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2011年12月

2011年12月26日 (月)

“Dynafit TLT/Radical”は過激に変わったか?⑥(リーシュ編)

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(現在は未使用ですのであくまで印象としての評価です)


「“Dynafit TLT/Radical”は過激に変わったか?⑤」からの続きです。


山スキーでTECビンディングの最大の利点である軽さを活かすため、ブレーキ付の“TLT/Radical”であっても、敢えてブレーキを取り外して使用するというのも一つの良い選択肢択だと思います。

また、ヨーロッパのガイドツアーではブレーキ付のスキーであっても、リーシュの併用を指示されることも少なくありません。

しかしながら、以前の記事で述べたように“Radical-ST”のトーピースはこれまでのモデルとアームや樹脂製のロックレバーの形状が異なるため、リーシュ・コード(流れ止め)が従来の位置には取り付け難くなってしまったのです。

Rl_1
(㊧Verticalと、㊨Radicalのレバー部の形状の違い)

Lm
(TLT-Cmfort のマニュアルではこの位置に取り付けろとの記載)

Radical_10 
(Verticalでは太めのコードでもこの位置に取り付けが可能だった)

これは、“TLT-Vertical”などの、従来のモデルではアームの穴からレバーの隙間へリーシュコード取り付けループを回すようになっていたものが、“Radical”の新しいロックレバーでは起こした時にアームとの間隙が狭くなったためです。

Rl_2
(レバーを完全に起こすと、この間隙が殆ど無くなる)

“Radical”シリーズのマニュアルを見るとアームの穴から側面に回してリーシュを取り付ける方法が図示されていますし、“Speed/Radical”に標準付属するカバードワイヤー製リーシュだと、このように先端のループをロックレバーの穴から側面に回して取り付ける以外に方法は無いでしょう。(画像↓)

Lm2
 

しかし、、“Speeed/Radical”標準付属のワイヤー製リーシュのような腰のある素材なら良いのかもしれませんが、細いスペクトラコードをアームの側面に回した場合は(画像↓)、アームを操作した時にレバーでコードを噛んでしまうようで少々気掛かりです。

Rl_4  Rl_6
(レバー操作の際、樹脂製のレバーとアームの間隙にコードが噛む事がある)

そんな訳で・・・、“Radical-ST”にも、従来と同じ位置にリーシュ・コードが装着できるように小さな改造を行ってみました。

詳細は画像をご覧になれば一目瞭然だと思いますが、樹脂製のロック・レバーがアームに接する部分を削って、リーシュ取り付け用のスペクトラコードのループが通るクリアランスを確保しただけです。

Rl_6_2  Rl_7
(㊧改造前、㊨改造後のロックレバー)

強度には影響無い部分の加工ですし、この改造によって従来モデルのようにレバーの穴から前方に細くても強度のあるスペクトラ製のコードを回してリーシュを取り付けられるようになり、また側面を回す事によりレバーとの干渉でてコードが傷んでしまうような事も少なくなり、安心して使用できるようになるはずです。

Rl_11
(これでコードの逃げ代が確保され、従来と同じ場所にリーシュを取り付けることができる)

しかし・・・、久々の大幅設計変更でせっかくベースプレートをダイキャスト製にしたのなら、ついでにリーシュ用のアイくらい追加設定しておいてくれても良かったような気がします。
従来モデルでも、無理矢理あの位置にリーシュを取り付けていたのはメーカーでも認識していたはずなんですから・・・。

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2011年12月16日 (金)

“Dynafit TLT/Radical” は過激に変わったか?⑤(取り付け編)

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(現在は未使用ですのであくまで印象としての評価です)


「“Dynafit TLT/Radical”は過激に変わったか?④」からの続きです。

さて、大きく変わった“Dynafit TLT/Radical”ですが、スキー板への取り付けに関しては前モデルと比べてどう変わったでしょう?

今回このビンディングを初めて取り付けることになったのは、新品のSALOMON /BBRでしたので少々躊躇いはありましたが・・・、結論から言えば、取り付け作業自体はモデルチェンジ前と比べて、むしろ容易になったと思います。
初めての方でも、過去の一連の記事補足情報を参考にして慎重に作業すれば、失敗無く取り付けができるでしょう。

Radical_1
(まずトーピースだけを取り付けた状態でセンター調整を行う)

また、TECビンディングは、普通の山スキー用ビンディングと比較してセンター合わせがシビアになるのですが、アマチュアがメタル治具を使用しなかったとしても、工程ごとに確認をしながら作業を進めればセンターのズレは2mm程度以内に収まり、微調整でピタッとセンターに合わせることも可能なはずです。
失敗しても責任は持てませんが・・・。(笑)

Radical_2
(センター確認後ヒールピースを取り付ければ完成!)

