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2011年6月

2011年6月25日 (土)

“JETBOIL/SOL-Ti ”を弄り回す!①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆


バーナー部に興味があったのと、ブログネタにするために衝動買いしてしまった“JETBOIL SOL-Ti ”・・・。
軽いのは良いのですが、全般に軽量化に起因する問題点も少なからず在ることは以前の記事でご紹介しました。

Jbti_13
(“JETBOIL SOL-Ti ”)

せっかくのチタン製コンパニオンカップも、せめてあと10ミリ少々高さがあればカートリッジ付きバーナーを入れてもリッド(蓋)が閉まるのですが・・・(画像↓)、などと愚痴を言ってもしょうがないので、せめてブログネタにでもしようと早速改造&改良という名目で、色々弄くり回す事にしました。

Jbti_12
(カートリッジ装着状態では蓋は閉まらない)

まずはバルブを前回の“Flash” 同様アルミの削り出しのものに変更してみました。
これは、このSOLのバーナーにウインドシールドを付加し、スタンダードサイズのコンパニオンカップにカートリッジ装着状態で収納しようとした場合、折り畳み式のワイヤーベイルでは不都合だからです。

Jbti_16  Jbti_15  Jbti_14
(SOLのワイヤーベイル型のノブ部分㊧もFlash と同様に改造㊥㊨したが・・・)

しかし、その後SOL 本来の収納方法(スタビライザー・バーナー・カートリッジ・五徳の順番で総てを収納できる)をした場合、交換したノブがカートリッジの底にに干渉して微妙に蓋が浮いてしまいまう事に気付きました。
今回作ったノブは、大きく、かつ外側に出っ張りすぎていたのです。
この形式でノブを改造する場合は、もっと小型に作るべきだったわけです。

私も、山行によって、SOLをオリジナル状態で使ったり、バーナーをカートリッジ装着状態でスタンダードサイズのコンパニオンカップに収納したり、と使い分けたいので、もう一度小型のノブを作り直そうと考えましたが・・・、それも能が無いですし、旋盤を使わなくても誰にでもできる方法を考えてみました。

そこで、今回ご紹介するのは標準のワイヤーベイル短く切り詰める改造です。
下の画像のように切って曲げるだけですから特に説明の必要は無いでしょう。

当初はオリジナルのベイルは温存し、ステンレスのバネ材で新たにベイルを作ろうと考えましたが、アメリカ規格?のΦ≒1.6mmのバネ材の入手ができないので、仕方なくオリジナルのワイヤーを加工することにしました。

ワイヤーベイルの全長は、できるだけ短く作れば後述するバルブ全閉位置の調整をしなくても済むのですが、あまり短くしてしまうと装着や折り畳む時に無理な力が掛かりますし使い勝手も悪くなりますので、画像にある程度の長さが限界だと思います。
また、この位の大きさだったら、初期状態と較べてもバルブの操作がやり難くなるということはありません。

Jbsb_1  Jbsb_3
㊧上がオリジナル・下が短く改造したワイヤーベイル、 ㊨装着した状態)

改造したワイヤーを元のように装着すれば一応は完成ですが、この改造を行った場合はもう一つ重要な作業が残っています。
それは、カートリッジ装着状態で収納する事を考慮して、バルブ全閉状態でワイヤーベイルが折り畳める角度で停止している状態にセットしなければならないからです。

オリジナルの状態では、折り畳んで収納する関係でワイヤーベイルが横向きになった状態でバルブ全閉ですが、短く改造したベイルでもこの状態でカートリッジ装着したままのバーナーをカップに収納しようとすると、ワイヤーがカップの内側に干渉し擦れてしまうからです。(擦れるのを気にしなければ収納は可能です)

そこで、ちょうど良い状態でワイヤーベイルが折り畳めるようバルブ全閉時の角度を変更する必要があるのです。

さて、その方法ですが、まずバルブのワイヤーベイル取り付け部末端にある“+/-”の矢印のある小さな丸いアルミ製シールを剥がします。
再使用する場合は針などを使用して慎重に行う必要がありますが・・・、私はどっちに回せばバルブが閉るか位は判りますのでドライバーで無理矢理剥がしてしまいました。

