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2016年6月

2016年6月25日 (土)

沢用ロープをシェアする?

便利度 :★★★★☆
工作度 :★☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆


Rope_12
(沢用に60mロープを2等分カットしました)

現在、アルパインクライミングで使用するロープは、50mあるいは60mが標準ですが、普通の沢登りでは長くロープを伸ばすことも少ないので20~30m位の短めのロープを使うことがほとんどです。

ロープが長過ぎると、高巻きの後に懸垂で沢に戻る際に薮に絡まったり邪魔になる事もありますし、頻繁に出したり仕舞ったりする場合も短めのロープの方が能率的だからです。

そんな訳で、私は沢歩きには30mのロープを持って行くことがほとんどです。
まぁ、現在の私が行けるレベルの沢では20mでも十分なのかもしれませんが、歳も歳ですので余裕をもって行動できるよう30mを選んでいます。

また、3~4人以上のパーティーなら30mを2本持って行けば、「イザ撤退!」という時でも懸垂一発で降りられない滝はごく少ないはずです。

しかし、φ8㎜前後の30mロープを購入しようとしても、その選択肢はかなり限定され、普通は“ハイキングロープ”あるいは“ヒルウォーキングロープ”などの名称で販売されている登山用の補助ロープを選ばなくてはなりません。

まぁ、30m単位で売られている登山用の補助ロープとは言え、通常はCE/EN 892、あるいはUIAAのダイナミックロープの基準を満たしているはずなので強度的には心配無いのでしょうが、30mでも価格が1万円位はしますし、またバーゲンにも出にくいようです。

そこで、シェアする相手がいるのなら、一般的なクライミングロープという広い選択肢の中から、使い勝手の良さそうな細くて軽いダブルorツイン用の60mロープを買って半分に切って2本にするというのも良いアイデアだと思います。


さて・・・、私は昨年 “EDELRID/アプス” というφ7.9㎜の60mロープがかなり廉い値段で売っていたので、つい購入してしまいました。
この“EDELRID/アプス”は細めでも腰があってアイスクライミング等の用途で評価の高いロープですが・・・、廉さに釣られて衝動買いしたものの、良く考えてみたら私はアルパインもアイスも引退していますのであまり使い途がありそうにありません。

ただ仕舞って置くのも勿体無いし、・・・と考えていた時思い付いたのが、このロープは沢登りでも使い易そうですし、今使っている沢用ロープが古くなったという事もあり、思い切って半分にカットし沢用ロープとして、知人とシェアして使うというアイデアです。


そんな訳で・・・、今回は、このロープをカットした過程を記事にしてみます。


①まず、正確に半分の位置にマークを付けます。
一回だと誤差が出ますので、両端から二本合わせて中央まで手繰る作業を複数回トライして正しく二等分になる位置を見つけましょう。
(㊟画像ではカット前に付けてしまったセンターマークがあります)

②続いて、そのマークを中心とした前後2センチ位の外皮を熱したヘラ等で溶かし解れ止めしておきます。

③続いてマークの位置で思い切って切断します。
 切断には熱したヘラ状の物で一気に溶断してしまうのが簡単ですし、末端の解れ止めにもなります。

Rope_1
(熱した‟もんじゃ焼き”のヘラで切っちゃいまいた・笑)


④両側の切り口はバーナー等で熱し、ヘラで形を整えて固めておきましょう。

Rope_2


⑤最後にそれぞれの長さの中心にセンターマークを付けます。

Rope_4
(乾燥するまでは適当な台に乗せておく)

出来ればここはフェルトペンなど溶剤型のインクでなく、専用のロープマーカーを使いましょう。

Rope_8
(ロープ専用の“ベアール/ロープマーカー”)

画像にある“ベアールのロープマーカー”は1,620円(税込)とただの染料インクとしてはバカみたいに高価なのですが、非溶剤系の染料でロープの強度を損なわないというロープメーカーのお墨付きの製品なので、墜落してから後悔したくない方はこれを使うと良いでしょう。
まぁ、私の仲間内では以前からずっと後述のフェルトペンを使っていて、特に問題は無かったのですが・・・。

⑥それから、必用なら2本のロープが区別できるように、どちらか一方のロープの両端に目立つエンドマークを付けておくと良いでしょう。

Rope_10
(一方のロープの両端にもマークを付けておく)

もちろんこの位置には衝撃は加わりませんので、マークは普通のフェルトペンで構いません。
身近に全く同じロープが2本あると紛らわしいですし、特にこの2本を結んで懸垂支点の捨て縄に通す時、引っ張る下側のロープが識別できないと回収がし難くなってしまいますからね。

以上で終了です!

