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2013年6月

2013年6月23日 (日)

スキー用シールをスプリットボード用に改造する

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



【失念して続編を書き忘れていましたが、1年以上前の記事『スプリットボード用スキンに改造する!(テール編)』の続きです】


以前はVoileしか選択肢の無かったスプリットボード用のクライミングスキン(シール)も、最近は複数のメーカーから発売されるようになりました。

しかし、残念ながら需要の少ないスプリットボード専用のクライミングスキンは通常でも値引き率が低く、シーズンオフになっても滅多に大バーゲン価格にはなりません。

一方スキー用のシールはシーズンオフに、ショップや通販サイトによっては結構な値引きで販売される事も珍しくはありません。
そこで、今回はスプリットボードのみ購入してシールをどうしようか考えている方にバーゲンで廉く買ったスキー用シールをスプリットボード用に仕立て直す方法について述べてみたいと思います。

さて、改造するスキーシールは最近のブラックダイヤモンド製“STSアセンション・スキン”のようなアジャスタブル・チップループを使ったものが改造しやすいでしょう。(画像↓)

Bdsts

モヘアでもシンセティックでも、スプリットボードで使うなら思ったほどの違いはありません(?)ので、価格で選んでも問題無いでしょう。
また、バーゲン価格で買えるなら最近話題のニュータイプのグルー(?)を使ったものや、ハイトラクションタイプのスキンをスプリット用に改造しても面白いかも知れませんね。

幅は140㎜が基本ですが、使用するボードの幅に合わせて決めてください。
今回の画像で例にしたボード、K2/Panoramic なら130㎜でもなんとかなりそうです。

また、以下の画像で例示したG3のトップフック部をラミネート構造にしたシールはこの改造には向きませんが、今回の例で使用したBDの“アジャスタブル・チップループ・キット”や、ヨーロッパタイプのトップフィックス金具をが入手できればそれをリプレースできます。

しかし、残念ながら“アジャスタブル・チップループ・キット”は今シーズンから代理店L社のカタログからは落ちてしまいました。
本国のカタログには今でも載っていますので、日本の代理店が面倒なので小物の取り扱いを止めたのでしょうか?。
どのような理由かは別にしても、本国で買えるものを日本の代理店が取り扱わないというのもどうかと思いますよね。

Skiskin_6
(BD製のチップループとG3のシールの合体・センターテープはこの後20㎝カット)

“アジャスタブル・チップループ・キット”が入手できなければ、入手の容易な従来型のカシメで留めるヨーロッパタイプの金具をパーツで購入すればG3だけでなく何処のメーカーのシールでも改造が可能です。(画像↓)

Tloop


改造のポイントはチップループの角度ですが、スプリットボードの先端にコンパスの針を置き、ストレート側とカーブエッジ側に等距離のマークをしてその2点を結ぶ線を目安にチップループの角度を決めましょう。(画像↓)

Skiskin_7

テール側のストレッチベルトの引き代を考えてシール後端の位置を決め、ストレートサイド側のエッジから2㎜離した位置にシールを貼り、先ほどマークした線を目安にシールを斜めにカットします。
後は説明書通りにチップループを取り付ければノーズ側は完成です。(画像↓)

Skiskin_4

続いてテール側に、画像のように改造したテールクリップを取り付けます。
この改造の詳細については過去の記事を参考にしてください。
ノーマルのG3/テールクリップだとストレッチベルトがストレートエッジ側に斜めに引かれてしまうので使用は難しいでしょう。
G3のテールクリップを改造するのが難しいなら、お金はかかりますがSpark製のテールフックを使うことも可能です。
(この例のK2のスプリットのようにトップとテールにスリングホールのある板の場合はこれを利用してシールを固定する方法も工夫できそうです)

Skiskin_3 Skiskin_5
(改造したG3製テールフック)

最後に、ストレートエッジ側のシールの端をエッジから4㎜の位置に貼り直し、サイドカーブ側の端をエッジに沿ってカットし、一旦剥がして再度左右をエッジから2㎜の位置に貼りなおせば片側は完成です。

続いてもう一方も同様に加工しますが、スキーと異なり左右がア・シンメトリカルなので、くれぐれも同じ形のものを2個作るという失態だけはしないように注意しましょう。(笑)

チョット手間はかかりますが、VOILEやK2のコンプリートセットではなく、スプリット・ボードを単体で購入される予定の方は、スキー用シールのバーゲン品を格安で購入して改造すれば、テールフィックスタイプのスプリット用シールを定価で購入するよりはずいぶん安上がりで作れるはずです。

