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2011年4月

2011年4月27日 (水)

“始祖鳥”と“鶚(ミサゴ)”のハイブリッド誕生?

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆


最近は体力と仕事の関係で長い山旅にも行けない状況にもかかわらず、2年ほど前、“ARC'TERYX”のBORA 80 などという大型のザックが突然欲しくなり、後先考えず衝動買いをしてしまいました。

案の定、まだ2回しか使う機会にめぐまれず、しかも2回とも60Lザックでも間に合うような容量の荷物しか詰め込んでいません。
つまり、このザック本来の性能を引き出すような使い方は一度もしていない訳で・・・、言うなれば宝の持ち腐れですね。
このままでは、かなり贅沢な無駄遣いになってしまういそうです。

さて話は変わりますが、このザックで私が気になった点は、些か大きすぎるヒップベルトです。
このザックの背面システムの特徴は、ヒップベルトが直接本体に固定されておらず、荷重はアルミ・フレームに直結されたヒップベルトに直接伝達され、その荷重をかなり大きなパッドで腰に均等に分散することで、快適に重い荷物を運べるような仕組みになっています。

Dynaosp_3
(ヒップベルトはフレームと直結され、本体からフローティングした構造)

しかし、機能性重視とはいえ、このヒップベルトは些か大きくて嵩張り過ぎです。
しかも、樹脂板製の硬めの芯が入っているため平に折り畳んだり後ろ側に回す事すらできませんから、狭いテントの中ではかなり邪魔でザックの置き場にも困ってしまいますし、飛行機を利用する場合も、機内預けの時には取り外したベルトをザックに仕舞う必要がありそうです。

また、ヒップベルトの有効性は理解しながらも、キスリング・エイジの私としてはあまり大型のパッド付きヒップベルトには些かの抵抗感がある、というのもこのザックを使うのに二の足を踏む理由の一つかもしれません。(笑)

そこで、せっかく買ったこの“最高の一般歩行用大型パック”との呼び声が高いこの製品を少しでも気軽に(?)使えるよう、嵩張るヒップベルトを、ボリュームダウンする改造を思い立ちました。

・・・と、いう訳で、もっと嵩張らない薄いヒップベルトで、しかもシッカリと加重を支えてくれるモノは無いか・・・、と探していた時に見つけたのが“OSPREY ”のアイソフォーム・ヒップベルトという、熱成型で使用者の腰の形状にフィットさせられる製品(画像↓)です。

Dynaosp_9

これでしたら、パッドが薄くてもシッカリ腰にフィットしてオリジナルと同じように効率よく加重を分散してくれそうです。
また、ヒップベルト単体でもパーツとして通常販売が可能とのことですから、気兼ね無く山道具屋に注文できるのというのも自作マニアには好都合です。

ただし、メーカーも設計も異なるザック本体とヒップベルトをどうやって結合させるか?、という最大の課題を何とか解決しないとこのミッションは前進しません・・・。

まぁ・・・、頭の中で考えていても埒が明かないので、いつ通りの“ダメモト”覚悟で早速このヒップベルトを購入することにしました。(ブログ・ネタにも金が掛かりますね・笑)

“ARC'TERYX”は『始祖鳥』のことですし、“OSPREY”は『鶚(ミサゴ)』ですから、何れも一応は“鳥類?”同士・・・、何とかなるでしょう。
・・・という訳で早速改造開始!

言葉では表現が難しいので、詳細は画像をご覧いただくのが一番ですが、簡単に説明すると、BORAのヒップベルトにあるようなフレーム受けのポケットを持つパーツを縫製してベルクロでOSPREYのヒップベルトと結合させるという事です。
このフレームの荷重を受ける部分は荷重が分散するように3ミリ厚のベルポーレンを芯に420ナイロン地とテープ類を、工業用ミシンでガッチリ縫製しました。

Dynaosp_6
(♯8の糸で頑丈に縫製した)

OSPREYのヒップベルトにあるベルクロも併用してこのカップリング・パーツを取り付け、あとはオリジナルのピップベルトと同様にセットすれば(画像↓)完成です。

Dynaosp_2

また、ザックに固定するストラップ類も工夫してBORAにフィットさせました。
スタビライズ・ストラップを引く角度などはオリジナルとは若干異なるようでしたが、背負ってみた感じでは全く問題は無さそうです。

Dynaosp_11
(スタビライザー・ストラップも十分機能する)

