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2011年10月 3日 (月)

再流行?の“スプリットボード”をハードブーツで!

便利度 :★★★☆☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(ハードブーツ仕様のスプリットボードとしての評価です)


最近、BCボーダーの間で再びスプリットボードに関心が集まっているようですね。

思い返せば、我が国での初めてのスプリットボード・ブームが起こったのは10年少々前だったと思います。

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それ以前にも北米には同様のアイデアが散見されましたが、VOILEが現在のインターフェースとほぼ同じシステムをリリースしたのを切っ掛けに、第1次スプリットボード・ブームとも呼ぶべき流れが北米に起こり、その波はすぐに日本にもやってきました。
また、同社からは自作派向けの「スプリット化改造キット」も発売されたため、我が国でも多くのBCボーダーが好みの板を真っ二つに割ってスプリット化するという荒業に挑戦したものこの頃です。

その後、あの“Burton”までが外見的に洗礼された(外見だけ!笑)独自のスプリットシステムを発表するなど、一時はこのスプリットブームもずいぶん盛り上がったものです。

しかし・・・、残念ながらそのブームもそう長続きはしませんでした。
モードチェンジの手間や、クライミングスキンの取り扱いの面倒さ、また急斜面では意外とテクニックを要するシール登行の困難さが不慣れなボーダーに嫌われた事もあって、実質3年ほどでこの盛り上がりも急速に衰えてしまったのです。

スプリットボードの機動性を熱く語っていたスプリットボーダーも次第に寡黙になり、結局大半のスプリットボーダーは以前のようにスノーシューでのハイクアップというスタイルに戻ってしまいました。
かく言う私も同類項ですし・・・、さらに、私はこれをきっかけに本来の出自である“山スキーヤー”に軸足を大きく戻してしまいました。

そして・・・、流行は10年単位で繰り返すといいますが、一部のエンスージアストが細々とその伝統を継いできたスプリットボードもここに来て再びブーム再燃の兆候が見えてきたのです。

しかし、率直に言わせていただけば、再び盛り上がるであろうスプリットボードの流行も、消費者に常に目新しいプレゼンテーションを行って市場を活性化し、自ら喚起した需要により利益を得ようというメーカーや業界の商業的意図が先導しているものであるなら、この盛り上がりもまた一時の流行で終わってしまうであろうことは過去の歴史からも明らかです。

とは言え、この10年でロッカーボードにに象徴されるようなスノーボードの根幹にかかわる革新も著しく、また基本システムは同一ながら、一部のコアなスプリットボード・フリークによる着実なモディファイを繰り返し、システムとしての成熟は格段に進歩しているのもまた事実です。

そんな訳で・・・、スプリットボードに新たに強い興味を持ったBCボーダーの皆さんが、メーカーや業界に踊らされていることを重々承知の上で、奥深いスプリットボードの世界に禁断の一歩を踏み込み、目眩くような数年間を過ごすのもまた一興だと思います。


で・・・、今回は昔話になりますが、私が実行していた、ハードブーツでスプリットボードに乗るための改造です。
以前の私のホームページで紹介しましたが、そちらも消えてしまったようなので再び記事にしてみました。

さて・・・、スプリットボードとハードブーツ(山スキー用のランドーネブーツ)の相性は意外と良いようで、山スキー出身の私などは登行時にもソフトブーツより快適だと思っている位です。

そんな訳で私はハードブーツ用のビンディングのパーツをVOILEのスライダートラックに移植して使用していた事があります。
純正にもハードブーツの履けるオプションパーツがあるのですが、実用上は問題が無いものの意外とお粗末な造りで微調整もできず、イマイチ納得できなかったので、他社製のハードビンディングのトー&ヒール・ピースでVOILEに合うものを探しました。

しかし、アルペンボード用のハードブーツ用ビンディングといっても、作っているのは当時でも数社しかありませんでしたし、現在ではアルペンボードがますます不人気となり、そのビンディングの種類もさらに減少してしまいました。
現在、選択肢に上がるのは“I-BEX(旧・BURTON→R-17)”か“F2”、あるいは“ACT‐GEAR”や“G-style(旧SHR)”ぐらいでしょうか。

この内VOILEのスライダートラックとの相性を見ると“ACT‐GEAR”や“G-style”は構造上まず選択肢から外れてしまいますし、“I-BEX(旧・BURTON→R-17)”も同様に取り付けられません。
まあ、VOILEのスライダートラックを強引に加工すれば付かない事は無いかもしれませんが微調節ができず強度的にも問題が残りますのでお勧めはできません。

しかし、唯一“F2”のトー&ヒール・アッセンブリーのビスピッチは40㎜ですから、VOILEのスライダートラックの4×4ビンディング取り付け穴とピッタリ同じなのです。(画像↓)

Splt_12  Splt_13

さすが4×4規格の創始者の“F2”!、ハードビンの設計もメトリックスケールでやってくれていたんですね。

また、“BLAX”のハードビンや、“Raichle”や“DEELUXE”の「X-bone”シリーズ」もトー&ヒール・アッセンブリーは“F2”と同じモノを使用していましたので、これらのパーツが入手できれば同様に使用できるはずです。

