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2013年11月28日 (木)

“ポリゴンシールド”って・・・、どうよ?

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★☆☆
危険度 :☆☆☆☆☆

(価格と中途半端なモスキートネットが推薦度のマイナス要因です!)

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(“ポリゴンシールド”、画像が逆なのではなくテン場で干しているところです)

最近“F社”の製品の人気が高まっていますね。
ここの製品はユニークで高品質な物が多いのですが、それ以上に宣伝が上手で、自社の製品の優位性を誇示する商品の機能説明などを見ると、少々ハッタリの匂いも感じつつも、つい欲しくなってしまいます。(笑)

また、コストの掛かる国内生産だからなのでしょうが、全般に価格設定が高すぎるような気がします。

時流に乗った広告活動によって形成された、同種他社製品と差別化された商品イメージと、宣伝を鵜呑みにし高価なモノは良いモノだと考えるビギナーマインドによってこの価格でも売れるのかも知れませんが、全般的に同品質の物を“某M社”が中国で作れば3割以上は安く売れるんじゃないでしょうか?(笑)

いきなり辛口の社評をしてしまいましたが、実際に野外活動をする側の立場で良く考えたモノ造りをしている姿勢には好感が持てますので、今後の商品展開に期待したいところです。

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(実は私もF社製品を結構愛用している・笑)


さて、UL山行や沢登りでのタープを利用したビバークでは、ゴアテックス等の透湿防水地のシュラフカバーがよく使われます。
当然保温性はあまりないので、寒ければ薄いインナーシュラフや半シュラフを併用したり、それが無ければ予備の衣類やカッパまで着込んで寝る事になります。
 

また、シュラフカバー単体使用の場合丈夫な3レイヤーの製品を使いますが、ゴアの3レイヤーとなるとモンベルのゴアテックス・サイドジップシュラフカバーで重さが480gもあり、ダウンの半シュラフより重いですし、インナーシュラフと両方持つとかなりの負担になってしまいます。

透湿防水地でシームシールがしっかりしていて、薄い保温材のライニングがあって単体使用ができるものがあれば理想なのですが、その様な商品はほとんど見かけません。
一時大手スポーツ用品メーカーのミズノが”Berg”というブランドで、ゴアとブレスサーモを組み合わせたシュラフカバーを販売しており、かなり良かったのですがこれも重量が660gと少々重過ぎでした。(画像↓)

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そこで、生地は薄くても良いし、ゴアテックス以外の透湿防水地でも構わないので、重さが3レイヤーのゴア・シュラフカバー以下に収まる保温材入りのフォーカスト・ビバーク用のシュラフカバーがあれば欲しいなぁ・・・、と考えていたら・・・。

あのF社からこの条件を満たすであろう“ポリゴン・シールド”という製品が発売されたのです。
相変わらずの上手いF社の宣伝文句にほだされて・・・、早速購入してしまいました。

この製品は、ウレタン系の透湿防水コーティングの極薄生地と、F社独自開発?という“ファイン・ポリゴン”という、これまたハッタリっぽい名称の保温素材を組み合わせたもので、重量も362g(モスキートネット一式を含む公表値)と軽量です。

この“ファイン・ポリゴン”という素材は微細な繊維を積層した極薄シートを3次元的に(≒しわくちゃに・笑)塑性変形させた新しい発想の保温素材ですが・・・。
シェルに封入された状態では見掛け上の嵩高が出ますが、構造上内部の大きな間隙で対流が起こるため、内部で人体が動くような場合には素材自体のデッドエアー保持能力にやや気掛かりな部分もあるような気がします。

同じ厚さの保温層という条件で比較すれば、“クラボウのAir Flake ”(イスカのピルグリムシリーズに使用)のようなバイオミメティック(生体模倣)素材のほうが、運動を伴う実使用時でのデッドエアー保持能力という点では優れていると思われますが・・・、どうなんでしょうか??。

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(㊧小さく収納でき、 ㊨本体だけなら345g)

しかし、本製品のように大きな保温性を求められない用途で使用する場合には、小さく収納でき、ダウンと異なり濡れても保温力の低下が少なく、またバイオミメティック素材と比べても乾燥が早いというのですから、この能書きを信じるならまさに理想的な沢用シュラフカバーの保温素材と言えるでしょう。