最後に、一度分解してヒップベルトを熱成型します。
私はヒップベルト購入時に、成型は無料だが30分時間が掛かると言われましたし、改造にはパッドが平べったい状態のほうが好都合だと考え、そのまま持ち帰り自分で熱成型することにしました。

成型温度は公表されていませんでしたがスキーブーツのサーモインナーの要領で、ラボの定温乾燥機を借り110℃×10分少々、で焼いてみたところ、何とかジャストフィットさせることができたようですが・・・、一般的には購入店の専用オーブンでで熱成型してもらう事をお奨めします。

ダミーの荷物を25キロ程入れて背負ってみたのですが、オリジナルのヒップベルトと遜色無くシッカリと腰骨で加重を受け止めてくれ、しかも嵩張りませんのでとても使いやすくなった感じで、まずまずの大成功です。

Dynaosp_8
(㊤嵩張るArcterixオリジナルと、㊦Ospray/改、・・・こんなにコンパクトになる)

これで、あの大袈裟なパッドの付いた巨大なヒップベルトから解放され、気軽にこの大型ザックを使用できるようになったわけですが・・・。
最後に残された問題は、このザック本来の性能を生かせるような体力と休暇が私に在るか・・・、と言うことでしょう。(涙)

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2011年4月17日 (日)

Dynafit/TLT-Speed のレバーに関して

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(改造は自己責任で!)


私はDynafit/TLT-Speedを昨シーズンから使い始めました。
それ以前はTLT-Comfort とTLT-Vertical を使っていましたが、それらに比較してみるとTLT-Speedには幾つか使い勝手に違う部分があるようです

Tlt_speed_2  Vst
(㊧TLT-Speed/改、㊨Vertical-ST)

私の一番気になったところとしてはトーピースのレバーの部分です。
TLT-Comfort からTLT-Verticalに進化した段階でレバーが大型化されロック・アンロックの切り替えに無理な力を要せずにすむようになったのですが、TLT-Speedに関しては現在でも20年前のような小さなレバーのままとなっています。

レバー自体はTLT-Comfort と同じ形状なので、特に問題があるわけではありませんが 、TLT-Speed の樹脂製のベースプレートと組み合わせた場合には要注意です。

それは、TLT-Speed の場合、トーピースの樹脂性ベースプレートがほとんど弾力性の無い薄いソリッドな形状のため、“最中(もなか)”構造で若干の弾力性を有するベースプレートをもつTLT-Comfort やTLT-Vertical と異なり、レバーとベースプレートの間隙の僅かの差が動作にシビアな影響を与え、ブーツとの相性によっては歩行モードでのロックにかなり強い力を要するという問題が発生するということです。

下の画像はTLT-Speed とDynafit 純正(?)のブーツを組み合わせた時のものです。
ビンディングのビボットのピンがブーツの穴に入った状態で、アーム外側の幅を計るとノギスでの手計測で81.9mmです。(画像↓)

Sp_3

次の画像はTLT-Speed とGARMONT  のブーツを組み合わせた時のものです。
この場合はアーム外側の幅を計ると82.3mmでした。(画像↓)

Sp_2

この差は、製品の公差の範囲内に収まる僅かな数値なのでしょうが、僅かとは言えGARMONT のブーツの場合は前者より0.4mmだけアームの戻りが少々少ないということになります。

ちなみに、それぞれのブーツをセットした状態でレバーの穴の後端上面とビスの頭までの距離を測ったら(画像↓)前者が12.7mm、後者は12.2mmでしたから、このわずか0.5mmの差が以下に述べる樹脂製レバーのロック状態に影響を与えることになるのです。

Sp_4
(このように測定したのでやや正確さを欠くかもしれないが・・・)

さて、この微妙な差は実際にこのビンディングを使用する時どのような影響するのでしょうか。

TLT-Comfort など、中空である程度弾力性のあるベースプレート場合はロックレバーがベースプレートを撓ませますのでこの位の寸法の差は無視しても構わないのですが、リジッドなベースプレートを持つTLT-Speed の場合は、後者のブーツとの組み合わせた場合、歩行モードでトーピースをロックしようとレバーを起こしたた時、かなりの力を入れてもレバーのセレーション(ギザギザ)が一段目までしか掛からないという状態となってしまいます。

Sp_6
(力を入れても1段目までしかレバーを起こせない)

TLT-Speed とDynafit のブーツの組み合わせの場合でしたら新品のうちでも、レバーは普通の力でも2段目か3段目まで起こすことができるのに(画像↓)、ブーツの個体差の問題もあるのでしょうが、私の今使っているGARMONT のブーツとTLT-Speed の組み合わせの場合はこのような現象が起きているのです。

