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2013年2月 8日 (金)

“ ピンチクリアー / HDタイプ”を作りました

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



Bpc_8
(今回はこれを作りました)

スキー靴のシェル出しや登山靴の当たり出しに必要なのが“ピンチクリアー”という専門の工具です。
この道具さえあればシェル出し自体は思ったほど難しい作業ではありません

ピンチクリアーを入手し、シェル出しが自宅でできるようになれば・・・、高い金を払ってプロショップに頼む必要もありませんし、依頼と引き取りに2日も貴重な時間と労力を費やす必要は無くなるのです。

しかし、ピンチクリアーは専門店用の特殊工具なので単価も十万円以上(外国製だともっと高価!)と素人が購入しても決して元の取れる代物ではありません。
ましてやプロショップ用の油圧システムだとフルセットで一桁も二桁も違うイニシャルコストが必要になりますから、専門店のシェル出し料金の単価が高いのも必然なのです。
彼らを「某GPS代理店」同様にボッタクリ呼ばわりするのは正しくありません。(笑)

さて・・・、1/100秒を争う競技スキー用のブーツの高度なチューニングならいざ知らず、ランドーネブーツの舟状骨や小指の関節の当たりを無くす程度の初歩的なシェル出しに“シンデレラフィットシステム”のフルコンプリートを使用するのは、譬えるならゴキブリを退治するのに44マグナムを使うようなもの・・・、処置としては完全にオーバーメディケーションです。


そこで私は簡易型のピンチクリアーを自作してスキー靴のシェル出しや登山靴の当たり出しを自宅で行い、これまで満足な結果を得ています。
アマチュア用としてはこんなピンチクリアーでも十分な能力はあり、機能面での不満はありませんが・・・、安物のプレス製クランプを流用したものなので見栄えはイマイチでした。(画像↓)

Sd3

そこで、もう少し剛性の高く格好の良いモノを作ろうと考え、懐の深いCクランプはないかと探していたら“ロングリーチ型クランプ”という商品が目に留まりました。(画像↓&↓↓は販売店サイトから借用しました)
懐も158㎜あるし、鋳鉄製ですからこれまで使っていたプレス製のモノに比べかなり丈夫そうです。
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また今回は、ピンチクリアー自作のネックになるリング状部品を既製品を利用して作れないかと考え色々探した結果、工作機械の送りハンドルなどに使用するパーツを見つけたのでこれを加工して使う事にしました。

Mono0203352505070102
(商品名は『朝顔形ハンドル車・φ80㎜』)


材料が揃ったら早速作製開始です。
構造は単純ですから画像をご覧になれば理解できると思います。

Bpc_1 Bpc_3
(Cクランプにリング状パーツと押し出し用半球を組み合わせた)

前作はこのリング状パーツをムク材から削り出しましたが、私のオモチャのような旋盤では限界の大きさで苦労しましたので、今回は楽をしようと既製品のハンドルパーツを使っては見たものの・・・、現実はそう甘くありませんでした。

ハンドルは「握り穴無し」を選んだのですが、握り穴は無くても握りを取り付けるフラット部分の出っ張りがありそれを削らなくてはなりませんし、また深さを確保するため中央を凹状に削ったりする必要があり、素材が鋳鉄であるため結構苦労しました。(画像↓)

Bpc_2_2
(軽量化のため外周も削ってあります)


また、同型のアルミ製ハンドルや、2スポークのアルミハンドルもあるようなのでこちらを選んでおけば加工はずっと楽だったかもしれません。(割高なのと別の加工は必要となりそうですが・・・)


半球状押し出し用パーツは前回同様真鍮の丸棒から削り出しましたが、今回は新たな機能としてネジ部に着脱式の「玦」型断面の樹脂製スペーサーを付加して高さが変えられるようにしてみました。
使用する靴の形状や押し出す部位によって簡単に変更が可能です。

Bpc_4 Bpc_5 Bpc_6
(スペーサーの交換で任意の高さに設定可能)

仕上がりは頑丈で重厚感があり、まさにヘビーデューティー!、好い感じです。
しかし、残念なのは使い勝手は従来の自作ピンチクリアーと変わり無いのに、材料費もヘビーで4,000円以上もかかってしまったということです。

使用頻度の低い自作の道具としては、かなりの無駄遣い感は否めませんね。(笑)
皆さんが自作する場合は安価なプレス製のCクランプと、今回の素材と近似のハンドルパーツを組み合わせれば2~3,000円以内の出費での製作も可能でしょう。

また、半球状パーツは削り出しを用いず大きめの「袋ナット」や「金属球」なども流用が可能でしょうし、リング状のパーツも形にこだわらなければ色々工夫できると思います。

また、シェル出し以外でも、新しい登山靴を初めて使ったら、爪先の余裕では適切なサイズだったのに、試着の時気付かなかった舟状骨の突起にマメができた・・・、などという時にもこのピンチクリアーがあれば問題は一発解消です!

Bpc_7

何れにせよ意を決して一度作っておけば、歳をとって山登りや山スキーができなくなるまで、家族や友人の分を含め長年便利に使えること請け合いです。

皆さんもピンチクリアーの自作にチャレンジしてはいかがでしょうか?。

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コメント

なるほど、こんな器械があるとは知らなかったです。それを自作するとはさすがです。私は足の木型を作って、叩きこんて数ヶ月放置という方法です。気が長い方なので。
https://sites.google.com/site/completewalker/equipments/basics/boots/modify-the-shape-of-boot

投稿: 村上 | 2013年2月 8日 (金) 11時51分

先生まいどです!

普通の登山靴で足の幅が狭いように感じるブーツの場合でも、ワンサイズ上を選ぶのではなく親指や小指の付け根の関節の当たりを出してやると、すごくフィットした靴になる場合が多いですよね。
あと・・・、記事拝見しましたが先生も凄い事やってますね。
こちらこそ脱帽です!

投稿: 理事長 | 2013年2月 8日 (金) 12時23分

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