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2013年10月 9日 (水)

“ハイパーフロー・マイクロフィルター” 販売再開待望論?!

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆



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(MSR 製の“ハイパーフロー・マイクロフィルター”)

夏の日本アルプスのメジャールートでは稜線の小屋でも水を買えますから、金さえあれば水で困ることは殆どありませんが・・・(600円/1リットルなんて小屋もありますからネ!)、営業小屋の無い山域では水の確保が登山の成否を左右する場合も少なくありません。
また、メジャールートでも10月末以降、山小屋が閉まると水を買うことも不可能になりますから、一転して水の入手に苦労することになります。

しかし、池や水溜りの水を利用できるなら秋のシーズンオフでも容易に水を得ることが可能となる場合も多いはずです。
例えば北アルプスでは、スゴ乗越では間山池、爺ヶ岳種池小屋では種池、烏帽子小屋では四十八池やヒョウタン池、南アでも白根御池小屋の御池など小屋が閉まっても水が調達できるテン場は幾つかあります。
また、餓鬼山のようにな水場の無い避難小屋でも近くに池があったり、避難小屋によっては天水桶に溜り水があったりする場合もあります。
また、谷川周辺でも蓬峠や朝日岳周辺では池塘の水が使えますし、東北の山などでは登山道の近くに池塘が点在する山域も結構あります。

しかし、池塘や溜り水あるいは小屋やテン場に近い池の水をそのまま利用する事が、かなりのリスクを伴うのはご承知の通りです。
大昔ですが、私は間山の池の水を使ってアメ-バー赤痢様症状となり死にそうになりました。
煮沸が中途半端だったのだと思いますが・・・、以後池塘などの溜り水にはかなり?注意するようになりました。(沢の水は今でもそのまま飲んじゃいますが・笑)

しかし、安全が保障されていない水を使用せざるを得ない場合、あるいは積極的に利用することで行動上の制約を軽減させられるケースも少なくありません。
そんな時に役立つのが『携行型の浄水器』と『次亜塩素系の殺菌剤』です。

通常なら浄水器で濾過した水を直接飲んでも問題は無いはずですが、それでも心配なら1リットルに1滴の殺菌剤を入れて数十分待てばほぼ安全な飲料水になります。
煮沸よりも簡単ですし、この方法でも多くの場合は天水を塩素で消毒した山小屋の高価な水よりもよっぽど美味しい水?になるでしょう。

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(“ハイパーフロー・マイクロフィルター”と“次亜塩素系の殺菌剤”)

過去の記事にも書きましたが、私は現在ポンプ式の“MSR/ハイパーフローマイクロフィルター”を使用しています。

一時、重力式の浄水器も試してみましたが、これだと周囲がドロドロの池塘でも水際まで近づいてクッカーなどで水を汲み上部のリザーバーに入れなければならず、とても手間が掛かります。
その点ポンプ式なら、岸から離れていてもホース先端のプレフィルターを池に投げ込めば水面近くの濁りの無い水から簡単に飲料水を得られますから、重力式より格段に使い勝手が良いのです。

また、このホローファイバー(中空糸膜)を使った“MSR/ハイパーフローマイクロフィルター”はセラミックフィルターを使った浄水器と比べて格段に濾過速度が速く、行動時間の限られた登山にはもってこいです。
たぶん、現在市販されている携行型のポンプ式浄水器の中では最も軽く、また単位時間当たり最も多くの水を濾過できる製品だと思います。

現在私は、ハイドレーション用ホースと組み合わせたミニマムのシステムで直接プラティパスの水筒に浄化した水を注入する方法を採用していますが(画像↓)、今のところこれがベストな方法だと考えています。

この方式なら、フィルターのバックフラッシュをする場合もインレット側のシリンダーを取り外し、浄水済みの水の入ったプラティパスの水筒に圧力をかけてフィルターに逆流させるだけでOKです。
2個のチェックバルブを逆さまに付け替えてポンピングするという通常の方法(上記リンク、メーカーサイトの動画参照)と比較してかなり簡単に作業が完了します。(帰宅後にはしっかり通常の逆洗をしておきましょう!)