さて、今回のモデルチェンジで取り付けビスが5本から4本に変わりましたが、実際の取り付け作業ではどうだったかと言うと・・・。
前列のビスが離れて締めやすくなったのと、前モデルまではアームの穴から締めなければならなかったビスが省略されたので取り付け作業はやや簡単になりました。

センター調整も、4本のビスを緩めに締め込んだ状態でブーツをトーピースに装着し、ブーツの踵に付けたセンターマークと板に貼ったテープに引いたセンターラインを合わせ、その状態で前2本のビスをきつく締め、続いてブーツを取り外して後ろ2本のビスを締め込むことで比較的簡単にセンターが合わせられるでしょう。

また、ビスがポジドライブからトルクス(ヘックスローブ)T20に変わった事については、以前の記事で否定的な表現をしましたが、実際に取り付けてみるとポジのPZ3に比べてシャンクが半分程も細いT20のドライバーはヒールピース取り付けの際にもハウジングと干渉し難く作業自体は寧ろやり易かったというのが正直なところです。

Radical_7  Radical_8
(㊧PZ3とT20、㊨細いドライバーだと作業も楽!)

ただし、ブーツサイズ調整にはPZ3、前方解放強度にはマイナスドライバー、左右解放強度はコイン状ドライバー、取り付けにはT20、トップカバー分解にはT10、とメンテナンスに5種類のツールが必要というのもどうかと思いますね(笑)。


ブーツの装着に関しても、爪先をストッパーに当たるまで前進させてその位置で踏み込むだけでOKですから、試し履きをした限りではこれまでのモデルのようにピンの位置が定まらずイライラすることもなさそうで、劇的に容易になった(画像↓)と言っても過言ではないかもしれません。
このように、スキーへの取り付けの容易さも含め、好い事尽くめのように見える“TLT/Radical”ですが・・・、不満な部分も無いわけではありません。

Radical_5  Radical_6
(㊧爪先をストッパーに当てそのまま踏み込めば、㊨簡単に装着できる)


それはリーシュの取り付けに対し全く配慮がなされていないという点です。
以前のモデルでも無理矢理リーシュを取り付けていた感がありましたが、今回のモデルではアームとレバーの形状が変わり、リーシュ取り付け用に細いダイニーマラインを使ったとしても、どうしてもロッキング・レバーと干渉してしまうのです。
この機種“Radical-ST” が標準でブレーキが付くモデルとはいえ、ブレーキレスで使用したり、スキートレーサーを取り付けたりすることもありますから、これは少々困った問題です。

  Radical_10  Radical_4
(㊧Vertical では太めのコードでもOKだったが・・・、㊨Radical はレバーとアームの間隙が狭いので・・・)

この部分の改善については、作業完了次第あらためて記事にしたいと思います。
  

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2011年12月 7日 (水)

BDの“ディスタンス FL”ポールのチップカバー

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


以前もご紹介しましたが、ブラックダイヤモンドの“ディスタンス FL”ポールは、アバランチプローブのような継手構造を採用して軽量化を図り、さらにフリックロック式の長さ調節機能を付加したユニークな軽量トレッキングポールです。(画像↓)

Fl_pole_18

やや華奢ですが収納寸法もきわめて短く、価格を含め、無雪期用としては全体的によくできた製品だと思います。

また、接地部の先端はタングステン・チップと樹脂製のポイントが交換可能で、登山道や木道保護の目的で樹脂製のポイントを使用することもできるようになっています。

Cap2  Dscf2557
(㊧タングステン・チップ、㊨プラスチックのポイント)

しかし、この標準装備の樹脂製のポイントはとても細く、登山道にタングステン・チップと同様のダメージを与えてしまいそうで、とてもローインパクトとは言い難い代物です。

そこで、以前のこの製品についての記事に対して“てっちゃん”さんからのコメントで、他メーカーのポイントカバーが流用可能だとの情報をいただきましたので、さっそく入手してみました。

製品はポールメーカー“シナノ”の「サキゴム PP-07」という品番の8ミリ径の石突に合うゴムカバーです。
これはスキーポールのような細いアルミ製の石突用のモノらしく、普通のトレッキングポールのフレックスチップ用だと外見は同じでも口径が合わないので要注意です。

Cap1
(穴径の細いシナノ製の“PP-07”)

この製品は穴の底部付近に金属製のワッシャー状のものが埋め込まれていてタングステン・チップが直接底部に接触しないようになっており、長期間の使用でも問題は生じないでしょう。
また、かなりキッチリ嵌りますので通常の使用では紛失の可能性もなさそうです。

付属のプラスチックポイントは使わず、通常はタングステンチップを取り付けた上にこのカバーを嵌めておき、雪渓や残雪地帯の通過など必要に応じてカーバーを外すというような使い方をすれば、実用上も登山道保護の観点からも有効な方法となるでしょう。

Cap3  Cap4
(“ディスタンス FL  ポール”に装着した状態)

ただし、軽量ポールにはチョット重い気がするのと、1個の定価が420円(ペアで買うと実売価格でも800円弱!)と、小さなゴムのモールド製品としては異常に高額なのが気になる点でしょうか。

とはいえ、社外品でもFLポールにジャストフィットしますし、しかもかなり有効なローインパクト登山の手段となりますので、是非FLポールと組み合わせて使用してもらいたい製品だと思います。

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