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2013年5月16日 (木)

BCツアーには“BOTHY BAG”か“ツェルト”か?

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆
(記事にある“BOTHY BAG”を2人で使った場合の評価です)


日帰りのスキーツアーでもツェルトは必携です。
悪天時にはこの薄い布一枚有るか無いかでランチタイムが天国になるか地獄になるかが決まりますし、イザという時には本当に天国に行かないですむかもしれないからです。

さて、冬山登山やスキーツアーなど、雨の心配のない厳冬期に使うツエルトの理想は、ノンコーティングのタフタ地で作ったものでしょう。
ところが、この通気性が高く結露も少ないため冬には快適なノンコーティング地のツェルトも、雨には無力ですから使用時期が限定されてしまい、そのため一般には市販されていません。

少々前の事ですが・・・、私も山スキーで使う冬専用のツェルトが欲しくて調べたところ、“アライテント”が快く受注生産に対応してくれるという事でした。
本気で発注しようと思っていた矢先に、たまたまネット上で通気性のあるノンコート地でありながら、かなりの撥水性を持つナノテックスという生地で作られたツェルトがあるのを見つけたのです。

それが、テントメーカーではありませんが、好いシュラフを作っている“NANGA”という国内メーカーの、“ナノテックスツェルト”という商品です。
通気性が高く撥水性に優れ4シーズン対応というふれこみだったので試しに買ってみることにしました。

まぁ、雪山の休憩用にしか使っていないので正確な評価はできませんが、冬季限定と考えるならノンコーティング地製同様に快適なツェルトと言うことができそうですし、ノンコートのタフタ製と違い雨の心配も必要な春のスキーツアーにも安心して持って行けそうです。
また、柔らかく通気性のある生地なので畳むのも楽で非常にコンパクトに収納でき、重量も320gとそこそこ軽量なのも好印象です。

Bothy_2
(ナノテックスツェルトは外見もいたってシンプル)

とは言え、所謂「日本のツェルト」は一般的に小型のテントという範疇で作られており、ポールで屋根型テントのように建てられる形状で底割れ式のフロアーが設けられている物がほとんどです。
したがって簡易テントとしては使い易い反面、スキーツアーで休憩時にただ被って使うような場合には少々無駄や問題があるのも事実でしょう。

一方、欧米では休憩時や緊急時ただ被って使用するための、フロアーが無くまた頭周りの空間に余裕を持たせた“ブーシー(Bothy)・シェルター”あるいは“ブーシー・バッグ”と呼ばれるツェルトが多用されています。

そこで私はLIFE SYSTEMS”の“2 PERSON SURVIVALSHELTER”という“BOTHY BAG”を試しに買ってみました。
シルナイロン製で二人が向かい合って座れるスペースがあり、天井外側にはリフレクティブテープが縫い付けられ、また側面には透明な窓とベンチレターが設けられています。

このベンチレターは収納袋も兼ねていますが、本体生地に張りがあるため強風時などにこの小さな収納袋に収めるのは苦労するかもしれません。
また、重量も450gと結構重く生地の性質でやや嵩張りますが、緊急時に命を託す事を考えればこの位シッカリしたモノの方が安心できます。
ただ軽ければ良いってものでもありませんからね。

Bothy_1
(収納状態はJETBOIL-SOL より一回り大きい)

さて、実際に使ってみると頭の周辺に余裕があり快適ですが、スキーブーツを履いた二人が向かい合って座り、中央でストーブを使用するなら長手方向がもう少し長いとさらに快適だろうと思います。
また、強風時には頭の周辺の生地が風に煽られて普通のツェルトよりバタつく気がしました。(画像↓は中に1人しかいないので形状が分かり難いかな?)

それから、透明の窓はあると結構便利ですが、収納時にシワシワになりますので長期保管時には大きめのスタッフバッグに収納すると良いでしょう。

Bothy
(透明な窓は結構便利!)

上の画像は実際に使用した時の様子ですが、このような用途には(2人で使用し中央でストーブを使わない場合)通常のツェルトよりも快適かもしれません。
また、3~4人パーティーのBCツアーで使用するなら、このタイプの4人用を持って行けば昼間から楽しい宴会だって楽しめそうです。

いずれにせよこの手のシェルターは、一人で使うならいざ知らず複数で快適に使用したいと思うのなら、少々大きめの物を選ぶ必要があります。
昨今はミニマム指向というのか、軽量化優先で山道具を選ぶ傾向が顕著ですが、やはり山道具選びには「軽さ」と「丈夫で快適に使えるか」というアンチノミーに何処で折り合いを付けるかという視点が大切なんじゃないでしょうか?。
道具は「使えてなんぼ?」が基本ですし、山登りは「修行」でなく「遊び」なんですから、安全で快適でないと面白くありませんからね。


さて・・・、先に紹介した“ナノテックツェルト”も素材以外は普通のツェルトですが、通気性があって結露も少なく、2人向かい合って座った時に中央でストーブの操作をするスペースも広くとれ、しかもコンパクトで軽量ですから、冬に2人で使用することを前提にすれば、総合的に判断して“LIFE SYSTEMS”の“2 PERSON SURVIVALSHELTER”と比べても甲乙付け難いといったところだと思います。

目新しくてお洒落な“BOTHY BAG”と、オーソドックスで汎用性の高い普通の“ツェルト”・・・、さぁ、皆さんだったらどちらを選びますか?
悩んだら両方買っちゃいましょうか。(笑)

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コメント

いつも記事を参考にさせて戴いてます。

実は、ツェルトをテント代わりに軽量化のためにも使う目的でナンガ社のものか、ファイントラック社のものか迷っておりました。なにかご存知でしたら教えてください。

“ブーシー・バッグ”というのは、知りませんでした。4~6、8~12名用というのもあるようなので、山の会での冬山山行時には、便利かもしれませんね。
但し、底がないのでテント代わりには、厳しいのでしょうか?

投稿: てっちゃん | 2013年5月27日 (月) 11時00分

“てっちゃん”さんようこそ!
早速ですが、テント代わりに使うならナンガは縫い目などをしっかり目止めしないとチョット心配な感じがします。
ファイントラックも良いのでしょうが、私は形状が寄棟型の物より、アライ製とかのオーソドックスな切妻型の方が居住性や雨仕舞の面で良いような気がします。
また最近ファイントラックに縦が220㎝のロングタイプのものがあるのでテント代わりならそれがお薦めですかね。→
http://www.finetrack.com/product/detail_FAG0107.html

またブーシーは休憩やビバーク用で、雪洞との併用以外宿泊はキツイでしょうね。
では今後ともよろしく。

投稿: 理事長 | 2013年5月27日 (月) 11時28分

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