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2013年11月

2013年11月28日 (木)

“ポリゴンシールド”って・・・、どうよ?

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆

(価格と中途半端なモスキートネットが推薦度のマイナス要因です!)

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(“ポリゴンシールド”、画像が逆なのではなくテン場で干しているところです)

最近“F社”の製品の人気が高まっていますね。
ここの製品はユニークで高品質な物が多いのですが、それ以上に宣伝が上手で、自社の製品の優位性を誇示する商品の機能説明などを見ると、少々ハッタリの匂いも感じつつも、つい欲しくなってしまいます。(笑)

また、コストの掛かる国内生産だからなのでしょうが、全般に価格設定が高すぎるような気がします。

時流に乗った広告活動によって形成された、同種他社製品と差別化された商品イメージと、宣伝を鵜呑みにし高価なモノは良いモノだと考えるビギナーマインドによってこの価格でも売れるのかも知れませんが、全般的に同品質の物を“某M社”が中国で作れば3割以上は安く売れるんじゃないでしょうか?(笑)

いきなり辛口の社評をしてしまいましたが、実際に野外活動をする側の立場で良く考えたモノ造りをしている姿勢には好感が持てますので、今後の商品展開に期待したいところです。

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(実は私もF社製品を結構愛用している・笑)


さて、UL山行や沢登りでのタープを利用したビバークでは、ゴアテックス等の透湿防水地のシュラフカバーがよく使われます。
当然保温性はあまりないので、寒ければ薄いインナーシュラフや半シュラフを併用したり、それが無ければ予備の衣類やカッパまで着込んで寝る事になります。
 

また、シュラフカバー単体使用の場合丈夫な3レイヤーの製品を使いますが、ゴアの3レイヤーとなるとモンベルのゴアテックス・サイドジップシュラフカバーで重さが480gもあり、ダウンの半シュラフより重いですし、インナーシュラフと両方持つとかなりの負担になってしまいます。

透湿防水地でシームシールがしっかりしていて、薄い保温材のライニングがあって単体使用ができるものがあれば理想なのですが、その様な商品はほとんど見かけません。
一時大手スポーツ用品メーカーのミズノが”Berg”というブランドで、ゴアとブレスサーモを組み合わせたシュラフカバーを販売しており、かなり良かったのですがこれも重量が660gと少々重過ぎでした。(画像↓)

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そこで、生地は薄くても良いし、ゴアテックス以外の透湿防水地でも構わないので、重さが3レイヤーのゴア・シュラフカバー以下に収まる保温材入りのフォーカスト・ビバーク用のシュラフカバーがあれば欲しいなぁ・・・、と考えていたら・・・。

あのF社からこの条件を満たすであろう“ポリゴン・シールド”という製品が発売されたのです。
相変わらずの上手いF社の宣伝文句にほだされて・・・、早速購入してしまいました。

この製品は、ウレタン系の透湿防水コーティングの極薄生地と、F社独自開発?という“ファイン・ポリゴン”という、これまたハッタリっぽい名称の保温素材を組み合わせたもので、重量も362g(モスキートネット一式を含む公表値)と軽量です。

この“ファイン・ポリゴン”という素材は微細な繊維を積層した極薄シートを3次元的に(≒しわくちゃに・笑)塑性変形させた新しい発想の保温素材ですが・・・。
シェルに封入された状態では見掛け上の嵩高が出ますが、構造上内部の大きな間隙で対流が起こるため、内部で人体が動くような場合には素材自体のデッドエアー保持能力にやや気掛かりな部分もあるような気がします。

同じ厚さの保温層という条件で比較すれば、“クラボウのAir Flake ”(イスカのピルグリムシリーズに使用)のようなバイオミメティック(生体模倣)素材のほうが、運動を伴う実使用時でのデッドエアー保持能力という点では優れていると思われますが・・・、どうなんでしょうか??。

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(㊧小さく収納でき、 ㊨本体だけなら345g)

しかし、本製品のように大きな保温性を求められない用途で使用する場合には、小さく収納でき、ダウンと異なり濡れても保温力の低下が少なく、またバイオミメティック素材と比べても乾燥が早いというのですから、この能書きを信じるならまさに理想的な沢用シュラフカバーの保温素材と言えるでしょう。

またこの製品は、タープとの併用を考え、モスキートネットまで標準装備されているのです。
私も以前シュラフカバーを改造してモスキートネットを取り付けていたことがある位なので、この点も好印象です。