そうすると、中心に小さなビスが見えるはずですから、それを緩めてシャフトからワイヤーベイル取り付け部を抜き取ります。
シャフト末端には画像のようなセレーション(ギザギザ)があって、取り外したワイヤーベイル取り付け部内側のセレーションと陰陽で噛み合っており、バルブ全閉時のベイルの角度を一歯単位で調節できるようになってるのです。

Jbsb_2  Jbss
(㊧中央のビスを取り外す、㊨バルブシャフト末端のセレーション)

後は、カートリッジを装着した状態で、バルブ全閉時にワイヤーベイルが折り畳める位置を見付け(画像↓)、ビスを締めれば完成です。
私の場合は初期状態から約90度回転した位置で固定しました。
ビスが外れても困るので中強度のロックタイト等で緩み止めをしておけば安心でしょう。

以上で改造は完了です。
念のため再度述べておきますが、“SOL”はこの改造を行ってもカートリッジを装着した状態でカップに収納するとリッド(蓋)が完全に閉まりませんので、ちょうど良い大きさのスタッフバッグ等に入れて持ち歩く必要があります。

また、言うまでもありませんが、“Flash”にこの改造を行えばカートリッジ装着状態のバーナーをスタビライザーと一緒にコンパニオンカップに収納する事が可能となりますので、“SOL”よりむしろ“Flash”ユーザーに特にお奨めしたい改造といってもよいかもしれません。



Jbsb_4
(こうすればカートリッジ装着状態でもバルブ全閉でベイルを折り畳める)


さて、以上でバルブの改造は終了ですが、次は最小限の重量増加でSOLをハンギングタイプに改造(上から2番目↑の画像)する作業に取り掛かることにしましょう。

(以下、続く・・・)

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2011年6月18日 (土)

ヘッドランプにもトリチウムマーカーを移植!

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆
(改造は自己責任で!)


こんな時期に放射性物質もなんですが・・・、また “トリチウム”ネタです。(笑)

以前、トリチウムマーカーをハンディーライトに組み込む試み(画像↓)を記事にしましたが、今回は登山に必携のヘッドランプにより完成度の高い改造を加えてみました。

T3c
(前回はマグライトのLEDリプレイスメント・ユニットにトリチウム管を取り付けた)

改造したのは私が最も信頼しているプリンストンテック社のハイパワーLEDタイプのヘッドライト“EOS”です。(画像↓)
以前の記事でもこの“EOS”のベルト部分にトリチウム・マーカーを外付けするアイデアを御紹介しましたが、自作マニアとしてはそれでは少々物足りないので、今回はランプ本体のレンズにトリチウム・マーカーを埋め込んでしまうという“悪乗り的工作”に挑戦です。

トリチウムを封入したガラス管をキーホルダーの樹脂部分から取り出す時は、微量とはいえれっきとした放射性物質ですから以前の記事を参照して慎重に行ってください。

まぁ、仮にガラス管が破損したとしても、部屋の換気をするくらいで大丈夫だと思います。(責任は持ちませんが・・・・笑)

T3hd

さて、改造です!
まずは筐体から基盤ユニットを取り外しますが、基盤は再組み立てを想定しないプラスチックの潰しピンで固定されていますので力技で対応するしか方法はありません。
この接合部分は再使用が難しいので、リューターでピンの頭を削り取るか、あるいはピンを折る覚悟で無理矢理取り外してしまうのが手っ取り早いと思います。

基盤は、意外なほど複雑な回路構成でびっくりしましたが、インバーターやレギュレターなどを組み込むとこんなになってしまうのでしょう。
この基盤を見るとこの製品の価格も決して高価ではない気もしますね。

T3ha
(中央のハイパワーLED と周囲の予想外に複雑な制御回路)

さて、このランプはコリメーターレンズで配光していますので、この部分にトリチウム管を埋め込むことにしました。
工作はピンバイスでφ1.5mm/D 5mm の穴をコリメーターレンズの横にある凸部(モールドランナーの接合部?)にあけ、そこにトリチウム管を挿入しSILNET(透明なシリコン系接着剤でも可)で固定します。
(透明樹脂の深穴は、ドリルビットに水または石鹸水を付け、切子を頻繁に取り除きながら作業をするときれいに仕上がります)

T3hb  T3hc
(㊧コリメーターレンズに穴を開け、㊨トリチウム管を挿入する)

