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2012年8月

2012年8月27日 (月)

本家“JETBOIL” も進化してる!

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(“JETBOIL-SUMO”についての評価です)


早沸きストーブの準元祖“JETBOIL”の発売以来数年が経ちますが、近頃は老舗ストーブメーカーから中国製まで、いくつかの類似商品が市場に出回ってきました。

これらの後発製品に対抗すべく(?)本家JETBOIL社が市場に投入したのが“JETBOIL-SOL”です。
“JETBOIL-SOL”にはチタン・バージョンが追加され、さらに小型軽量がはかられた完成度の高いモデルでしたが、初期型の製品については以前のレビューや一連の改造記事で紹介したように、いくつか気になる部分存在しました。


さて、その後“SOL”の兄貴分として、1.8L の容量を持つ大型の“JETBOIL-SUMO”というニューモデルが発売されました。
“SUMO”は、110型カートリッジを収納した“SOL”がギリギリ収納できる大きさで、初代や“FLASH”を入れ子にする場合は蓋が閉まらないので、適当なスタッフバッグを用意する必要があるでしょう。

また、余談ですが・・・、この“JETBOIL-SUMO”を見て、真っ先に感じたのは、これは私が山の食料の中でも大好きな“サラダスパゲティー”を茹でるのに好さそうな大きさと深さだ(笑)、という事です。
また、蓋にある湯切り穴もこの用途には便利そうですね。

Jbsumo_8
(㊧“JETBOIL-SOL”、㊨“JETBOIL-SUMO”)

という訳で、早速購入を決めましたが・・・、“JETBOIL-SUMO”には“SOL”同様アルミ製とチタン製の2種類があり、選択に少々悩むところです。
チタン製はかなり割高ですし、通常の使用ならアルミ製のほうがむしろ焦げ着きにくく実用的だと思いますが・・・、チタンマニアの私としては結局見栄え重視でこちらを購入することになりました。

さて、早速チェック&テストのためにパッケージを開けたところ・・・、良い意味で非常に驚きました。
と、言うのも初代の“JETBOIL-SOL”の「気になる部分」がすべて見事に手直しされていたからです。

バーナー部に関しては“SUMO”だけでなく、現行の“SOL”でも同様に改良されているようなので、マイナーチェンジを経て“JETBOIL”シリーズは確実に進化し続けているというわけです。

初代“JETBOIL”は重かったし、次の“JETBOIL-Flash”は軽くなったものの中途半端な製品でしたが、この“JETBOIL-SOL”はマイナーチェンジの結果さらに完成の域に近づき、早沸きストーブのベンチマークとしての地位を確立したと言えるでしょう。

さて、マイナーチェンジで何が変わったかというと・・・。

①まず、以前指摘したカートリッジの捩じ込み部分に真鍮製のスリーブ(ライナー)が追加されました。
まぁ、これはセットするたびにカートリッジの着脱を要するこの製品としては当然の修正と言えますが、これで耐久性は格段に向上したはずです。

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(㊧新旧の比較、㊥初期型のもの、㊨新型は真鍮製スリーブが追加された)


②バーナーのベースプレートの形状が変更され、イグナイターを輻射熱や吹きこぼれから保護するような構造になりました。
初期モデルでは肉抜きの穴が大きく、樹脂製の圧電素子ユニットが剥き出しになった構造であったため、何らかのトラブルが生じたケースからのフィードバックでしょう。
このような小さな改良の積み重ねが製品を成熟させていくのは喜ばしいことですが、一方これは旧モデルをお持ちの方は何らかの対応をしておいたほうが良いという事も意味しています。

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(㊧新旧の比較、㊥初期型のもの、㊨新型は圧電素子がカバーされた)


③これは“JETBOIL-SUMO”に限定したことですが、コンパニオンカップのコジーに取り付けられたナイロンテープ製のハンドルがシッカリしたものになりました。

初代からこの製品のハンドルには問題があったのですが、“JETBOIL-SOL”になってからコジーのネオプレン素材が薄くなり、ハンドルも熱湯を安全に取り扱うという観点からは、実用的とは言い難い貧弱なものとなりました。

Jbs_2 Jbs_3
(“SOL”のハンドルは「欠陥」と言ってもよい位貧弱だった)

そんな訳で、私は初代の時からベルクロやコードを使い、改造して使っていました。

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(SOLではコードを使って補強した)

しかし、ニューモデルの“JETBOIL-SUMO”ですと、場合によっては2kg近い熱湯入りのカップを持ち上げるわけですからハンドルは“SOL”以上にシッカリとしていなければならないわけです。
私も、実際に手に取るまでは少々心配していましたが・・・、さすが本家の“JETBOIL”・・・、そこはシッカリと改良されていました。

