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2016年3月

2016年3月26日 (土)

スプリット用スキンのテールクリップ(改良型)

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


以前の記事で“FISH/SPLIT”の特殊なテール形状に対応するクライミングスキンのテールクリップの自作を記事にしましたが、今回はその改良型の製作についてです。

Fish_spl_4
(“FISH/SPLIT”のテール形状)

Fish_spl_10
(テールクリップ1号機)

まぁ、苦労して自作しなくても既製品の“G3のテールクリップ”を流用すれば特に問題は無いのですが、道具道楽としてはやはり専用の小型の軽い物にしたいと考え改良版の製作をしてみました。

G3c_1
(G3のツインチップコネクターキット)

G3c_2
(少々曲がるが使えない訳ではない)

形状の変更だけですから特に解説は必要無いかもしれませんが、前回同様チタン板を帯鋸で粗く切り出し、ベルトサンダーと手ヤスリでアウトラインを仕上げました。

複雑なバックル穴の加工は、正確を期すならフライス盤の使用が理想ですが、セッティングやクランプ留めが面倒だったので、ドリルで連続穴をあけ、手ヤスリでチマチマと仕上げました。結構手間の掛かる作業です。

で完成したのが下の画像のようなクリップです。

Tc2_1


実際に取り付けてみたところ、専用設計のワンオフ物ですから当たり前といえば当たり前ですが、ジャストフィットとなりました。

Tc2_4


スプリットボード用のクライミングスキンは需要が少なく、バーゲンに出る事も少ないですから、今回の例のようにスキー用のスキンを自分でスプリット用に改造する、というのも悪くないと思いますよ。



【余談ですが・・・】

先日「エベレスト・神々の山嶺」という映画を観ました。
ちょっと前に「EVEREST 3D」というのを観ましたから、エベレストと名の付く洋画と邦画を続けて観てしまった事になります。
まぁ娯楽映画なのですからそれはそれで良しとすべきなのでしょうが、両者ともツッコミ所が満載な映画でした。

特に「エベレスト・神々の山嶺」の方は、舞台が山屋の知っている行列のできる現実のエベレストではなく、人の居ない“架空のエベレストという山”だと思って観た方が素直に楽しめるって感じの映画です。

まず導入部のコンテで滑落するシーンから嘘臭いですし、映画では羽生っていうクライマーが滝沢・3スラの冬季初登攀者って設定になってましたけど、実際の初登は映画の時代設定よりかなり前だったはずですよね。
初登時はピオレトラクション用の道具も無かった時代ですから、まさに画期的な偉業だったわけですが、その手柄を映画の中の架空のクライマーに置き換えちゃうというのも何か登山の歴史に対するリスペクトを欠いているような気がします。

まぁ、一々粗探しをするのも品が無いのでこれ以上は何も申しませんが・・・、山道具道楽としては、劇中に私も使っていたウィランス・シットハーネスだとかカジタのバイル(あの時代にカジタのバイルでドライツーリングはやらなかったと思いますが・・・笑)などが多く登場して結構楽しめました。
そんな訳で、この映画は山屋のためでなくあくまで普通の人が楽しめるように作った娯楽映画なのですから、これはこれで良い映画だとしましょう。

「EVEREST 3D」の方は、とても映像の綺麗な映画でしたが、別に3D映像にしなくても良かった気もします。
なにせ私が3D映画であることを実感できたのは、落下する氷塊が眼前に迫る所くらいでしたからね。

それから、内容についてもツッコミ所は山のようにあるのですが・・・。
強いて私の気になった嘘を一つ挙げるとすると、トランシーバーの電池が長持ちし過ぎるということでしょうか。
あの時代、トランシーバーの電池といえば在ってもNi-Cd電池でしょうから、寒冷地で常時ONにしておけばせいぜい3~4時間位しかもたないはずです。
それなのに結構長時間の送受信をしていながら2日も電池が持つなんて、無線機の実情を知っている者からすればあまりにも無理な設定です。

まぁ、ベースキャンプとの交信が頻繁にないと劇として成立しないのは解りますので、これも娯楽映画と割り切って細かい事に目くじら立てず、素直に楽しんだ方が良いのかも知れませんね。

そんな訳で、こちらも良い映画だといたしましょう。
それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・・。
(淀川長治を知っている方は結構な年齢かな?笑)

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2016年3月 4日 (金)

日本人なら、山でもやっぱり“箸”でしょう!