あとは再び組み立てるだけですが・・・、当初固定してあったピンは分解の時に壊れてしまっていますので、ここは接着剤で固定するしかありません。
電池をセットした基盤ユニットは裏蓋で筐体前面に押し付けられていますので、この状態でもほぼ問題は起きないと思います。

T3he
(画像ではLEDの右側に見えるのがレンズに埋め込まれたトリチウム管)

また、コリメーターレンズ内に異物が入るわけですから集光に問題が出たり、投影された光に斑や影が出るのでは・・・、とお考えの方も多いと思います。
しかし、改造した状態で白い壁に投影してみても影らしいものは見られませんでした。(画像↓)
私の予想どおり、この改造でライト本来の機能は損なわれていないということです。

T3hf
(壁に投影しても改造前と変化は無かった)

当然ですが、暗闇ではトリチウム・マーカーがよく目立ちますし、防水性など“EOS”本来の機能はそのままですから、登山用としては私の考える理想に近いヘッドランプが完成したと思います。

トリチウムが放射性物質であることやコストの関係で、この種の製品はメーカーでの商品化は難しいと思いますので、欲しければ自分で作るしかありません。
つまり、この手のDIYは数少ないアマチュアの活躍の場の一つということです。

夜中のテントや山小屋で“ヘッ電”探しに苦労した経験のある皆さんには、是非トライして、もらいたい工作ですね。



【余談ですが・・・】

今回扱ったトリチウム・マーカーはガラス管に封入された気体のβ線源ですから、常識的に考えてもそれ程危険なモノでは無いでしょう。
この程度の量だったら、昔トリウム(Th)化合物を含浸させたランタンのマントルの交換作業を素手で行っていた私にとってみれば屁でもありません。
現在の大手メーカーのマントルには放射性物質は含まれていないと聞きますが、私は昔の危ないマントルを何も知らずに何度も交換しましたし、その時飛び散った白いマントルの灰を息で“ふう~っ!”と吹き飛ばしていましたから・・・、確実に内部被爆してるでしょうね。
今更トリチウム如きを恐れても既に手遅れなのです。(涙)

このような理由で私は呑気(?)に考えていますが・・・、時節柄?放射性物質に神経質になっている読者も多いと思います。
そこで、トリチウムマーカーから本当に放射線が出ていないのか、念のため線量計でテストしてみました。
結果は当たり前と言えば当たり前なのですが・・・、画像をご覧いただければ安心できると思います。

T3a   T3b
(㊧環境線量の数値は0.09μSv 、㊨マーカー付きヘッドランプを近づけても線量の変化は無かった)

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2011年6月13日 (月)

JETBOILをもう一度吊るす

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆


以前の記事でJETBOILをハンギングタイプに改造する自作パーツのご紹介をしましたが、今回はその改良版を作ってみました。

Jb15

基本構造は前作と同じですが幅を15mmと前回より狭くして軽量化を図りましたが、素材のチタン板は前回同様1.2mm厚としました。
20%以上も軽量化できる計算なので、可能なら0.8~1mm厚を使いたかったのですが、残念ながら手持ちの薄い素材に長手方向の330mmが取れる物が無く、わざわざ買うのも勿体無いのでこの材料を使いました。

その他の前作との違いは、結合部の反対側のケブラーライン取り付け穴を突起の頂点に設けた事と、小型化したため常時取り付けておくという前提で、結合部のケブラーラインを半固定の状態になるよう結んでしまったということ位で、外見以外大きな違いはありません。

Hk_7  Hk_8
(ベルトの幅は前回より5ミリ狭い15ミリとした)

構造は前作と同じなので、詳細は下の画像と冒頭のリンクをご参照ください。

Hk_3  Hk_1  Hk_5

また、現在“JETBOIL-SOL/Ti ”も私の改造の生贄対象となっていますので、こちらも新しい方法で吊るしちゃおうと考えています。(笑)



【余談ですが・・・】

十年程前だろうか、我が家の周りでくすんだオレンジ色の可愛い花が咲いているなー・・・、などと思っていたら、年々その数を増し場所によっては公園の一隅が全部この花だらけという状態になっていた。

