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2011年11月

2011年11月28日 (月)

“Dynafit TLT/Radical” は過激に変わったか?④

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(現在は未使用ですのであくまで印象としての評価です)


「“Dynafit TLT/Radical”は過激に変わったか?③」からの続きです。

(変更点⑧)ヒールピース・ハウジングが変わった!

ヒールリフターがリニューアルされたのと同時に、ヒールピース・ハウジングの形状も大きく変わりました。
基本構造に変わりはありませんが、全体にスリムになり、解放強度の目盛なども洗練されたデザインに変更されました。

Rad_24  Rad_25_2  Rad_26
(㊧㊥Radical-ST、㊨旧・STと比べてデザインは洗練された?) 

また、回転軸取り付け部分にはハウジングが時計回りにしか回転しないための構造も設けられました。
仕組みは、真鍮製のピンとスプリングによって(画像↓)、逆回転防止のストッパーを設けているだけですが、小さなパーツなので分解やメンテナンス時に紛失しないよう注意が必要でしょう。

Rad_21
(分解時には画像中央の小さな真鍮のピンが飛び出すので紛失に注意!)


(変更点⑨)残念ながら、重くなった!

さて、気になるのが重さですが・・・。
早速実測してみましょう。

比較は旧・Vertical-STとRadical-STでいずれもブレーキレスの状態で、取り付けビス込みの正味重量です。

まずトーピース。

Rad_19  Rad_18

Vertical-STは181g、Radical-STが193gと12gの増。


続いてヒールピース。

Rad_20  Rad_23

Vertical-ST-STは241g、Radical-STが249gと8gの増。

片足分を合計するとVertical-STは422g、Radical-STが442gとなり、モデルチェンジで20gの重量増となります。(これにブレーキ127gが加わると、Vertical-STは549g、Radical-STが569g)
メーカー公表のスペックでは、Vertical-STは520g(実測との差・-29g)、Radical-STが531g(同・-38g)と実測との差がありますが、多分これはメーカー公表値にはビスの重量が含まれていないのが主な原因でしょうが・・・、それにしても少々計算が合いませんね?。

まあ、新機構が付いて便利になった代償が片足20gの重量増加というならなら、これはこれで良しとすべきだと言うことでしょう。


さて・・・、私は軽量化最優先のツアーの場合にはブレーキレスでリーシュを併用し、春の滑降中心のスキーツアーの場合はブレーキを装着して楽をしよう・・・、という欲張った考えから“Radical-ST”を選択しました。(Radical-ST のほうが speed-Radical より格好が良かったから・・・、というのも理由ですが・笑)

しかし、より軽いスキーツアー専用スキーが欲しいと考えるならこの“Radical-ST”より“Speed-Radical”を選択するほうがベターかも知れません。
“Speed-Radical”にはスキーブレーキは取り付けられず、リーシュ専用となりますが、“Speed-Radical” のカタログスペックが341gで、旧“TLT-Speed” のスペックが335gですから新機構が付加されてもメーカー公表値では新旧で6gしか重量が増加していない事になります。
また、ブレーキレスの“Radical-ST”と比べても“Speed-Radical”は片足約60g軽量だからです。

また、“Speed-Radical” にモデルチェンジしてから、ヒールピースの調節幅が25㎜(+/-12.5㎜)とST・FT同等に拡大され、旧・“TLT-Speed” 一番の弱点が解消されたようです。
これで1cmほどソール長の異なるブーツに買い換えてもビンディングの移動無しで対処できますから、地味ですがユーザーには一番メリットの大きな改良点かもしれません。



さて、以上で“Dynafit TLT/Radical-ST”の外見上での報告を終わり、後日実際に使用した感想なども記事にてご紹介したいと思います。

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2011年11月20日 (日)

“Dynafit TLT/Radical” は過激に変わったか?③

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(現在は未使用ですのであくまで印象としての評価です)


「“Dynafit TLT/Radical”は過激に変わったか?②」からの続きです。


前回に続き“Dynafit TLT/Radical- ST”での変更点についての記事です。

Rad_14
(㊦Vertical-ST、㊤Radical-ST)


(変更点⑤)スキーブレーキが変わった!