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

Srzn_2
(今回はただの“お箸”なので期待しないでください・笑)

現役の頃、特に食べ盛りの大学生時代の合宿では食事はまさに戦いでした。
食糧計画でも当時は朝食で一人当たり米0.7~0.8合、夕食で1.1~1.2合が標準でしたから、今から考えると信じられない位の過食メニューだったのですが、それでも合宿の中盤になると皆胃拡張になるのか、その量では満足できず、争うように鍋底のおこげまで掻き取って食べていたのを思い出します。

春・夏の合宿ではこれが3週間も続くので、合宿序盤では早起きで辛かったはずの“食当”も、味見と称しての摘まみ食いができる特権があるので、後半には早く順番が回って来ないかと待ち遠しく思われたほどです。(笑)

山でスプーン&フォークのような食器を“武器”と呼んだのは、まさに山での食事は戦いだったという事なのでしょうか?。
まぁ、“食器”を“武器”と呼んだ理由は、ロシア語でフォークを“ビューケ”と呼んだことに由来すると先輩から聞いたのを覚えていますが定かではありません・・・。

現在でも山用の食器と言えば、まずスプーンやフォークを思い浮かべる方が多いと思いますが・・・。
しかし、何だかんだ言ってもご飯や麺類の多い日本人の場合は、フォークの出番は意外と少なく、やはり“箸”(和武器)の方が使い易いんじゃあないでしょうか?

そこで、私は山にはスプーンに加え必ず箸を持って行きます。
以前は携帯性を考え2分割型や伸縮する箸を使ってみたこともありましたが、一々組み立てたりするのも面倒なので最近は普通の短めの箸を持って行くことが多くなりました。

Cs
(㊤2分割型、㊦伸縮する山用の箸)

そんな折、山でも使えそうな箸を偶々ネットで見つけたので早速購入してみたところ、それまで使っていた物より予想外に良かったのであらためて紹介することにした次第です。

名前は“すべら膳”というフザケタ名前で、外見も変わり映えのしないただの安物のプラスチックの箸ですが、素材は自動車の内装などでも使用されるSPS樹脂という200℃以上の耐熱性を持つ特殊な結晶性プラスチックで、これならフライパンでの調理にも問題無く使用できそうです。(画像↓)

Suberaz_1

また、“すべら膳”との名称の通り、先端部には独特な意匠の凹凸が刻まれています。
まあ、ただの凸凹とは言え、これがけっこう効果的で、饂飩のような滑りやすいものでもビックリするくらい上手く掴むことができるのです。
一日岩を攀って握力を酷使し、腕がパンパンになって箸を握るのもやっとの時の夕食がラーメンだったとしても何とかなるでしょう。

Srzn_1
(予想以上の滑り止め効果がある先端部)

外見は安っぽく見えても、素材や形状は先端技術?を使用していますので、「羊の皮を被った狼」とまでは言えぬものの「羊の皮を被った犬」位の褒め言葉を使っても良い製品だと思います。


さて、この箸・・・、そのままでもいいのですが、私は山での携帯性を考え寸法を2.5㎝程短く詰め、散逸防止の紐を付け、より山道具っぽい雰囲気に改造しました。
私は見栄えを考え、箸の後端中心に細い穴をあけ、側面からやや大きな穴をあけてL字の貫通穴を作って紐を通し一重結びのコブを作って抜けないようにしましたが、普通の菜箸のように上部側面から貫通穴をあけ、輪にした紐で連結するほうが簡単かもしれません。

Suberaz_3 
(紐はこのようにしなくても、ただ穴を開けるだけでもOK)

工作については、画像をご覧になればこれ以上説明する必要は無いと思いますが、この改造でかなり使い易くなります。

やっぱり、山でも日本人のカトラリーは“箸”ですよね!と言う訳で、“すべら膳”自信?を持ってお薦めいたします。

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