Sp_5
(Dynafit のブーツだと通常の力で2段目までレバーを起こせる)

そして、このように1段目までしかロックが掛かっていないと歩行モードでチョット板が引っ掛かった拍子に突然ブーツが外れてしまう事があり、時として非常に危険な事故にもつながりかねません。
「カチッ、カチッ、カチッ!」と3段目までレバーを起こせれば不用意な解放もほとんど起きなくなるようですが、1段目までだとまだ誤解放の心配は残ります。

まあ、最初は固くても使っていくうちにレバーやベースの当たりが馴染んできて、2段目くらいまではレバーが起こせるようになると思うのですが、力の無い女性などの場合はレバーをロック状態まで起こし難く、また無理して確実にロックできる位置まで起こしたとしても、今度は滑降モードに切り替えようとした時TLT-Speed の小さなレバーでは力が入れ難く非常に苦労(ポールのグリップ部で叩くようにレバーを押す etc.)する事になるでしょう。

そこで、このような場合の対処法を考えてみました。

まず考えられるのは、以前、TLT-Comfort のベースプレートに欠陥があった時にメーカがディーラーに指示した姑息な方法と同じ一番前のビスの部分、ベースプレートとトーピース本体の金属部分の 間に厚さ0.5~0.7mm.程度のワッシャーを挟むという方法です。
これでレバーのセレーションとベース凸部との間隔はワッシャーの厚みの分だけ離れますから、取り敢えずレバーはより手前まで起こせるようになる訳です
しかしこの方法ではトーピースが僅かに変形する訳ですし、ベースとトーピース本体にに掛かる力が均等ではなくなるので、構造的には些か問題のある方法だと言わざるを得ません。

また、ベースプレートの凸部を削ってしまう事も考えられます。
この場合は、彫刻刀の等で半円柱状の凸の上面を低く整形すれば良いでしょうが、これだと少々見栄えが悪くなりますし、極端に低くしてしまうとブーツを替えた時に少々心配も残ります。

そこで私は、トーピースがベースプレートに接する形状に倣ったシムを作って間に噛ませる方法を考えました。


複数作ることになるし、計画中の着雪防止対策用にも使用したいので、遠回りですがまず2000系アルミでテンプレートを作る作業から始めました。

Tltsim1  Tltsim2
(㊧自作のテンプレート、㊧トーピース本体の取り付け部に倣った形状だ)

あとは、機械的な強度のある0.5~0.8mm(厚いほどレバーは起こしやすくなる)のジュラコン板等にこのテンプレートを使用して罫書きを行い、カッターで切り出せば完成です。

Tltsim3  Tltsim4
(㊧切り出したジュラコン板のシム、㊨テンプレートとシム)

そしてビンディング取り付けの際ベースと本体金属部の間にこのシム(私の場合は0.5mm)を挟んで取り付ければ総ての問題は解決!というわけです。
これで外見は全く変えずにロックレバーの動作を改善することができる訳です。

・・・とは言え、この方法はビンディングを一度取り外す必要もあり少々手間の掛かり過ぎる方法ですから、私自身も一般的にはベースプレートの凸部の上面を削る方法で対処したほうが、ベターだと考えます。

いずれにしろ、ブーツとの相性が悪く、力の弱い女性などがレバーをロックし難いと感じる場合や、ロックが弱く、歩行中にたびたび誤解放するような場合、何れかの方法でロックレバーに対策を講じておくべきだと思います。



【余談でもない?のですが・・・】
さて、TLT-Speed が着雪に弱いのかという理由は、ベースプレート後端にあるクトー取り付け部の凸型形状がダムのようになって雪の逃げを妨げている点と、トーピース中央のスプリングが付いたアームの逃げ代となっている中央の穴の部分の角がスキーのトップシートと直角で接する形状となっているからです。

そこで、着雪を少なくする手段としては純正クトーの使用を諦め、クトー取り付け部の凸型形状を金属部分の面の高さまで削り取ってしまうのが一番だと思われます。

また、トーピース中央のスプリングが付いたアームの逃げ代となっている中央の穴の部分の部分をTLT-Comfort のような底面の角にRの付いた雪を排除しやすい形状にすれば着雪による動作不良はかなり防げるのではないか、と考えられます。

カイデックス板(ナイフのシースなどに使用する熱可塑性高強度樹脂)を上記のアルミ製テンプレートをオス型にしてフォーミングし、ベースとトーピース本体の間に挟めば排雪性がかなり向上すると思われます。
この目的で現在カイデックス板の0.5~0.8mmを探しているのですが、残念ながらどうしても1mm厚以上のものしか見つけられません。

仕方なく、ジュラコン板でテストしてみましたが熱可塑性が低く上手に仕上がりませんでしたので、このアイデアは現在検討中です。

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2011年4月 7日 (木)

VOILEのクトーを取り付ける

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆
(取り付けはは自己責任で!!!)



