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2011年7月30日 (土)

初心者でも失敗しないシェル出しシステム?①

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆
(シェル出しは自己責任で!)


St_2
(完成した“スチーム式シェル出しシステム”での作業風景)

最近は、山スキー用のランドーネブーツでも熱成型が可能なサーモインナーが主流となり、自分の足に容易にフィットさせられるようになりました。
しかし、それらのブーツも所詮欧米人の足型を基準に作られたモノに過ぎません。
したがって、日本人の足に無理無くフィットし、当たらずかつ緩すぎないブーツにチューンアップしたければ、サーモインナーの成型に加え、シェルにも手を加えなければならない場合も多いのです。

そんなスキーブーツチューンの代表が所謂“シェル出し”です。
アルペンレーサーがブーツのセンターラインを変更するような大きなシェル加工をする場合には、専門工具のあるプロショップに数万円の費用を払って依頼する以外方法は無いかもしれませんが、山スキー用のランドーネブーツの当り出し程度なら、アマチュアでもヤル気さえあれば問題無く行う事ができます
つまり、自分で、自分のブーツを世界一自分の足にフィットするブーツに作り変える事も不可能ではないということです。

しかし、アマチュアがこの作業を行う場合のネックになっているのが、ヒートガンによるシェルの加熱の際、どの程度まで加温すべきかということではないでしょうか。

プロは高価な専用工具を持っていますし、一シーズンに多ければ数十足以上もの加工を行っていますので、さすがに経験に裏打ちされた勘があり、こればかりはアマチュアには太刀打ちできません。(中には口ばかり達者で、技術は素人以下の下手糞なプロもいますので要注意ですが・・・・、笑)

アマチュアがこの作業を行う際ありがちなのが、温度調節式のヒートガンを使ったとしても、熱風の温度が高すぎ、一発で新品のブーツがオシャカになってしまう事と、逆にそれを恐れて温度を控えめにしてしまい、上手く塑性変形させられないことです。

また、私は自作のピンチクリアーを使っていますが、プロ用の専用工具とは異なりセットするのに手間取ります。
一人で作業する時は、ヒートガンで加熱した後ピンチクリアーで押し出すまでの作業を迅速にしないとシェル温度が低下し満足な結果が得られない事もありがちです。

たとえ、放射温度計を使用してシェル表面温度を正確に90℃まで上げられても、ピンチクリアーのセットから成型までの間にタイムラグがあると、温度が下がってしまい加工が不十分となったり、また温度低下を見込んで100℃以上まで温度を上げてしまうと、場合によってはシェル表面が溶解してしまうかも知れません。

そこで、何とかシェルの温度を90℃前後以上には過熱させず、しかも加工中もある程度の時間その塑性変形に必要な温度を維持できて、確実な成型を行う方法は無いかと思いを巡らし、知恵を絞ってみました。

そんな時・・・、以前キッチンのレンジフードの掃除用に通販で買ったスチームクリーナー(画像↓)が有ったのを思い出したのです。

St_9

このスチームクリーナーは、CMに騙されて通販で買ってしまった物で、残念ながら小型過ぎて宣伝通りの能力が無いためお蔵入りになっていたのです。

これをシェルの加熱に使えば、熱媒体は高温の熱風でなくスチームですから、幾ら温度が上がっても100℃+α以上にはなりませんので、シェルを駄目にしてしまう恐れは無いはずです。
また、このスチームクリーナー自体の能力が低いため、ホースの先端では100℃以上のドライスチームにはならず、せいぜい90℃位までシェルを温める程度でしょうから、この用途には最適かもしれません。

そこで、早速工作開始です。
構造は、以前作った自作のピンチクリアーのリングの部分にステーを取り付けて、そこにスチームクリーナーの延長ノズルのホースを、丁度リングの中央にスチームが吹き付けられる角度で固定しました。(画像↓)
ホースは可能な限り短くし、寒冷時に使う場合には、ホースを断熱材に通す必要があるかもしれません。

St_8  St_7
(リングにステーを取り付けそこに斜めにホースを固定した)


ここまでの工作は簡単なのですが・・・、問題はスチームクリーナー本体の改造です。

このスチームクリーナーは、ハンドルのレバーを押している間スチームが噴出すようになっていますので、手を離すとスチームが止まってしまいますし、何よりスチームの量を微調節する事ができない構造なのです。

そこで、一旦分解して、レバー内部にタップを立てた金属板を取り付け、それをノブを取り付けたビスで引くことによってレバーの開閉を行い、継続した任意のスチーム噴出量を得られるようにしました。(画像↓㊧)
言葉では簡単ですが、この部分には少々苦労させられました。
(オリジナルのレバー機能も生きていますので、スチームクリーナー本来の用途にも使用可能です)

St_11  St_10
(㊧微調節用のノブ、㊨完成した状態)

で・・・、完成したのがこの『初心者でも失敗しないシェル出しシステム』です。

ピンチクリアーでの押し出し作業中も、シェルにスチームを噴きつけて一定時間加熱しながら成型できますので、初心者でも確実な塑性変形加工が可能なはずですし、経年戻りも防げるかもしれません。

では・・・早速、実際のシェル出し作業を行ってみましょう。


以下、続く・・・

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