勢になったら、山岳保険に入るのも良いのでしょうが、沢などのバリエーションや雪山などは普通の山岳保険ではカバーされませんから、今回のような場合は保険に入っていてもいなくても差は無いかも知れません。

私としても、万が一の遭難の場合には相当程度の自己負担もやむなしと思ってはいるのですが・・・、それと同時に、行政の側にも国民が健全なスポーツを安全に楽しむための最低限のバックアップくらいはしてもらいたいとも考えています。

税金の無駄を省く“仕分け”も結構ですが、何でもかんでも「自己責任」「受益者負担」では私達の国は今後ますます息の詰まりそうな国になっていっちゃうような気がします。

それから一時、山小屋のトイレの維持管理に対する公費の助成を打ち切るなんていう訳の解らない提案もありましたが、国民が安心して安全に遊べる環境を整え、健全な遊びに支援を与えることは決して税金の無駄遣いじゃ無いような気がするんですけどね。

LCCが機内食はおろか飲料水まで受益者負担にするというコスト削減で無駄を省き、激安運賃を実現しているのと、国民のための行政サービスにおける無駄の削減とは別次元の問題だと思います。


あっ、それから・・・、貧乏な山屋が山で遭難した場合に救助費用が100%実費で請求されるようになるのだったら、遊びで何億円もするヨットに乗っている大金持ちが海難事故を起こした場合にも、海上保安庁が救助に掛けたお金を、山屋に対するのと同じようにガッツリ請求してもらいたいですよね。
海難救助は単純計算だと、山での遭難とは桁違いの費用が掛かるらしいですよ。(笑)

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2010年10月16日 (土)

サープラスの浄水フィルターは使えるか?①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★☆☆☆☆
危険度 :★★☆☆☆


携帯型の浄水器と次亜塩素酸系の薬剤さえあれば池塘の水やボウフラがいっぱいの天水桶、あるいは濁った溜り水でも安全な飲料水に変えることができます。

浄水器については過去の記事でも御紹介していますが、現在のところ山で一番使い易いのは(国内では正規販売はありませんが・・・)MSRの“ハイパーフローマイクロフィルター”(画像↓)だと思います。
中空糸膜のフィルターを使ったこの浄水器はウィルスの除去はできませんので完璧を期すには次亜塩素酸系の浄水剤との併用が必須ですが、濾過抵抗が非常に小さいため短時間で能率的に安全な水を得ることが可能です。

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しかし、残念ながらこの製品は以前述べたように現在輸入ができない状態となっており、その代わりに同様な中空糸膜のフィルターを使った“グラビティー・フィルター”という重力式の浄水システムがMSRの日本向けラインナップに加わりました。(プラティパスの“グラビティー・フィルター”もこれのOEM?)
新しいモノが発売されると使いもしないのに欲しくなってしまうのが道具マニアの悲しい性・・・、ですが、さすがにこの製品については使い勝手と価格を考慮すると積極的に購入する気もおきません。

そんな時、検索でMSRに軍用の浄水フィルターあることを知りました。
それは“MSR Inline Filter”という製品で、軍装品のキャメルバック製ハイドレーションのチューブに付加して兵士に安全な水を供給する為のもののようです。

当然民生品ではなく軍用の装備ですから、米国内ならいざ知らず、わが国では一般への供給は無いだろうなと思いつつ、探してみると、日本でも米軍のサープラス(放出品)を扱う店(一例)で新品が2,000~3,000円以下で入手できることが判明しました。

品質は米国防総省のお墨付きですし、この位の値段なら試してみる価値は十分です。
で・・・、さっそく自ら人身御供となって試してみる事にしました。

外観は(画像↓)ご覧のとおりで、非常にシンプルでいかにも軍装品なといった面構えです。

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マニュアルにも“MILITARY USE ONLY”と記載があり、最大300リットル浄水したら捨てろとも書いてあります。(分解不能でフィルターエレメントのみの交換はできません)
ケチな事を言ってたら戦争には勝てないということでしょう。