画像のようにハンドルの上下がテープとベルクロでカップ本体に固定できるよう工夫されていたのです。

Jbsumo_10 Jbsumo_11 Jbsumo_12
(“SUMO”ではコジーの下でカップを一周したテープをベルクロで固定するよう改良された)

“JETBOIL-SOL”では依然として不安定なハンドルを採用しているようですが、こちらにも是非この方式を採用してもらいたいものです。


バリェーションも増え、マイナーチェンジでますます使い勝手の良くなった“JETBOIL”シリーズ・・・。
夏なら工夫すれば朝夕食ともそこそこ豪華な(?)食事を調理しても1日1人30g以内のガス消費で済みそうですから、“SUMO”と“SOL”の併用は、2~3人パーティーの長期UL 山行にも最適なクッカーになると思います。

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2012年8月17日 (金)

“つめかえ君” 改め、 “つめかえ君・押忍!”

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★☆☆☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(改造と使用については自己責任でお願いします!)


Tsumekae_10
(初期型の“つめかえ君/NNタイプ”)

中途半端に残ったガスカートリッジの整理に便利なのが元祖の“つめかえ君”や、最近はアマゾンでも買える”Gas Saver”などのガスつめかえ専用器具です。

本来は「裏」道具なのですが堂々とネット通販されていますし、私としも自己責任で使うなら省エネの観点からも大変便利な道具だと考えますので敢えて記事にさせていただきます。

ただし、ガスを所定量より多く入れ過ぎてしまうと、最悪は爆発・炎上・大火傷ということになりますので、使用においてはデジタルスケールを用い、ガスの重量をグラム単位で計測しながらの慎重な作業が必要であることを強調しておきたいと思います。

さて、この作業で面倒なのが、重さをチェックするたびに下側の充填するほうのカートリッジを回してネジを外さなければならないということです。
慣れれば2~3回以内の着脱で所定量の近似値までガスを詰めることが可能ですが、生まれつき横着な私は一々カートリッジのネジを回して着脱しなくてもいいように下側のカートリッジに結合する部分を「押し付け式」に改造する事にしました。

アルバの“つめかえ君”を押し付け式にしたので、とりあえず“つめかえ君・押忍!”とでも命名しておきましょう(笑)。

改造自体は単純なので画像をご覧頂けば理解できると思いますが、要点のみまとめてみます。

①まず“つめかえ君”の片側のフランジを3本のイモネジを緩めて取り外します。

Tsumekae_5

②次にカートリッジに取り付ける“7/16 - 28TPI ”の雌ネジを切った長ナット状のパーツ(画像↓中央)を取り外します。

Tsumekae_7

③このパーツからOリングを取り外し、旋盤のチャックに固定して内側のネジ山を中繰りバイトで削り落とし、底の部分にオーバーサイズのOリングが収まる溝を加工します。(詳細は後述)

Tsumekae_3 Tsumekae_4
(㊧ネジ山を削る前、㊨加工後の状態)

④バルブハウジングの雄ネジ部分に密閉用のテフロン・シールテープを巻いて、③で加工したパーツを再組み付けします。

⑤新しいオーバーサイズのOリングを取り付けます。

⑥最後に、最初に取り外したフランジを、カートリッジに押し付けながら適当な位置を見つけ、3本のネジで固定したら完成です。(このフランジ部分は取り付けなくてもかまいません)



注意点としては、通常のガスストーブのカートリッジ取り付け部にはOリングの収まる内溝が加工されているのに対し、“つめかえ君”は手を抜いた構造で、カートリッジの入る雌ネジの内径に合った小さめのOリングがただ嵌め込んであるだけなのです。
したがって、ネジ山を削ってしまうと、Oリングが容易に脱落してしまう恐れがあるわけです。

Tsumekae_11
(㊧プリムス純正Oリングの規格は“P-8”、㊨つめかえ君のは一回り小さい“P-7”)

そこで、プリムス純正の径の大きなOリング(画像↑)が嵌るように、ネジ山を削り落とした後、底面近くにOリングの収まり代の内溝を加工しました。
通常の中繰りバイトでは2mm幅の溝を削れないので、廃品の金工鋸の刃を整形した手製のバイト(画像↓)を手持ちで押し付けて溝を削りましたが、ワークが真鍮なのでこれでも十分加工ができました。
これで不用意にOリングが脱落することもありません。

Tsumekae_12
(Oリングの溝削り用自作バイト)



さて、使用方法は、言うまでも無いと思いますが、上側になるカートリッジに“つめかえ君”をネジ込み、下側のカートリッジに押し付けてからバルブを開けてガスを移動させます。
頃合を見てバルブを閉め、下側のカートリッジを外してデジタルスケールで重量をチェックしながら規定値になるまでこの作業を繰り返せばOKです。(画像↓)

Tsumekae_9
(手前のカートリッジは、内圧差を設けるため冷凍庫で冷やしたので結露している)