Poppy1

皆さんの家の周りでもこんな光景が展開されてはいないだろうか?
この花は“ナガミヒナゲシ”というヨーロッパからの外来種だ。
かなりの繁殖力を持ち、各地で在来種を駆逐して繁茂しているそうで、特定外来種の“オオキンケイギク”と競い合うようにその勢力範囲を拡大中なのである。
六本木で外人同士が殴りあっているようなもので、どちらが勝っても我が国にとって得にはならない。巻き添えを喰らうのは日本人なのだからまったく迷惑な話だ。

私も3年ほど前までは、今は亡き愛犬と散歩に行くついでに自宅周囲のこの花をビシビシ引っこ抜いていたのだが・・・、そんな行為に対して周囲も目は実に冷たいものがあったのを思い出す。

まるで、「いい歳をしたジジイが何の恨みかは知らないけれど、こんな可愛い花を苛めて何が楽しいんだろう・・・??、きっと心の荒んだ人なんだろうな・・・、危ないから早く遠ざからなきゃ・・・!」といった目をして足早に去って行く女性に出会うこともしばしばだった。

もし、私がドクダミやブタクサでも引っこ抜いていたのなら、「ご苦労様~♡」などと声でも掛けてもくれたのだろうが、外見が可愛い花だと同じ行為でかくも贔屓されるのだ。

「え~、コイツは繁殖力の極めて高い外来種で、アレロパシー活性が高く、放って置くと在来種が絶滅して~・・・」などと一々説明するのも骨が折れるので、「心の荒んだジジイ」と思われたままでもいいかっ・・・、とその時は黙っていたが・・・、久々に昔の愛犬の散歩コースを歩いてビックリした。
この一見可愛い花は少しの年月でさらに数倍に繁殖していたのだ。
こんな状態にまでなってしまったら、もう「心の荒んだジジイ」如きの手におえる相手ではない。 お手上げである。

Poppy2

この可愛さのせいか、駆除の対象となる特定外来種には指定されていないようだし、それ程目くじらを立てることも無いではないか、と言われればそうかも知れない。

しかし、その土地と風土固有の植生に由来した昆虫等を含む生態系が数年で破壊され、日本中何処に行っても同じ植生の同じ光景というのも不健全な気がする。
杞憂の類だろうが、原発事故の影響で東電の金払いが悪くなって尾瀬の管理が行き届かなくなれば、尾瀬ヶ原一面がこの可憐なオレンジ色の花に埋め尽くされるのも時間の問題だろうか・・・、などと余計な心配まで頭をよぎる。

私も美人には滅法弱いので大きな口は叩けないが・・・。
可愛いのは人間の世界でも花の世界でも得なんだなぁ、と思う事しきりである。
やっぱり『人は見た目が九割』なんだろう。
「○尻△×カ」なんかも、あんなに訳の分からないことばっかり言っていながら、此の世の物とも思えないほどの可愛さのお蔭でまだチヤホヤされてるのが良い例だ。

そういえば、昔は可愛かった「ア○×ス○△×」なんかも中華思想だかなんだか知らないが、いつまでたっても日本語が上手にならないくせに母国の人権問題を棚に上げて自己中心的な日本批判は展開するは、偽薬を売って金をもうけるは、好き放題してる割にはいまだ人権派文化人ズラしてにテレビに出てるし・・・。

あっ・・・!、そういえば、この方は昔 “ぉおっかのうえ~ヒナゲシの花がぁぁ~・・・・・”って歌、うたってましたよね~。
チャン、チャン!

(後段があまりにもクダラナイので早晩削除すると思います!!)

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2011年6月 3日 (金)

“JETBOIL-SOL ”買っちゃいました(しかも Ti !)

便利度 :★★☆☆☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(厳しいようですが、費用対効果で見ればこんなところでしょう)


以前の“JETBOIL-Flash”改造の記事でも述べましたが、“JETBOIL-SOL” のレギュレター付きバーナーがウェブ上で評判が好いようなので・・・。

ブログ・ネタ用を兼ねて・・・、また無駄遣いしちゃいました。

当初は、自作のウインドシールドを付けたバーナーにカートリッジを取り付けた状態で、(スタビライザーと一緒に)“JETBOIL-Flash”のコンパニオンカップに収納するため、全高の低い、“JETBOIL-SOL”のバーナー部だけが欲しかったのです。
そんなわけですから、安価なアルミカップ仕様でも良かったのですが・・・、「チ」「タ」「ン」の3文字に弱い私は思わず“SOL/Ti バージョン”の方をポチッとやっちゃいました。

