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2014年12月

2014年12月15日 (月)

シェル出し用“油圧シリンダー”を作っちゃおう!(試行編)②

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

《御注意!》
今回の一連の記事も、当ブログの常として、あくまでアマチュアの悪戯の範囲での試行としてお考えください!
使用した機材等も正式な用途外のモノを流用していますので、耐久性・安全性共に全く保証しかねます。
早い話が、使えるには使えるが・・・、原則論では根本的に間違っている工作だという前提でお楽しみいただければ幸いです。

“シェル出し用“油圧シリンダー”を作っちゃおう!①” からの続きです】


そんな訳で・・・、まずはポンプ側から改造します。

ポンプはボルトでピストンのシャフトを押し出す形式を採ります。

まぁ、詳細は画像をご覧いただくのが一番ですが、早い話が入手したエアシリンダーの形状に合わせて、シャフトを押し込むボルトの土台部分を組み付けるだけです。

作業の能率を上げるため、一応リターンスプリングを取り付けておきました。

このスプリングを省略する構造にすれば、手動でピストンを戻す必要は生じますが、ポンプアッセンブリーの全長を2/3程度までコンパクトにすることも可能です。

私は記事にする都合上見栄えの良い設計にしましたが、それが面倒なら、ボディー全体を既製品のCクランプに挟んでシャフトを押すという方法でも構いません。

S_pump_8
(試作という事でポンプ部はやや大型になった)

さて、今回の試作では、押し出し用のステンレスボルトを取り付けるトッププレートが厚いとはいえアルミ製なので、タップで雌ネジを切っただけでは耐久性に問題がありますし、ボルトの回転もスムーズではありませんので、念のため専用タップを立てて全長を短縮加工したステンレスのヘリサートを挿入しておきました。

S_pump_7
(コイル状のネジ山補修器具“ヘリサート”で操作性と強度を向上)

押し出し用のボルトの頭には“ノブスター”と呼ばれるプラスチック製のハンドルを取り付けました。
最初はクランク型のハンドルにしようと思いましたが、使用している機材の耐圧がさほど高くないため、締め込んだ時に手応えが感じられるよう敢えて小型のハンドルを使ったのです。

Sp2_1
(ハンドルは“ノブスター”を使用した)

なお、エアシリンダーのシャフト先端の形状には製品によりバリエーションがありますが、中古の放出品を使う関係上贅沢は言えません。
現物合わせで構造を考えましょう。

シリンダー側の加工は、シャフトの先端にシェル押し出し用の型を取り付けられるようなパーツを削り出し、シャフト端面にある雌ネジ穴で固定します。

このパーツの二本のピン(頭をカットしたビス)を木製の押し型の穴に入れて固定する仕組みです。

S_pump_10  Sp2_5
(㊧押し型のベース部、㊨押し型を取り付けた状態)

また、上記とは別に押し型部が遊動する形式の物も作ってみました。
こちらはシャフト端面の穴に直接木型アッセンブリーを捩じ込んで固定しますが、下の画像でお判りのように押し型に回転の自由度を持たせ均等にシェルを押し出せるようにしたものです。
また、この方式だと押し型部分でも若干の寸法調整が可能です。

固定式と遊動式、どちらが良いかは何回か使ってから判断したいと思います。

Sp2_4 Sp2_2
(真鍮製の軸を中心に回転の由度を持たせた)

また、後端にはシェルの幅とカーブに応じて調整ができるように、タップを深く切り足してアジャスト用のビスを4本取り付けました。
これで、シェル内面の形状と幅に合わせて独立した4本のビスを調節し、ジャストなポジションにシリンダーを置くことができます。

 S_pump_11
(幅寸法のアジャスト用ビス)


最後にポンプ部とシリンダー部を接続します。
ホースとニップルの接続はキャップ締め込み型の方が体裁が良いのですが、今回は念の為、耐圧ホースクランプでカシメました。(画像↓)

S_pump_12_3


まずポンプ側のニップルにホースを接続し、シャフトが一番引かれている状態でエア抜きしながら作動油をシリンダーとホースに満たします。
作動油は何でもよいのですが、私は手持ちのガレージジャッキの補充用のものを使いました。

次にシリンダー側にも作動油を満たし、シャフトが奥まで押されている状態でポンプ側に接続されたホースの末端をシリンダー側のニップルに接続します。
接続に際しては、両者ともエア抜きをし、作動油に気泡が混入しないように注意してください。
また、ホースが長めなのはキンク(捩れ)対策の為です。

Sp2_6
(ポンプ部とシリンダー部を接続すれば完成!)