また、さすが軍用品!マニュアルには『内部が汚染された可能性がある場合には本体を丸ごと3分間鍋で煮て殺菌せよ』などと乱暴なことも記載されています。(笑)

マニュアルを読むと、どうも活性炭のプレフィルターと中空糸膜フィルターの組み合わせと思われるので、時々バックフラッシュ(逆洗)すればある程度は寿命を延ばすことも可能だと思われます。

いずれにせよ“MIL規格(Military Standard)”とか“MIL SPEC(millitary specification)適合品というのは、性能・耐久性・堅牢性とも過酷な戦場でも通用するとアメリカ国防総省がお墨付きを与えたモノですから、およそアウトドアの世界では最も信用に足る製品と考えても間違いはないでしょう。

さて、この製品は基本的には“キャメルバック”製リザーバー専用ということで、それに適合する♂♀コのネクターが両側に付いていてワンタッチで取り付けられる構造になっています。
しかし、“キャメルバック”以外には使えないと言うわけでもないようで、私の使っているイスラエル“SOUCE”社製のハイドレーションのコネクターも、外見は大きく異なっていいるものの基本寸法は“キャメルバック”と共通規格のようで(軍装品の互換性を得るため??)、無改造でそのまま装着が可能でした。

さて、早速実験してみることにしましょう。(以下、続く・・・)

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2010年10月 6日 (水)

“熊スプレー”のホルスターを自作しよう

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


“熊スプレー”を持っていたとしても、「子連れの熊に、出会い頭で・・・!」といった場合には、それを構える間もなく致命的な攻撃を受けてしまう・・・、という意見をよく耳にします。

しかし、だからといって私はこんなケースだけで熊スプレーの有効性を否定するのは合理的ではないと考えます。
やはり登山や渓流釣りなどに限らず、私達が熊のテリトリーで遊ばせてもらう時には(たとえ状況によってはそれがお守り程度の効果しかないとしても・・・)“熊スプレー”の持参がベターな選択であることは確かでしょう。

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(最もポピュラーな熊スプレー“カウンターアサルト”)

私も熊スプレーを使い出して十数年になり、既に2本目のスプレーも建前上ではとっくに賞味期限(?)切れになっています。
また、使いだしてからも、遠近を問わず熊と遭遇した機会は数回ありますが、幸運なことに一度もそれを使用せざるを得ない状況に至った事はありません。
・・・が、それでも沢に行く時は可能な限り持参するようにしています。

とは言え、熊スプレーを持っていたとしても、それがザックの雨蓋の中では咄嗟の対応が不可能であることは言うまでもありません。
そこで、熊スプレー購入時に専用のホルスターも同時に購入してベルトやザックのすぐ取り出せる位置などに取り付けのが普通です。
しかし、私はこの何でもないナイロン製の袋に3千円近くの出費をするのも馬鹿馬鹿しいと考え、1本目を購入した時から熊スプレー用のホルスターを何種類か自作して使用していました。(画像↓)

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(ベルクロ末端の赤いループを引くだけですぐ取り出すことができる)

現在使用中のホルスターの構造は下の画像を見ての通りですが、咄嗟の場合にすぐ取り出せるようにベルクロテープのみで留めるようにしてあります。

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家庭用のミシンでも短時間でできる簡単な工作ですし、手持ちのナイロンテープを利用すれば出費も最小限で済みますので、熊スプレー用ホルスターの購入を考えている方は思い切って自作してみてはいかがでしょうか?

