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2012年10月

2012年10月31日 (水)

“Jetboil-SOL/初期タイプ” に故障対策を!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆

(便利というよりも必要な対策だと思います)

“Jetboil”については、過去の記事でも度々書いたように使い方によってはとても便利な山道具で、私も数年前の初代発売以来
“初代Jetboil”“Flash”“SOL/Ti”“SUMO/Ti”と4機種連続して愛用しています。

Jbk_1
(“Jetboil-SOL”と“Jetboil-SUMO”)

しかし、残念ながら最新モデルの“Jetboil-SOL”の初期のタイプについては、これまた過去の記事に書いたように軽量化最優先が仇になり、大きなトラブルを引き起こす危険性を抱えた商品でした。

実は、私の一台目の“Jetboil-SOL/Ti”も国内正規販売が待ちきれずに海外で購入した、この問題の多い初期タイプだったのです。

そんな訳で、その後仕方なくマイナーチェンジで対策された2台目の“SOL/Ti”を購入し、さらに一回り大きな“SUMO”を入手して“SOL/Ti”とペアで使用していました。

しかし、使用を中止した初期型のバーナーを、問題があるとはいえ死蔵しておくのも勿体無い話なので、応急対策をして使用再開することを考えました。

問題の個所とは、バーナーとコンパニオンカップを接続するステンレス製のベースプレートの部分と、カートリッジを接続するネジの部分の二ヶ所です。

前者はベースプレートの肉抜き穴が大きいため、剥き出しになった樹脂製のイグナイターがバーナーの輻射熱や風に煽られた炎で直接熱せられ溶けてしまうというもので、後者は強度の低いアルミダイキャストに、28TPIという細かいピッチのネジを切ったカートリッジ取り付け部が、使用を重ねるうちネジ山が潰れてバカになってしまうというものです。
何れも“リコール級の構造的不備”と言っても良いでしょう。

このような不具合は当然予想されて然るべきですが・・・、想像力の乏しい設計者が作るとこういう可笑しなモノが出来るという好例ですね。(笑)

Jbsumo_5  Jbsumo_1
(両画像とも、㊨初期型 ㊧マイナーチェンジ後)

ネット上で検索しても破損の記事が散見されますので、これらは稀な故障例でなどではなく、初期タイプの構造に起因する必然であることは明らかです。
(山の店“DENALI”さん、無断リンクご容赦ください)

まぁ、正規代理店経由の場合は初期タイプであっても不具合が生じてからクレーム交換を要求すれば済むことですが、私のように非正規ルートで買った場合はそうもいきませんから、自分で最低限の対策をして壊れるまで使い倒すしか無いでしょう。

そんな訳で・・・、対策と言ってもカートリッジ取り付け部に真鍮製のスリーブを圧入するような改造は素人には荷が重く諦めざるを得ませんが、イグナイターの遮蔽くらいだったら容易ですので、取り敢えずこちらだけ改造することにしました。

Jbsumo_6  Jbsumo_7
(㊧「これじゃぁ溶けるわなぁ!」って状態の初期型バーナー、 ㊨カバーの付いた対策品)


改造後の状態は、最後の画像でご覧になれるようにバーナーのベースプレートにステンレス板のカバーを追加しイグナイターが熱に曝されないようにしただけです。

さて、改造にはまずバーナー部をバラさなければなりませんが、“Jetboil-FLAH ”と違い“SOL”の分解は極めて簡単です。

まず、混合管とバルブハウジングを結合している変形Rピンを抜いてバルブ部を分離します。(画像↓)

Jbk_2

次に、バーナーヘッド&混合管をベースプレートに固定しているリングを“軸用スナップリング・プライヤー(握ると先端が開く反作用型)”で外しバーナーヘッドを取り外します。
この部分は折損し易いイグナイターの碍管に近いので必ず専用の工具を使用して慎重に作業する必要があります。

Jbk_3  Jbk_4
(㊧中央の小さな穴があるのが軸用のリング、 ㊨スナップリングプライヤー)

後は、ステンレス板(T 0.3~0.4㎜)を加工し、ベースプレートのイグナイターをカバーできる位置にアルミのリベットで取り付ければOKです。(画像↑㊧)
なお、イグナイターとバーナーヘッドがベースプレートの穴を通ったコードでつながったままの作業になりますので、思わぬ事故を防ぐためブラブラさせたまま作業をせず、テープで邪魔にならない位置に固定しておくと良いでしょう。

・・・で、完成したのが下の画像です。

Jbk_5  Jbk_6
(イグナイターを保護するカバーを取り付けた状態)

修理の対応が代理店に期待できない非正規品の“Jetboil-SOL/初期タイプ”のユーザーは、この部分だけでも念のため同様の対策を採っておくことをお勧めいたします。

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2012年10月21日 (日)

沢登り用“ロープ束ねストラップ”?、を作ろう!