そんな訳で、まずはオリジナル状態のレビューです。

Jbs_1
(“JETBOIL-Flash”㊧と、“JETBOIL-SOL”㊨)

まず感じたのは「おっ、軽っ!」て感じですね。(画像↓)

Jbs_5  Jbs_6
(一見して軽量化を最優先したのが理解できる)

カップの全高が低くなって、総容量が800CCに減り (実用容量は何故か旧モデルと同じ500CCとのこと・・・)、材質も薄いチタンになったので軽いのは当たり前ですが、バーナーもステンレスのディッシュ部の板厚が薄くなった上、大胆な肉抜きを施され、樹脂製のパーツも薄く減量されました。
そのためバーナーにレギュレーターが付加されているのにもかかわらず、バーナー自体も99gとかなり軽量化されています。
初代JBの真鍮製バルブのバーナー部が170g、“Flash”でも140gですから、マイナーチェンジを含め4世代、7年(?)にわたって着実な軽量化を遂げたわけです。

Jbsol2_2  Jbsol2_1
(㊧“SOL”、㊨“Flash/改”)

また小さなことですが、バーナーヘッドがディッシュの上面より低い位置に変更されましたので誤って逆さまに落としたとしてもイグナイターの碍管が破損する危険は少なくなりました。
また、このため火が消える一番の原因である真横からの風には多少強くなったかもしれません???。

Jbs_4
(以前のモデル㊧、では壊れやすいイグナイターの電極部が突出していた)

以上のような細かいモディファイがなされ、それなりの進化は見られるものの、率直に言えば私的には使い勝手は悪くなったという印象です。

まず、カートリッジを取り付けたままカップに収納することが(五徳やスタビライザーを一緒に収納しなかったとしても!)絶対に不可能になったのは私にとって最大のマイナスです。

しかも収納する順番と方向が決められていて、その手順通りにしないと蓋は閉まりませんから、手順を知らない人にとっての収納作業はパズルを解くようなものです。(コジーには小さい収納状態の図がプリントされていますが・・・)
「実用容量500CCは変わらない」と苦しい言い訳をしてまで、なぜカップの総容量を小さくしたのか私には理解できません。
ソロ用なら容量が小さくても構わないのでしょうが、高さを低くして軽くできる重さなど高が知れています。
それよりカップに空きスペースがあれば、予備のライターかメタルマッチあるいは、アンダーシートやパックタオル等、同時に使用する物を収納するなどして便利に活用することも可能でしょう。

意地の悪い言い方をすれば、この製品は『“実用性”よりも軽量化と小型化をスペック上の数字として可視化するという商業的な思惑を優先させた設計』・・・で作られたのでしょう。

いずれにせよ、1グラムの差に拘泥するミニマリストの“UL・ソロ・ハイカー”にとっては良い道具へ進化したと言えるかもしれませんが、冬の壁でのパチンコを志向するクライマーなど、軽量であることと同時に取り扱いがシンプルで信頼性の高いギアを求める山屋にとっては、かえって使い難い道具になったと感じられるかもしれません。
まぁ、「総ての用途に対応する“マルチパーパスな道具”なんて存在しない!」と言ってしまえばそれまでなのですが・・・。(笑)

また、私見ですが工業製品として見た場合、SOLのバーナー部の仕上げは明らかに以前のPRIMUS製より劣っています。
さも低賃金の某国で作られた・・・、と言ったような雰囲気で、バルブやレギュレター部分の仕上げも雑ですし、何よりカートリッジ取り付け部がアルミに直接ネジを切ってあるのはいただけません。

カートリッジの硬い鉄の雄ネジと、軟らかいアルミの雌ネジが直接擂動するのを避けるため、普通のアルミボディーの軽量ストーブではこの部分に真鍮製のライニングを圧入し、それにネジを立てることで、強度とカートリッジの着脱を繰り返した場合の耐久性に配慮した対策をする場合がほとんどです。
しかし、この製品は軟らかいアルミダイカストのボディーに直接ネジを切ってある訳ですから、組み立て時に誤って斜めにカートリッジを捻じ込んでしまった場合や過剰なトルクで締め付けてしまった場合、あるいは長期間使用した後には問題が生じるかも知れません。