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(使用例、↑・登山ではショルダーストラップの位置が咄嗟の時に取り出しやすい)



【余談ですが・・・】


ところで、一番熊スプレーを必要とされるのが北海道の山ですが・・・、しかし本州に住む登山者が北海道の山に熊スプレーを持って行くのはそう簡単なことではありません。

もちろん列車やフェリーの時は問題無く(?)道内に持ち込めますが、休暇に余裕のない勤め人はのんびりフェリーで渡道というわけにもいかず空路を選択せざるを得ません。
しかし、飛行機の場合熊スプレーに関しては、機内持ち込みはもちろん預ける荷物にも入れられないのです。

そこで、事前に熊スプレーを宅配便で前泊の宿や空港あるいは営業所止めで発送するという手段を採らざるを得ないわけですが・・・。

以前は宅配便なら何でも気兼ね無く(?)利用できたのですが、最近はどうも事情が違うようです。
例えば、首都圏→北海道の宅配便については航空輸送を基本とする“ゆうパック”を利用した場合、(送料も安く早ければ翌日には届くというメリットはあるのですが・・・)ターミナルで全品X線検査がありますので、そこで引っ掛かってしまうと、かなり面倒なことになる可能性があります。

そこで、郵便局の窓口で陸上輸送指定の依頼をするか、品名を「雑貨」などと曖昧な表現にして自動的に陸上輸送扱いになるようにしなければなりません。
しかし、この場合も窓口で(親切心から!)具体的な品名を尋ねられますが、“熊スプレー”とも言えず適当に取り繕わなくてはならないという問題があります。

面倒を避けたければ、品名の欄に「コンピューター」「携帯電話」などと併記して申告すると(リチウム・イオン電池は航空輸送が不可のため)、この場合も“航空輸送禁止扱”となり自動的に陸送となりますので、これも良い便法でしょう。

また、郵便局の窓口や直接集荷を依頼せず、“ゆうパック”の提携コンビニで「雑貨・登山用品」等と記載して発送を依頼すると、普通は何も訊ねられず受け取ってもらえ、その後集荷した局で陸上輸送に仕分けされますので、半日位は日程に余裕を見る必要がありますが、これが一番簡単な方法かもしれません。

また、ゆうパック以外でもクロネコヤマトの宅急便は北海道便の一部は航空輸送と聞いたことがありますので確認が必要でしょう。

一方、“佐川急便”なら航空飛脚便のサービスを指定しなければ、北海道便は原則トラック輸送(たぶん?)ですから、東京から札幌までゆうパックより1日は遅くなりそうですが、気がねなく宅配が利用できると思われます。(この辺の情報に詳しい方はアドバイス&コメントお願いいたします)

しかし、いずれの方法を採っても品名は正直に“熊スプレー”とは記載できませんし、宅配の利用規約上問題となる危険物である事は確かですから決してお勧めできるような行為ではありません。

知床なら使わなくても利用料1日約千円と高価!とはいえ、“熊スプレー”のレンタルも有るのですが、それ以外の山域ではそれも不可能ですから、空路で北海道に渡る登山者が熊スプレーを道内の山に合法的(?)に持参するのは事実上不可能に近いということです。

ヒグマは怖いし、かといって毎回道内で購入し登山終了後に金壱万円也を捨ててくる訳にもいかないので、「どうしても・・・」と言う場合には、陸上輸送の宅配便を選択し、最低でも以前紹介した“専用ストッカー”等に収納するなどの安全策を施し、仮にリークが発生したとしても絶対に他人に迷惑が及ばぬような対処をした上で、自己責任において発送するしか方法は無いということになります。

私の願いとしては、札幌・旭川・白石などの道内主要都市に店舗のある『秀岳荘』あたりで適価なレンタルシステムを運営してくれると良いと思うのですが・・・。




ガス・カートリッジの場合も同様で、大手通販サイトでも購入したガス・カートリッジが宅配便で送られてくる事を考えると陸上輸送ならとりあえずOKということなのでしょう。

しかし、ガス・カートリッジの形状は特殊なので航空輸送便だと100%確実にX線検査で弾かれますので、もし宅配で送るなら上記と同様な対応が必要です。

とは言え、最近はガス・カートリッジも北海道の主要空港内売店やレンタカーのカウンター等でも購入できるようになってきましたので道内での調達を原則としたほうが安心ですね。

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