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2013年2月

2013年2月27日 (水)

BCツアーの連絡用トランシーバー①(特定小電力機編)

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



普通の登山と異なり、山スキーや山ボードのツアーではややもするとパーティーがバラバラになってしまいがちです。

ツアー中の樹林帯で楽しいツリーランを楽しんでいるうちにパーティーが分散し、待っていてもなかなか全員が揃わない・・・、なんて事もままありますよね。

特に山ボードの場合は登り返しができませんので傾斜に引き込まれてパーティーがバラけやすいですし、深雪でコケると10分以上もがいてやっと滑り出せるという事もよくありますから、先に滑った人は仲間がいつまで待っても降りてこないと「何かあったのでは・・・?」「ひょっとすると別の支尾根にでも滑り込んでしまったのでは・・・?」などと余計な心配をしなければなりません。

そんな時便利なのが小型のトランシーバーです。
トランシーバーと言えばまず思い浮かぶのがマチュア無線のハンディー機でしょう。
これだと種類も多く高出力の機種もあるので緊急時の連絡には最適なのですが・・・、ツアー中の頻繁な連絡あるいはレジャーやパトロール隊の連絡業務などはアマチュア無線本来の目的ではないので厳密に言えば免許を持っていても違法という事になってしまいます。

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(アマチュア無線用のトランシーバーは緊急用に最適だが・・・)

そこで合法的かつ簡単な連絡方法として真っ先に考えられるのが、レジャーや業務での使用を前提として認可された420MHz帯の “特定小電力無線器(特小)”というカテゴリーのトランシーバーでしょう。
私もこれを長く使ってきましたが、現在使っているのはSTANDARD(八重洲無線)のFTH208という防水仕様の“特小”です。

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(“STANDARD”の特定小電力機“FTH-208”・一人一台持つと心強い)

数年間モデルチェンジしていない業務用“特小”のベンチマーク的モデルで、小型で僅か130gと軽量ながら堅牢で、しかもIPX7の防水能力がありますから吹雪の中の使用でも安心です。
また、電池も単三アルカリ1本で33時間・・・、丸一日つけっぱなしでも翌日まで通話が可能というかなりの省電設計です。
特に欠点は見当たりませんが、敢えて言えばパワーの割に実勢価格があまりに高額なのが欠点と言えば欠点でしょう。
同等の防水機能を持った廉価な後発モデルもありますので、今ならそちらを選ぶ方が良いと思います。 

ただ、ネットオークションなどで激安の“特小”を見掛けますが、あまり安いものは買わない方が賢明です。
数値上は同じ出力でも受信性能や電池の持ちなど総合的な性能で、まるで役に立たないようなモノも存在するので要注意です。

また、一般的にはトランシーバー本体をザック上部に取り付け(あるいはなるべくアンテナがカバーされないようにトップポケットに収納して)、カールコードで延長されたスピーカーマイクをショルダーストラップの固定しておくとストレスなく交信が行えるのですが・・・、純正の防水スピーカーマイクは単独でも結構重くて嵩張りますので“特小”に使用するには外見上もアンバランスです。(画像↓)

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(特小にも防水スピーカーマイクは使えるが・・・)

しかし、小型軽量な“FTH-208”なら、本体がスピーカーマイクアッセンブリーより軽いですから、胸や袖のポケットに入れたまま交信したり、寒冷時以外はショルダーストラップに直接取り付けて使用しても邪魔にはならないでしょう。(画像↓)

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(A社製ジャケットのオプティカル・レイディオポケットが役立つ数少ない例・笑!)

このように便利なトランシーバーなのですが、“特小”全般の最大の弱点は送信出力が10㎽と非常に小さい事でしょう。
まぁ、10㎽でもスキー場など見通しの良いところだと1km以上は交信できるのですが、積雪期の樹林帯で吹雪などの悪条件が重なったり、谷間と谷間といった場合には100mに満たない距離でも交信ができなくなるなど、条件によって交信距離が大きく変化してしまうのです。 

まぁ、BCツアーのパーティー間連絡位なら八割方はこの“特小”でカバーできますが・・・、本音を言えば「もう少しパワーがあればなぁ・・・」という場面も少なくありません。


