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2013年1月

2013年1月28日 (月)

“つめかえ君・押忍!”をスープアップ?

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★☆☆☆
危険度 :★★☆☆☆
(改造と使用については自己責任でお願いします!)


“つめかえ君”関連の記事は過去にもいくつか書きましたし、最終的に分離型の詰め替え器具を作ったところで最終回となる予定でしたが・・・。

分離型の詰め替え器具も悪くは無いのですが・・・、実際に使ってみると結局“つめかえ君・押忍!”が操作も単純明快で便利だ!という結論に達したので、今回は“つめかえ君・押忍!”の改良を行ってみました。

まぁ、改良と言ってもカートリッジ側のOリングの材質を変更するだけです。

以前の記事で通常のNBRを素材にしたOリングは、液化ガスの気化熱で冷やされると硬化して密着性が悪くなり、ガス漏れを起こしやすくなると指摘しましたが、今回は低温に強いシリコン製のOリングに変更してみることにしました。

Tkk_1
(㊧NBR製、㊨シリコンゴム製の運動用Oリング)

NBRと異なり通常のシリコンゴムは耐燃料油性が極めて低く、ガソリンなどに接すると膨潤して脆くなってしまうのですが、同じ炭化水素であっても登山用のガスストーブに使われるイソブタンなどの液化石油ガスに対しては、連続して触れない限り大きな問題は起きないようです。
つまり、“つめかえ君”のように時々使う程度でしたら、耐燃料油性の面でそれほど心配する必要は無いと言う事ですから、今回は低温でも硬化しにくいというシリコンの特性を優先することにしました。
また、NBRより耐オゾン性が高いシリコンは長期使用でもひび割れなどは起き難いというメリットもあります。

で・・・、さっそくP-8のシリコン製Oリングに交換です。
シリコンゴム製のO リングはバーミリオンカラーでなかなかカッコイイですね。
また、“つめかえ君”の、出口側のネジ山を削ってしまった方に付いていたフランジは無い方がかえって作業が楽なので、3本のイモネジを緩めて外してあります。

Tkk_2  Tkk_3
(㊧ピックで古いOリングを除去し、㊨シリコン製Oリングを装着)

そんな訳で・・・、早速実験してみました!

結果は、劇的に良くなったという程のものではありませんが、Oリングの低温硬化によるガス漏れは心持ち少なくなったような気がします。


この“つめかえ君・押忍!/改”、普通に使った分のガスの補充や、中途半端に残ったガスカートリッジの一本化(?)に使うのでしたら、重量を量るために一々カートリッジを捩じって外す必要がないので、かなり能率的に作業ができますよ。

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2013年1月18日 (金)

“DEELUXE-Spark”のサーモインナーを焼く ②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆



「“DEELUXE-Spark”のサーモインナーを焼く ①」からの続きです


スキーブーツやランドーネブーツのインナーでは成型時に爪先部分に余裕を作っておくことが大切です。
アウターシェルの大きさは適切でも、インナーブーツを焼くときに失敗して爪先がインナーに接触するように成型してしまうと快適な山スキーを楽しめないからです。

これは山ボード用のブーツでも同じ事で、長時間の歩行や寒冷時の保温を考慮しインナーを成型する時は爪先の余裕(捨て寸)をゲレンデ用よりも大きめにしておくべきだと思います。

爪先がインナーに当たって痛い思いをした経験のある方(∋「私」)は、この捨て寸の重要性が十分お判りですよね。(笑)

今回の記事で取り上げたDEELUXE のサーモインナーは、ランドーネブーツのモールド一体形成の物と異なり縫製で仕上げられており、爪先部分には熱可塑性スポンジが使われていないのですが、それでもそれなりの対応をしておかないと満足できる仕上がりにはならないので要注意です。

そのため、DEELUXE正規販売店では硬めの専用トーキャップを大小数種類用意して爪先の余裕を十分確保するように成型しているくらいですから、アマチュアが自宅でこの作業を行う時に用いる市販のネオプレーンのトーキャップだけでは十分な捨て寸が確保できない事も考えられます。

特にDEELUXEのサーモインナーは表示より小さめの印象で、サイジングボードの値でサイズを選ぶと少々タイトフィットになる場合も多いので、このような場合には適正な捨て寸が確保できるよう特に配慮が必要でしょう。
また、山ボード用に限定するなら操作性よりも快適性を優先させ1サイズ大きなブーツを選び、インソールやソックスで調節するというのも賢明な選択です。