シーズンオフが格安のシールを入手するチャンスですから、来季に備えてスプリットボード用のシールを調達するのはいつですか? 
「今でしょう!」(笑)。



【余談ですが・・・】

先ほど、太平洋をヨットで横断中遭難した某ニュースキャスター氏が無事救助されたというニュースを聞きました。

このニュースキャスター氏は建前だけではなく、本音のコメントも織り交ぜて語るので私も結構お気に入りだったので、救助の報を聞いて本当にうれしく思いました。
また、あれだけの遠方に居ながらラフトにE-PIRBが装備されていて、海上自衛隊が動けばこんな短時間で救助出来るものなのかと感心した方も多いんじゃないでしょうか。

・・・と同時に、最近は、池に落ちた犬を岸から棒で突いて喜ぶような健全な精神を持った人が増えましたから(笑)、私は今後このニュースキャスター氏が一部の世論でバッシングされるのかなぁと少し心配になっています。

海自が航空機まで出動させたとなれば、今回のケースでは短期間で救助されたとはいえ民間のサービスに換算すると、おそらく千万円単位のコストが掛かったということになっちゃうからです。

一般論ですが、漁師の仕事中の遭難でも、大金持ちが数億円のクルーザーに乗って遊んでいる時の事故でも、それが海の上の出来事ならすべて“海事(maritime affairs)”の範疇ですから、救助費用は全部税金持ちです。
助けられても「どうも有難うございました。御恩は一生忘れません」の言葉以外当事者の身から出ていくものは何も無いのです

一方では山での遭難ではどうでしょう?
県警のヘリや常駐隊の方だけが出動するならいざ知らず、民間のヘリを使えば10分ウン万円・・・、地元で民間の救助隊が組織され出動すれば日当@○×△・・・、で信じられないくらいの救助費用が当事者に請求されてしまうのです。
まぁ、これで無事救助されれば金は掛かったとしても一応は目出度し目出度しなんですが・・・、不幸にして最悪の結果に終わった場合は、さらに救助に当たられた方へのお清め代まで遺族の肩にのしかかってきます。

二次遭難の危険も顧みず命懸けで救助に当たってくれる方々の行為は、金銭には換算できない崇高なものだと感じざるを得ませんが・・・、昨今、山岳遭難の場合に、これまで公費で負担していた分の救助費用にまで受益者負担の原則を持ち込もうとの動きがあり、また世論的にも広く賛同を得ているようなのはとても気がかりです。

特に、私みたいな貧乏人はクルーザーなんか買って遊ぶ金も暇もありませんから、山登り位しか自然に親しむ手段が無いんですよね。
だいたい山登りを楽しむ方は殆どが私と同じような境遇なんじゃないでしょうか?(失礼!)

某総理大臣在任時以降、自己責任で・・・、とか、受益者負担で・・・、とか言われると正論めいて聞こえる空気が広がっちゃったようですが、なんか嫌な感じですよね。
そんなに金を払うのが嫌なら、万が一の時に備えてたっぷり保険に入っとけ!と言われそうですが本質はそんな事ではないと思うんです。

憲法を持ち出すまでもなく、私達は須らく平等であって、金持ちでも貧乏人でも命の重さは同じだという建前は万人が認めることだと思います。
だったら、金持ちでも貧乏人でも、仕事でも遊びでも、海でも山でも命が危険にさらされた時に、経済的な要因でその対処に差が生じるような事があってはダメだろうと私は思うんです。

山の遭難の場合では「好きで山に遊びに行って、自分の不注意で遭難したのに、俺達の払った税金を使ってで助かろうなんて虫の良すぎる話だ!自業自得で、他人を危ない目に合わせて迷惑かけてるんだから金くらい自分で払え!」という言葉が正論に聞こえる社会は、それは文化的に貧しいと言うことなんじゃないでしょうか?

だんだん酔いが回ってきて論旨がぐちゃぐちゃになりそうなのでこの辺で終わりにしますが、私は自然の中で遊ぶことを楽しみとしている人や、自然を相手に冒険している人を温かい目で見る人の多い社会こそ本当に豊かな社会なんだと思いたいのです。
私たちは“ホモ・ルーデンス”なんですから、本気で真面目に遊んでいる人を、本気で真面目に働いている人と同じくらいリスペクトする社会であってこそ本当に素敵な社会と言う事になりますよね。