またこの製品は、タープとの併用を考え、モスキートネットまで標準装備されているのです。
私も以前シュラフカバーを改造してモスキートネットを取り付けていたことがある位なので、この点も好印象です。

さて、実際に使用してみて、保温性の面では実測気温15℃位までは快適に就寝できました。
もう少し寒くても辛い思いをしないで寝られる気もしますが、秋以降の単体使用は難しいでしょう。

あと欲を言えば、横幅がもう少し広く、ファスナーがあと10センチ長かったら良かったんじゃないかなぁと感じました。

私は単体使用を前提で購入しましたので、これでも全然OKなのですが、寒い時期にロフトのあるシュラフと組み合わせる場合には大柄の男性だとチョット苦しいかなといった印象です。

私が冬用に使っているモンベルのシュラフカバー・ワイドタイプが最大幅で約85㎝あるのに、ポリゴンシールドは約75㎝ですから、もう5センチほど幅があれば大柄な男性でも冬シュラフとの併用が楽になると思います。

また、国内生産で、シームテープ処理等の縫製コストも掛かっているとは思いますが、素材自体の単価から考えれば、かなり割高な感は拭えません。
まぁ、機能としては総合的にまずまずの合格点なのですが・・・、この価格では積極的にお薦めする事に躊躇を感じてしまいますね。

あと、皆さんが一番興味を感じるのは、この製品を他製品と差別化している大きな特徴であるモスキートネットの存在だと思います。

シュラフやカバー自体にモスキートネットが付いていて国内で手軽に入手できるのは現在スナグパックのジャングルバッグと、 快速旅団のAI-102と、このポリゴンシールドくらいじゃないでしょうか?。

しかし、私はこの夏はテント内用として、軽量化のためポリゴンシールドからネットとフレームを取り外して使用しており(冒頭の画像↑)、現在までこの製品のモスキートネットを虫の多い場所で実際に使用した経験が無いのです。

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(ネットとフレームは取り外せる)

よって、現段階では正しい評価はできませんが、シュラフカバーに潜り込んで、ゴムを後頭部に回して、ネットのスナップを留めて、ファスナーを閉じて・・・、という作業は結構面倒ですし、フレームも寝返りをした時に十分機能するかは疑問です。
また、ネットとシュラフ本体の間に隙間ができる中途半端な構造なので、薮蚊だったら防げるかもしれませんが糠蚊みたいに隙間から這って入ってくる吸血昆虫にどれほど効果があるのかは現在不明です。

スナグパック社のジャングルバッグではネットが全周で固定されていますが、“M I L Spec” の軍装品も製造している同社としては外見よりも防虫という機能を重視した結果このような構造にしたのでしょう。

いずれにせよ、ポリゴンシールドでモスキートネットを使用する際にはネットにディート系の昆虫忌避剤をスプレーしておいた方が賢明だと思います。

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(虫の多い時期は沢でもテントのほうが快適かな・・・)

そんな訳で「モスキートネット標準装備」という点を主な動機としてこの製品を買おうと考えている方は、使用者の評価が出揃うまでしばらく待つか、あるいは現時点では“おまけ”の要素だ、と割り切って購入した方が良いかもしれません。


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(フレームでとネットと顔の間ににスペースを確保できる構造)


この点は、来年の夏に実際に使ってから再度レポートしてみたいと思います。




【余談ですが・・・】

沢でシュラフカバーのインナーとして使うと便利だったものに、“キャラバン”の“ESバッグ”シリーズというのがありました。( 画像↓)

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残念ながら現在生産終了となってしまいましたが、この“ESバッグ”とはエクセルロフト4Dの薄い保温材を入れた筒状の半シュラフで、一口で言うなら太くて長い腹巻みたいなモノをイメージすると良いでしょう。

上下に開口があるので気温の高い夏は足を出し、体j幹部だけ冷えないようにして寝られますし、紐で末端絞れば腰から下の半シュラフにもなるという面白い道具で、沢でシュラフカバーと組み合わせるにはもってこいの製品でした。
もちろん本来はキャンプ用の寝具なので、盛夏の中級山岳テント泊ならこれだけでも十分寝られます。