(比較的安価に購入できる輸入品の大出力トランシーバーを使っている馬鹿者をスキー場などでたまに目にしますが、これらは国内では電源を入れただけで非合法な開局と見做されるばかりか、他の“特小”を含む業務用通信機器に重大な障害を与える恐れがあるので絶対に使用してはいけません。気軽に考えがちですが、違法無線機の運用は懲役1年以下又は罰金又は100万円以下という予想以上に重大な違法行為なのです。)


そんな訳で、レジャー用として合法的に通信距離を伸ばしたければ350MHz帯の“デジタル簡易無線(登録局)”のトランシーバーという選択肢があります。
これだとアマチュア無線のハンディー機やスキー場のパトロール等が使う一般業務用無線や簡易無線(免許局)と同様5Wで送信できますし、複雑な手続きや費用の負担も少なく簡単な届出だけで手軽に開局が可能です。

しかし、このハイパワーな登録局機も一般的なものは業務用無線機をベースにしている事と5Wパワーでランタイムを維持するための大容量バッテリーを搭載せねばならず、本体も大型で重量も300g程度になってしまい、BCツアー用の装備としては少々重くて嵩張り過ぎです。


・・・で、私としてはパーティー間の連絡用としてだったら出力も1wあればお釣りが来ますので、小型で重量が200gを切るデジタル登録局機はないかな~、と思って調べたら・・・。

なんと・・・、私の条件に合った“DA-DP10”というハンディー機が既にALINCOから発売されていたのです。
しかも、嬉しい事に実勢価格も普通の5W機よりかなりリーズナブルでした!

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(“ALINCO”のデジタル登録局機“DA-DP10”)

ALINCOという会社は無線機としては後発メーカーで、アマチュア無線機ではSTANDARD(八重洲無線)のファンだった私は一度も製品を使ったことの無い会社ですし、デザインもイマイチだったのですが・・・、出力1Wで重さも175g(大容量バッテリーでも195g)というスペックに惹かれ昨シーズンから導入してみました。



【以下、“BCツアーの連絡用トランシーバー②(デジタル局編)”へ続く・・・。】

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2013年2月17日 (日)

”DEELUXE/Spark”のブーツ・フィッティング

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(フィットしている方には必要ありませんが・・・)


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”DEELUXE”の“Spark”はビブラムソール使用のBCボードに特化したスノーボードブーツで、アウターも硬めでソールも厚く、ビンディングのストラップを普通のブーツより1~2段大きく調整しなければならない位全体にゴツイ感じがします。

また、この“Spark”はサーモインナーを使用しており、上手に成形すれば自分の足にジャストフィットさせられるという特徴もありますので山ボード専用と考えるなら現在最高のブーツと言っても良いでしょう。

さて、このインナーブーツを自宅で成型する方法と、爪先部のクリアランスを確保する方法については過去の記事でもご紹介しましたが、”DEELUXE”のサーモインナーは一般的なラスチックシェルのスキーブーツのモールドインナーと異なり、縫製によってパーツを組み合わせたもので踝を押えるL型パッドが付いていたりと、普通のインナーブーツと同様の構造ですし、焼いた後の変形度もモールドインナーより抑制的な感じがします。

そんな訳で、このインナーと硬いアウターシェルの組み合わせだと、ソフトブーツとはいえ使用者の足型とブーツの相性によっては、プラスチックシェルのハードブーツと同様に、サーモインナーを熱成型しただけでは完全にフィットさせられない事もあるようです。
特にタイトフィットが好みの方は、サイジングボードの目盛でジャストサイズのブーツを選んでしまいがちですが、そのような場合足型によっては部分的に当たりが出てしまう可能性はさらに高くなるでしょう。

一般的なソフトブーツの場合、使用している間に自然に足型に馴染んで気にならなくなる事も多いのですが、“Spark”のようにシェルが硬いブーツの場合はそう簡単に馴染んでくれそうもありません。

私の場合も骨折の後遺症で左足が常に浮腫の状態となり右足より容積が大きく、サーモインナー成型後も親指と小指の付け根の周囲が圧迫される状態で、特に小指の付け根の関節が当たって、当初は長時間履くと結構な痛みを感じてしまいました。(右足はサーモインナーを焼いただけでジャストフィットしましたが・・・)

