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2013年1月18日 (金)

“DEELUXE-Spark”のサーモインナーを焼く ②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆



「“DEELUXE-Spark”のサーモインナーを焼く ①」からの続きです


スキーブーツやランドーネブーツのインナーでは成型時に爪先部分に余裕を作っておくことが大切です。
アウターシェルの大きさは適切でも、インナーブーツを焼くときに失敗して爪先がインナーに接触するように成型してしまうと快適な山スキーを楽しめないからです。

これは山ボード用のブーツでも同じ事で、長時間の歩行や寒冷時の保温を考慮しインナーを成型する時は爪先の余裕(捨て寸)をゲレンデ用よりも大きめにしておくべきだと思います。

爪先がインナーに当たって痛い思いをした経験のある方(∋「私」)は、この捨て寸の重要性が十分お判りですよね。(笑)

今回の記事で取り上げたDEELUXE のサーモインナーは、ランドーネブーツのモールド一体形成の物と異なり縫製で仕上げられており、爪先部分には熱可塑性スポンジが使われていないのですが、それでもそれなりの対応をしておかないと満足できる仕上がりにはならないので要注意です。

そのため、DEELUXE正規販売店では硬めの専用トーキャップを大小数種類用意して爪先の余裕を十分確保するように成型しているくらいですから、アマチュアが自宅でこの作業を行う時に用いる市販のネオプレーンのトーキャップだけでは十分な捨て寸が確保できない事も考えられます。

特にDEELUXEのサーモインナーは表示より小さめの印象で、サイジングボードの値でサイズを選ぶと少々タイトフィットになる場合も多いので、このような場合には適正な捨て寸が確保できるよう特に配慮が必要でしょう。
また、山ボード用に限定するなら操作性よりも快適性を優先させ1サイズ大きなブーツを選び、インソールやソックスで調節するというのも賢明な選択です。

サーモインナーのブーツは、焼く前に履いてもサイズの判断が難しいという宿命を背負っていますから、自分の経験と感性を働かせ自己責任でサイズを決定するしかありません。
焼く前の状態がキツイからといってオーバーサイズを選ぶのも困りものですが、ショップで『操作性を重視する上級者はタイトフィットを選ぶ』などと言われ、見栄を張って爪が内出血するほど小さめのブーツを買って後悔するよりはまだマシかも知れません。(笑)

Spark

さて・・・、私は、以前からランドーネブーツの場合でも爪先に十分な余裕をもった成型をしたい場合には私独自の方法を実践していますので、今回はその裏技を惜しげもなく(笑)初公開することにします。

それは成型前のインナーに適当な大きさの薄紙を軽く丸めた状態で爪先に入れ、そのまま自分の足を入れ薄紙を爪先でインナーに押付けて型を付けることでカスタムトーキャップにしてしまおうというものです。
なお、使用する薄紙の量はトライアンドエラーで決定してください。

Dscf3249
(適当な大きさの薄紙を軽く丸めて爪先に詰める)

手順は、まず軽く丸めた薄紙を爪先部に詰めたインナーに足を入れ、圧縮して型がついたら一旦その薄紙の塊とインソールを取り外します。

その状態でインナーブーツをヒートライザー(あるいはオーブン)で加熱し軟らかくします。

インナーが軟らかくなったらヒートライザーから外し、手早くインソールを入れ、続けて先程の薄紙の塊を取り出した時と同じ向きで爪先に入れた後、下準備をした足を入れて靴紐を強く締め軽く屈伸などしながら10分ほど待ちます。

インナーの温度が冷めれば完成ですが、インナーの爪先部分は薄紙の塊を介してアウターシェルに押し付けられるように整形されるので、足全体にはフィットしても爪先の捨て寸が十分確保されることになります。

Dscf3248
(薄紙が圧縮されインナーの内側と足の型に合ったカスタム・トーキャップができる)

なお、成型時に薄紙の分だけ足の爪先が前方から強く圧迫されて不快感がありますが暫らく我慢しましょう。
冷えてからブーツを脱ぎ、薄紙の塊を取り外し、再び足を入れてみると、見事に爪先に十分余裕がある山ボード用ブーツが出来上がっているのが確認できるはずです。

以前“ビーズバッグ”も試したことがあるのですが、結局この薄紙が手軽で確実のように思いました。

またこの方法で成型すると爪先が後方に押されますので、踵とアキレス腱部分がインナーに密着した状態で固まりますから、踵の浮かない押さえの効くインナーに成型できるという効果もあるはずです。

メーカーの技術者やプロショップの販売員からは原始的だと笑われるかもしれませんが、現実に問題無くできていますし、個人的には下手な人間が純正のトーキャップを使って成型するよりよりずっと上手にできていると確信しています。(笑)




さて・・・・、私は安全のためインナーの成型に正確な温度管理のできる改造ヒートガンを使っています。

しかし、インナーブーツの成型でしたら工夫すればヘアドライヤーでも十分可能だと思います。
スキーブーツのシェル出しには普通のヘアドライヤーだと、(不可能ではありませんが・・・)やや能力不足の感があるものの、インナーブーツを成型する場合はかえってこの非力さが良いほうに働きインナーを安全に加熱する事ができるようです。

前回の記事に対し“jirokichi”さんから頂いたコメントにあったように、ドライヤーと段ボール箱で簡易インナーオーブンを作って成型することもできそうです。
この場合は調理用の温度計が使えそうですし、ドライヤーの能力の関係で極端に過熱することもなさそうですので、チャレンジしてみる価値は十分です。