Splt_5  Splt_6
(VOILEスライダープレート/改、ハードビンディング仕様)

そんな訳で、VOILEのスライダートラックは、“F2”のトー&ヒール・アッセンブリーを“ポン付け”するだけで、簡単にスプリットボードのハードブーツ(ランドーネブーツ)仕様に改造することができるのです。
しかも、付属の3°のカンティングウエッジを、歩行モードの時は親指側、滑降モードの時は小指側がアップするように取り付ければ、歩行にも滑降にも有効だと思います。

下の画像はブーツサイズ大きい私用の試作品なので、スペーサーが厚くなっていますが、本来はもっと薄いほうが良いでしょうし、小さなブーツの方でカントを付けないならスペーサーも必要無いかも知れません。
ただし、ブーツのサイズによってはスペーサーが無いとトーピース本体やブーツの爪先がボードやブラケットと干渉し、踵の上がる角度に制約が出てしまいますので、Voile純正のツーリングライザーと組み合わせたりしながら、トライアンドエラーでセッティングを煮詰める必要があるでしょう。

Splt_11  Splt_15
(純正のカンティングウエッジと試作したジュラコン製スペーサー)

純正のハードビンキットよりも若干重く、やや下駄になりますが、ソール長の微調整も可能ですし上記のようにカント調節もできる上、長年定評のある頑丈な造りで安心して使用ができます。

しかし・・・、“ポン付け”するだけでOK!、とはいっても、男性が大き目なブーツを使用する場合には少々問題が生じます。
ソール長が30センチ前後より大きいと適正なセンタリングができない、つまりブーツが取り付けられたにしても、センターが後ろ過ぎる位置での固定になる場合が生じるということです。
特に私はセンターよりむしろトー側にオフセットさせたセッティングが好み?なのでこれは大問題です。

【付記】
VOILEのスライダートラックに古いF2系のトー&ヒール・アッセンブリーを移植する場合には、可能なら調節幅の大きいLサイズのモノを使用してください。
現在の製品は不明ですが、以前のF2系のこのパーツにはSとLサイズがあり(画像↓)、この改造の場合はセンタリングのためにも、調節幅の大きいLサイズを使ったほうが自由度が高まると思います。


Splt_2  Splt_3
(両画像とも、㊧がSサイズ、㊨がLサイズのトーピース)


しかし、このようにブーツの適正なセンタリングができない場合も、画像で示したようにインターフェースプレートのトー側に同一ピッチ(40/3mm ≒13.33mm 前方)で穴をあけてトーピースをより前方にセットする事で簡単に問題解決できます。
下の画像でドライバーで指示した列の穴が新たに加工した穴ですが、大きめのイズの男性用ランドーネブーツでしたらほとんどの場合この加工が必要になるかも知れません。

Splt_14
(1番下の面取りをしてあるのが新たに加工した穴)

この新たにあけた穴を使用してトーピースを固定し、センタリングを行えばソール長32センチ程度でも好みのセンタリングが可能となるはずです。(画像↓)


Splt_7  Splt_9

さあ、これでスプリットボードのハードブーツ仕様が完成です。


ランドーネブーツ(山スキー用の兼用靴)はソールが登山靴と同じビブラムで通常の登山道や岩場でも安心ですし、何より急な雪面でのキックステップがソフトブーツの何倍も楽ですし、歩行モードのスプリットを履く時もトラバースで足首が安定し、またブーツを歩行モードにするとソフトビンのようにハイバックが邪魔になることもありません。
私見ですが、総合的に見てスプリットボードとハードブーツ(ランドーネブーツ)の組み合わせはかなり相性が良いと思うのです。

ここ、『山道具道楽』の読者は他人と同じことをするのを潔しとしない方が多いと思いますので、意を決してスプリットボードの世界に足を踏み入れるのでしたら、いっその事ハードビン仕様で!と言うのも悪くないんじゃあないでしょうか。(笑)

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コメント

 貴殿に大賛成です、バートンスプリットにガルモントサミットを使っています、金具はバートンレース初期モデルを使っています(底がフラットな為、フラットじゃないとインターフェイスが折れる)、快適です、今シーズンよりシールをゲッコーにしたのでさらに快適・スピーディになりました、お勧めです。追伸ザックをマムートニルバーナにしましたがいまいちです。

投稿: すぷりっとおじん | 2012年2月13日 (月) 10時17分

“すぷりっとおじん”さんようこそ!

スプリットに普通のハードビンディングをそのまま載せるとなるとVoileにしてもburtonにしても重くなってしまうのが弱点ですよね。
Voileでしたらお粗末ですが軽い純正のハードビンや、Bomberのスライダートラック用の専用品があるのですが、バートンの旧インターフェースだと選択肢が限られるし、何を選んでも重くなってしまいそうですし・・・。

では、今後ともよろしく1

投稿: 理事長 | 2012年2月13日 (月) 10時40分

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