スキーブレーキの、ブーツソールに接する樹脂製のパーツ上面にスライド機能が付きました。
捩れ解放時にソールとの摩擦抵抗を少なくして、リリース機能が円滑に働くための改良です。

余談ですが・・・、私はツアー用のスキーではブレーキを取り外してリーシュを装着している場合も多いのですが、もし軽量化の目的で常時スキーブレーキを使用しないなら“Radical-ST”でなく“Speed-Radical”を推薦します。
以前の“ TLT-Speed”にはサイズ調節が前後数ミリと微調節程度しかできないという弱点がありましたが、“Speed-Radical”になって“Radical-ST &FT”同様前後計25ミリ程度の調整が可能となったからです。

Rad_12  Rad_11
(㊧新旧の比較、㊨新型のスライド機構)

また、ブレーキの使用・不使用の変換を頻繁に行う場合や、メンテナンス時にブレーキの着脱を容易に行うためには、専用の“取り外しツール”(画像↓)を作っておくと大変便利です。
このツールがあるとブレーキの固定アームを開きながら押し出すことができ、ブレーキを簡単に分離することができます。

Rad_22
(手に持っているのが自作の“ブレーキ取り外しツール”)




(変更点⑥)ヒールリフターが変わった!


これまでの固定式ヒールリフターから、3ポジションのヒンジ可動式のものに変更されました。

Rad_26_2
(新・旧のヒールリフター)

破損の多かったComfortの円柱形のものから、Vertical のトップカバー一体型のものに変わり破損率は減少するかと思われたものの・・・、実際には翌年からトップカバーとハウジングを小さなスプリングピンで固定するという対策を迫られたこれまでのヒールリフターでしたが、今回の改良でかつての問題はすべて解決しそうです。
ただし、ポールの先端をヒールリフターの穴に入れてヒールピースを回転させるという小技は使えなくなりそうです?。

Rad_5  Rad_6  Rad_7
(画像↑、のように3段階に高さが変えられる)

このヒールリフターの使い勝手も実際に使用してから後日レポートしてみたいと思いますが、外見的にはとても良くできた構造という印象です。

また、ヒールピースの回転が一方通行になりました。
これまでは左右どちらの方向でも回転させられましたが、“Radical”ではストッパーが付いて時計回りにしか連続して回転させられません。
しかし、このストッパーのおかげでヒールリフター使用時にヒールピースが不用意に回転してしまうことは無くなるでしょう。

Rad_4 
(新たな制限なのでコーション・タグまで付けてユーザーに注意している)

(変更点⑦)クトー取り付け部が変わった!

評判の悪かったComfortのクトー取り付け部も、Verticalでは金属補強板が設けられ信頼性も高まりましたが、さらにこのRadical ではトーピースのアルミ製フレーム本体にクトー取り付け部が設けられ、鉄製のパーツと組み合わせてガッチリとクトーを取り付けられるようになりました。
これで純正クトーでのトラブルは無くなるでしょう。

Rad_2_3  Rad_3
(画像のように完全に金属製になったクトー取り付け部)



(以下、続く・・・!)

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2011年11月13日 (日)

“Dynafit TLT/Radical” は過激に変わったか?②

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(現在は未使用ですのであくまで印象としての評価です)


「“Dynafit TLT/Radical”は過激に変わったか?①」からの続きです。


TLT-Vertical から TLT-Radicalへの変更は基本設計はそのまま踏襲されているものの、これまでの何度かのマイナーチェンジに比べ、かなり大幅なモディファイとなっています。
まず外見からの変更点をピックアップしてみましょう。


(変更点①)パッケージが変わった!

