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2011年5月14日 (土)

JETBOIL/flash は退化していた??(・・・で、改造・試作②)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆
(改造は自己責任で!!)



前回の「試作①」の記事でも述べたように・・・、“JETBOIL/flash”は、確かに以前のモデルより使いやすくなっている部分も多いのですが、実際に冬山の戸外で使ってみた結果、耐風性という基本的な能力が旧モデルよりも明らかに低下していると実感しました。

まぁ、室内で使うなら“JETBOIL/flash”のほうが旧モデルの“JETBOIL”より早く湯を沸かせる(?)のかもしれませんが、吹き曝しの戸外となると話は別です。
湯沸しの途中で風によって火が消えてしまうと、当てにならないイグナイターを何度もカチカチ動かしたり、結局ターボライターを取り出したりと、かなりイライラさせられますし、結局時間もかかり燃費も悪くなってしまいます。
無風の室内で計測した沸騰に要する時間の秒単位のデーターも、それはそれで正しいのでしょうが、実際のフィールドの多様な条件下での実力は、そんなデーターだけで単純に比較できるものではないと思います。

“JETBOIL/flash”のユーザーの方はバーナーのみの状態で点火し、炎に息を吹きかける実験をしてみてください。驚くほど簡単に火が消えてしまうことが判るでしょう。

通常の登山用ストーブでも、炎がバーナーの周囲に放射状に噴出すタイプのものは、風の当たった方の火が一瞬消えてもすぐに消えていない部分から再点火し燃焼を維持できる事が多いのですが、“JETBOIL/flash”のバーナーは上方向にしか炎が噴出さないので風に当たると一発で炎全体が消えてしまうようです。
また、バーナー上面の凹型形状は耐風性を高めるためと謳われていますが、その効果はあまり実感できません。


そんな訳で、この頼り無い“JETBOIL/flash”の耐風性を高めるための改造に取り掛かりましたが・・・。
今回は、前回の試作1号機に引き続き、完成バージョンに近づいた試作2号機を紹介します。

Jbk2_1  Jbk2_2
(装着状態のウインドシールド試作2号機)

素材は1号機同様0.8mm厚のチタンですが外観は少々異なり、組み立てた状態で卍型になる形状です。
前回問題だったバーナー上面との間隙ですが、2号機ではウインドシールド下面に凸凹の加工をし、ブロック間の炎を完全に遮断しないようにしました。
この結果着火時の炎飛びは無くなりましたし、突風で1ブロックの火が一瞬消えてしまった場合でも隣のブロックからの再着火がスムーズになったようです。
MSRの“Pocket Rocket”の同形式のY字型ウインドシールドがバーナー上面との間隙を設けているのもこのためなのでしょう。

また、取り付けも2個のパーツを直角に組み合わせ、バーナーヘッドに「カチッ」と嵌め込むだけと至って簡単ですし、脚の下部をバーナーの周囲を掴む形状にしてありますので逆さにして振った位では外れません。

Jbk2_4  Jbk2_5
(ウインドシールド試作2号機の構造)

また、カートリッジ取り付け状態のバーナーとスタビライザーを同時収納すると蓋が閉まらなくなる問題に関しては、当初ウインドシールド中央部の高さを低く抑えようとも考えましたが、スリットで組み合わさる構造で重なり代の寸法が短いと強度不足が生じると判断し、不本意ですが今回は分割式として使用時に組み立てて取り付ける方法を採りました。
不使用時は分解してバーナーの皿の部分に収納(画像↓)しておけますので邪魔にはなりませんが、使用の都度着脱するのが少々面倒であることは否めません。

Jbk2_6
(分解すればこのように収納できる)


しかし、これで“JETBOIL/flash”の能力を活かしながら、“旧・JETBOIL”以上に風に強い“Super-JETBOIL/flash”(笑)の原型が完成したわけです。

試しに、ウインドシールド装着と未装着の状態で燃焼中のバーナー部単体を息で吹いてみると、未装着の状態ではチョット吹いただけで消えてしまうのに対し、ウインドシールドを装着したバーナーは普通に吹いたくらいでは、一瞬1/4ブロックで火が消えてしまったとしてもすぐに再着火し完全に消火してしまうことはありません。
たったこれだけのパーツの追加でこんなに風に強くなるとは・・・、作った私自身驚いてしまいました。


今後の展開としては、「くの字」型のパーツ2枚を中央でスポット溶接してX 型にすれば、強度を保ちながら中央部の高さを低くできますので、蓋の裏にある突起(コーヒープレスのシャフト用?)との干渉を避けられ、常時装着可能なモノが作れそうですね。

まぁ、カートリッジ・スタビライザーをカップ内に同時収納しなければウインドシールドを取り付けたカートリッジ付きバーナー部を入れても蓋は閉まりますし、この蓋の突起も通常は必要無い(イグナイターの保護にも役立ってはいるが・・・)ので、どうしても全てを収納した状態で蓋をしたければ、思い切って切り取ってしまっても良いでしょう。

Jbk2_7
(リッドの裏、中央にある突起は切り取ってしまうことも可能だ)

でも、一番好いのは最新型の“JETBOIL-SOL” を買って、かなり評判が良くまた全高も低い高出力バーナーを流用することかなぁ。
このバーナーにウインドシールドを取り付ければ、おそらく最強のJETBOILになるでしょうし、五徳をかませて普通のクッカーと併用するのにも十分な能力がありそうです・・・。

う~ん・・・、また無駄遣いしちゃいそうですね。(笑)

さて、この“JETBOIL/flash/改” を実際に積雪期の山で何日か使用してみましたが・・・・。(画像↓)

A_65b

「効果は絶大!」と自画自賛できるほど耐風性が向上していました。

おまけに、風のある寒い場所では使い物にならなかったイグナイターも、少しはまともに機能するようになった気がします。


また、ウインドシールドの高さはこの試作品より低く、イグナイターの碍管より少し高いだけでも十分防風効果はありそうですし、同時にイグナイターの保護の役にも立ちそうですから、次回はもっと小型化したものも試してみたいと思います。

そんな訳で・・・、この自作ウインドシールドはあくまでアマチュアが考えた試作段階のもので、耐久性などは未知数であり、さらなる小型化や素材・形状など、まだまだ改良の余地はありそうです。
とはいえ、この状態でも十分実用性はあると思いますので、JETBOIL/flash の耐風性に不満を持っているユーザーの皆さんには是非お試しいただきたい改造だと思います。



【余談ですが・・・】

ここだけの話ですが・・・。(笑)
率直に言って、一連の“JETBOIL”は工業製品としてはかなりいい加減な設計だと思います。
例えば、カップを持つための取っ手もネオプレーン製のコジーに縫い付けたテープのみで、このためカップを持つ時にコジーがビロ~ンと伸びてしまって不安定極まりないのです。
常識的な感覚として、熱湯の入った容器を保持する取っ手の構造としては些か疑問を感じざるを得ません。
これが原因で火傷でもしたら、訴訟大国のアメリカで製造物責任賠償訴訟を起こせば大儲けできるかも知れませんね。(笑)

そこで、以前にも記事にしましたが、カップの上下に細いベルクロテープで自作したバンドを回してコジーを固定しておくと(画像↓)より安定して保持できますので、こちらも是非お試しください。

Jbk2_9  Jbk2_10
(コジーの裏側に“SILNET”で滑り止めのドットを付けておくとさらに安定します)

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