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2013年7月28日 (日)

“Fat ウロコ板”に貼るクライミングスキン

便利度 :★★★★★
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆


【 記事を作製した日時と掲載日時は一致しませんので、今回も季節的に違和感がありますがご容赦ください!笑 】


春の山スキーは軽い板とミニマムな装備で楽しみたいものです。

そんな時に役に立つのが一般にウロコ板とかスケールソールスキーと呼ばれる、板のソール中央キックゾーンに滑り止めのパターンを刻んだスキー板です。

以前のスケールソールは半円や矩形の削り込みを入れただけでしたが、最近のモノはソールから若干突き出したポジティブスケールと呼ばれる形状のモノとなっており、雪質によってはかなり有効な滑り止めとなります。

普通の板だと緩い登りや軽いアップダウンのあるコースの場合一々シールを着脱せねばならずかなり面倒でしたが、ウロコ板ならかなりの部分その手間が要りませんので軽快なツアーを楽しめます。
まぁ、滑降の時には独特の唸り音と振動があり、緩い林道などでは滑りが悪くなるというデメリットはありますが、春のシーズンにはそれを補って余りある効果を発揮してくれるでしょう。

とは言え、やはり急斜面ではポジティブスケールの効果にも限界があり、そんな場合にはシールの登場とならざるを得ません。
しかし、板の中央、接雪面積の半分以上が凹凸のある鱗状という事もありグルーの接着力が有効に機能してくれないのです。
特にファットスキー用のシールは中央にセンターテープを貼って敢えて接着力を落としてありますので、これを“Fat ウロコ板”に使用すると接着不足からシールトラブルの発生原因になってしまいかねません。

Sk_2
(最近のシールはセンターにテープが貼ってある)



そこで私は“Fat 鱗板”で使用するシールではこのセンターテープを除去して接着面の面積を増やし、あの忌々しいシールトラブルの発生を少しでも減らそうと考えました。

下の画像はFatウロコ板のロシニョールBC125用のシールからセンターテープを剥がしているところです。

Ssskin_1 Ssskin_2

(思い切ってテープを剥がしてしまう!)


工作は簡単ですし、それなりの効果は期待できますので“Fat 鱗板”でシールを使う方は是非お試しください。




【余談ですが・・・】


― トヨタ食堂のこと ―

以前も、行きたくても現在はもう無くなってしまって行けない場所として、『叶後』の隠れ里を回想した記事を書きましたが、歳をとると、まるで「走馬灯現象」のように突然忘れていた昔の記憶が蘇ってくることが多くなるようです。

昨日もそんな今では行きたくても行けない場所である、水上駅前の「トヨタ食堂」の事を唐突に思い出してしまいました。

その昔・・・、谷川岳は「近くて良い山」というキャッチフレーズで大人気でしたが、当時私も大学山岳部の仲間とよく通ったものです。

その頃は関越道も開通していませんでしたから、車で行くのも国道17号で天狗ランドや奥利根ドライブイン(懐かしい!)の前を通り延々と運転しなければなりませんでした。

その点、夜10時過ぎの上野発長岡行きの普通列車に乗ると、途中の駅で時間調整しながら進むとはいえ、駅舎で少し仮眠できる位の時間に土合駅に着きましたから、私はよくこの列車を利用して谷川岳に登っていました。
運賃も安かったですし、唯一の欠点は土合駅の500段近くあるあの階段を延々と上るので入山前から疲れてしまうという事位だったでしょうか。(笑)

さて、一ノ倉や幽ノ沢で一日攀って遊び、帰りは水上駅から列車に乗って帰京したのですが、その時必ず立ち寄ったのが駅前の「トヨタ食堂」です。

この「トヨタ食堂」・・・、表現は難しいのですが、ソフトな言葉で言うならかなり個性的な店だったのです。
店内には訳の分からない“格言”やら、『トヨタ蕎麦、褒め褒め食べる福の神』といった店主作?の手前味噌な俳句?みたいな張り紙があったり、新聞や雑誌に掲載された自店の記事が自慢げなサイドライン入りでテーブルに置いてあったりしました。

また、御品書きには日本酒を“風邪薬”、ビールを“下山祝い”(1人1本までがルールだったかな?笑)などと表記していたり、テーブルには七味唐辛子の小缶が置いてあるのに、その缶には『当店の鍋焼きうどんには七味は不要と存じます』みたいな張り紙があり、一見さんが知らずに鍋焼きうどんに七味でも掛けようものなら、店主に睨み付けられるのです。
だったら、七味なんて置いておくなよ!って感じですよね。(笑)

しかし、そんな店内の怪しい雰囲気にもかかわらず、トヨタ食堂の自慢料理だった“ザル蕎麦”と“鍋焼きうどんの味のほうは新聞や雑誌で度々紹介されるほどですから美味しくない筈はありません。