その他、実験室の定温乾燥機や調理用オーブンを使ってインナーブーツを焼く方も多いと思いますが、何れの場合でも今回ご紹介した爪先の捨て寸を確保する方法はかなり有効だと考えられますので、こちらも是非一度お試しください。



【余談ですが・・・】

又聞きした話なのですが・・・。
スノーボードブーツのサーモインナーを成型する時、未成型のインナーのまま、足が痛いのを我慢して2~3時間滑ってアウターシェルとインナーを馴染ませた後、あらためてオーブンで焼いて成型すると最高のフィット感になると聞いたのですが・・・、誰かやってみませんか?(笑)

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山スキー・バックカントリー 2」カテゴリの記事

コメント

理事長、SPARKの乗り心地、レポートお願いします。

投稿: yoko | 2013年2月 1日 (金) 00時51分

“yoko”さん、ようこそ。

早速ですが・・・、Spark の乗り心地は底の厚い普通のボードブーツという感じで、普通のブーツから乗り換えても特別に違和感は無いと思います。(といっても、私は登山靴でボードに乗っちゃうような人間ですので参考にはならないかもしれませんが・・・・笑)
あと、全体にガタイが大きいのと、シューレースのシステムが普通の靴紐スタイルだったら良かったんじゃないかとも思います。
では今後ともよろしく!

投稿: 理事長 | 2013年2月 1日 (金) 07時32分

有難う御座います。一月中旬に、かぐらで膝の靭帯を痛めてしまい、山に行けない分、物欲が、、、。
理事長は、スプリットのクランポン、どうしてますか?以前のサイトには、自作されたワンタッチタイプが見られましたが。

投稿: yoko | 2013年2月 2日 (土) 15時22分

“yoko”さん、まいどです!

自作のスプリットクランポン、実は失敗でした。(涙)
材質が薄すぎて硬雪で使ったら曲がってしまったのです。

そんな訳で現在はVoile 純正のクランポンを使っています。
装着は面倒ですが、新型は板に固定することもできますので結構使えますよ。

しかし、この2回目のスプリットブームはいつまで続くんでしょうね。(笑)

では、お大事に!

投稿: 理事長 | 2013年2月 4日 (月) 11時27分

理事長、K2からクイッカー?kwickerという、スプリット用のシステムが出るのですね。どう見ても、クリッカーですが。

投稿: yoko0218 | 2013年2月14日 (木) 09時43分

yokoさん、まいどです!

kwickerは私も画像を見ましたが、どう見てもクリッカーですね。
K2はまたワンタッチブームを作ろうとしているんでしょうか?
前回のクリッカーがあんな形で終わったのでイマイチ信用できない感じですが・・・。

それから、DELUXE/Spark のインナー焼きの続編として、ブーツ・フィッティングの記事を近々掲載予定です!

投稿: 理事長 | 2013年2月14日 (木) 10時14分

クリッカーですよね。今だにスプリットの時は、スカイロードを使っています。クリッカーで、スプリングが壊れた事が有りましたが、ロックをすれば外れませんし、いい道具だとはおもいますが。
ブーツフィッティングの記事、お待ちしています。

投稿: yoko | 2013年2月14日 (木) 15時10分

はじめましてこんにちは。
Deeluxeインナー焼き非常に参考になりました。
ありがとうございます。
今冬、DIYでインナー焼きにチャレンジしたいとおもいます。
さて「インソール」はどういったものを使用されていますか?
例のごとくSuperfeet かBANE(Deeluxeコラボ品)の使用を検討しております。
お時間のある時教えて下さい。

投稿: thecooled | 2013年12月 9日 (月) 07時54分

thecooldさんはじめまして!
私のdeeluxeは格安の並行輸入物なので、最初からインナーが付属していました。
日本仕様では別のインソールを売って儲けられるように(?)代理店がインソール無しで発注しているのかもしれません。
また、私も以前はショップの口車に乗って高価なインソールを作っていましたが、現在はインソールにはあまりこだわらなくなりました。
良い物は良いとは思うのですが・・。
ではよろしく!

投稿: 理事長 | 2013年12月 9日 (月) 15時23分

お世話になります。

私も並行輸入品(しかし正規価格で400ドル=4万円近く><)で買いました。

届いたものを開けて見たら、おまけ程度(?)のインソールが付属していましたので、私もそちらを使おうと思います。

本日ダンボールオーブン+ドライヤー+デジタル温度計で100℃前後で20分焼いたもののフィッティングは、、、イマイチでした笑

私の足サイズはディーラックスのサイジングボード上では25.5でしたのでワンサイズ上の26.5を購入しました。なのにつま先が当たって痛い、というか、まるで2サイズ位下のブーツを履いたようなきつさ+痛さ。。。

捨寸が足りなかったのか、インナーが表示より小さいのか、、、(インナー内寸は巻尺実寸25センチ前後)
また明日チャレンジしてみます。

投稿: thecooled | 2013年12月25日 (水) 22時33分

thecooledさん、毎度です。
山に行ってたので返事が遅れました!

さて、私も普段26.5ですがdeeluxeの場合は27.5でタイトフィットですから、寸法はそれでギリギリOKなんじゃあないでしょうか?(厚めのカスタムインソールを入れるのでしたら、もう1サイズアップかも知れません)

あとは私の記事などを参考にして無理矢理捨て寸を確保する方法を考えたらいかがでしょうか?
手製オーブンももう少し温度を上げたほうが良いかもしれませんよ。

1~2日履けば慣れてくると思いますが、それでも圧迫感を感じるならインソールを薄いモノに替えることも選択肢の一つでしょう。
健闘に期待します。

ではよいお年を!


投稿: 理事長 | 2013年12月28日 (土) 17時45分

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