最近の三浦雄一郎さんの本気の遊び(半分は商売ですが・笑)と、結果としての快挙に対するメディアの反応を見て、日本もそんな楽しい社会になりつつあるのかなぁ?と喜んだんですが、今回の遭難でニュースキャスター氏が「もう二度とこんな冒険はしません!」みたいな台詞を口にするのを聞いてちょっと寂しくなっちゃいました。
確かにスキッパーのニュースキャスター氏とハンデキャップのあるクルーの御両人に、どれだけ外洋帆走の経験があったのかなど、私にも突っ込みたい点は沢山あるんですが・・・、今回は「盲亀浮木の譬え」みたいに希な、漂流物との衝突が原因のようですし、取り敢えず命を懸けた挑戦をしたけど失敗して、本来なら死んじゃうところを辛うじて助けられたわけですから・・・、私としてはまず「助かってよかったね、今度はもっと準備をして再挑戦だね!」って言ってあげたい気がします。

・・で、酒が回って何を言いたいのか分らなくなりましたので、明日シラフになったらこの記事は削除するかもしれません。(笑)

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2013年6月17日 (月)

クライミングスキンのメンテナンス

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



【時期外れですが(笑)今回はシールのメンテナンスについてです】

 

最近は粘着性グルーを使用しないタイプのシールも登場しており、それなりに優れた点はあるようですが使いこなすにはやはり少々慣れが必要な気がします。

Ct
(CT40も使ってみましたが・・・)

私のような歳になると、慣れの問題もあるのでしょうがやはり30年以上連れ添った従来型のグルーを使用したシールに、しっかりメンテナンスをして使用した方が安心して使えるような気がします。

しかし、言葉でメンテナンスと簡単に言っても実際の作業はそう容易く快適な作業ではありません。
手間も時間も掛かる作業ですし、おまけに着衣や周囲が汚れて家族の非難を浴びることも少なくないでしょう。

そんな訳で、今回はシールのメンテナンスが少しでも楽になるようなヒントを、私の経験から述べてみたいと思います。

メンテナンスについてはウェブ上でも多く紹介され各人がそれぞれ経験に基づく方法を紹介しているので、屋上屋を重ねるの感もありますが・・・、中段に紹介する“シールメンテナンス板”など目新しいところもありますのでしばらくお付き合いください。

このメンテナンス用の板を使えば、テーブルの上での作業も可能で、自分が動かなくても板を送って順次作業ができますので本当に重宝します!。
私もこれが無いと作業をする気が起きないくらいの便利道具ですから、複数のシールを所持し長くシールとお付き合いするつもりなら是非お勧めしたい工作です。

なお、メンテナンス中の画像がありませんが、作業中は手もベトベトでカメラを持つ余裕がないためです、ご容赦ください。(笑)


私見ですが、接着力が少し落ちたくらいで、シート状のグルーリニューなどの全面張り替えはしない方が賢明だと思います。
とにかく面倒な作業ですし、私の経験から言えば、保存中にネバネバ状態になったりメンテナンス後の寿命が短くなったりしたのは、今思えば全面張り替えをしたシールの場合でした。

このタイプはシート張替え後にアイロンでグルーを定着させるのですが、私の場合そうして張り替えたグルーの寿命が明らかに短くなってしまった気がするのです。(私が念入りに熱を加え過ぎてしまったのが原因かもしれませんが、最悪のネチョネチョ糸引き状態になったのは自分で張り替えたシート状グルーと、ある時期のG3のシールだけです)
もしこのタイプを使うなら、代理店“ロストアローの”サービス情報を参考にしつつも、アイロンでの加熱は適温かつ最小限にしたほうが良いような気がします。(?)


シーズン初めに半年以上ほっておいたシールのグルーが乾燥して、きちんと貼っても折り癖の部分が板から離れてしまう程度の位接着力低下がある場合は、まず付着したゴミを“毛抜き”で丹念に取り除き、両方の糊面同士を直接張り合わせて剥がす動作を何回か繰り返してみましょう。

それでも接着力がイマイチと感じたら、チューブ入りのグルーをテール側と両サイドを中心に薄く部分塗りしてシーズン初めに1回使ってみましょう。
この場合、センターテープを避けて塗れば、テープは貼ったままで構いません。

それで問題無く使えるなら、そのシーズンはこれで乗り越えられます・・・、たぶん。(笑)

また、この程度だったら、グルー面にクッキングシートを当ててその上からアイロン(中温・80~90℃)をかけるだけで接着力が回復すると聞きましたが、これで効果があり、またグルー劣化の心配が無いなら簡単で好いと思いますので、誰か実験した方がいらっしゃったらコメントをいただければ幸いです。

Sk_2
(中央がセンターテープ)