これで本体は完成です。早速実験してみましょう。

【以下、続く・・・】

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2014年12月 7日 (日)

シェル出し用“油圧シリンダー”を作っちゃおう!(試行編)①

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆


《御注意!》
今回の一連の記事も、当ブログの常として、あくまでアマチュアの悪戯の範囲での試行としてお考えください!
使用した機材等も正式な用途外のモノを流用していますので、耐久性・安全性共に全く保証しかねます。
早い話が、使えるには使えるが・・・、原則論では“根本的に間違っている”工作だという前提でお楽しみいただければ幸いです。



S_pump_15

(今回はこんなのを試作してみました)

スキーブーツやランドーネブーツなどの樹脂製のハードシェルは、革製の靴と違い使っているうちに自然と足に馴染んでくる事はありません。

足に当たるブーツは滑っても歩いても苦痛ですが、かと言ってワンサイズ大きなシェルのブーツを買うと、スキーのコントロール性が悪くなって滑走自体を楽しめなくなったり、バックルをきつく締めても踵が浮いて快適ではありません。

特に欧米製のスキーブーツの場合は、一般的な足型の日本人でも足指内外の関節や舟状骨などがシェルに当たる傾向があるようです。
サーモインナーの熱成型で改善する範囲なら問題無いのですが、それでも当たってしまう場合はシェル自体を熱成型して足型に合わせる、所謂「シェル出し」行う必要が生じてしまいます。

私も以前からこのブログで、この「シェル出し」を自宅で行う方法についてご紹介してきましたが、行きがけの駄賃で、今回はとうとうシェル出し用の“油圧シリンダー(ハイドロ―リック・シリンダー)”の自作という禁断の領域に足を踏み入れてみることにしました。

当初私もこの自作に挑戦するのを躊躇っていたのですが、それはシリンダーとピストンを旋盤で正確に挽いた後、内面をホーニングしないと気密が保てないという、私には困難な課題があったからです。
ライブスチームや模型用のレシプロエンジンを作れるような高い技術を持った本格的な工作マニアならいざ知らず、私は単なる工作好きの『山道具道楽』ですから、そこまで技術的なスキルが達していないのです。

そんな訳で、シリンダーを既製品から流用できないかと考えていたのですが、手頃な小型の油圧シリンダーはなかなか見つかりませんでした。(油圧専用で耐圧も数MPa以上のFA用小型シリンダーもあるにはあるのですが安価な中古品はまず見つからないのです)

そんな折、ふと気が付いたのがFA機器などに多用されている小型のエアシリンダーを流用できないか?・・・、というアイデアです。
エアシリンダーでしたら種類も豊富ですし、ジャンクを探せば1個数百円~千円程度での入手も可能なはずで、この程度だったら工作遊びの対価としても許容範囲です。

S_pump_3
(小型のエアシリンダーを流用してみた)

問題は本来空気で作動するピストンに作動油の圧力が掛かった時の耐久性と、オイルシールと作動油の相性がどうかという事です。
今回の用途の場合、重機などの油圧系などと異なり必要とされる油圧もせいぜい1~2MPa程度と低圧でしょうし、空圧機器メーカーの仕様書を確認したらピストンパッキンもNBR(ニトリルゴム)のようですから作動油によっての膨潤や劣化も起こらないだろうと思われます。

02
(構造/メーカーのカタログより)

そんな訳で早速材料の調達です。
エアシリンダーはネットで新同の工場取り外し品らしきものを探し、ホースを接続するニップルはエア用ではありますが、樹脂製でなく金属製の物を調達しました。

シリンダーはボアがφ20㎜~25㎜程度でストロークも40㎜程度あれば理想なのですが、安価なジャンク品となると選択肢も絞られますので、今回の試作ではポンプ側もシリンダー側もφ20㎜×ストローク30㎜を使用しました。

パスカルの原理で、シリンダー側にボアの大きい物を使えば同じ内圧でも大きな力がでますので、耐圧の低いエアシリンダーを流用する時は大き目のボアが良いのですが、ブーツ内で余裕をもって作業できるかという条件を考えると兼ね合いが難しいところです。

S_pump_5
(φ20㎜なら余裕でブーツ内での作業ができる)


平均的な小型エアシリンダーのスペックでは最大耐圧が1.5MPa程度はあるようなので、ボアφ20㎜だとピストンを45㎏程度の力で押し出せることになりますから何とか使えるはずです。(ちなみに内圧が1.5MPaだと、φ25㎜で概ね70㎏、φ32㎜だと120㎏位の力が出せます)

また、エアシリンダーは非接触スイッチ対応の物だと同じストロークの機種でもマグネットの分だけ全長が大きくなりますので、作業性を考え可能ならシンプルな機種を選びましょう。
その他、継手接続部分にはエア用のオリフィスがあるので、当初ここを拡張しようとも考えましたが、動作が低速ですからさして支障は無いだろうと考えそのまま使う事にしました。

問題はホースです。
作動油を通す関係で一般的なエア用のウレタンチューブでは少々心配だったのですが、なんとか作動油に耐性があり、また3MPaの耐圧を持つウレタンの小径ホースを見つけることができました。
ただし内径は希望したφ2.5㎜ではなく、φ4㎜とやや太目です。

ニップルはホースに合わせた差し込み式の物を使いカシメ式のホースクランプで締め付ける事にしました。
締め付けキャップ式ニップルの方が体裁が良いのですが、作動油の圧力が掛かる部分なのでこの方法を選んだのです。

S_pump_12_2




さて、早速工作開始です。


以下、続く・・・



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