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2011年6月 3日 (金)

“JETBOIL-SOL ”買っちゃいました(しかも Ti !)

便利度 :★★☆☆☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(厳しいようですが、費用対効果で見ればこんなところでしょう)


以前の“JETBOIL-Flash”改造の記事でも述べましたが、“JETBOIL-SOL” のレギュレター付きバーナーがウェブ上で評判が好いようなので・・・。

ブログ・ネタ用を兼ねて・・・、また無駄遣いしちゃいました。

当初は、自作のウインドシールドを付けたバーナーにカートリッジを取り付けた状態で、(スタビライザーと一緒に)“JETBOIL-Flash”のコンパニオンカップに収納するため、全高の低い、“JETBOIL-SOL”のバーナー部だけが欲しかったのです。
そんなわけですから、安価なアルミカップ仕様でも良かったのですが・・・、「チ」「タ」「ン」の3文字に弱い私は思わず“SOL/Ti バージョン”の方をポチッとやっちゃいました。

そんな訳で、まずはオリジナル状態のレビューです。

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(“JETBOIL-Flash”㊧と、“JETBOIL-SOL”㊨)

まず感じたのは「おっ、軽っ!」て感じですね。(画像↓)

Jbs_5  Jbs_6
(一見して軽量化を最優先したのが理解できる)

カップの全高が低くなって、総容量が800CCに減り (実用容量は何故か旧モデルと同じ500CCとのこと・・・)、材質も薄いチタンになったので軽いのは当たり前ですが、バーナーもステンレスのディッシュ部の板厚が薄くなった上、大胆な肉抜きを施され、樹脂製のパーツも薄く減量されました。
そのためバーナーにレギュレーターが付加されているのにもかかわらず、バーナー自体も99gとかなり軽量化されています。
初代JBの真鍮製バルブのバーナー部が170g、“Flash”でも140gですから、マイナーチェンジを含め4世代、7年(?)にわたって着実な軽量化を遂げたわけです。

Jbsol2_2  Jbsol2_1
(㊧“SOL”、㊨“Flash/改”)

また小さなことですが、バーナーヘッドがディッシュの上面より低い位置に変更されましたので誤って逆さまに落としたとしてもイグナイターの碍管が破損する危険は少なくなりました。
また、このため火が消える一番の原因である真横からの風には多少強くなったかもしれません???。

Jbs_4
(以前のモデル㊧、では壊れやすいイグナイターの電極部が突出していた)

以上のような細かいモディファイがなされ、それなりの進化は見られるものの、率直に言えば私的には使い勝手は悪くなったという印象です。

まず、カートリッジを取り付けたままカップに収納することが(五徳やスタビライザーを一緒に収納しなかったとしても!)絶対に不可能になったのは私にとって最大のマイナスです。

しかも収納する順番と方向が決められていて、その手順通りにしないと蓋は閉まりませんから、手順を知らない人にとっての収納作業はパズルを解くようなものです。(コジーには小さい収納状態の図がプリントされていますが・・・)
「実用容量500CCは変わらない」と苦しい言い訳をしてまで、なぜカップの総容量を小さくしたのか私には理解できません。
ソロ用なら容量が小さくても構わないのでしょうが、高さを低くして軽くできる重さなど高が知れています。
それよりカップに空きスペースがあれば、予備のライターかメタルマッチあるいは、アンダーシートやパックタオル等、同時に使用する物を収納するなどして便利に活用することも可能でしょう。

意地の悪い言い方をすれば、この製品は『“実用性”よりも軽量化と小型化をスペック上の数字として可視化するという商業的な思惑を優先させた設計』・・・で作られたのでしょう。

いずれにせよ、1グラムの差に拘泥するミニマリストの“UL・ソロ・ハイカー”にとっては良い道具へ進化したと言えるかもしれませんが、冬の壁でのパチンコを志向するクライマーなど、軽量であることと同時に取り扱いがシンプルで信頼性の高いギアを求める山屋にとっては、かえって使い難い道具になったと感じられるかもしれません。
まぁ、「総ての用途に対応する“マルチパーパスな道具”なんて存在しない!」と言ってしまえばそれまでなのですが・・・。(笑)

また、私見ですが工業製品として見た場合、SOLのバーナー部の仕上げは明らかに以前のPRIMUS製より劣っています。
さも低賃金の某国で作られた・・・、と言ったような雰囲気で、バルブやレギュレター部分の仕上げも雑ですし、何よりカートリッジ取り付け部がアルミに直接ネジを切ってあるのはいただけません。

カートリッジの硬い鉄の雄ネジと、軟らかいアルミの雌ネジが直接擂動するのを避けるため、普通のアルミボディーの軽量ストーブではこの部分に真鍮製のライニングを圧入し、それにネジを立てることで、強度とカートリッジの着脱を繰り返した場合の耐久性に配慮した対策をする場合がほとんどです。
しかし、この製品は軟らかいアルミダイカストのボディーに直接ネジを切ってある訳ですから、組み立て時に誤って斜めにカートリッジを捻じ込んでしまった場合や過剰なトルクで締め付けてしまった場合、あるいは長期間使用した後には問題が生じるかも知れません。

Jbs_8  Jbs_9
(㊧SOLのアルミ製取り付け部と、㊨真鍮ライニングで補強されていた旧モデル)

まぁ、スノピの“GST-120”なども究極の軽量化という明確なコンセプトを具現化するため、“SOL”同様アルミに直接ネジを切ってありますが、この製品ではバルブボディーを比較的硬いアルミ合金のブロックから削り出していますので、ある程度の耐久性は備えていると思われます。(画像↓)

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(GST-120 の潔い割り切りにはむしろ好感が持てるが・・・笑!)