貼り流しの場合はテール30㎝が重要で、特に後端の5センチは付着したゴミを取りのぞいて表面が平滑になるようにグルーを塗ってください。

それでもテール部分に凹凸があるようなら、そこだけ前述のような方法でアイロンやローラーをかけ、できる限り平滑にしておくのも良いでしょう。


全体に接着力がかなり低下した場合は全面に薄くグルーを塗り足します。
この場合は程度によりセンターテープを一旦剥がし、塗り直し後再度貼り付けるようにしても良いでしょう。
センターテープの一方を外しクルクル巻いて端に輪ゴムやピンで固定して作業をするか、面倒なら両端を切ってしまって別に保管しておき、予備乾燥後貼り直しても構いません。


Sk_3
(センターテープは剥がして作業しても構わない)



上記メンテナンス作業には専用の板を作っておくと圧倒的に作業が楽です。(画像↓)

Skin_1_3
(二十年以上?愛用の自作のシールメンテナンス板)

画像のような幅約20センチ、長さ180㎝位の厚めの合板で、両端でテンションを掛けてシールを固定出来るようにしておきます。(貼り流しの場合はピンでテール末端を固定します)
折り癖のついたシールでも真っ直ぐにピンと張ると作業は楽です。

ホームセンターで1枚のコンパネ合板を買ってその場で縦に4等分してもらえば2セット分作れますから、友人と相談して一緒に作ると良いでしょう

なお作業時には板とスキンの間に新聞紙をはさみます。

Skin_2 Skin_3
(㊧トップ側、中央の穴にオシャブリで留める、 ㊨テールはクリート型アジャスターでテンションをかける)


グルーの塗布は簡単なメンテナンスの場合ヘラやブラシを使わず「指」でグルーを少量づつ塗り拡げるとサイドにはみ出したりしませんし、結局楽に作業ができます。
楽をしようと1カ所にドバッっと絞り出してからヘラ等で塗り広げようとすると厚塗りになったり、塗りムラが出来たり横にはみ出したりするので要注意です。

粘着力回復が目的の場合、なるべく薄塗りにしたほうが経済的ですし、表面が凸凹にならずに済みます。

有機溶剤を使用しているので、マニュアルには直接触れるなと書いてあるのですが、私の場合自己責任で指を使ってグルーを延ばしています。(皮膚が過敏な方は絶対に真似しないでください!!)

指がべとべとして不愉快ですが、刷毛やプラスチックのヘラで塗ったとしても結局グルーが手に付着しますのでそこは割り切って我慢しましょう。
作業後はウェスで手指を良く拭き取り、アセトンやシンナーでベトベトを落とす必要があります。

また、グルーは何でもよいのですが、私はBDの“ゴールドラベル”を使っています。
以前の缶入りからチューブ入りになって指での塗布作業が楽になりました。(笑)

Sk_1
㊤旧ゴールドラベル接着剤、㊦最近のゴールドラベル接着剤)

作業後は安全な所に吊るして少なくても一昼夜以上予備乾燥し、できれば次にスキーに貼って一昼夜置き表面を平滑にしてからチートシートに貼って保管しましょう。

室内で動物を飼っている方は予備乾燥の場所に十分配慮してください。
知人の失敗談に『通称・猫ホイホイ事件』や『通称・奥さんホイホイ事件』があります・・・、内容は敢えて述べるまでも無いでしょうが、両者とも結果が超悲惨だったことはご想像のとおりです。(笑)
そして、作業時の服装は捨ててもいいような物を着用しましょう。
服に着いたグルーは洗濯では絶対に落ちません。


※私も現在は山スキーに行く頻度が少なくなっていますので、スキーの買い替え(シールも買い替え)までの間は、ほぼ以上のようなメンテナンスで済んでしまいますが、使用頻度の高い方や一本のスキー(シールも!)を長く使う方は下記のリストア作業も必要になると思います。



表面のゴミが取り除けない程多くなってしまったり乾いて(?)ほとんど貼り付かなくなってしまった、あるいはネバネバ系の劣化が進行した場合には、グルースクレーパーで古い糊を取り除き新しいグルーを塗ります。
アイロンで紙に転写して除去するより電熱スクレーパーが便利です。
シール固定板にしっかり取り付け、電熱スクレーパーを使い端からロール状に古いグルーを一気に除去してしまいます。
私は大容量の半田鏝にアルミ板を取り付けて自作した電熱スクレーパーを使っていますが、とても能率よく糊の除去ができますし、スクレーパー部を取り外せばシールのカット面を焼くのにも便利に使用できます。


スクレーパーで古い糊を除去した場合は、厚めにグルーを塗ります。
そのため、シールの植毛面側から接着力の弱い養生テープや幅広のマスキングテープをシールの端からはみ出すように貼って植毛面にグルーが回らないようにしてから、この場合は指でなくカード状のヘラを使ってグルーを厚めに平滑に塗り拡げます。