ロープは大きな墜落や目視できる損傷が無くても、毎週末使う場合なら長くても3年未満、月一回程度の使用でも最長5年位で買い替える必要があるそうです。
“沢歩き”程度ならそれほど神経質にならなくても良いとは思いますが、5~6年以上使ったロープなら折を見て買い替えを考えたほうが良いかも知れませんよ。

もし、山道具屋でアルパインで定評があり、しかも沢でも使い勝手の良さそうな細径ロープが特価で売られているのを見つけたら・・・、シェアできそうな沢仲間に即連絡し、共同で買ってしまうというのもアリだと思います。



(余談ですが・・・)

ところで・・・、センターマーク用のインクは前述の専用品がベストなのでしょうが、私同様こんなものを法外な値段で買うのは馬鹿馬鹿しいとお考えの方も多いと思います。
そこで、文具店で簡単に入手でき、使っていて比較的安全と思われる物をご紹介します。
それは“ぺんてる・タフネーム(平芯・太字)”です。

Rope_6
(㊤ベアール/ロープマーカー、㊦ぺんてる・タフネーム)

このフエルトペンは染料の溶媒に石油系の溶剤ではなくアルコールを使用しているので(多分ベアールの専用品と同じ?)、繊維に与える影響は専用品と同等だと思われます。
しかも、価格は15分の1、税込み108円で買えるんですよ!

Rope_7
(アルコール系の染料マーカーとの記載)

また、使い勝手も、ローラーがベトベトになり手も汚れる専用品より良好ですし、濡れても滲みや色落ちも少ないようです。

ロープメーカーでは、ロープにダメージを与えるインクや溶剤もあるので専用品以外は使うなと注意喚起をしていますし、私自身このフェルトペンのロープに対する安全性については全く保証できません。
また、敢えてお薦めはしませんし、万が一の場合も一切責任を負うつもりもあません。
そんな訳で・・・、使用する場合はあくまで自己責任にてお願いいたします!!。

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2016年6月 8日 (水)

スプリット・ボード用のシールを改造する

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆

Tst_8 Sp_2
(今回はシールのテール・フィックスをシンプルに改造しました)


さて、前々回の記事でスプリットボードのスリングホール加工をご紹介しましたが・・・。
この穴の加工は、実はクライミングスキンのテールフィックスに使用したいという意図もあったのです。

スプリット・スキンのテールフィックスには、通常既成のパーツで対処できますが“FISH/Split” の場合はテールの形状が特殊なため自作パーツを使用せねばなりませんでした。

そんな折、“SALOMON/Derby”というスプリット・ボードの純正のスキンのテールを見てそのシンプルさに驚きました。
それは、スキンのテールに取り付けたショックコードをボード後端に設けられた切欠き経由で、チップクリップのリベットの末端に引っ掛けるだけという、超簡素な方法だったのです。

Sp_1
(画像では判り難いが、チップクリップのリベットを利用して固定している)


実際問題、スキンの末端がソールのコンベックス面に位置しているとそこから剥離が始まってしまいますが、その部分だけソールのカーブに沿って引っ張られてさえいれば、実際には大袈裟なベルトやクリップは必ずしも必要無いともいえるのです。

そんな訳で、テールの末端に以下の加工を行ってみました。
また、スプリット用のシール改造の詳細については過去の記事をご参照ください。



※ ・・・と、言っても話が途中からだと解りにくいと思いますので、本題の前に、シール後端の加工について補足しておきます。


今回の改良の前は、POMOCAのシールのテールにBDのウレタンストラップをリプレイスし、自作のテールクリップで固定していたのですが、まずはBDのウレタンストラップを取り付けるところから復習しておきたいと思います。

使わなくなったシールから取り外したBDの金具を利用しますが、アルミのリベットは再使用できませんので新たに用意します。
リベットの寸法はφ3㎜×6㎜程度が丁度良いでしょう。

Tst_3
(φ3㎜×6㎜のアルミリベットはホームセンター等で入手可)

加工は画像の通りですが、オリジナルと同じ大きさに四角い切り欠きを作り、リベット用の穴を熱したワイヤーで開け、両側の金具を押し付けながら潰しリベットを小型ハンマーで叩けば完成です。

Tst_1 Tst_4
(㊧オリジナルと同じ形状にカットし、㊨プレートをリベット留めする)

通常はこの金具にウレタンストラップを通せば完成ですが、今回は新しいシステムとしますので、ストラップの代わりに短いナイロンテープの輪を通すことにします。

Tst_7 Tst_5_2
(㊨本来は純正のストラップを通すが・・・)

さて、ここからが今回の本題です・・・。
ナイロンのテープの輪を作るのですが、テープの両端を一度折り返してから合わせて都合4重の厚みにしてミシン掛けをし、その末端がベース金具に引っ掛って固定されるようにしました。

Tst_9
(折り返し縫いの部分がベース金具に引っ掛って固定される)

このテープの輪にショックコードを通し、その末端にアルミパイプ製の“オシャブリ(トグルボタン)”を取り付ければ完成です。

Skint_3 Skint_2 Tst_8
(“オシャブリ”をスリングホールに通し画像のように固定する)

シールを貼った後、画像のようにテールのショックコードに付いたオシャブリをスリングホールに通して固定するだけですから操作も簡単です。

オリジナルのストラップよりもテンションは弱いのですが、この程度でもテール部の浮き上がりによる剥離はほぼ防げそうです。

今回は取り敢えずの試作ということで簡単なサロモン方式試してみましたが、使ってみても特に剥離等の問題は起きませんでした。

また、テールにスリングホールがあるという条件なら、テール部分の固定方法に関して幾つかのアイデアも浮かんでいるので、以降も改良を続けていきたいと思います。

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