“ザル蕎麦”は国産の蕎麦粉と小麦粉を使用した手打ちで、地物の天然ワサビとウズラの生卵を溶いた蕎麦汁も絶品でした。

一方、“鍋焼きうどん”も国産小麦粉の麺に刻み柚子の隠し味の効いた香り豊かなモノで、自称「日本一美味い鍋焼きうどん」とのたまうのもあながち誇張ではないと思える、これまたザル蕎麦以上の絶品でした。

食べたことの無い方には信じてもらえないかもしれませんが、郷愁にありがちな誇張された記憶ではなく、本当に思い出すだけでヨダレが出そうなほど美味かったのです。

そんな訳で、店内には普通の食堂と同じくカレーやカツ丼など幾つものメニューが掲げられてはいましたが、登山者はほぼ全員が“鍋焼きうどん”か“ザル蕎麦”しか頼みませんでした。
また、知らずに入った一般のお客さんも押しの効いた店主の薦めで、このどちらかを注文させられる場合が多かったようです。(笑)

また、「トヨタ食堂」のもう一つの素晴らしかった点は、ほぼ終夜営業だったという事です。
頑固そうな爺さんと、太めの息子さんで昼夜を分業していたようですが、仕込みの時間はどうしていたのか?また、あの場所で新幹線開業後も終夜営業を続けたメリットは何だったのか?はいまだに謎です。

さて・・・、その後私も結婚し仕事も忙しくなりましたし、関越道が開通し鈍行の長岡行きも無くなりましたから、谷川岳にはもっぱら車で行くようになり、土合駅の階段を大汗かいて登ることも無くなりましたが・・・、それと同時に「トヨタ食堂」に立ち寄る頻度もめっきり少なくなっていきました。

そんな折・・・、と言っても二十年以上昔?の話ですが・・・、寒い冬の早朝、久しぶりに「トヨタ食堂」寄ろうと車で店の前を通ると、門口に提灯が吊ってあり何かいつもと違った異様な雰囲気が・・・・。
それもその筈!、なんと店舗は、ちょうどお通夜明けの朝(たぶん?)だったのです。

噂によると亡くなったのは息子さんのほうで、それ以来食堂の営業はやめてしまったそうです。(この辺は聞いた話なので間違っていたらコメントいただければ幸いです)

・・・と言う訳で、「トヨタ食堂」のあの“鍋焼きうどん”と“ザル蕎麦”は残念ながらもう二度と食べることはできないのです。(涙)

私はグルメではありませんし、食に対しては「味の濃淡を問わず・品の多少を撰ばず」をモットーとしているのですが・・・、あの当時の「トヨタ食堂」で、頑固な店主の視線を感じつつ、まず“下山祝い”で乾杯し、“風邪薬”を飲みながら“鍋焼きうどん”と“ザル蕎麦”を両方一緒に食べること・・・、これだけはもう一度やってみたいと、今でも時々考えてしまいます。

貧乏学生だった当時は、こんな贅沢はめったにできませんでしたから・・・。

 

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山スキー・バックカントリー 2」カテゴリの記事

コメント

H.O.さん、非公開コメントありがとうございました。

トヨタ食堂には皆それぞれの思い出があるんですね。
私もあらためて当時を懐かしく思い出してしまいました。

では、今後とも『山道具道楽』をよろしくお願いいたします。

投稿: 理事長 | 2013年7月30日 (火) 11時14分

「余談」への反応で恐縮です。
残念ながら「トヨタ食堂」は知らないのですが、「叶後」へは昭和41年5月に行ったことがあります。
手元の古い5万図をみると、宮地から南に沢沿いに進み途中から左股沿いにぐるっと迂回している道があるので、そのコースをとったのでしょう。その時にはまだ住人の方がおられました。おばちゃんが洗濯物を干していたように思いますが、記憶を捏造しているかも知れません。
同じくもう削り取られて無くなってしまった武甲山北面のいくつかのルートと共に思い出深いところです。

投稿: AR | 2013年7月31日 (水) 16時46分

ARさんようこそ。

叶後を実際に見た方は意外と少ないようなので、貴重なご意見ありがとうございました。
昭和41年でまだ人が住んでいたとすると、廃村になる直前だったのでしょうね。
私が行ったのは45年前だと思いますが、その時は雨戸もありませんでしたし、相当荒れていました。
微かな記憶ですが2階に上がる階段を上ってみたような気がします。
帰りには一旦東側に登り返し、そのあと北に向かう登山道で下山し、万場だったか?神流川沿いの行商宿に泊まりました。
あんな宿もいまではないんでしょうね。
叶後の写真でもあったら拝見したいところです。

では、今後とも『山道具道楽』をよろしく!


投稿: 理事長 | 2013年7月31日 (水) 17時16分

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