できれば、半日乾燥してからもう1~2回同じ作業をしたほうが良いでしょう。

(糊面は平滑な状態が理想なので、この後クッキングシートを貼ってアイロンがけをすることを奨励している方も多いようですが私はやった事がありません)

シールの接着力がグルーの塗り足しでは回復不能と判断された場合、普通はグルーリニュー等のシート状グルーをアイロンで張り替えるのですが、私は冒頭に述べた理由で、この方法は最後の手段と考えています。


以上のように、シールのメンテナンスはなかなか手間の掛かる面倒な作業ですが、この手間を掛けることで『吹雪の中、泣きながら凍える手でシールと格闘しないで済む・・・』と思えば安いもんだと考えて頑張りましょう!(笑)

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2013年6月12日 (水)

(番外編)犬用でいいなら・・・?

便利度 :★★★☆☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆

登山中、水場で冷たくて美味しそうな清水が湧いていたら一休みしてのどを潤したくなるのが人情ですよね。

そのためには、ザックの外にナス環でチタンカップなどをぶら下げておけば良いのですが、私としてはザックにコップをブラブラさせるなど『カッコ悪いコト』と考え、中学生以来50年間ずっとそうする事を痩せ我慢してきました。

しかし、昨年山道具屋で“Sea to Summit”のシリコンラバー製のフォールディング・カップを見つけたのです。
「これだったらザックにぶら下げなくてもサイドのポケットの中に隠しておける!」と考え、早速購入!
そして、縁の部分に穴を開け細引きを取り付け失くさないように留めておけるように改造しました。

Fc_3 Fc_6
(“Sea to summit”のXカップ/改)

重さ的にはこんな小さなカップで60gと重く、チタンの小さなコップを持って行く方が軽いのかもしれませんし、正直な話、食器としては使い難いと言う印象ですが・・・、とりあえずこれでザックにコップをぶら提げなくても、水場で苦労せず納得いくまで水が飲めるようになった訳です。

「目出度し、目出度し!」なのですが・・・、先日ホームセンターで同じようなシリコン製の折り畳みカップを見つけました。
しかもペット用品売り場だったのでビックリし、値段を見てまたビックリ・・・、なんと398円也!

まぁ、ペット用なので人間様と同じ食品衛生法の検査は通っていないのかも知れませんが、同じシリコン製だし・・・、それより私は山では沢の水だって犬みたいにガブガブ飲んでいるんですから食品衛生法もヘチマもあったもんじゃありません。

Fc_4 Fc_8
(“Pet's One”の折り畳めるペット食器)

しかも穴の開いた取っ手が付き、オマケとしてアルミのナス環まで付いて398円です。
当然のように早速購入してみました。

まぁ、本家の“Sea to Summit”とはピッタリ同じサイズが無いので単純比較はできませんが、同等品との比較をしてみますと・・・。

“Sea to Summit”の製品では。
「X-カップ」 (φ  90㎜×H70㎜)が、 998円。
「X-マグ」 (φ110㎜×H75㎜)が、1375円です


Fc_1


一方ホームセンターで私が買った。
「Pet's One/ 折り畳めるペット食器」 (φ110㎜×H50㎜)は 398円で、しかも穴の開いた取っ手とナス環が付いてきます。
この取っ手が有るのと無いのでは使い勝手に格段の差がありますし、穴があって吊るしておけるというのも大きなメリットです。

Fc_2
(近くで見ると犬猫用と判ってチョット格好悪いが・・・)

犬用だからとはいえ、この価格の差の理由は何なんでしょう?
ナス環だけだって100円位はしますから、人間用と比べて実質三分の一の価格という事になり、かなりお買い得な気がしませんか?。(あるいは、人間用がボッタクリ価格なのか・・・?)

この手のシリコンラバー製のフォールディング・カップを欲しかった皆さんは、明日一番でホームセンター(カインズ・ホーム)のペット用品売り場に直行してください。

但し、犬猫用の食器で良ければ・・・、ですが。(笑)

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2013年6月 8日 (土)

“BD/Whippet”を手袋に優しくする

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



BDのセルフアレストポール“ウィペット”は以前のモデルに比べピックの造りが堅牢になり、ルートによってはこれを持つことで装備からピッケルを省略する事も可能です。

スキーポールとしては重たいのと、2段式のため仕舞寸法が長すぎるのが弱点ですが、私はこれを状況に応じて短く収納できるように改造して汎用性を高めて使用しています。
(来シーズンには3段の“ウィペット”が発売されるそうなので、現段階では改造するよりその発売を待ったほうがよさそうです)

さて、この“ウィペット”ですが、当初は大きな問題は無いと思っていたものの、これまで使ってみて些細ですが幾つか気になる所を見つけました。

その一つが、今回の記事で紹介するピックの部分の形状に起因する問題です。

グリップを普通に握っている時には問題無いのですが、登行時にピッケルを持つようにピックを上から横向きに握ったり、ピックを前向きにしてグリップの頭に掌を当てるように持った時、ピック上部から横に張り出したフィンのような部分の先端がグローブに擦れてしまうのです。

Wpt_1 Wpt_3
(格好は良いが三角の部分が尖がり過ぎ!)