Cimg0045


『山スキーにクトー(スキーアイゼン)など必要無い!』と断言される方もいらっしゃるようですが、そんな方々はかなりのエキスパートなんでしょうね。
(それとも、クロカンでも登れるような山にしか行かない人なのかなぁ?)

私のようなヘッポコ山スキーヤーは、修行が足りないせいかどうしてもクトーの助けを借りてしまう場面が多くなります。

荷物を背負ったスキーツアー・・・、シールの効く限界のカリカリの急斜面でキックターン・・・、意を決して板を後方に抜いて、エイヤッと踏み出した途端シールがスリップ・・・、そしてあっという間に急斜面を滑落してゆく・・・、以前こんな『夢』を何度も見たことがあります。(笑)
こんなシチュェーション・・・、思い出すだけでもビビリますね。

しかし、実際の山スキーではもっと厄介な状況にだって遭遇します・・・、ブレーカブルクラストで、アイゼンに履き替えた途端に腿まで踏み抜きそうでスキーを脱いで登ることはできないし・・・、それ以前の問題として、ツボ足登行が可能だとしても、安全にアイゼンに履き替えてシートラーゲンに切り替えられるような場所など周囲には無い・・・。
とにかく今は安定した場所までシール登行で頑張るしかない!
以前、山スキーツアーでこんな場面にもしょっちゅう出っくわしました。

そんな訳で、エキスパートからは程遠い・万年中級者で・還暦目前の・現在の私は、もう簡単なツアーしか行けませんが、それでも山スキーを安全に快適に楽しむためにクトーは毎回携行するようにしています。

そしてクトーの中でも、ヒールリフターを上げた状態ても効いて、しかもブーツを脱がずに着脱のできる、板に直付けするタイプのクトーは、歩行時の抵抗にはなっても安全の確保という観点からはより有効な道具だと私は考えています。

さらに、そんな板に直付けするタイプのクトーの中でも、以前の記事でもご紹介したVOILEのクトー(画像↓)は、厳しいツアーでこそ真価を発揮する、私が自信を持ってお薦めできる結構な「スグレモノ」です。

Vkuto1

またこのクトーは、ベース部分だけでも購入できるので、複数のスキーを持っていてもクトー本体は使い回しができるのも好感が持てますね。

これのパクリ品が松本の“ブンリン”から発売されていますが、こちらもオリジナルよりさらに改良され結構良さそうです。
この山道具屋さんは、以前もPETZL のクトーをパクッたりして、知的財産権的には問題ありですが・・・、まぁ堅いことは言わないことにしましょうか・笑】



しかし、VOILEのクトー(正式名称/Voile Ski Crampon )は基本設計は良くても、大メーカーの製品と比較すると完成度はイマイチで、キッチリ取り付けるには少々慎重さを要する部分もありますので、今回の記事では、その点を含め取り付け方法をご紹介します。

また、このクトーは、ディアミールでは“フリーライド・プロ&プラス”以外ではクリアランスの関係で使用困難です。
またDYNAFITではセンターがプレートでつながっていない“Vertical”シリーズや“Comfort”、または“Speed”でも使用できますが、“Speed”などクリアランスの小さい機種ではブーツによって取り付け位置に制約がでる場合もありますので、必ず事前にチェックしておく必要があります。

※では、早速取り付けてみましょう。

【使用する道具】
①ドライバー(POZI/♯3) ②紙ゲージ(製品に付属) ③ドリル(φ2mm・3.5mm)
④3/8"または10mm ボックスレンチ(モンキーレンチでも可) ⑤センターポンチ、ハンマー、マスキングテープ、鉛筆 etc.