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


Rope_b_8
(今回はこの“ロープ束ねストラップ”をご紹介します)

私は現在、連れ合いと簡単な沢を選んで登っていますが、お互い歳が歳なので安全を考え巻き道でも危険を感じたらロープを出すようにしています。

しかし、マルチピッチのアルパインと違い沢ではロープを出したり纏めて移動したりを頻繁に繰り返さなければならず結構面倒です。
ロープをすぐ使える状態で持ち運ぶにはコイルにして袈裟懸けにするのが簡単ですが、これだと次に使う時にキンクしたり絡まってスムーズな操作ができなくなることも多いので、私は通常は振り分け式に纏めることにしています。

しかし、振り分けに束ねたロープが歩行中にバラけず、しかも次に使うときにすぐに伸ばせるように持ち運ぶのは結構難しく、そのためには振り分けたロープの束の中央を何かで縛ってバラけないようにおく必要があります。

この時、市販の差し込みバックル付きストラップでロープを束ねても良いのですが、一般的な“SR 15”や“SR 20”などのバックルは直線的ベルトを引くことを前提に作られていますので、径の小さなロープの束に使用すると、自然にバックルが緩んでロープがバラけてしまうことが避けられません。

そこで活躍するのが、チェーンスパイクの改造でも使用した“Nifco/SRC **”というカーブタイプのバックルです。
今回はチェーンアイゼンの改造と同じ“SRC 20”を使用しましたが、これでしたら径の小さな円筒状の物に巻いてもストラップが弛んでしまうことはありません。

Rope_b_13  Rope_b_12
(両画像とも ㊤“SRC 20”、㊦“SR 20”)

画像は“SR 20”と“SRC 20”を円筒で使用した状態ですが、ご覧のように“SR20”では折り返しバックルの部分が円筒表面から浮いてロック機能が働かず、テープが滑って弛んでしまうことがお判りいただけると思います。(画像↓)

Rope_b_9  Rope_b_10
(㊧“SR 20”と、㊨“SRC 20”を円筒に使用した場合)

そんな訳で、私は以前からこのバックルで専用の沢登り用“ロープ束ね”?を自作して便利に使っていましたが、同じバックルを使ったチェーンアイゼンの記事のついでに、あらためて紹介することにした次第です。

構造は、このプラスチックバックル“SRC 20”とナイロンテープにショックコードを組み合わせた単純なものです。(画像↓)
なお、使用するショックコードは、やや太めで張力の強いものを使った方が良いでしょう。

Rope_b_3  
(ストラップの中間にショックコードを設け常に張力が掛る構造)

使用法は、振り分けで纏めたロープの中央を、このストラップにショックコードのテンションを掛けながら巻き付け、パチッとバックルで留めれば完了です。
ショックコードのテンションで行動中にロープがバラけてくることもありませんし、使用時にはバックルを外せば即使用可能となります。(画像↓)

Rope_b_5

移動が短距離なら振り分けをそのまま肩車式に首に掛けたり、沢用のΦ8㎜×30m位の軽いロープならストラップに付けたカラビナループで身体にぶら下げたりできますし、暫くロープを使用する場面が無さそうなら二つ折りにしてザックの雨蓋に挟んでもOKです。

 Rope_b_7
(カラビナループを作っておくと便利!)

また、コンティニュアスの時も余分なロープをこのロープ束ねストラップで振り分けに纏めて提げておけば、スタカットに切り替える際もコイルにして袈裟懸けするよりスムーズだと思います。
それから懸垂下降の時もテンションを掛けずにロープを束ねて、繰り出しながら降りると、ロープを投げて下降すると落石を起しそうな場面やブッシュの煩い下降にも便利かもしれません。

そんな訳で・・・、簡単に作れる小物ですが沢登りには結構重宝に使えますので、皆さんにも是非お勧めしたい便利道具だと思います。


(おまけ)
まぁ、わざわざこんなモノを作るのも面倒だとお考えの方は画像↓のようなショックコードにフックを付けた簡易型“ロープ束ね”でも結構役に立ちますよ。
こちらも、是非お試しあれ!