そこで私は、この硬い“Spark”のアウターシェルに自作のピンチクリアーで当たり出しを行ったところ、良い結果が出ましたのであらためてご紹介したいと思います。

まずは当たり出しを行う正確な位置を決める方法の手順を復習しておきましょう。

ここでは、手間は掛かりますが外側からプラハンマーで叩いて位置決めをするより確実な、マグネット法をご紹介します。

①まず、素足の小指と親指の関節の位置(又は当たる場所)に小さなネオジウム磁石をテープで貼り付け、ソックスを履きます。

②そのままインナーブーツを履き、別の磁石を近付けて貼り付いた位置にマークをします。
なお、磁石は両方ともネオジウムなどの強力なものを使いましょう。

③インナーに付けたマークの位置にガムテープでネオジウム磁石を貼り付けます。

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④アウターにインナーを入れ、同様に別の磁石を近付けて貼り付いた位置にマークをします。

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(中央の丸いのがネオジウム磁石)

素足から2工程に分けましたが、こうすると足指の関節部に当たっているシェルの位置が正確に判ります。

後はピンチクリアーの凸状の部分をやっと触れる程度に温め、マークの位置を押し出したまま1日放置すれば完了です。(画像↓)

ソフトブーツのシェルはハードブーツと違い柔らかいので、反作用でブーツの表面がリング状部分で押されて輪状の凹み跡が付く感じになりますが、中央はしっかり押し出されていますので実際に履いてみても問題はありません。 
できるならリングとブーツの間にクッション材を挟むと良いでしょう。

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また、この”DEELUXE”を含め、シューレースのガイドチューブがアウターの中に仕込まれているブーツは、出す位置によってはそれを変形させてしまわないように注意してください。

あと、当たっていると感じるのが小指の付け根だけだったとしても、同時に反対側の拇指球の位置も当たり出しを行っておくと小指方向への押し出しが緩和しますのでさらに良好な状態になると思います。

私の場合は左足のみアウターの両サイドに当たり出しを行った結果、完璧なフィッテイングに仕上げる事が出来ました。

Sbs_4  Sbs_5
(画像の中央に押し出された部分が確認できると思います)


評判の良いプロショップでサーモインナーの成型をしたのに、実際に使用してみたら足に当たる所があって快適ではなかった・・・、という場合には、ショップの技術が悪いのではなくシェルとあなたの足の相性に問題がある場合がほとんどですから、ショップに文句を言ってサーモインナーを再成型してもらったとしても大きな改善は望めないでしょう。

かと言って、硬いシェルが足に馴染むのには丸1シーズンはかかりそうですから、その間ずっと痛い思いをするのは得策ではありませんよね。
そんな場合、まずは今回ご紹介したシェルの当たり出しを検討したほうが良いと思われます。

また、自分でピンチクリアーを持っていない場合は(ほとんどの方が該当するでしょうが・・・)、上記のマグネットを利用した方法で自分で正確に当たる位置をマーキングした上で、ピンチクリアー等のシェル加工工具を持ったショップに持ち込んでマークの位置を加工してもらうという方法が現実的で最善の選択肢になるでしょう。

必ずフィットするだろうと思ってサーモインナーの高いブーツを買ったのに、足が痛いのではがっかりですよね。

しかし、上記の方法を使えば問題は劇的に解消するはずですので、ブーツの当たりが気になる方は是非試してみてください。

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2013年2月 8日 (金)

“ ピンチクリアー / HDタイプ”を作りました

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



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(今回はこれを作りました)

スキー靴のシェル出しや登山靴の当たり出しに必要なのが“ピンチクリアー”という専門の工具です。
この道具さえあればシェル出し自体は思ったほど難しい作業ではありません

ピンチクリアーを入手し、シェル出しが自宅でできるようになれば・・・、高い金を払ってプロショップに頼む必要もありませんし、依頼と引き取りに2日も貴重な時間と労力を費やす必要は無くなるのです。

しかし、ピンチクリアーは専門店用の特殊工具なので単価も十万円以上(外国製だともっと高価!)と素人が購入しても決して元の取れる代物ではありません。
ましてやプロショップ用の油圧システムだとフルセットで一桁も二桁も違うイニシャルコストが必要になりますから、専門店のシェル出し料金の単価が高いのも必然なのです。
彼らを「某GPS代理店」同様にボッタクリ呼ばわりするのは正しくありません。(笑)