さて、実際に使用してみて、保温性の面では実測気温15℃位までは快適に就寝できました。
もう少し寒くても辛い思いをしないで寝られる気もしますが、秋以降の単体使用は難しいでしょう。

あと欲を言えば、横幅がもう少し広く、ファスナーがあと10センチ長かったら良かったんじゃないかなぁと感じました。

私は単体使用を前提で購入しましたので、これでも全然OKなのですが、寒い時期にロフトのあるシュラフと組み合わせる場合には大柄の男性だとチョット苦しいかなといった印象です。

私が冬用に使っているモンベルのシュラフカバー・ワイドタイプが最大幅で約85㎝あるのに、ポリゴンシールドは約75㎝ですから、もう5センチほど幅があれば大柄な男性でも冬シュラフとの併用が楽になると思います。

また、国内生産で、シームテープ処理等の縫製コストも掛かっているとは思いますが、素材自体の単価から考えれば、かなり割高な感は拭えません。
まぁ、機能としては総合的にまずまずの合格点なのですが・・・、この価格では積極的にお薦めする事に躊躇を感じてしまいますね。

あと、皆さんが一番興味を感じるのは、この製品を他製品と差別化している大きな特徴であるモスキートネットの存在だと思います。

シュラフやカバー自体にモスキートネットが付いていて国内で手軽に入手できるのは現在スナグパックのジャングルバッグと、 快速旅団のAI-102と、このポリゴンシールドくらいじゃないでしょうか?。

しかし、私はこの夏はテント内用として、軽量化のためポリゴンシールドからネットとフレームを取り外して使用しており(冒頭の画像↑)、現在までこの製品のモスキートネットを虫の多い場所で実際に使用した経験が無いのです。

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(ネットとフレームは取り外せる)

よって、現段階では正しい評価はできませんが、シュラフカバーに潜り込んで、ゴムを後頭部に回して、ネットのスナップを留めて、ファスナーを閉じて・・・、という作業は結構面倒ですし、フレームも寝返りをした時に十分機能するかは疑問です。
また、ネットとシュラフ本体の間に隙間ができる中途半端な構造なので、薮蚊だったら防げるかもしれませんが糠蚊みたいに隙間から這って入ってくる吸血昆虫にどれほど効果があるのかは現在不明です。

スナグパック社のジャングルバッグではネットが全周で固定されていますが、“M I L Spec” の軍装品も製造している同社としては外見よりも防虫という機能を重視した結果このような構造にしたのでしょう。

いずれにせよ、ポリゴンシールドでモスキートネットを使用する際にはネットにディート系の昆虫忌避剤をスプレーしておいた方が賢明だと思います。

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(虫の多い時期は沢でもテントのほうが快適かな・・・)

そんな訳で「モスキートネット標準装備」という点を主な動機としてこの製品を買おうと考えている方は、使用者の評価が出揃うまでしばらく待つか、あるいは現時点では“おまけ”の要素だ、と割り切って購入した方が良いかもしれません。


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(フレームでとネットと顔の間ににスペースを確保できる構造)


この点は、来年の夏に実際に使ってから再度レポートしてみたいと思います。




【余談ですが・・・】

沢でシュラフカバーのインナーとして使うと便利だったものに、“キャラバン”の“ESバッグ”シリーズというのがありました。( 画像↓)

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残念ながら現在生産終了となってしまいましたが、この“ESバッグ”とはエクセルロフト4Dの薄い保温材を入れた筒状の半シュラフで、一口で言うなら太くて長い腹巻みたいなモノをイメージすると良いでしょう。

上下に開口があるので気温の高い夏は足を出し、体j幹部だけ冷えないようにして寝られますし、紐で末端絞れば腰から下の半シュラフにもなるという面白い道具で、沢でシュラフカバーと組み合わせるにはもってこいの製品でした。
もちろん本来はキャンプ用の寝具なので、盛夏の中級山岳テント泊ならこれだけでも十分寝られます。

取り敢えず概略だけでも分かるよう「ウェブ上に残っていたページ」を参考として掲げておきます。
上記にリンクした商品は、“ESバッグ”シリーズの中でも汎用性の高い厚手のタイプのものでスペックに420gとありますが、この記事の画像にあるESバッグはこれと異なる薄いシンプルなタイプで290gとそこそこ軽く、コンパクトに収納できるモデルです。
この重さは“イスカ/Air 130”と同等ですが、夏には温度調節ができ、濡れても乾きやすい“ESバッグ”のほうが使い勝手は良いと思います。