まずびっくりするのが、TLT/Radical-ST の箱が**/FTと同じ大型のものとなってやたらにゴージャスな感じになったことです。
以前の Vertical-ST のパッケージは再生段ボールのかなり貧相な感じで、こんな箱に数万円也の製品が収まっているようには感じられませんでしたが・・・、だからと言って何もこんなに豪華なパッケージにしなくても・・・、といった感がありますね。
また、マニュアルも大判になりましたが、取り付け用の紙ゲージは付属しません。

Rad_8
(㊧旧・FT、と㊨新・FT-Radical のパッケージ)



(変更点②)ビスが変わった!


通常のスキービンディングに使用されているビスは現在ほぼ100パーセントがPZ#3規格なのに、この製品はT20のトルクス(ヘックスローブ)ビスが使用されています。
意図は不明ですが、これは私的にはあまり歓迎したくない変更です。
ポジドライブでも必要にして十分だったのに、何故あまり一般的とは言い難いトルクスビスを使ったのでしょう?
これからはこのタイプのビスがビンディング用として一般化していくのでしょうか?
謎です・・・。
何れにせよ、ツアー携行工具にT20ビットを加えなければならなくなった事だけは確かです。

Rad_9  Rad_10
(㊨T-20 のビスとトルクスドライバー)



(変更点③)ビスパターンが変わった!


これは歓迎すべき変更です。
これまでのモデルではロックレバーの穴にドライバーを入れて前端のビスを締めなければならないという少々問題のある設計でした。
特に TLT-Vertical の1シーズン目以前のモデルでは、レバーの穴が小さく、細い改造ポジドライバーを使わないと取り付け・調整作業が困難だったのですが、今回のモデルチェンジでその心配も完全になくなりました。

また、トーピース取り付けビスの数も5本から1本減って4本になりましたが、その分前後のピッチを長くとっており、強度の面でも心配はなさそうです。

Rad_17
(㊧旧・ST、と㊨新・Radical-ST のトーピース底面)



(変更点④)トーピースの形状が大きく変わった!

外見でまず気が付くのがトーピースのフレームがアルミ製に変更されたことです。
またこの新型トーピースにはTLT-Radicalの一番の“売り!”であるブーツ装着を容易にする突起状のデバイス(画像↓・㊨)が組み込まれています。

この新機構に関しては後日、実際に使用してから改めて具体的なレポートを記事にしてみたいと思います。
もし、この小さな突起のおかげで悪条件下での装着が本当に楽になっていたら・・・、まさに画期的な改良!、なので期待は膨らみます。

また、フレームがプレスの鉄製からアルミダイキャスト製に変わりましたが、靱性の高い鉄製と比較して、ダイキャストは素材によって低温で脆くなる場合もあるので少々心配ではあります。
しかし、こればかりは外見からは判断できませんので1~2シーズン様子を見る必要がありそうですね。

Rad_2_2  Rad_15  Rad_16
(㊧ST-Radical のトーピース、㊥旧・STとのアーム部の比較、㊨新たに設けられた突起)


(以下、続く・・・)

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2011年11月 8日 (火)

“Dynafit TLT/Radical” は過激に変わったか?①

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(現在は未使用ですのであくまで印象としての評価です)


Rad_1
(今シーズン大きく進化した?“Dynafit TLT/Radical”)

Dynafit 社の一連のテックビンディングは長きにわたって基本設計を変えていません。
幾つかの小変更やバリエーションモデルはあるにせよ、通常モデルでは取り付けビスのパターンすら変更していないのです。

これは初代モデルが発売された時点で、この種のビンディングに求められる基本性能は既に改良の余地がないほどに完成の域に達していたということなのかもしれません。

ただし、あまりにも画期的な構造・・・、つまりブーツ自体をビンディングの構造の一部として使用する・・・、に起因する『慣れだけでは完全に解決されないであろうブーツ装着時の面倒さ』に、我々ユーザーはある種の割り切りをもって耐え続けるしかなかったのもまた事実です。

