« スキー用シールをスプリットボード用に改造する | トップページ | 自作ピンチクリアーのグレードアップ »

2013年7月 1日 (月)

されど手袋・・・“壱萬円” 対 “四萬円”

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆
(”out dry アルパイングローブ”も“アルファ SVグローブも”それなりに満点!)


アンダーウェアーと同様、登山では目立たないけれど重要なアイテムの一つに手袋があります。

しかし、安物はもちろん、結構高価なブランド品でも名前倒れのグローブもあり、そんなモノを冬山のシビアな環境で使うと、快適でないばかりかそれこそ指が何本あっても足りません。

私の大学山岳部時代は、冬用の手袋といえば“ハンガロテックス” や“斉藤メリヤス”の未脱脂ウールのインナーに“ICI石井”のオーバーミトンの組み合わせでした。
当時はゴアテックスなどありませんでしたから、オーバー手袋も掌部分をビニロン地で補強したナイロンツイルのお粗末なモノでしたが、それで20日以上の冬山合宿をこなし、また冬の壁にも張り付きましたが、その時は指先や手の甲が寒かったものの、「まぁ、こんなモンだろう」と考え別に不自由?も感じませんでした。
しかし、“ハンガロテックス” の手袋は1シーズンも使うと子供の手袋のように小さく縮んでしまいましたが・・・、今でも売っていれば使いたいくらい懐かしい思い出の品です。

またここ10年以上?は廃番になるまで“モンベル”の“システム3グローブ”というのを長く使っていました。
シェル・ゴアのグローブインナー・フリースのインナーの3層構造で中で脱ぐときにインナーがひっくり返ったりと問題は多かったのですが、この手袋は掌の補強が皮革でなく樹脂コーティングの強靭な生地を使っていたので条件の悪い時でも乾かすことができるため私の定番手袋として何世代か使い続けました。
皮革を使った手袋は春だとジャブジャブ水が入ってきますし、一旦濡れると乾かないので、欧米の乾燥気候ならいざ知らず、私は日本の湿雪には、多少耐久性が無くても樹脂コーティング生地で補強された手袋がベストだと考えていたからです。

しかし、一昨年だったか?、使用中の“システム3グローブ”がくたびれてきたので同じものを購入しようと山道具屋に行ったところ、もう同じモデルは製造していないとのことでした。

そこで、“システム3グローブ”の後継モデルだという、“out dry アルパイングローブ”という手袋を買ってみたのです。(画像↓)

Glb_1 Glb_2

この製品は掌の補強には皮革が使われているのですが皮の部分を含め裏側全体に透湿防水性のあるメンブレンがしっかり貼られていてシームシールもしてあるので皮革部分は濡れても内側には浸み込んでこないという事のようです。

Glb_7
(皮革部分の裏にもout dry のメンブレンが貼られている)

以前の“システム3グローブ”はゴアのグローブインナーが別体式の3重構造だったので保温性は高いのですが全体が分厚かったのに対し、この“out dry アルパイングローブ”は2重でインナーも薄く仕上げられスキーポールを握っても違和感は少なそうです。

・・・と言う訳で、さっそく使ってみたのですが・・・、第一印象は「寒い!」の一言でした。
インナーグローブはメリノウールを使っているのですが、同社の以前のシステム3グローブと比べてかなり薄く、物を持った時の指の感覚は良いのですが厳冬期の保温性に関しては些か不足では・・・?、と言わざるを得ません。

グローブをワンサイズ大きなものにして、厳冬期には少々厚めのインナーグローブに交換して使うというのが正解だと思いました。

そんな訳で、もうちょっと温かいグローブを買おうと物色していたら、私の好きなカナダのA社の“アルファ SVグローブ”というのが目に留まったのです。

しかし・・・、値段を見てビックリ!定価は4万円近くもするじゃありませんか!!!
割引価格にポイント加算を考えても完全に予算オーバーです。

かなり躊躇しましたが、値段なりに良い物は良いのでは・・・と、あっさりと物欲の軍門に下り、購入してしまいました。

Glb_3 Glb_4
(“アルファ SVグローブ”)

結果は・・・、まぁ一口に言えば「最高!」ですね。
”out dry アルパイングローブ”同様、このグローブも裏側全体にゴアのインナーが密着ライニングされていて防水性は完璧ですし、インナーの保温性も十分です。

Glb_5
(全体がゴアの3レイヤー仕立て!)

また、保温性のある厚手のインナーにも拘らずアウターシェルが手の込んだ立体裁断により縫製されていますのでグリップを握った時のフィット感も思ったほど悪くありません。

Glb_8

(㊧A社製、㊨M社製、立体裁断パターンの差は歴然!)

ドローコードなど細部の使い勝手も総て二重丸といったところでしょう。
問題は値段だけです。

しかし・・・、モンベルの”out dry アルパイングローブ”が1万円弱、このA社の“アルファ SV”が4万円弱ですから正味4倍の価格差という事になります。
この価格差を考えると、私の結論としては”out dry アルパイングローブ”のオーバーサイズを購入し、通常は付属のインナーで、厳冬期にはインナーを厚めのウールの物に交換して使い、後日お財布に余裕がある時にスキーポールを握った時の感覚の良いジャストサイズの物を残雪期用兼スペアとして買い足すというのが賢明な選択だと思います。

費用対効果で見れば“out dry アルパイングローブ”で問題なのは厳冬期の保温性だけですから、メーカーには厚手のウール製インナーや、掌面だけ薄手のフリースを使ったグリップ重視のインナーと組み合わせられるといった商品構成で、もう少し丈夫な製品に改良してもえばなぁ~・・・、と考えているのは私だけじゃないと思うんですが・・・。



|

« スキー用シールをスプリットボード用に改造する | トップページ | 自作ピンチクリアーのグレードアップ »

その他・一般」カテゴリの記事

山スキー・バックカントリー 2」カテゴリの記事

コメント

「ハンガロテックス」…………しばし頭骨のなかでスパーク?!?!?!。じつは赤と黒とのハンガロの毛手が2組まだ防虫剤の臭いにまみれて収納箱の底に眠っていました。雪山で使ったらもういっぺんでおシャカでしょうね。この質感はいまでも好きです。なんだかこのサイトを拝見していると胸中と眼中に靄がかかりそうです。

「されど手袋」。当方、関東地方の冬でも11月になると霜焼けになるていたらく。スキーはまだしも冬山はとてもではありませんが、「結論としては”out dry アルパイングローブ”のオーバーサイズを購入し…………」、とても参考になりました。

投稿: 茨城の名無し | 2013年7月 5日 (金) 21時53分

“茨城の名無し”さん、ようこそ。

クソ暑い最中に冬用のグローブの話題で申し訳ありませんが、適当に書きためていた記事を順番に公開しているのでご容赦ください。
今後も、まだ何回か季節違いの記事が続くかもしれませんが・・・。(笑)

さて、私も30年位昔の斉藤メリヤス製グローブを、使いもしないのにまだ持っていますが・・・、どうしても捨てられないんですよね。

では、今後ともよろしく!

投稿: 理事長 | 2013年7月 6日 (土) 07時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« スキー用シールをスプリットボード用に改造する | トップページ | 自作ピンチクリアーのグレードアップ »