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メーカーの商品説明に『筒状の腹巻き形の新しい発想のスリーピングバッグ「esバッグ」シリーズ。あたたかく快適な使い心地は、使い方いろいろ。さまざまなシーンで活躍します(原文ママ)』と、記載されているように、“ESバッグ”は形は単純ですが考え方によってはかなり画期的なデザインですから、私としては野営用寝具の新しいジャンルを作ったと言っても良いくらいのアイデア商品?だったと考えています。

しかし、斬新過ぎる商品に在りがちなことですが、商業的にはあまり成功しなかったのでしょうか?、残念ながらすぐに廃版になってしまいました。

そんな訳で現在正規には入手できませんが・・・、もし、デッドストックがバーゲンにでも放出されていたら取り敢えず買っといても損は無いでしょう。

こんなにシンプルで応用範囲の広い斬新な形態なんですから、F社がファインポリゴンでさらに軽い“これ”の発展型の製品を作ってくれたらイイのに・・・、と思う今日この頃です。(笑)

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2013年11月19日 (火)

“SUS304パイプの焚火グリル”(HDタイプ)

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



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焚火という行為・・・、小学生だった昔から還暦を過ぎた現在まで、焚火の火を眺めているだけで訳も無く心が躍り昂り、また同時に心が安らぎに満たされるという不思議なアンチノミー的感動を覚える・・・、これは私だけの感覚ではないと思います。

これは遙か昔、私たちの祖先が初めて火を手に入れた時のプリミティブな感動の記憶が、意識下・・・、唯識でいうなら阿頼耶識の奥底に強く刷り込まれ、現代の私達にまで引き継がれているからなのでしょうか・・・?。

また、子供の頃自分で熾した焚火で作った半分炭になったいがらっぽい味の焼き芋でも、不思議と美味しく感じたように・・・、この歳になっても焚火で炊いた飯は何故か美味しく感じてしまうから不思議なものです。

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ところが、焚火で調理するというのは結構手間の掛かる作業で、鍋釜を吊るす台を流木で作るのはとても面倒です。
そこで、楽をして焚火に鍋を直置きすることが多くなるのですが、それだと火加減が難しく、チョット油断すると大事なご飯を炭にしてしまう事も珍しくありません。

そんな訳で、私は“チタン製・焚火グリル”を自作して焚火での調理を簡単にできるようにしています。(画像↓)

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しかし、私がチタンマニア(?)という理由でこの素材を使ったのですが、冷静に考えればチタンの丸棒で作るのはコストが掛かるだけで、メリットは少ないような気もします。
Packergrill を作っている“Purcell Trench”社でもチタンパイプ製の製品を作っていますが、ウェブサイトでも

However, metallurgists warn titanium can warp and oxidize when subjected to high heat, including campfire heat.  We have not had oxidation problems with test grills but have had some warping of grills over hot fires with significant weight on the grill.  Customers wishing to put their grill over a roaring fire to get the kettle boiling right away should buy a stainless steel grill.  Titanium grills will not tolerate as much weight or heat as stainless steel grills.”(Purcell Trench社サイトから引用)

と記載しているように、重量以外は
チタンのパイプ材に優位性を認めていないようです。


そこで今回は“焚火グリル”を、入手しやすくチタンの数分の一のコストで済む304ステンレスのパイプで作ってみる事にしました。
パイプはアメリカ“Purcell Trench”社の6.35㎜(1/4 in)と近似のΦ6㎜物を選びました。
板厚は何種類かありますが、入手容易なのは1㎜(内径Φ4㎜)と0.8㎜(内径Φ4.4㎜)と0.5㎜(内径Φ5㎜)です。

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(外径Φ6㎜、右から内径Φ4㎜・Φ4.4㎜・Φ5㎜)


当然0.8㎜や0.5㎜の方が軽く仕上がるのですが、0.5㎜では強度に不安がありそうなので、今回は試作という事でまずは強度を優先した”Heavy Duty Type“にしてみようと1㎜厚のパイプを使いました。
これだったら、4~5人用の鍋を載せてもビクともしないでしょう。

工作は前回同様2本のスティックをワイヤーで繋ぐという形式ですが、今回はワイヤー末端の留め玉として真鍮製の自作スリーブを油圧スエージャーで圧着しました。

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(置き型に改造した油圧スエージャーと自作ダイス)

これでチタン製より少々重いかもしれませんが、コンパクトに携行できる割にはかなりヘビーデューティーな焚火グリルが完成したわけです。
何人かで焚火を囲んでワイワイやる時に便利な道具だと思いますよ。

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(㊧完成した焚火グリルHDタイプ ㊨シースも作った)




下記のプレゼントは終了いたしました。
おかげさまで8名の方からご応募いただきましたが、当選した2名の方にはすでにメールでご連絡いたしました。
メールの無い方は残念ながら落選とご理解ください。
では、よろしく!