特に“JETBOIL-SOL”は、設計上、使用する度にカートリッジの着脱が必要なのですから、軽量化も結構なのですが耐久性にも配慮してほしかったと思います。

また、レギュレター部分も一見してチャチな造りで、新富士バーナーのSOD-300などと比べるとかなりお粗末な拵えなので、残念ながら高機能で高価格な道具を所有する満足感は得られませんね。

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(レギュレターの付加されたバルブ部も造りはイマイチ)

それから、フラックスリングと呼ばれる熱交換部は、質感からチタンでなく熱伝導率の高いアルミ製のようです。
チタン製の鍋底とアルミ製のフラックスリングは溶接されているようなのですが、異種金属間のスポット溶接の耐久性はいかがな物か・・・、多少気になる部分ではあります。

加えて、カップに取り付けられたネオプレーンのコジーはびっくりするほど薄い素材に変更され、ハンドルもナイロンテープからハイパロン製の薄い素材になりました。
しかし、この部分は明らかに“行過ぎた軽量化によるマイナス面の具体例”と言っても過言ではないでしょう。
とにかく、カップに水を入れてこのハンドルだけで持ち上げようとするとコジーがビロ~ンと剥けたように伸びて「おい、おいっ!」って感じになります。(画像↓)
旧モデルでも問題があったにもかかわらず、モデルチェンジで改良どころか逆にこんな酷い状態になってしまいました。

ハンドルには指を添えるだけで掌全体でカップを持つようにしないと熱湯をこぼしてしまいそうですが、手の小さい女性などはハンドルを持たざるを得ないでしょうから、少なくても旧モデル程度のシッカリした(?)コジーにしてもらいたいものです。
山道具は軽けりゃ良いってものではないはずですし、多くのユーザーもこうまでして僅かな重量を削ってもらいたいとは思っていないはずです。

Jbs_2  Jbs_3
(熱湯が入ったカップを保持する能力としては・・・?)

さて、“SOL”と“Flash”で、500CCの水を沸騰させる実験を行い、沸騰までの時間を比較してみました。
“SOL”の方がハイパワーと聞いていたのですが、結果は予想に反して両者ともほぼ同じ時間で沸騰しました。

両者ともバルブを全開にした訳ではないので単純比較はできませんが、低温の環境なら“SOL”のレギュレターが有効に機能して良い結果が出ると思います。
今回は25℃程度の室温なので大きな差は出なかった、ということなのでしょうし、燃料消費量もキッチン用のデジタルスケールで見る限り有意差はありませんでした。

また、両者とも付属の五徳を使って中型のクッカーと併用するのにも十分な火力を持っていそうですが、、“SOL”のほうはバーナー部の強度がチョット心配なので、あまり大きな鍋は乗せない方が良いかもしれません。

さて・・・、肝心のレギュレターの効果ですが、寒い季節に使ってみるまでその差は実感できそうもありせんが、少なくても旧モデルより進化していることは確かでしょうから大いに期待が持てます。

ただし、バーナーヘッドは“Flash”と同じモノなので、相変わらず風には弱いでしょうし、製品全体を見ても、山でより便利に使うには、コジーやウインドシールドなど何箇所か改造する必要もありそうです。

以上、新商品のレビューにしては“粗探し”ばかりになってしまいましたが・・・、これは、この製品の前評判がかなり好かったため私自身の期待が大きかった事に加え、私の捻くれた性格に起因することなので、その点はご容赦ください。(笑)

なお、実際に使用した結果は続けてレポートしてみたいと思います。



(以下、続く・・・かも)

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コメント

はじめまして、ギヤについて細部にわたる記事たいへんありがたく読まさせて頂きました。
実はわたくし今日「ジェットボイル SOL TI」を入手いたしましたところ、こちらで指摘されていた問題点を概ね解決された商品となっておりましたのでご報告とお礼、また許可を得ず当方ブログにそちらの URL を掲載した事後報告ならびにお詫びをさせて頂きます。
URL 掲載につきましてご気分を悪くされるようでしたら消させて頂きますのでブログにコメント下さい。

http://blog.livedoor.jp/aki_k2_8611/lite/archives/22723746.html

長文失礼しました。

投稿: aki | 2013年1月18日 (金) 21時26分

“aki”さんようこそ!

悔しい事に最近のSOLは価格は変わらないのにSUMOと同じベルクロで固定されるハンドルに改良されたようですね。
分かっている事なんですから最初からこうしておいてくれれば問題は無かったのですが・・・。
ちなみに、昨年買った私の新しい新しいSOLも改良前のモノだったので、仕方なく自分で改良しました。
この件は、近々記事にしてみたいと思います。

なお、当ブログはリンクフリーとなっておりますので、御気になさらないで結構ですよ。

では!!

投稿: 理事長 | 2013年1月19日 (土) 08時40分

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