Jbs_8  Jbs_9
(㊧SOLのアルミ製取り付け部と、㊨真鍮ライニングで補強されていた旧モデル)

まぁ、スノピの“GST-120”なども究極の軽量化という明確なコンセプトを具現化するため、“SOL”同様アルミに直接ネジを切ってありますが、この製品ではバルブボディーを比較的硬いアルミ合金のブロックから削り出していますので、ある程度の耐久性は備えていると思われます。(画像↓)

Jbs_10
(GST-120 の潔い割り切りにはむしろ好感が持てるが・・・笑!)

特に“JETBOIL-SOL”は、設計上、使用する度にカートリッジの着脱が必要なのですから、軽量化も結構なのですが耐久性にも配慮してほしかったと思います。

また、レギュレター部分も一見してチャチな造りで、新富士バーナーのSOD-300などと比べるとかなりお粗末な拵えなので、残念ながら高機能で高価格な道具を所有する満足感は得られませんね。

Jbs_7
(レギュレターの付加されたバルブ部も造りはイマイチ)

それから、フラックスリングと呼ばれる熱交換部は、質感からチタンでなく熱伝導率の高いアルミ製のようです。
チタン製の鍋底とアルミ製のフラックスリングは溶接されているようなのですが、異種金属間のスポット溶接の耐久性はいかがな物か・・・、多少気になる部分ではあります。

加えて、カップに取り付けられたネオプレーンのコジーはびっくりするほど薄い素材に変更され、ハンドルもナイロンテープからハイパロン製の薄い素材になりました。
しかし、この部分は明らかに“行過ぎた軽量化によるマイナス面の具体例”と言っても過言ではないでしょう。
とにかく、カップに水を入れてこのハンドルだけで持ち上げようとするとコジーがビロ~ンと剥けたように伸びて「おい、おいっ!」って感じになります。(画像↓)
旧モデルでも問題があったにもかかわらず、モデルチェンジで改良どころか逆にこんな酷い状態になってしまいました。

ハンドルには指を添えるだけで掌全体でカップを持つようにしないと熱湯をこぼしてしまいそうですが、手の小さい女性などはハンドルを持たざるを得ないでしょうから、少なくても旧モデル程度のシッカリした(?)コジーにしてもらいたいものです。
山道具は軽けりゃ良いってものではないはずですし、多くのユーザーもこうまでして僅かな重量を削ってもらいたいとは思っていないはずです。

Jbs_2  Jbs_3
(熱湯が入ったカップを保持する能力としては・・・?)

さて、“SOL”と“Flash”で、500CCの水を沸騰させる実験を行い、沸騰までの時間を比較してみました。
“SOL”の方がハイパワーと聞いていたのですが、結果は予想に反して両者ともほぼ同じ時間で沸騰しました。

両者ともバルブを全開にした訳ではないので単純比較はできませんが、低温の環境なら“SOL”のレギュレターが有効に機能して良い結果が出ると思います。
今回は25℃程度の室温なので大きな差は出なかった、ということなのでしょうし、燃料消費量もキッチン用のデジタルスケールで見る限り有意差はありませんでした。

また、両者とも付属の五徳を使って中型のクッカーと併用するのにも十分な火力を持っていそうですが、、“SOL”のほうはバーナー部の強度がチョット心配なので、あまり大きな鍋は乗せない方が良いかもしれません。

さて・・・、肝心のレギュレターの効果ですが、寒い季節に使ってみるまでその差は実感できそうもありせんが、少なくても旧モデルより進化していることは確かでしょうから大いに期待が持てます。

ただし、バーナーヘッドは“Flash”と同じモノなので、相変わらず風には弱いでしょうし、製品全体を見ても、山でより便利に使うには、コジーやウインドシールドなど何箇所か改造する必要もありそうです。

以上、新商品のレビューにしては“粗探し”ばかりになってしまいましたが・・・、これは、この製品の前評判がかなり好かったため私自身の期待が大きかった事に加え、私の捻くれた性格に起因することなので、その点はご容赦ください。(笑)

なお、実際に使用した結果は続けてレポートしてみたいと思います。



(以下、続く・・・かも)

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