【余談ですが・・・】

調子に乗ってステンレスパイプを定尺買いしてしまいましたので、材料に余りが出ました。

材料を残してもしょうがないので、太っ腹で私のブログ読者に今回制作したのと同じ”焚火グリル/Heavy Duty タイプ“を2名様にプレゼントしちゃいます!

なお、プレゼントの条件としては、なるべく登山・沢登り・渓流釣り等のアウトドア系のウェブサイトやブログを公開している方で、この道具を有効に使ってくださる方を優先したいと思います。

こんな道具でも、欲しい!と思う方や、是非使ってみたい!という方がいらっしゃったらこの記事のコメントに非公開設定にてメールアドレスと管理するサイトのURL記載の上その旨ご連絡ください。
当選者には別途ご連絡いたしますので、送り先等はその返信でご連絡くだされば結構です。

ただし、あくまで試作品ですから仕上がりはホドホドという事をご了承いただき、また送料は着払いでお願いする予定ですのでご了承ください!

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2013年11月11日 (月)

推薦! Sea to Summit のモスキートネット

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :★☆☆☆☆

(殺虫成分“ペルメトリン”が気になる方は使わないでネ)

【霜月も半ばなのに真夏ネタもなんですが・・・】

夏山で厄介なのが吸血昆虫の存在です。

何千匹ものメジロ(アブ)の大群に取り囲まれ、油断すると服だろうと軍手のの上からだろうと容赦無く刺してくる・・・、という状況になると、もはや登山どころではありませんし、極端な場合は車のドアを開ける事さえ躊躇するような熱烈歓迎を受ける事さえあります。

また、アブほど大きくないとはいえ、ブヨ(ブユ)も油断できません。
人の周りに無数のブヨが黒いつむじ風のように纏わり付き、払っても払ってもキリが無い・・・、なんて状況が続くと本当に発狂してしまいそうです。

まぁ、こんな状況が予想される山域や期間には登山を控えるのが賢明というものです。
しかし、そんな時期でも増水で幼虫が流されたためか、あるいは別の原因なのか・・・、不思議と虫のムの字も見かけないような快適な登山が出来る場合も無い訳ではないので、行かないで後悔するのも口惜しいし・・・、と悩みは尽きません。

また、長い休みの取れる夏にしか「そこ」に行けないとか、その時期に「そこ」に行かなくては納得のできる釣りができない、とかの理由で虫の危険を覚悟してでも敢えて行ってみなければ気が済まない・・・、というのが沢屋の微妙な心理というものでしょう。
結果的にはラッキーな山行になる確率は僅かで、行っても車から一歩も出られなかったり、林道でアブに追い返されたり、あるいは強行したおかげで体中凸凹にされて医者通いさせられたりと酷い目に遭う事が殆どで、さらに帰ってからも暫くは車のそこら中に転がる干乾びたアブの死骸に嫌でも悪夢を思い出さされる事になるのです。


さて、そんな時、頼りになるのがディートが主成分の虫除け剤とモスキートネット(バグネット)です。

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(モスキートネットと小さなスプレーボトルに入れた昆虫忌避剤)

アブだと長袖のジャージを着込んでも上から刺してきますし、藪蚊やブヨはアブと違って服の上から刺してくるれることは少ないとは言え、その分顔を集中的に狙われるので困ってしまいます。

何れにしろ、顔を何発もやられると、虫に弱い体質の人だと翌日にはノーメークで四谷怪談に出演できそうな顔になってしまいますので、特に女性にとっては重大な問題です。

その意味でも、最低限顔だけは守ってくれるモスキートネットは、やはり夏山の必需品と言って良いでしょう。

私も夏の山に行くときは必ず虫除け剤とモスキートネットを持つことにしているのですが・・・、今シーズン初めて使った「 Sea to Summit のモスキートヘッドネット」がとても気に入りましたので皆さんにもご紹介したいと思います。

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(Sea to summit のモスキートネット)

この製品は、WHOやユニセフが途上国のマラリア感染対策として採用している、ペルメトリンという殺虫成分を繊維自体に含浸させたネットで作られています。

ペルメトリン自体の毒性と、これを使った蚊帳の副次効果等々・・・、途上国での使用には賛否のあるところですが、私のように老い先短い人間にとっては山で短期間使う程度なら心配する必要は無いでしょう。