このフィン状部分は軟雪での抵抗を高めるためにあるものなのでしょうが、チョット大きい上に明らかに角がやや尖がり過ぎだと思います。

この三角の突起はビンディングやスノーシューのヒールリフターを起こすのには役立つかもしれませんが、それだったらピック先端を使えばいいだけの話ですから、この形状であるべき大きな理由は見当たりません。

デザイン的にはラディカルでカッコイイのですが、問題はこの部分が人差し指や掌に当たって不快なだけでなく、先端の角の部分がグローブに擦れてレザーを傷めてしまうのは大きな問題です。
私が貧乏性のせいか、高価なグローブに疵が付いた時は思わずムッとしてしまいました。

Glb_3
(高価なグローブ・笑)


そんな訳で、グローブのためにも早速改造です!
まず、尖った部分を金鋸で切り落し、ベルトサンダーで大きなRに仕上げ、断面の角部分を大き目に面取りをして手に優しい形状に整形します。
電動工具を使用する時は過熱しないよう冷水で冷やしながら少しづつ削ります。
心配なら、手ヤスリで仕上げるのも良いでしょう。

Wpt_5 Wpt_4
(この位のRだと握っても違和感は無い)

ラフに仕上げた後、最後にサンドペーパーで滑らかに磨けば完成です。
ついでですから、同時にサンドペーパーでグリップ近くのセレーション部のバリも滑らかにして大きめに糸面をとっておきましょう。

さて、このままでも実用上は問題無いのですが、ピック全体が黒染め仕上げになっているのに、加工した面だけピカピカなのは気になりますし、このままでは赤錆も目立つでしょうから周りと同様黒染めと呼ばれる表面処理をしておく事にしました。

Whippet_3
(加工した面を黒染めしてみた)

黒染めにはスチール用の“ガンブルー”を使いますが、画像(↓)の“バーチウッド・スーパーブルー”なら、漬込みタイプと異なり筆や綿棒で部分的に塗るだけで簡単に処理できますのでお勧めです。
材質がクロモリ鋼なので効果が気になりましたが、問題無く黒染めができました。

処理に当たっては、必ず表面を脱脂し、その後切断面や糸面をとった部分にガンブルーを薄く塗るとすぐに表面が黒く変化しますから、数分したら温水で処理液を洗い流せば完了です。
一度で黒さが足りないと感じたなら、再度同じことを繰り返しましょう。

Gun_blue

なお、この黒染めの四酸化三鉄被膜はそれ自体に大きな防錆効果はありません。
黒染めの防錆効果とは、被膜の微細な孔に油分を保持することで表面が酸素や水分に直接曝されないようにするという事なので、最後に防錆油を軽く塗って完成です。


角が取れ、デザイン的にはおとなしい印象になりますが、手に持っても違和感が無く、グローブも痛みませんので、“Whippet”をお使いの方は試して損になる改造ではないと思いますよ。


(“ウィペット”をさらに使いやすく?する改造もすでに実施済みです。近日公開予定ですので・・・、請御期待!。)

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2013年6月 1日 (土)

八甲田振興協議会のスキーマップ

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



㊟ 今回は冗長な文章ですので、適当に読み飛ばしてください。


春の八甲田山は私のようなのんびり山スキーヤーにもってこいのエリアです。
ロープウェイを使えば、たいした登り無しに何本かのクラシックコースを楽しめますし、赤倉まで少し登れば箒場のロングルートを滑ることもできます。

T_n4
(北八甲田連山)

さらに、派生ルートを組み合わせればルートのバリェーションは無数ですし、酸ヶ湯をベースにした周回コースや、谷地温泉に泊まって高田大岳を滑ったりと温泉とスキーを組み合わせた楽しみ方も好いですよね。

T_t2
(高田大岳・八甲田屈指の楽しい斜面)


それから、南八甲田も人が少なく静かなスキーツアーを楽しめる素敵なエリアです。

T_n5_2
(静かな南八甲田)

また、初心者でも八甲田名物?のガイドツアーに参加すればパウダーシーズンでも安心して楽しめますし、何よりガイドツアーなら帰りの足の心配をしないで済むのも助かります。