【工程】
①取り付け位置を決めます。
実際にブーツを取り付け、ソールに干渉せず且つなるべく前方(理想は拇指球の真下)に位置を決め、マークします。

なるべく前側といっても、ブーツを脱がずに容易に着脱のできることがこのクトーのメリットの一つでもありますから、このあたりは各自で位置を判断してください。
まぁ“TLT-Speed”の場合はブーツ・ソールとのクリアランスの関係で、必然的に着脱のし易い、やや後ろ側の位置になってしまうでしょう。

この時、純正のクトーを使用しないつもりなら、勇気を持って(?)トーピースのクトー用スリットより後側を切り取ってしまう(画像↓)という選択肢も無い訳ではありません。

Aid_3
(このように切り取ってしまうとクトーを前方に取り付けられる)

②紙ゲージ(テンプレート)をマークの位置に置きマスキングテープで固定します。
なお、この時紙ゲージのセンター位置にカッターで小さな窓を開けておくと、板に付けたマークを目視で確認できるので位置決めに便利です。(画像↓)

Voilese_1  
(付属の紙ゲージのセンター位置にカッターで小さな穴を開けると位置決めに便利) 

③ビス位置にセンターポンチを打ちます。

④ドリリングします。
この板の場合、指定はφ3.8mm ×D 9.5mmですが、いきなりφ3.8mm でなく、2mm~程度の細いドリルで案内用の下穴をあけてからにしましょう
ドリルには必ず指定の位置にストッパーを取り付け、穴が深くなりすぎないように作業します。
穴あけ終了後、穴の周囲は大きめに面取りをしておきます。

Voilese_3

⑤念のため、ビスの突き出し長とスキー板の厚さの関係をチェックしましょう
最近のファットスキーは幅が広い分かなり薄い板も多いので、そのまま取り付けるとソールを押し出してしまう事も考えられます。
ビスが長すぎる場合はボルトクリッパー等で先端をカットし、グラインダーで断面を整えておく必要があります。(画像↓・㊨)

また、大きな声では言えませんが(笑)、スキーメーカー指定のドリル穴より0.3mm程深めに穴をあける事でソールの押し出しを回避できる場合も多いので、板厚とビス長を確認して自己責任で試してください。

私の購入した時点での製品のビスはスキー・メーカー指定のD 9.5mmの穴をあけた場合、明らかに長すぎましたのでカットする必要がありました。
皆さんも慎重にチェックしてみてください。(現在の商品では未確認です)

下の画像、㊨の黒いビスはVOILE 付属のものを上記の理由で短くカットしたものです。
また、㊧は通常のビンディング用ビスですがVOILE のビスはネジピッチがかなり異なっているのが確認できると思います。
このため通常のビンディング用タップは使用できません。

Voilese_4
(アメリカのテレマーク系メーカーのビスは規格違いに要注意!)

⑥次に、ビスのみを垂直になるよう慎重に仮締めし、ビス自身で板にでタッピングした後一旦取り外します。
この時、ビス穴の周囲がクレーター状に捲れ上がりますから、この部分をカッターで削り取って平面にしておきます。
これをそのままにしておくと、ベースを取り付けたときトップシートから若干浮いてしまうので要注意です。

Voilese_6  Voilese_5
(㊧ビスを仮締めする、 ㊨ビスで捲れ上がった穴の周囲をカッターでカット)

⑦ベースプレートの裏面のビス穴周囲を面取りカッターで軽くさらっておきます。これも上記と同様の理由によるものです。

Voilese_8  Voilese_9

ビス穴に防水のための接着剤を流し込んで、ポジドライバーでビスを締め込みます。

接着剤は通常木工ボンドで構いませんが、私は面倒でもエポキシ系接着剤を使用しています。
これは私がビンディング載せ替え時の穴埋めにエポキシ樹脂を使用するため、相性を考慮してという理由もあっての事ですから、通常は木工ボンドを使ってください。
(私自身は経験していませんが、フォームコアの中にはエポキシと相性の悪い物もあると聞いた事があります?)

また、ポジドライバーはフィリップスより強いトルクが掛けられますが、スキーのビスは力を加減して締めないとネジ山を舐めてしまい、取り返しのつかない事態に陥ってしまうので要注意です。

Voilese_14

⑨最後に樹脂製のノブを取り付けます。
3/8インチのソケットでステンレス製のナイロンナットを締めこみます。
薄型のナットと樹脂パーツの形状からソケットの外周を㊧画像のような形状に旋盤で挽いたスペシャルツールがあると便利ですが、無くてもモンキーレンチの先端などで何とかなるでしょう。 

Voilese_7  Voilese_15

⑩さて、完成です。
念のためクトーを取り付け、動作をチェックしておきましょう。

Voilese_16  


※このクトーの取り付けは、ビンディングの取り付けの前哨戦としての練習にも最適の教材ですから、山スキー道具のD.I.Yを考えている方は是非試してもらいたいと思います。

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