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(“Permethrin Treated”との記載がある)

また、私はテン場で林業用の太い蚊取り線香からモクモク煙を出して虫除けにすることも多いのですが、ペルメトリンはあれと同じような成分ですから、むしろ蚊取り線香の方が体に悪そうですし、第一そんな事一々気にしていたら山登りなんてやってられませんよね(笑)。


さて、私はこの夏、虫が多いと言われる東北の某所を歩いたのですが、予想通り顔の周りには無数のブヨに纏わり付かれました。

しかし、大きな鍔付の帽子の上からこのモスキートネットを被ったところ、当然ですがブヨは顔に近付けませんし、またペルメトリンの効果なのか気のせいなのかは分かりませんが、ネットに止る虫の数もゼロではないにしろ、普通のモスキートネットより体感的にずいぶん少ないと感じましたし、襟首や胸元を咬まれることもありませんでした。

これだったらタープだけのビバークでも、被って寝れば網の目を潜って来る小さなヌカカなんかも効率的に排除してくれそうです。
これでペルメトリンの防虫有効期間が3~5年あって、1000円少々で買えるのだったら御守り代わりに1つ持っていても損は無いでしょう。

まぁ、ただの筒状の網ですので、どれを選んでも実質的には大差は無いのかもしれませんが・・・、この製品はペルメトリン加工がしてあるという事に加え、素材が細く黒い糸で編まれた網なので視界も良好ですし、風通しも良くかなり快適に使用できますので、(ペルメトリンが嫌いな方以外には!)自信を持ってお薦めのできる製品だと思います。

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2013年11月 2日 (土)

“チタン製焚火グリル” ロングタイプの製作

便利度 :★★★★★
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



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(『 焚火は最高の酒の肴である 』なんちゃって!・笑)

沢での焚火はそれ自体が楽しみでもありますが、できるなら、その熱を利用してご飯を炊いたり釣った渓魚を焼いたりすると、焚火の楽しみはさらに深まります。

しかし、問題なのが焚火の上に鍋を吊るす方法です。
長い流木を三脚にして針金で鍋を吊るしたり、横木を渡して鍋を吊ったりするのが理想なのでしょうが、工作が面倒ですし、また適当な流木や倒木が見つかるとは限りません。
それに、工作用の紐や針金なども別途持参しなければならず、一晩の焚火の為にしては結構手間が掛かります。

また(私も一番使う方法なのですが・・・)、燃えている焚火の上に直に鍋を載せたり、薪の上に焼き網を置いて間接的に鍋を直置き?したりする方法が一番手っ取り早いのですが、不安定で鍋が急に傾いてしまったりしますし、また焚火は思いのほか火力が強く、油断するとご飯を酷く焦がしてしまったり、熱くて鍋を持ち上げられなくなってしまうという事も起こりがちです。

そんな訳で、以前私はチタンの丸棒で簡易グリルを作り、(画像↓)使用してみましたが、これを使えば簡単に鍋を焚火の上に置けますし、火の中心から外れた位置に鍋を置いて適度な火力で飯を炊いたり、じっくり煮込むという事も簡単にできます。(画像↓↓)
また、炊飯は薪に丸型飯盒を直置きしてしばらく沸騰させ、その後グリルに乗せてやや遠火で蒸らし炊きにすると失敗がありません。

それから、焚火グリルではまだやった事はありませんが、岩魚を串に刺さずにグリルに乗せて遠火でじっくり焼き枯しにすることもできそうです。

しかし、正直に話すと・・・、前回作った40㎝の焚火グリルは、初めて使った段階から「これではチョット短いかなぁ・・・?」と思いつつ使っていたのです。

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この手のグリルでは老舗のアメリカのパーセルトレンチ社の“Packer Grill”の長辺が38㎝なのを参考に、携行性と荷重強度を考えて長さを40㎝にしたのですが、小さな焚火ならこれでも十分使えるとは言え、沢では不揃いの大きさの流木を燃やすため大きめの石のカマドを作る事も多いので、本音を言えばもっと長い方が絶対便利なのです。

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(40㎝タイプの焚火グリル)

そんな訳で、今回ロングタイプ製作に踏み切ったのですが・・・、「過ぎたるは及ばざるが如し」なのか「大は小を兼ねる」なのか・・・、つまり45㎝にするか50㎝にするのかと暫し悩みました。