Rope_b_2  Rope_b_1

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2012年10月11日 (木)

“チェーンアイゼン”って・・・、沢ではどうよ?②(改良?編)

便利度 :★★★☆☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(外れなければもっと高評価ですが・・・)

“チェーンアイゼン”って・・・、沢ではどうよ?①、 からの続きです)


“チェーンアイゼン”は沢の泥壁や植林地の急斜面の降りでも優れた滑り止め効果を発揮してくれます。
しかし、シビアな場面で無理な力が掛かると突然靴から脱落してしまうという大きな問題点が在る事は前回の記事でご紹介したとおりです。

まぁ、本来の用途は簡単な凍結路の滑り止めですから、想定外の乱暴な使い方をしている軟弱沢屋が文句を言うのはお門違いであることは確かでしょう。(笑)

3_2
(チェーンアイゼンは沢登りでも役に立つが・・・)

とはいえ、せっかく買った道具なので何とか外れ難くしようと考えてみました。

外れる原因は単純、無理な力が掛るとラバーのストラップが伸び、チェーンが靴底からズレてしまうことです。

それをある程度防ぐためにベルクロのストラップが付属していますが、それだけでは十分でなく、ベルクロストラップが爪先方向にズレるとチェーンアイゼンが容易に外れてしまうようです。

私はベルクロストラップを使用せず、差込みバックル付きナイロンストラップを両側のラバー部に縫い付けていますが、これでもそのままでは突然の脱落を防ぐ事はできなかった訳です。

Chsp_1  4
(㊧バックルを縫い付けた状態、 ㊨それでもラバーの弾力でシッカリは締まらない)

そこで、自作のストラップの下部を細いナイロンコードで土踏まず部分のチェーンに固定しする方法で脱落の防止を図ってみました。

さて、改造にあたってまずストラップに使用するバックルを入手しなければなりませんが、ここは普通の差し込みバックルでなく足の甲の曲面に合わせたカーブタイプの物を使う方が弛み難くベターだと思います。
私はこの部分に手持ちの“Nifco/SRC 20”という製品を使いました。(末尾の数字は20ミリテープ用という意味で、台湾法人のTifcoでも、韓国法人のKifcoでも型番が同じならロゴ以外は全く同じ製品です)

Chsp_4
(カーブした面での使用を想定した“Nifco/SRC20”、小型の“SRC15”でも可)

改造はストラップとチェーンを細いコードで結びつけるだけですから、画像をご覧になれば特に説明は要らないと思います。
要は“チェーンアイゼン”の両側の前から3個目のリングを、柔軟なラバーを介さず直接ストラップで締め、同時にラバーにも一定のテンションを掛けることによってチェーンのズレや弛みを防ごうという訳です。

なお、コードの輪の長さでラバーに掛るテンションを調節できますので、実際に使用する靴に装着してみて各自で長さを決めてください。


Chsp_5

(コードでストラップとチェーンを連結し、チェーンとラバー両方にテンションを掛けるように改造)

まぁ、この改造で100パーセント外れを防止できるわけではないでしょうが、少なくても靴から外れて落下させてしまうという最悪のケースの確率はかなり低下させることができるはずです。

今回の対策を何度か実地でテストした結果を見なければ何とも言えませんが、これでダメなら応用として、前から2個目と3個目のリングをコードか細いテープで連結し、その中間の任意の位置でストラップを締められるように改造するという手も有りますので、今後も試行を続けたいと思います。

正直なところ、沢用としては評価の微妙な“チェーンアイゼン”ですが・・・、沢用に限らず、歩行の楽な滑り止め用具として便利に活用しているハイカーも少なくないと思いますので、突然の脱落で泣く前に、念のためこの簡単な改造をしておいてはいかがでしょうか?

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2012年10月 2日 (火)

【ニュース!】英語版 “etrex 20/30” の日本語地図!?