取り敢えず概略だけでも分かるよう「ウェブ上に残っていたページ」を参考として掲げておきます。
上記にリンクした商品は、“ESバッグ”シリーズの中でも汎用性の高い厚手のタイプのものでスペックに420gとありますが、この記事の画像にあるESバッグはこれと異なる薄いシンプルなタイプで290gとそこそこ軽く、コンパクトに収納できるモデルです。
この重さは“イスカ/Air 130”と同等ですが、夏には温度調節ができ、濡れても乾きやすい“ESバッグ”のほうが使い勝手は良いと思います。

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メーカーの商品説明に『筒状の腹巻き形の新しい発想のスリーピングバッグ「esバッグ」シリーズ。あたたかく快適な使い心地は、使い方いろいろ。さまざまなシーンで活躍します(原文ママ)』と、記載されているように、“ESバッグ”は形は単純ですが考え方によってはかなり画期的なデザインですから、私としては野営用寝具の新しいジャンルを作ったと言っても良いくらいのアイデア商品?だったと考えています。

しかし、斬新過ぎる商品に在りがちなことですが、商業的にはあまり成功しなかったのでしょうか?、残念ながらすぐに廃版になってしまいました。

そんな訳で現在正規には入手できませんが・・・、もし、デッドストックがバーゲンにでも放出されていたら取り敢えず買っといても損は無いでしょう。

こんなにシンプルで応用範囲の広い斬新な形態なんですから、F社がファインポリゴンでさらに軽い“これ”の発展型の製品を作ってくれたらイイのに・・・、と思う今日この頃です。(笑)

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コメント

信じられないくらい高いなあ。100ドルであるのに。http://www.rei.com/product/794292/rei-minimalist-bivy-sack-regular

投稿: 村上 | 2013年11月28日 (木) 11時53分

村上先生、まいどです!

おっしゃる通り、高過ぎですね。
本文では控えめな表現をしましたが、私もそう思います。

自分で買っておいて言うのもなんですが・・・、これも日本のアウトドア文化の底の浅さと言うのか、ブランドという権威に靡きやすい軽薄な消費者の指向性によるものなんでしょうね。(笑)

投稿: 理事長 | 2013年11月28日 (木) 15時30分

気になる商品でしたが・・・高いですね
ん〜高い。

投稿: Katsu | 2013年11月28日 (木) 19時50分

Katsuさんまいどです!
まったくです。
まぁ、F社価格ってことでしょう。
ゴアで作ったって普通はこういう値段にはならんでしょうね。

投稿: 理事長 | 2013年11月28日 (木) 20時08分

理事長さん

ご無沙汰です!

確かにF社物はいいんですが、お値段がちと高いですよね(*_*)
起ち上げの頃より相対的に価格設定が上がってるように感じますね。

今日は、理事長に伺いたい事がありコメントさせてもらいました。
何か知恵があれば頂ければと・・・・・・・・・・・・・(^_^)

実はゴーグルの修復方法なんですが、所有してるゴーグル6個のうち4個が顔と接する側のスポンジが加水分解したブーツのソールのように綺麗に剥がれてしまいました。
ゴーグルのメーカーでは、この部分のスポンジ等の交換パーツや修理は請けないらしいんです。

適当な修理方法ご存じないですか?

あっ、それと前から確認しようと思ってたんですがこちらのサイトを当blogにリンク貼らせてもらっても良いですか?

では、宜しくお願いします。

投稿: bp-hiro | 2013年11月30日 (土) 12時08分

bp-hiroさんようこそ!

ゴーグルのスポンジ劣化は共通の悩みですよね。
修理するとしたらゴーグルのフレームにリタックシートなどを貼って型取りをして、それを元にPP板でゲージを作ってスポンジのシートをカットするくらいしか思い当りませんね。
健闘に期待します!

それから、リンクの件はまったく問題ありませんのでよろしくお願いいたします。

投稿: 理事長 | 2013年12月 1日 (日) 07時37分

理事長さん
早速の回答ありがとうございます。

僕も色々と調べてみて、防水タイプの隙間テープを代用するのがデフォルトのスポンジに近い感じなので早速ホームセンターでテープを購入してきました!

近いうちに修理してみた流れをblogの方でもUPしようと思ってます。

リンクの件ありがとうございます。

投稿: bp-hiro | 2013年12月 1日 (日) 13時25分

bp-hiroさんは引退したのかと思っていた。勝手にリンクを張ったよ。

投稿: 村上 | 2013年12月 4日 (水) 09時13分

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