あまり長いスパンに重い鍋を載せると曲がってしまうかも知れないからですが・・・、まぁ、ムクの丸棒なので曲がったら直せばよいし、使ってみて長過ぎたら後で短く詰めれば良いだけの話なので、取り敢えず50㎝の焚火用グリルを作る事にしました。
基本は以前紹介したものと同じですが、今回は両端のワイヤー連結部をよりシンプルな構造にしてみました。

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(㊧50㎝タイプ、㊨40㎝と50㎝の比較)

この新しい連結部は、Φ5㎜のチタン丸棒の末端にΦ2㎜の穴をあけ、Φ1.5㎜のステンレスワイヤーを通し、ワイヤーの両端に銅製のスリーブを止め玉としてカシメただけのストレート構造です。

私は自作の銅製スリーブを、自作のダイスを取り付けた油圧スエージャー(圧着工具)で六角形に締め付けましたが、ここは短く切ったアルミのワイヤー用スリーブをハンド・スエージャーで締めても良いし、電工用スリーブを圧着ペンチで潰しても良いでしょう。
また、全体の形は前回同様、両端の幅が異なる台形に仕上げました。

軽いチタンとは言えムクの丸棒ですし、重量も長くなった分増えましたが、それでも何とか完成重量93gに収まりました。

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長さ38㎝の“Packer Grill”が94g、“Packer Flame”が64gなので、50㎝で93gというのも我慢のできる数字ではないでしょうか?。
また、製作費もチタンで作ったのに、ステンレスパイプ製の“Packer Grill”の国内価格の3分の1位で済みましたので費用対効果で考えてもまあまあ納得のできる自作道具だと思います。

また、オリジナルの“Packer Grill”チタンバージョン(約Φ6㎜のパイプ製)は53gに仕上がっているというので、(同社のコメントは、チタンパイプ製には軽さ以外には大きなメリットは無いとも読み取れますが・・・)良い素材が見つかれば私も細いチタンパイプで作ってみたいと考えています、。
(何方か、Φ6㎜位のチタンパイプを定尺でなく1メートル単位の小口で買えるところをご存知でしたらコメントにてお知らせいただければ幸いです)

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(㊧新・旧の端部を比較、㊨今回のワイヤー末端処理)

まぁ、焚火用のグリルなど、絶対必要な道具ではないかも知れませんが、苦労して熾した焚火を前に、どうやって鍋を載せようかと悩んだり、焚火に飯盒やビリー缶を直置きにしてご飯を炭にしてしまうよりは、このような焚火グリルを持参して、スマートに焚火調理を楽しんだ方が賢明だと思いませんか?。

もちろんシビアな登攀系の沢には縁の無い道具でしょうが、癒し系の沢や釣竿を持っての稜線を目指さない沢歩きなんかには有ると便利な小道具になるはずです。

あと、連結部にワイヤーを使用せず、細い鎖をWリングで留めれば工具不要で幅の調節ができるでしょうし、それも面倒なら現場で針金を使って適宜繋いでも実用上の問題は無いはずです。
これだったら工作もいたって簡単ですから、皆さんも一つ作ってみてはいかがでしょう。



【余談ですが・・・】

私はチタンマニア(笑)なので今回の焚火グリルにもチタンの丸棒を使いましたが、これは丁度良いチタンのパイプが入手できなかったためです。

しかし、チタンより入手が容易で廉価なステンレスの小径パイプを素材とすればもっと手軽に焚火グリルができることも確かです。

ちなみに、今回の素材に使ったΦ5㎜・長さ1メートル(50㎝×2本分)のチタン/2種の丸棒は、チタンの比重が4.51ですから理論上の重さは約88.4gです。

もしこれと同等の物を、耐熱性があり入手の容易なSUS304のパイプで作るとしたらどうでしょう?。
18-8ステンレスの比重を7.9として、外径6㎜・内径4㎜の素材だと理論上の重さは約124g、内径4.4㎜のステンレスパイプなら約103gですから、Φ5㎜チタン丸棒との重量の差は前者で約36g、後者だと僅か15gという事になります。

まぁ、この36gあるいは15gを重いと見るかそうでないかは主観の問題ですが、製作コストはもちろん、高温時の機械的強度や耐蝕性等を総合的に考えるとSUS304のパイプもこの用途には捨てがたい素材であることは確かでしょう。

そんな訳で・・・、時間があれば次回はステンレスパイプ製の焚火グリルを作ってみる事にします。

請御期待!

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