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2011年8月20日 (土)

“MSR/リアクター”をモディファイする ②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


【“MSR/リアクター”をモディファイする ①】からの続きです。

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さて、毎度「何もそこまでしなくても・・・」という改造ばかりで申し訳ありませんが・・・。(笑)


今回も、リアクターのバーナー部底面に、JETBOILと同じような“足”を取り付けて、収納・運搬時にクッカーの中で暴れないようにする改造をご紹介します。

まず、バーナー部を分解しますが、ボディーの上下を結合している裏面の3本のビスを外すにはT15のトルクス・ドライバーが必要になります。

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(リアクターの底面には不規則な突起が多く、収納には注意が必要)

バーナーを上下に割ってビックリしたのは、本体内側の空間ほとんどが混合室となっており、そこに左右2個のジエットと混合管でガスを送り込むという、今まで見たことも無い構造を持っている事でした。(画像↓)

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この大きな混合チャンバーの中でガスと一次空気を十分混ぜ合わせ、その混合気をマット状の金属焼結体(?)表面で燃焼させるという方法で、二次空気を殆ど必要としないバーナーを構成しているようです。
詳細は不明ですが、このマット状の金属の表面に触媒作用を持たせているのかも知れません。
条件によっては(特に弱火の時)COが発生しやすいというのは、この一次空気のみで燃焼させるという構造上、ガスの噴出量(流速)が少ない時には一次空気の吸い込みが十分でない為でしょうが、冬のテント内での使用には厳重な注意が必要だと思われます。

また、急な設計変更のせいか構造は中途半端で、接着剤を使用して固定してある?バルブ周りの分解も困難と思われますし、長時間使用で本体が過熱した場合、この接着剤が溶融して「悪さ」をしないかも気懸かりです。

Re_7
(画像中央の白い部分は接着剤でシールしてあるようだ)

ジェットの詰まりをプリッカーで清掃することすら難しく現場修理はまず不可能でしょう。
メンテナンス性は最悪の部類で、アメリカ国内でもジェットが詰まっただけでメーカー送りの修理(交換?)になりそうですが、残念ながら日本では国内の代理店で扱っていないアイテムなので、結局は「燃焼が不調になったら→即廃棄!」という流れなのでしょうね。

大昔のスベアやホエーブスと同等の耐久性までは求めませんが、山行中のストーブの故障は命に関わりますので、それ相応の配慮ある設計とモノ造りをしてもらいたいものです。
いずれにしろ、多くの故障が報告されている初期ロットの製品を長期の山行で使用する場合はサブバーナーを携行するほうが賢明でしょう。
率直に言えば、“リアクター”は信頼性の点で山道具としての合格点には達していない、というのが私の見解です。

閑話休題

さて・・・、今回はリアクターのバーナーを安定した状態でクッカーに収納できるよう“足”を取り付けることにします。
当初、このバーナー底部に内接する正3角形の頂点位置に120度間隔で穴を明け“足”を取り付けようと考えたのですが・・・、外側のリブや内側のプレッシャースプリングなどが邪魔で新たに足を取り付ける位置は見出せませんでした。
当初は「適当な“ゴム足”をビス留めすればOK・・・」などと考えていたのですが、大誤算です。

そこで、苦肉の策として120度間隔の位置にはなりませんし工作も複雑になりますが、本体の上下を組み立てている3本のT15頭のビスの留まっている穴を利用し、長めのビスを使って、“足”になる自作パーツを共締めする事にしました。


早速改造!、と思ったのですが・・・またまた、そうは問屋が卸しませんで、2度目の大誤算がありました。
リアクターはアメリカ製ということで、この頭がT15のビスはISOでなくユニファイ(インチ規格)だったのです。
ピッチゲージでビスを調べてみるとUNC-№6・32TPI (ユニファイではφ1/4in以下は何故か №* で表示している)でした。
当然そんなネジなど手持ちが有る訳ありません。
最近はPC用などの需要があるせいか、ユニファイのビスも比較的入手が楽になりましたが、ステンレスのユニファイ皿ネジとなると秋葉原での入手も困難です。
仕方なく、小口購入の可能なネジ専門店でステンレス製の №6/32TPI ・L 3/4 inを購入しました。

それでは、まず“足”となるパーツを造ります。
“足”はクッカー内部が疵付かぬよう樹脂かゴムで作る必要がありますが、ここは比較的熱くなる場所ですので耐熱性の高い素材を選ばなくてはなりません。
私の場合は端材の手持ちがあったのでテフロン樹脂(PTFE)を使いましたが、この素材は耐熱性は十分なのですが、非常に高価なのが難点です。
PTFE素材が無ければ、はMCナイロン等のエンジニアリング・プラスチックで代用可能かも知れません。

加工は旋盤で画像のような2段円柱状に挽き、中心の穴の端面は使用する皿ネジの頭が沈むよう細径のカウンターシンクで浚っておきます。
バーナー底面の形状に合わせ、画像のような2段円柱型の“足”2個と円盤型の“足”1個を作りました。
足の高さは、この状態で中央のカートリッジ取り付け部と同じ高さになるようにしておき、円盤状のパーツのバーナーに接する部分は、その凹凸に合わせ若干加工しておきます。

以上3個の“足”パーツを、丁度良い長さにカットした№6の皿ネジでバーナーに共締めします。(画像↓)

React_3  React_1


その後、この足の底面に円形のウレタンスポンジシートを貼っておきます。
テフロンは普通の接着剤が効きにくいので、裏面が粘着シートになったものを貼ると良いでしょう。(画像↓)

React_5  React_4

さあ、これで試作品の完成です。
(次の改良型では“足”の中心にアルミのスリーブを入れて、トラスまたはバインドビスでキチッと締まるようにしようと思っていますが、とりあえずこれで様子を見てみることにします)

このままクッカーの底に入れてもピタッと落ち着きますが、側面のバルブ部の出っ張りが運搬中クッカーの内側に当たることも考えられますので、心配なら付属のパックタオルで包んでから収納すれば完璧です。
バーナー → カートリッジの順番で収納すると、樹脂製の蓋の中央が上手くカートリッジのバルブ部を押さえ込みガタツキ無く運搬できます。

React_6_2
(通常の使用時にも邪魔にはならない)

さて、これでリアクターの収納や運搬に気を使わなくても済むようになりましたが・・・。

あとは、この少しだけ“よい子”になった“問題児”リアクターの出番をなるべく多く作ってあげることを考えなければなりません。
それが一番難しい問題ですね・・・。

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