そんな訳で・・・、Dynafit ビンディングのユーザーは長年に渡って、深雪や急斜面など条件の悪い場所でのスキー再装着時に不要な労力や時間を浪費させ、またディアミールを使用する同行者の顰蹙をかってきたのです。
わが国でテックビンディングの普及が遅れたのはこれが一因かも知れません。(笑)

しかし・・・!画期的という表現が適当かは判りませんが、テックビンディングへのブーツの装着を格段に容易にするという新しい機構を備えたDynafit の新型ビンディングが今シーズンから発売されたのです。

Rad_2  Rad_25
(トー&ヒール・ピースとも大幅なモディファイを受けたようだ)

長くDynafit ビンディングを使い続け、ブログでもテックビンディングの普及を推進している私としては、指を咥えて待っているわけにもいかず早速入手してしまいましたので、まずは外見だけでもレポートをしたいと思います。

さて・・・、名称は“Radical”シリーズだそうですが・・・、長年手を着けなかったビスパターンの変更という代償を伴った改良はユーザーにどんなメリットを提供してくれるのでしょうか?

(以下、続く・・・。)

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2011年11月 1日 (火)

LEKI のトレッキングポールを小改造

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆


私は現在、ほとんどの山行にトレッキングポールを持参します。

実は私も今より若くて元気だったころは、「トレッキングポールなど“ジジイ”の持つ物だ!」と馬鹿にしていたのですが・・・、十年ちょっと前のアキレス腱断裂後のリハビリにトレッキングポールを使い出して以来、コロッと宗旨替えをしてしまいました。

さらに最近は私も本当の“ジジイ”になってしまったようで、積もり積もった古傷や2年前の骨折の後遺症など、脚腰の故障をカバーするためにもトレッキングポールは必需品になってしまったのです。

さて、以前の記事でBDのトレッキングポールを小改造する記事を書きましたが、今回はこの種の製品の専業メーカーであり、また最も信頼されているメーカの一つでもある“LEKI”のポールにも同様な改造を行う事にしました。

Leki_7
(このような小さなループを取り付ける)

これは、グリップエンドにポールをザックに固定するためのループを付けるという前回同様の小改造ですが、対象となったLEKIのポールはBDのようにグリップエンドが硬質樹脂でなくラバー製なので穴をあけると強度的にも少々心配です。
そこで、今回はストラップの根本に細いテープの輪を縫い付ける事にしました。

グリップとストラップの分解は千枚通しとピンポンチ(細い棒なら何でもよい・笑)を使うと簡単に行う事ができます。

ストラップのアジャスター部分は横からピンポンチで押せば(画像↓㊨)簡単に分解できますし、上部の固定も千枚通しでメクラ蓋を外し(画像↓㊧)中のピンを上から押せば簡単に取り外す事ができます。

Leki_5  Leki_1

また、組み立て時に悩まないように樹脂製のカムの向きなどはシッカリ覚えておいてください。

Leki_2
(ストラップのアジャスターは4個の小さなパーツで構成されている)

後は細いテープを上側のピンで固定するための穴の手前に縫い付ければOKです。(画像↓)
テープは薄くて柔らかい素材を選び、小さめに作らないと素手でグリップを握った時に邪魔になるかもしれませんので注意してください。

Leki_3
(ついでにピンで固定される穴の部分も補強縫いしておいた)

組み立ては逆の手順で問題はありませんが、ストラップには一応左右(画像↓)がありますので間違えないように組み上げれば完成です。

Leki_6
(完成した状態)

前回の記事のように、BCボードのときにザックに固定する以外にも、トレッキング中に一時的に岩場や鎖場が出てきて、ポールが邪魔になった時も縮めたポールをこのループを使用してナス環などでザックのショルダーストラップに留めておけば、極端にブラブラする事もなくなります。

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