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

(未確認ですが日本語で表示できれば満点です)

受信感度はもちろん、バッテリーライフやコンパクトさを含めコストパフォーマンス的には申し分のないGARMINの “etrex 20/30”ですが、残念なのは日本語版のJモデルは英語版と比べて常識を超えた価格設定ですし、廉価な英語版は素人ユーザーがファイルを少し弄った程度ではディスプレイ上に日本語の表示ができない(らしい?)ことでしょう。

先行モデルの“OregonやDakota”は日本語のフォントとGTT(ガーミン機器用の日本語変換テキスト)を入れると、英語版でも日本語の地図が表示できたのですが、新しい 英語版“etrex 20/30”や“MAP62”では「誰かさん(笑)」がシッカリ手を打ったのか?、メニューとウェイポイント名の日本語化は可能でも、純正のマイクロSD版日本語地図を使用したとしても正常な日本語表示はできないというのです。

英語版といっても正確にはインターナショナル版という位置づけで、デフォルトでも数か国の言語が選択できますし、日本語と同じ2バイト文字のアラビア語でさえ選択可能なのに、なぜ日本語だけがこのような扱いを受けるのか不思議でなりません。

まぁ、フォントとGTT を弄って日本語のメニューとウェイポイント名を表示可能にした英語版に、日本語が画像として表示される“TKA”の地図を入れれば、とりあえず擬似日本語版にはなるのでしょうが、地図が重そうですし全国版の地形図だと価格も二万五千円近くと、とても高価です。


そんな訳で、日本語の地図を日本語の機器で使いたい私は安全策として、仕方なくかなり割高な純正の日本語版機器(“etrex 30”) と 純正の日本地形図(Topo 10M +)を購入して数ヶ月間使用してきましたが・・・。

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(㊧“etrex 30ーJ”と、㊨DVD 版とmicroSD版の“TOPO10M +”)

しかし・・・、先日、“いどんなっぷ”氏からのメールで、なんと『英語版の “etrex 20/30”の地図画面でも日本語の表示ができる地図ができた』とのお知らせがあったのです!!。 (イメージとしてでなく文字データーとしての日本語が表示されるということですよ!)

またこの新しい地図は、英語版“etrex 20/30”や“MAP62”での日本語表示だけでなく、ファームアップにともなって日本語表示に不具合が生じるようになってしまった、日本語化処理済みの英語版“Oregon”や“Dakota”でも、以前のようにも正しく日本語表示ができるそうなので、この症状に泣いていた方にも朗報となりそうです。

しかし、残念ながら、私は既に日本語版の“etrex 30-J”と純正の高い地形図を買ってしまったので、新たに両方を同時に買い替える理由などありません。後の祭りとはこのことです。

試しに、公開された“いどんなっぷ”氏の地形図サンプルを私の日本語版“etrex 30-J”で読み込んだところ、下の画像のように表示されましたので多分英語版でも問題無いとは思いますが・・・、私は英語版の機器を持っていませんので、現時点では正確な情報としてご報告することはできません。

Jpeg_1  Jpeg_2
(サンプルの「日本語+英語A」を日本語版etrex30-Jで表示した状態)

とは言え、私が日本語版の“etrex 30-J”と純正の日本語地形図“TOPO 10M +”をセットで買った時は、発売直後でしたが確か実質7万円以上の出費だったと記憶しています。

それに対し、英語版の“etrex 30”と“いどんなっぷ氏の全国地図と当座使用する10図郭の等高線データー”を購入した場合は(10図郭ほどで中部山岳はほぼカバーできますが、その後に必要となった図郭の等高線データーは後日別途買い増せます)、“etrex 30”を国内のショップで購入しても合計3万5千円少々、海外通販か個人輸入すれば3万円以下の導入コストでこの高性能日本語ハンディーGPS を登山に活用できるようになるのです。

購入した英語版の機器に日本語のフォントとJapanese GTTを組み込み、この新しい“いどんなっぷ氏の地図セット”を入れれば「ほぼ日本語版」の出来上がりというわけです。

純正日本語版に可能な全ての機能は使えないでしょうし、地図には崖記号が表示されないかもしれませんが、日本語地図が表示され日本語のウェイポイント名が転送できれば登山には必要にして十分でしょう。
これで値段が半額なら絶対に買いだと思います!

そんな訳で、自分でテストした訳でないので恐縮ですが、興味のある方は“いどんなっぷ”氏のブログにサンプル地図が公開されていますので、英語版のetrexやMAP62のユーザーは是非お試しください。


これは『まさに資本家階級の悪辣な搾取に対する唯物論的弁証法の勝利だ!(笑)』なんて冗談を叫びたくなるほどの画期的な出来事なので、テストした方がいましたら是非コメントをいただければ幸いです。

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