押し付ける時に結合部が曲がると液化ガスが漏れて噴出します。
一度ガスが漏れると気化熱でOリングが冷やされて硬化して密閉度が低下し、さらにガス漏れしやすくなるようなので要注意です。
Oリングの材質をシリコンに変更したりなど、更なる改良が必要かも知れません。

まぁ、少々ガス漏れは発生するものの、一々カートリッジを回して取り外さなくても良いので、作業はかなり簡単になりますが・・・、正直な話、よほど物好きな“つめかえ君”ユーザー以外にはお薦めできない改造だと思います。(笑)


【付記】
ガスを詰め替える際、上下のカートリッジが同じ温度だと内圧も同じになりガスの移動が起こりません。
内圧差を設けるには、上側のカートリッジを湯煎で暖めるか、下側のカートリッジを冷凍庫で冷やすか、あるいはこれらを併用するかです。
私は下側のカートリッジを冷却する方法を主に用い、寒い時期と下側の残量が少ない時には同時に上側のカートリッジを暖める方法をとっています。
また、下側のカートリッジが空に近いほどガスが移動し難いようですし、残量の少ないカートリッジから残量の多いカートリッジに充填するほうが作業がスムーズだと思います。
なお、当然のことですが周囲にストーブなどの裸火があるところでの詰め替えは厳禁です。

くどいようですが・・・、この手の器具の使用については、あくまで自己責任です。
くれぐれも、オーバーチャージにならないよう慎重に作業をしてください。

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2012年8月 7日 (火)

チタン製簡易アイゼンを改造する

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


 
Crampon_1
(夏の雪渓で実際に使用してみたが十分効果的だった)

夏の雪渓では極端な急傾斜でない限り冬山用アイゼンの出番は少ないと思いますが、条件によっては何らかの滑り止めがあると楽だな、と感じる場面もままありますよね。
そんな時、ブーツの土踏まず部分に装着する簡易アイゼンを一つ持っていると安心です。

まぁ、このタイプのアイゼンは10本爪以上の物と比べれば「気休め程度」と評価する方もいるくらい頼りない感じはしますが、いざという場面ではこんな簡単なアイゼンが一組あるか無いかが生死を分ける事だってあるのですから、「気休め程度」などと評価するのも少し可哀相な気もします。

私はすでに6本爪の簡易アイゼンを持っていますので、この手の土踏まず部分に装着する簡易アイゼンは購入する気も起きなかったと言うのが正直なところです。

ところが、過日某登山用品店からのメール広告にエキスパートジャパン社製のチタン製5本爪簡易アイゼン“チタン 5P”がバーゲン価格で売られているのを見つけたのです。
(現在このチタン製はカタログ落ちしているようなので在庫処分の廉売だったのでしょうが、同型のクロモリ製の“5P”は現在でも購入可能です)

私は“チタン”という言葉にめっぽう弱く、チタン製というだけで何でも欲しくなってしまう悪い癖があるので、思わずポチッと購入してしまいました。

届いた商品はチタン独特の質感を持つ感じの良い造りでしたが、ブーツへの装着はアイゼン本体をナイロンバンド1本で直接締め付ける方式です。
取り敢えずブーツに取り付けてみた感じでも、案の定少々心細い感じで、私的にはかなり不満でした。

そんな訳で、以前の“ピンソール・ミニ もどき”でも採用した“理事長式アイゼンバンド(自称!)”に改造する事にしました。
構造は画像をご覧頂けば判るように、アイゼン本体にDリング付きのステーを取り付け、足の甲と踵でクロスさせた2組のバンドで靴に固定する方法です。
自慢ではありませんが(?)、この方式だと足への締め付けも過度にはならず、しかもシッカリと土踏まず部にアイゼンを固定できますし、明確な土踏まずの無いブーツはもちろん、フエルトソールやフラットソールなどにも十分実用になる程度には装着が可能です。

Crampon_3  Crampon_4
(足の甲と、踵でクロスさせる2組のバンドで前後のズレを防止する構造)   

また、バンドを取り付けるDリングと本体を結ぶ金属の帯状部品は本体に合わせてチタン板を使い、潰しリベットで固定しました。

Crampon_2  Crampon_5
(㊧本体とDリングをチタンプレートで連結、㊨裏面から見た装着状態)

冒頭の画像は先日実際に使用した時のものですが、それなりに効果的で、また緩むこともズレる事も無く使用できましたので安心してご紹介したいと思います。

夏場に雪渓のある山に行くとき、軽量化との兼ね合いでアイゼンを持参するかどうか悩みますが、持って行かなかったときに限って気温が低く、早朝の氷化した雪渓をおっかなびっくり歩かされ後悔させられるものです。
そんな後悔をしないためには、重さの負担の無いこの手の簡易アイゼンをお守り代わりにザックに放り込んでおくのも賢明な選択だと思いますよ。

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