サーモインナーのブーツは、焼く前に履いてもサイズの判断が難しいという宿命を背負っていますから、自分の経験と感性を働かせ自己責任でサイズを決定するしかありません。
焼く前の状態がキツイからといってオーバーサイズを選ぶのも困りものですが、ショップで『操作性を重視する上級者はタイトフィットを選ぶ』などと言われ、見栄を張って爪が内出血するほど小さめのブーツを買って後悔するよりはまだマシかも知れません。(笑)

Spark

さて・・・、私は、以前からランドーネブーツの場合でも爪先に十分な余裕をもった成型をしたい場合には私独自の方法を実践していますので、今回はその裏技を惜しげもなく(笑)初公開することにします。

それは成型前のインナーに適当な大きさの薄紙を軽く丸めた状態で爪先に入れ、そのまま自分の足を入れ薄紙を爪先でインナーに押付けて型を付けることでカスタムトーキャップにしてしまおうというものです。
なお、使用する薄紙の量はトライアンドエラーで決定してください。

Dscf3249
(適当な大きさの薄紙を軽く丸めて爪先に詰める)

手順は、まず軽く丸めた薄紙を爪先部に詰めたインナーに足を入れ、圧縮して型がついたら一旦その薄紙の塊とインソールを取り外します。

その状態でインナーブーツをヒートライザー(あるいはオーブン)で加熱し軟らかくします。

インナーが軟らかくなったらヒートライザーから外し、手早くインソールを入れ、続けて先程の薄紙の塊を取り出した時と同じ向きで爪先に入れた後、下準備をした足を入れて靴紐を強く締め軽く屈伸などしながら10分ほど待ちます。

インナーの温度が冷めれば完成ですが、インナーの爪先部分は薄紙の塊を介してアウターシェルに押し付けられるように整形されるので、足全体にはフィットしても爪先の捨て寸が十分確保されることになります。

Dscf3248
(薄紙が圧縮されインナーの内側と足の型に合ったカスタム・トーキャップができる)

なお、成型時に薄紙の分だけ足の爪先が前方から強く圧迫されて不快感がありますが暫らく我慢しましょう。
冷えてからブーツを脱ぎ、薄紙の塊を取り外し、再び足を入れてみると、見事に爪先に十分余裕がある山ボード用ブーツが出来上がっているのが確認できるはずです。

以前“ビーズバッグ”も試したことがあるのですが、結局この薄紙が手軽で確実のように思いました。

またこの方法で成型すると爪先が後方に押されますので、踵とアキレス腱部分がインナーに密着した状態で固まりますから、踵の浮かない押さえの効くインナーに成型できるという効果もあるはずです。

メーカーの技術者やプロショップの販売員からは原始的だと笑われるかもしれませんが、現実に問題無くできていますし、個人的には下手な人間が純正のトーキャップを使って成型するよりよりずっと上手にできていると確信しています。(笑)




さて・・・・、私は安全のためインナーの成型に正確な温度管理のできる改造ヒートガンを使っています。

しかし、インナーブーツの成型でしたら工夫すればヘアドライヤーでも十分可能だと思います。
スキーブーツのシェル出しには普通のヘアドライヤーだと、(不可能ではありませんが・・・)やや能力不足の感があるものの、インナーブーツを成型する場合はかえってこの非力さが良いほうに働きインナーを安全に加熱する事ができるようです。

前回の記事に対し“jirokichi”さんから頂いたコメントにあったように、ドライヤーと段ボール箱で簡易インナーオーブンを作って成型することもできそうです。
この場合は調理用の温度計が使えそうですし、ドライヤーの能力の関係で極端に過熱することもなさそうですので、チャレンジしてみる価値は十分です。

その他、実験室の定温乾燥機や調理用オーブンを使ってインナーブーツを焼く方も多いと思いますが、何れの場合でも今回ご紹介した爪先の捨て寸を確保する方法はかなり有効だと考えられますので、こちらも是非一度お試しください。



【余談ですが・・・】

又聞きした話なのですが・・・。
スノーボードブーツのサーモインナーを成型する時、未成型のインナーのまま、足が痛いのを我慢して2~3時間滑ってアウターシェルとインナーを馴染ませた後、あらためてオーブンで焼いて成型すると最高のフィット感になると聞いたのですが・・・、誰かやってみませんか?(笑)

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2013年1月 8日 (火)

“DEELUXE-Spark”のサーモインナーを焼く ①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆



エクストーリームな滑りをするならいざ知らず、普通の山ボードには登山靴でも十分通用します。
登山靴は足首の後ろ側が低いので長時間乗るとハイバックが脹脛に当たって少し痛いのと、ビンディングのアンクルストラップの裏が靴紐のフックに擦れて傷みやすい位で、冬用で硬めのアルパインブーツを選択すれば意外と普通に乗れてしまいます。

ビブラムソールの登山靴だとキックステップが効いて急傾斜でも心強いですし、岩場の通過や長い林道歩きがある場合などはボード専用のブーツより圧倒的に有利ですので一度お試しください。

しかし・・・、昨シーズンDEELUXE からBCボード用に登山靴と同じビブラムソールを使用した“Spark”というブーツが発売されました。
これでしたらキックステップもできそうですし、凍結路や岩場の通過でも普通のボード靴より安全に行動できそうです。

Spark
(ビブラムソールを装備したDEELUXE の “Spark” )

そんな訳で・・・、いつもの悪い癖で、興味が物欲を励起し・・・、勢いで購入決定!