さて・・・、1/100秒を争う競技スキー用のブーツの高度なチューニングならいざ知らず、ランドーネブーツの舟状骨や小指の関節の当たりを無くす程度の初歩的なシェル出しに“シンデレラフィットシステム”のフルコンプリートを使用するのは、譬えるならゴキブリを退治するのに44マグナムを使うようなもの・・・、処置としては完全にオーバーメディケーションです。


そこで私は簡易型のピンチクリアーを自作してスキー靴のシェル出しや登山靴の当たり出しを自宅で行い、これまで満足な結果を得ています。
アマチュア用としてはこんなピンチクリアーでも十分な能力はあり、機能面での不満はありませんが・・・、安物のプレス製クランプを流用したものなので見栄えはイマイチでした。(画像↓)

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そこで、もう少し剛性の高く格好の良いモノを作ろうと考え、懐の深いCクランプはないかと探していたら“ロングリーチ型クランプ”という商品が目に留まりました。(画像↓&↓↓は販売店サイトから借用しました)
懐も158㎜あるし、鋳鉄製ですからこれまで使っていたプレス製のモノに比べかなり丈夫そうです。
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また今回は、ピンチクリアー自作のネックになるリング状部品を既製品を利用して作れないかと考え色々探した結果、工作機械の送りハンドルなどに使用するパーツを見つけたのでこれを加工して使う事にしました。

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(商品名は『朝顔形ハンドル車・φ80㎜』)


材料が揃ったら早速作製開始です。
構造は単純ですから画像をご覧になれば理解できると思います。

Bpc_1 Bpc_3
(Cクランプにリング状パーツと押し出し用半球を組み合わせた)

前作はこのリング状パーツをムク材から削り出しましたが、私のオモチャのような旋盤では限界の大きさで苦労しましたので、今回は楽をしようと既製品のハンドルパーツを使っては見たものの・・・、現実はそう甘くありませんでした。

ハンドルは「握り穴無し」を選んだのですが、握り穴は無くても握りを取り付けるフラット部分の出っ張りがありそれを削らなくてはなりませんし、また深さを確保するため中央を凹状に削ったりする必要があり、素材が鋳鉄であるため結構苦労しました。(画像↓)

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(軽量化のため外周も削ってあります)


また、同型のアルミ製ハンドルや、2スポークのアルミハンドルもあるようなのでこちらを選んでおけば加工はずっと楽だったかもしれません。(割高なのと別の加工は必要となりそうですが・・・)


半球状押し出し用パーツは前回同様真鍮の丸棒から削り出しましたが、今回は新たな機能としてネジ部に着脱式の「玦」型断面の樹脂製スペーサーを付加して高さが変えられるようにしてみました。
使用する靴の形状や押し出す部位によって簡単に変更が可能です。

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(スペーサーの交換で任意の高さに設定可能)

仕上がりは頑丈で重厚感があり、まさにヘビーデューティー!、好い感じです。
しかし、残念なのは使い勝手は従来の自作ピンチクリアーと変わり無いのに、材料費もヘビーで4,000円以上もかかってしまったということです。

使用頻度の低い自作の道具としては、かなりの無駄遣い感は否めませんね。(笑)
皆さんが自作する場合は安価なプレス製のCクランプと、今回の素材と近似のハンドルパーツを組み合わせれば2~3,000円以内の出費での製作も可能でしょう。

また、半球状パーツは削り出しを用いず大きめの「袋ナット」や「金属球」なども流用が可能でしょうし、リング状のパーツも形にこだわらなければ色々工夫できると思います。

また、シェル出し以外でも、新しい登山靴を初めて使ったら、爪先の余裕では適切なサイズだったのに、試着の時気付かなかった舟状骨の突起にマメができた・・・、などという時にもこのピンチクリアーがあれば問題は一発解消です!

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何れにせよ意を決して一度作っておけば、歳をとって山登りや山スキーができなくなるまで、家族や友人の分を含め長年便利に使えること請け合いです。

皆さんもピンチクリアーの自作にチャレンジしてはいかがでしょうか?。

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