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2011年2月18日 (金)

廉価版“デジタルWAXアイロン”は使えるか?(&プチ改造)

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

Vitra_4 
(昨シーズンに購入したVitora デジタルアイロン)


競技スキーと異なり、山スキーの場合はそれほどワックスに拘らなくても影響は無いだろう、とお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、山でスキーやスノーボードをより楽しもうとするなら、面倒でもワックスに少々関心を持つべきだと思います。

極寒時や春の超湿雪、あるいは黄砂の場合など、ワックス掛けをしていないスキーやワックスの選択を間違えたりすると、まったく板が滑らず苦労するといった場合も少なくありません。
・・・と言う訳で、技術不足&パワー不足の中高年齢の私としては、少しでも楽に滑れるよう、ワックスにも最低限の手間は惜しまないことにしています。

私の場合、シーズン前にベースワックスでクリーニングと下地の基礎を作り、その上にまず硬めの低温用ワックスを掛けて下地を完成させておくことにしています。

しかし、この下地作りの時の硬い低温用ワックスは溶融温度が高く、アイロンの温度をかなり上げて作業しないとスムーズなワックス掛けができません。
だからと言って必要以上にアイロンの温度を高くすると、今度は煙が出てワックスが変質したり、ワクシングペーパーを使用しないとスキーの滑走面自体を傷めてしまいそうです。

また、通常のアイロンは、バイメタル&接点式のサーモスタットを使用してON/OFF 制御を行っているため、ダイアルの温度目盛りも正確ではなく、またアイロンの表面温度は設定温度を中心に大きくハンチング(上下に波打つような温度変化)してしまうのです。
特に熱量の小さい小型アイロンを使い、寒い部屋で冷えたスキーにワックスを掛けようとする場合などはアイロンを一定温度に保つことすら難しくなります。

また、この種のサーモスタットのハンチングは、設定温度を超えてからOFFになる直前には設定温度を大きく上回ってしまうのが普通ですが、この時アイロンの種類やケースによっては設定温度を二十度近く上回る瞬間が存在する事もあると聞きました。

そこで、かなり以前からナショナルチーム等のプロ・ワックスマン達は、バイメタル式サーモスタットの宿命でもあるこのハンチングを極力抑え、アイロンの表面を安定した温度に保つことのできる、1000Wを超える大熱量のデジタル制御アイロンを使用していました。
しかし、この優れたデジタルアイロンはプロ用の少量生産品という事もあり、一昔前でも国内価格換算で5万円前後と、アマチュアがおいそれと手を出せるような代物ではなかったのです。

ところが、かつては高嶺の花だったデジタルアイロンの値段も最近はだいぶこなれてきて、アマチュアでも購入できる2万円程度の製品や、中には定価でも1万円を切るような製品も登場してきました。
そこで私も以前のアイロンが落下で壊れてしまったのを機会に“VITORA(ヴィトラ)”の定価1万円以下の(私の購入価格はバーゲンで約7,000円)廉価版デジタルアイロンを購入してみました。

画像のような製品ですが、グリップ前端部のダイアルでデジタル表示を見ながら5℃刻みで温度を設定できるようになっており、恐らく表面近くに埋め込まれた温度センサーからの信号により、頻繁にヒーターのON/OFF を繰り返すことでハンチングの少ない温度制御を行っているようです。

Vitra_2
(マニュアルの記載では温度の安定度は上下2℃の範囲とのことです・・・?)

しかし、実際に使ってみるとこのアイロンは温度調節ダイアルの直径が異様に大きく、しかもハンドルから突き出ていてワックス掛け中に不用意に触れて設定温度が変わってしまいそうな状態でした。
そこで、一旦分解してダイアルの直径をハンドルの端面ギリギリになるよう削ってから組み立てる、という小改造を行いました。(画像↓)

Vitra_or  Vitra_5
(㊧オリジナル状態のメーカーサイトの画像と、㊨小径に改造したダイアル部)

Vitra_3
(ダイアルは直径を削り、滑り止めのナーリングを施した)

使用してみた結果は、温度が数字で目視でき、安心して硬い低温用ワックスを溶かせるという点と、あとはデジタル制御とは直接関係が無いかも知れませんが、このアイロンが800Wと大熱量のM字型ヒーターを使っているためか、ワックス掛けが非常にスムーズでした。
これでしたら、寒冷時にもより安定したワックス作業が行えるでしょう。

Vitra_6
(ワックス掛け作業自体は非常に快適)

ただし・・・、好き嫌いもあるのでしょうがこのアイロンのハンドル形状は使用中に落っことしそうな感じで、私にはイマイチ使いづらい気がしましたし、ゴムっぽい表面処理もあまり快適でないような気がします。(慣れの問題かも知れませんが、やはり私は普通のグリップ型ハンドルのほうが良いような気がします・・・)

あと、分解した時に中を覗いたら、中国製のマイクロリレーを使ってヒーターをON/OFF 制御している仕組みのように見えました。
温度変化を+/- 2℃の範囲に抑えているということは、通常のサーモスタットよりON/OFF の切り替えがかなり頻繁になる筈ですのでリレー接点の耐久性に少々心配が残る気もします。

5万円のデジタルアイロンと比べるのは可哀想かもしれませんが・・・、このVITORA のアイロンは1万円以下の価格設定相応のチープな造りで、外見上の高級感?は感じさせてくれません。
しかし、性能的には価格以上の能力を発揮してくれそうな、自信を持ってお薦めできるワックスアイロンだと思います。



※現在、微積分制御の温度調節器とソリッドステートリレーを使用し、ハンチングを極小にしたデジタルWAXアイロン・・・、などという馬鹿馬鹿しいほどオーバークォリティーな製品を半ば冗談で製作中です。
パーツ代と手間を考えたら、ハイエンドモデルのデジタル・アイロンを買ったほうがむしろ安上がりだったかも知れませんが、後悔先に立たず・・・、は毎度のことです。(涙)
コントローラー部(画像↓)はすでに完成していますので、追って御紹介予定です。
Tc

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