しかし、正規代理店経由のブーツはかなり高価だったので、サーモインナーを自分で焼くことを前提に廉価な並行モノを購入しました。

そんな訳で・・・、いつものように自宅で熱成形です。
DEELUXE のサーモインナーは正規販売店では専用オーブンを使用して成型していますので、当初は職場のラボの定温槽を使おうと思いましたが・・・、それでは当たり前すぎて面白くないので今回はブログネタを兼ね、ヒートガンと紙筒を使った自作のヒートライザー(画像↓)で焼いてみることにしました。
(詳細は過去に幾つかの関連記事記事がありますのでご参照ください / また、トライアック・パワーコントローラーは改造したヒートガン以外で使用すると火災の危険がありますのでご注意ください)

Ti_1 Ti_3 Ti_2
(㊧トライアック出力調節器とヒートガン ㊥㊨熱伝対温度計とセンサー部)

作業の手順は簡単です。
自作ヒートライザーの吹き出し口部分に熱伝対のセンサーを取り付け、アウターシェルにインソールを取り外したインナーブーツを入れたままの状態で挿入します。

次にヒートガンのスイッチをONし、温度を監視しながらトライアック・パワーコントローラーのVRを調整し、120℃位で20分弱加熱します。

このトライアックを使ったデバイスは本来の調光用を含め多用途に使用できますので1つ作っておくと便利に活用できますし、費用も2~3,000円位ですみますのでお薦め工作の一つですです。
今回の用途でも、出力を0~100%まで無段階で変えられ微妙な温度調節が可能ですからインナーを焦がしてしまうこともありません。

Ti_4  Ti_5
(インナーに自作ヒートライザーを挿入し、温度管理しながら加熱)

加熱中は温度を監視しつつ、足にトーキャップやパッティング等の下準備をしてし中薄のソックスを履いて暫し待機です。

加熱が済んでインナーが柔らかくなったら手早くインソールを入れ、下準備をしたた足を入れ、靴紐をシッカリ締め少し屈伸しながら暫らく立っていましょう。
冷めれば完成です。

当初、オーブンではないのでインナー上部の脹脛部分が整形されないかな?とも思いましたが、全く問題は無いようです。

私が山スキーで使っているGARMONTのランドーネブーツの場合、オーブンを使って加熱し上段のバックルまで強く締めて成型するとインナーの上部がフレアーしてしまうので(これを防ぐためインナーにストッキングを被せる方法あり、)メーカーでは純正のヒートライザー使用を強く推奨しています。
スノーボードブーツの場合も、ヒートライザーを使用するとオーブン成型のようにインナー上部が開かないというメリットもあるかもしれません。
今回のDEELUXEのインナーの場合、上部の脹脛に当たる部分は軟らかいのでこの状態でも全く問題はありませんでした。
結果としては大成功です!



さて・・・、トライアック・パワーコントローラーが無くても温度調節のできるヒートガンがあればインナーの成型は可能ですし(温度変化に注意!)、熱伝対式の温度センサーも「秋月き電子」の安価な汎用テスター等を使用すればそれ程コストも掛りませんので興味のある方がチャレンジしてみる価値は十分だと思います。

これから家族や友人のブーツを含め、毎シーズンに何度も使用できることを考えれば、これ位は妥当な初期投資ではないでしょうか?。

並行輸入や海外通販で廉価なブーツを買っても、インナーを焼くために、ショップに持って行って頭を下げ、嫌な顔をされた挙句五千円以上請求されたり、高価なカスタムインソールの同時購入を条件にされたりしたのでは、せっかくブーツを安く買った意味がありませんからね。(笑)


さて・・・、サーモインナーの成型で失敗の多いのが爪先部分の「捨て寸」といわれるクリアランスが確保できないことで、この捨て寸が十分でないと歩行中に爪先がインナーに当たって辛い思いをすることになります。

そこで、次回は適正な捨て寸を確保するための、アマチュアでも簡単にできる成形法をご紹介したいと思います。


【以下、続く・・・】

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