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2015年1月 3日 (土)

シェル出し用“油圧シリンダー”を作っちゃおう!(試行編)③

便利度 :★★★★★
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★★☆☆☆

《御注意!》
今回の一連の記事も、当ブログの常として、あくまでアマチュアの悪戯の範囲での試行としてお考えください!
使用した機材等も正式な用途外のモノを流用していますので、耐久性・安全性共に全く保証しかねます。
早い話が、使えるには使えるが・・・、原則論では根本的に間違っている工作だという前提でお楽しみいただければ幸いです。

“シェル出し用“油圧シリンダー”を作っちゃおう!②” からの続きです】



押し出し用の型は、取り敢えず私の小指の付け根から指先までの形状に合わせ堅木を削りました。
アウトラインは単純化してありますので普通の大人なら大体はこれでOKだと思いますが、足の大きさやアウトラインが大きく異なる場合は別の型を作った方が良いでしょう。

また、親指側の押し出しに使う場合は拇指球の凸部を強調した木型を作るべきだと思います。

今回は押し型小指周辺用の押し型を作ってみましたが、前回の記事に記したように、固定式と遊動式の2種類を作ってみましたので、追ってテストを重ねてみようと思います。

Sp2_6  Sp2_4
(押し出し用の木型は2種作ってみた)

また、爪先や踵部を加工したければ、別途エクステンダーや専用の押し型を加工せねばなりませんが、これも工夫次第で特に困難という事は無いでしょう。

なお、舟状骨などピンポイントの当たり出しにはこの油圧シリンダーよりもピンチクリアーを使ったほうが位置も正確で加工も容易だと思います。


さて実際のシェル出し作業ですが、まずブーツシェルの当たる場所にマークをしたら、そこに押し型が当たるようにシリンダー後端のアジャストスクリューを調整します。
シリンダーが動かないようにシェルとの間にゴムや合板の板を挟んだり、必用ならシリンダーが後ろに下がらないように木製のスペーサーなどで位置決めをします。(画像↓)

Hp_3

油圧シリンダーの下準備ができたら、次に外側からシェルが塑性変形が可能な程度まで加熱します。
広範囲に押し出す場合はプロショップにある“ネストール”という専用の赤外線ヒーターが理想なのですが、アマチュアの場合はヒートガンスチームクリーナーの何れかを使う事になるでしょう。
シェルの加熱にヒートガンを使うか、それともスチームを使うかは加工者で判断してください。

ただし、アマチュアの方がヒートガンを使用する場合は、放射温度計を併用し、シェルの表面温度が90℃+α以上に上がらないように監視しながらの方が安全です。

Hp_6
(スチーム加熱によるシェル加工)

シェルが適温になった段階で、ポンプのスクリューをゆっくり締め込み、木型を押し出してシェルを広げていきますが、この段階では特に慎重さが要求されます。

作業中はついつい欲張って大きく押し出したいという誘惑に駆られますが、シェル出しは位置が的確なら僅か数ミリでも劇的な効果があり、また出し過ぎはブーツのセンターラインが移動し、コントロール性にも問題が生じるかも知れませんので、『過ぎたるは及ばざるが如し』を念頭に作業しましょう。

さて、後は冷水で冷やせば、あなたの足に完璧にフィットするブーツが出来上がるという訳です。

Hp_7
(小指側のシェルを押し出し加工した状態)



とはいえ・・・、面倒な道具の自作から始め、こんなに手間を掛けるのだったらショップに頼んだ方がよっぽど楽だと思う方がほとんどだと思います。
そりゃあそうですよね。(笑)

しかし、よく考えてください・・・、プロショップでシェル出しをする場合だって、ブーツを買い替えるたびにショップの担当者とああじゃないこうじゃないと相談し、延々と薀蓄を聞かされ、さらに使った結果が良くなければ再度ショップに持ち込んで嫌な顔をされながら修正してもらわなくてはなりません。

ショップでシェル出しをするんだって、それに要する時間を含め、結構な負担を要するマターであることは経験者ならご理解いただけると思います。

ピンチクリアーや油圧シリンダーの工作は確かに面倒ですが、1度作っておけば友人や家族を含め、おそらく一生の間、自分の納得のいくブーツを自分の手で仕上げる事ができるのです。

今回のシェル出し用シリンダーにしても、小型の専用油圧シリンダーを通常購入して自作するとなると、軽く2万円程度の出費は覚悟しなければなりませんが、今回の試作ではオークションで格安のエアシリンダーが入手できたのと、手持ちの材料や部品が使えたため、新たに購入したのは継手とホース位なもので合計でも3千円以内の出費で済みました。
この程度なら、実用性のある工作遊びの費用としては妥当な線でしょう。


・・・さてさて、今回もお粗末な記事で申し訳ありませんでしたが・・・、エアシリンダーを油圧で動かそうなどという非常識で頓狂な事を実践できるのも素人だけに許された特権なんじゃないでしょうか?。
そんな素人の可能性を信じ、「駄目で元々」精神に則り、煩悩の赴くまま、損得も考えず酔狂なD.I.Y.道を突き進むのが『山道具道楽』のポリシーですので、そのあたりをご斟酌の上、正論で突っ込まず寛容な心でご容赦いただければ幸いです。
 




【予告】

現在、今回ご紹介した油圧シリンダーと同様に、内部から足のアウトラインの型を簡単に押し出せる道具を開発中です。

この道具は油圧などでなく単純な機械動作で動き、しかも市販のパーツだけで工作可能な構造です。
しかも材料費はせいぜい3,000円程度で、基本部分は旋盤やフライス盤など特殊な工具を使わず、自宅の工具箱にある物だけで組み立てられることを条件に設計してみました。

完成次第ご紹介したいと思いますので、しばらくお待ちください。

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コメント

あけましておめでとうございます。
理事長のDIY魂!共感します。
自分でヤルから、喜びも、納得も出来る事って良いなと思います。
効率的か?というと微妙な事も、個人的には多々ありますが・・・(笑)

投稿: katsu | 2015年1月 5日 (月) 09時56分

″Katsu"さん、あけましておめでとうございます!

私の道楽でやった事をまとめた拙いブログですが、参考にしている方も結構いらっしゃるようなので、今後も細々と更新していくつもりです。
今年もよろしくお願いします。

投稿: 理事長 | 2015年1月 5日 (月) 20時17分

あけましておめでとうございます。

いや~本格的な油圧シリンダーですね。
加工道具もさることながら、ブーツを何足でもいじりたくなるのでは?
ついつい理想のブーツを追求したりして(笑)自分はお金が許せば毎年でも新しいブーツを作りたいですよ(笑)

それでは身体に気をつけて頑張って下さいね。

投稿: FOES | 2015年1月 7日 (水) 19時49分

“FOES”さん、あけましておめでとうございます。

「本格的」と言うより「なんちゃって」な道具なんですが・・・。(笑)

では本年も『山道具道楽』をよろしくお願いいたします。

投稿: 理事長 | 2015年1月 8日 (木) 08時21分

理事長さん

明けましておめでとうございます。
昨年はいろいろとアドバイス頂きありがとうございます。

本年も引続き宜しくお願いします!

投稿: bp-hiro | 2015年1月 9日 (金) 17時29分

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