しかし、静かな山を楽しみたい私は春にガイドツアーなどに参加する気など毛頭ありません。
そんな個人山スキーヤーがルート判断をする時に頼りになるのが“八甲田振興協議会のスキーマップ”というリーフレットです。
ホテルのフロントなどに置いてある無料のリーフレット宣材の一つですが、国土地理院の地形図をベースにしているため表記も正確で、付記されている情報も充実しているフリーマップとしては出色のものでした。

Map_1
(㊧2011年版と、㊨2010年版のスキーマップ)

私の記憶にあるだけでも、もう10年以上前から版を重ね、記載ルートの変更などの改定もありましたが、何年か前から、コースに設置されているツアー標識の番号が追記入され、さらに使いやすい地図に進化しました。

Map_2
(標識ナンバーの位置はかなり正確だ!)



しかし・・・!、そんな便利な地図が残念ながらもう使えなくなったのです。
それは、発行していた“八甲田振興協議会”自体が解散してしまったからです。

スキー人口の減少と東日本大震災の影響で八甲田周辺も御多分に漏れず、一時のような賑わいは無く、全体的に活気がありません。

その影響でしょうが、“八甲田振興協議会”が解散した以上に衝撃だったのが、個人スキーツアー客が帰路の足としていた“春スキーシャトルバス”が今年から運行されなくなってしまったことです

この“春スキーシャトルバス”は、ここ数年二転三転がありながらなんとか光洋観光により運行が継続されていたのですが、とうとう今年は運行中止という最悪の事態に至ってしまいました。

急遽、八甲田ロープウェイが無料の送迎バスを運行してくれる事になったのですが、完全予約制で1便定員15人、1日3本では効率的に八甲田を楽しむにはお粗末すぎです。

まぁ、この八甲田ロープウェイの対応自体には感謝していますが、3月中にシャトルバスの運行中止を発表しておいて、ゴールデンウィーク直前に突然無料の送迎車運行を発表したのでは一旦足の遠のいたスキー客を呼び戻すことにはつながらなかったようです。

この状態で、以前のように八甲田で効率的に山スキーを楽しむためには、本数の少ない無料送迎車のダイヤに合わせて行動するのではなく、予め迎車の場所と時間を考えて戻るタクシーを予約したうえでロープウェイに乗るという方法しか無くなったのです。
何時来るかわからない流しのタクシーを待つ訳にもいきませんからね。

採算が合わないなら相応な運賃を請求しても構いませんから、シャトルバスを以前のようなダイヤで運行してもらいたいというのが私の願いです。
そうでないと、今後も八甲田に春スキーに行く人の数はさらに減り続けるでしょう。

迎車のあるガイドツアーは客が増えて儲かるかもしれませんが、他人に頼るのではなくルートや地形の判断を含めて山スキーを楽しむような山スキーヤーにとって、シャトルバスの無い八甲田ではツアーコースとしての魅力は半減以下ですからね。
いくら東北の復興に微力ながら協力しようとしても、これじゃあ行きたくても行く気も起こりませんよ。
無料送迎も結構ですが、こんな場合でも互いにウィン・ウィンの関係が成り立たないと物事が上手く長続きしないのは世の常ですから・・・。


さて・・・、話は少々変わりますが。
私の大好きな東北の山やスキー場も、最近年を追うごとに元気が無くなっています。
東北のキャンプ場も近年営業をやめてしまう所が増えているのは気がかりですし、スキー場でも実質的に経営破綻している例は指を折って数えるほどの数にのぼります。

焼石岳の北にある“夏油高原スキー場”は私のお気に入りのスキー場です・・・。
しかし先日ここを引き継いで経営している加森観光が今シーズン限りでこの事業から撤退するとの報道がありました。
バブル全盛期に当時の世相を反映した豪華な施設として計画されたものの、営業開始はバブルが弾けた後という不運なスキー場なので、前々からいつかこんな日が来るとは思っていたのですが・・・。
日本離れ?した高い吹き抜けのエントランスと広いレストラン、センターハウス内に温泉まである至れり尽くせりのスキー場だったし、右の端っこにある蕎麦レストランも美味い上にブーツを脱いでゆったり寛げましたから、私みたいな中高年スキーヤーにはもってこいだったんですが・・・。
また、若い元気な人用には、1ゴン山頂駅直下にランディングに失敗すると即ドクターヘリが飛んで来そうな巨大キッカーも用意してありましたし・・・。
何とか今後も営業だけは続けていってもらいたいものです。

(そういえば私たちスキーヤーの強い味方、加森観光は“おんたけ2240”からもすでに撤退してしまったそうですね。“御嶽ロープウェイスキー場”も何年か前に閉鎖になっちゃいましたし、このままじゃあ御嶽から山スキーのできるスキー場が無くなっちゃうかも知れません。)


ところで・・・、大震災の影響が大きかった沿岸部以外でも、ここ数年の東北地方は景観も含め雰囲気自体が大きく変わってきた気がしませんか?。

車で走っていても風力発電の風車ばかり目につきますが、東北全体でいったい何機のあの目障りな人工物が立っていて、それで一体どのくらいの電力が得られているのでしょうか?

