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2014年4月17日 (木)

Wリング・バックルは時代遅れか?

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆



Wリング・バックルは古典的なベルトの締結方法の一つです。(画像↓)

Wr_3

しかし、構造がシンプルで壊れる心配も少なく、また嵩張らず弛み難くいというメリットもあるので、現在でも一部のアイゼン等に使用されており、その実用性はいまだ色褪せてはいません。

ただ問題は着脱で、特に強く締めてしまうと外すのに苦労してしまう事でしょう。
簡単に解放するため、末端をもう一度折り返すという方法もありますが、手袋のままだとこの作業も面倒ですし、また、これだと弛み易くなるという問題も発生します。

そこで山道具メーカーでも一方のリングにタブを付け、そこを摘まんで引っ張ると簡単に外れるように工夫したりしていますが・・・。

1 2
(BD社のクランポン用タブ付Wリングバックル)


今回の記事はこのレトロなWリング・バックルを、簡単にリリースができ構造で、さらに外観もスマートに仕上げて、山道具の自作に活用できる方法をご紹介しようと思います。

御承知のようにWリングバックルはリング2個をベルトに通して縫製するだけのごく簡単な構造ですが、この部分の縫い方が今回ご紹介するクイックリリース機構の要になります。

この方式にするには、リングを通して折り返したベルトの重なった部分の両端を長手方向に2往復程ミシンで縫って固定します。
つまり折り返して2重になった部分はチューブ状になる訳で、この中に上側のリングに回した細紐を通し、末端には8ノットの結び目かエンドボール等で摘まみやすくしておくというものです。

Ring_5
(外側のリングに通した細紐を・・・)

私の拙い表現力では理解できないかもしれませんので、判りやすいように赤いテープに目立つように敢えて黒い糸で縫った説明用サンプルを作りましたので画像を表示しておきます。

Ring_6
(・・・両端の縫い目の間を通して引き出す)

画像の末端を8ノットにした黒い細紐は、二重になった赤いテープの間を通り外側のリングだけに連結されていて、細紐を引くと2個のリングの間に間隙ができ、挟まれていたバンドがスルッと緩むという訳です。

Ring_7
(細紐を引くと簡単にリリースできる)


使用するリングは15㎜の幅のアイゼンバンドなら内径18㎜のリング、18㎜幅のテープだったら内径20㎜が理想ですが、内径20㎜のリングでも後述の工夫をすれば15㎜のアイゼンバンドでもほとんども弛むこと無しに使用できます。
また、内径20㎜リングに20㎜幅テープを使う場合は、呼び寸は20㎜幅でも実測の細めのテープの方が使い易いでしょう。

Ring_1
(㊧内径20㎜の溶接リング、㊨18㎜の打ち抜きリング)

以前はアイゼンバンド用のプ18㎜の打ち抜きリングの入手ができたのですが、最近は入手が難しくなっているので入手不能なら内径20㎜の溶接リングを加工して使用するのが良いでしょう。

Ring_2
(手持ちのアイゼンバンド用18㎜の打ち抜きリング)



金属パーツ屋で売っているような内径20㎜線径3㎜程のステンレスの溶接リングを15㎜幅テープで使う場合は、そのままだと弛むことも考えられますので、ベルトを弛みにくくするため断面を丸から平たい太鼓型に潰しておくのがベターでしょう。

Ring_4
(入手容易な内径20㎜線径3㎜程のステンレスの溶接リング)

私は油圧ハンドプレスを使って潰しましたが、これはハンマーと金床を使ってたほうが簡単かもしれません。
副次効果として加工硬化でリングの強度を上げる事にもなります。

Wr_1
(表面にはプレスで平らに潰した時の凹凸が見える)

Wr_5
(画像はボードの流れ止め用に作ったものなので、ショックコード入りテープが見える)

上の画像はWリングを使用したボードのリーシュの例ですが、縫製には太い糸と工業用ミシンを使はなくても、30番程度の糸でも十分強度は有りますし、画像の18㎜幅のテープなら両側を細めのバータックで縫っても良いでしょう。さらに、手縫いならより強度を増すこともできるはずです。
(前述の赤いテープのサンプルでは8番と太めの糸を直線縫いで使用)


この例は内径20㎜のリングと18㎜幅テープを使用した場合ですが、前述のサンプル同様、固定する時は通常のWリング・バックルと同様バンドを折り返して締め付け、外す時はバンドの折り返し部から出ている細紐末端のエンドボールを摘まんで引けば、固く締まったバンドもスルッと驚くほど簡単に弛める事ができます。

Wr_6
(細紐の末端を持って引くだけで簡単にリリースできる)



簡易アイゼンのバンドやスキーリーシュ、あるいはアックス・リーシュのアジャストなど、自作山道具の分野ではかなり応用ができると思いますので、興味のある方はお試しください。

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