蛇足ですし正しい方法かは判りませんが、私はピストンのOリングの潤滑にリップクリームを使っています。
まぁ、山に持って行くものですから手近にありますし、口に入れても安全なモノですからたぶん大丈夫でしょう。(笑)

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(これなら池塘から直接プラティパスに給水でき、逆洗も簡単にできる)


しかし、残念ながらこの製品には大きな問題があるのです。

散々褒めてからで恐縮ですが・・・、この“MSR/ハイパーフローマイクロフィルター”という浄水器は、当初は代理店経由で輸入できていたものが、ある日突然食品衛生法の関係で、日本国内では本体はおろか交換用カートリッジすら輸入許可が下りなくなってしまった、という致命的な法律的問題を抱えた製品なのです。

日本の愚かなお役人の法律解釈では、浄水器は「食器」の範疇に入り、熱湯に浸し続けた場合、樹脂部分から有害物質が溶け出さないか?という点で基準を満たさなかったと言う事らしいのですが・・・、浄水器で熱湯を扱うことなど絶対にありませんよね。

欧米では普通に使われている浄水器を、日本だけ食器と同じ安全基準で評価して輸入の許可を出さないなど、まさに滑稽な程の小役人の事勿れ主義と言わざるを得ません。

国内がこんな状態では、「食の安全」などというお題目を掲げて、頓珍漢な非関税障壁を振りかざしたってTPPの交渉の場で笑い者になるのがオチでしょうネ。(笑)
詳細は過去の記事の後段をご覧ください。

そんな訳で、私は仕方なく、タイムラグ無くメンテナンス用パーツを確保する目的で本体を2セット確保していますし、交換するカートリッジもわざわざ海外で購入してきました。

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(㊧2個のハイパーフローマイクロフィルター と、㊨交換用カートリッジ)

・・・と、国内での入手はやや面倒ですが、北米のアウトドアショップでは普通に購入できますし、海外通販でもたぶん購入できるはずです。

正直な話、一般の登山ではあまり出番の無い道具かも知れませんが・・・、私はそうまでしても入手する価値は十分ある製品だと考えており、皆さんにも強くお勧めしたいと思います。

バックフラッシュさえ適切(メーカー推奨は8ℓ毎)に行えば、1個のカートリッジで1000リットル(メーカー公表値)は浄水できますから、見つけたら購入しておいても損は無いと思いますよ。



(P.S.)
私としては理不尽なお役所仕事で国内購入できなくなった、この“MSR/ハイパーフローマイクロフィルター”を何とか我が国のアウトドアシーンで再び活躍させたいと思っています。
どなたか、海外通販等で簡単に購入できるショップをご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントにてご紹介いただければ幸いです。

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コメント

それはちょっと信頼性に問題があって。日本ではULGがブログに書いてましたね。現在、アメリカのPCTのメーリングリストで評判のよいのは、Sawyer Squeeze Filterです。たまたま輸入代理店から貰ったので、今年の夏に使いました。プラティパスを利用してGravity systemとして使うとノートラブル、コンパクトで、高速で、軽量です。ブログは、completewalker.blogs.spot.jp/2013/06/sawyer-squeeze-filter.htmlです。 今年の夏のブログはまだ書きかけです。

投稿: 村上 | 2013年10月 9日 (水) 08時24分

先生、ご無沙汰してます!

私はせっかちだからなのか、重力式よりもポンプ式の方が性に合っているようです。
また、MSRの中空糸膜フィルターは米軍にも納入されているので性能的には問題は無いと思うんですが・・・。

では、PCTの続編楽しみにしています!

投稿: 理事長 | 2013年10月 9日 (水) 10時27分

MSRのMINI Worksを長年使っていたが、Sawyerを重力式にすると、圧倒的に楽で速いんだ。脱帽で、宗旨替えした。今年の夏は、PCTではなく、CDTのハイライトだよ。ちょっと忙しいから書くのが遅れるが、あまり日本人の行かない場所だろうから、暇な時に読んでね。

投稿: 村上 | 2013年10月 9日 (水) 10時57分

失礼しました!
当方パシフィックもコンチネンタルも区別がつきません。(笑)
さて、MINI Worksは私も使っていましたが、浄水の速度はハイパーフローマイクロフィルターの方が体感的には数倍速いのでこちらに乗り換えました。

日本の山の、岸がドロドロの池塘の水を使う時なんかは便利ですよ~!。
騙されたと思って一度使ってみてください。(笑)

では!

投稿: 理事長 | 2013年10月 9日 (水) 11時54分

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