T_1

クリーンエネルギーの重要性は分かるのですが、あれで本当に必要な時に必要なだけの電力が確保でき、また風力発電に対応する送電網と、それを活用するための法律や制度などを整える目途は立っているのでしょうか?。
さらに、この風車一基で年間何羽の渡り鳥が粉砕されるのかなぁ?発生する低周波の空気振動は近くの人に影響はないのかなぁ?などと要らん心配までしたくなってしまいます。
私的にはあの遠くに居ても嫌でも視界に入る無粋な風車は、自然破壊ならぬ景観破壊じゃないかと思うんですが・・・。 
私が神経質すぎるんでしょうかね?(笑)


また、東北各地にも至る所に某大物政治家の親族が経営する某ショッピングモールが絨毯爆撃のように次々にオープンしています。
おかげで付近の人々は東京に居るのと同じ品揃えの店で自由に買い物ができたり、楽しく食事(≒ジャンクフード?)を楽しめるようになりました。

その結果、人々の暮らしはお洒落で便利になったのでしょうが、その反面周辺の街並みにはシャッターを閉めた、かつては地域に根付いて賑わった商店の痕跡が並ぶようになりました。
また、ショッピングモール内のガソリンスタンドは地域相場よりかなり安い単価設定で大繁盛ですが、駐車場から程ない距離のガソリンスタンドは軒並み廃業に追い込まれるのです。

私は過激な反グローバリズム主義者にシンパシーを感じる者でもなく、またマルキストでもありません。
また、少なくてもアメリカ人のチョムスキーよりはアメリカが好きだと思っています。(笑)
そして、市場原理主義に与するわけではありませんが、規制緩和やTPPには消極的ながら賛成やむなしという立場をとっています。

しかし、この大好きな東北が変わっていく過程を、山登りという遊びを通じ長く時系列で観てきた私としては、昨今のこの変貌ぶりを見るにつけ、これでこの地を愛して訪れる私達のみならず、ここに暮らす多くの人々が、本当に豊かになり幸せになったのだろうか・・・?、と改めて考えさせられてしまうのです。

山屋やスキーヤーという、あくまでビジターとしての立場での話ですが・・・。
歴史あるスキー場でもシャトルバスの運行にすら窮し、また、少なからぬ経済波及効果で地元を潤していた新興スキー場の経営が傾いてしまえば、周辺の旅館や商店も連鎖的に経営困難に陥ります。
一方では一握りの巨大資本が莫大な利益を上げながら、他方ではかつて賑やかだった懐かしい山麓の町が寂しいシャッター街に変貌するというのはあまり愉快な事ではありません。

市場の原理が富の分配を適正に制御する機能を持たないなら、それをするのは政治の役割のはずなんですが・・・、その政治の最優先目標が目先の経済成長だったとしたならそれに期待しても無駄ですからね。
No way out・・・、なんか嫌な感じです。

人は歳を重ねる毎に過去を美化する傾向が逓増するそうなので、これも年寄り特有の「昔は良かった」的懐古趣味なのかもしれませんが・・・、現状が文化の健全な発展過程の切片なのかと聞かれれば、答えは「否!」以外の言葉では表現できませんよね。
何とか良い方策は無いものかと悩んでしまうのですが・・・、残念ながら私の頭では思考停止以外の到達点を見い出せません。

しかも・・・、たぶん・・・、これは東北地方に限った事ではなく・・・、日本全体の将来の姿なのだ、と考えるとチョット落ち込んじゃいます・・・。


まぁ、今回はこんな愚痴を言うために“八甲田振興協議会のスキーマップ”をネタにしてしまった訳ですが・・・。

とりあえず、皆さん東北に行きましょう!、東北で楽しく遊びましょう!、東北の然るべき処にお金を落としましょう!、そして ビジターもローカルも共にウィン・ウィンで東北を元気にしましょうよ。



【余談ですが・・・】

ちなみに・・・、私はこの今では貴重品となった“八甲田振興協議会のスキーマップ”を、私の余命から考えれば優に一生分は既に確保しています。
しかし・・・、シャトルバスが無いんじゃこれも宝の持ち腐れになっちゃうかも知れませんね。

Skimap

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