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2017年4月

2017年4月30日 (日)

最新のビーコン “ARVA/Axio”を試す!

便利度 :★★★★☆
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :☆☆☆☆☆

Arva_1
(最新のビーコン “ARVA/Axio”

今シーズン新しいビーコンを入手しましたので、その第一印象を記事にしてみます。

以前の記事にも書いたように、私は現在まで長くMAMMUTの“PULSE Barryvox”を使っていました。

昨シーズン終了後にファームアップした“PULSE Barryvox”の Ver.4 はかなり良好で、初心者にも使い易く、またガイドの厳しい要求にもこたえられる最強のビーコンと言っても過言ではない製品なのですが・・・、もう7年も使っているのでそろそろ買い替えかなぁ~、と思って調べてみたら “ARVA/Axio”という製品が目に留まってしまったのです。

何がすごいかというと、まずは探索距離が最大80メートル幅という事、そしてアンテナ配置がコロンブスの卵的発想で非常に画期的だという点でしょう。

通常の3アンテナビーコンは水平のXY軸の2本のアンテナに対し、垂直にZ軸のアンテナを配置してあるのですが、筐体の厚みという制約からこのZ軸のフェライトバー・アンテナは、どうしても水平のXY軸のアンテナより短い、つまり感度の悪いアンテナにせざるを得ない事になります。

しかしこの“ARVA/Axio”というビーコンは3つ目のZ軸のアンテナを可動式にすることで、XY軸のアンテナと同等の性能としたのです。

Arva_2   Arva_4
(Z軸のアンテナを垂直方向に回転することができる)

これで被探索側のビーコンのフェライトバー・アンテナから林檎のような型に立体的に放射される電磁波を3軸で捉える、球形探索(メーカーの表現)が可能になるとの事ですし、また好感度ゆえに複数のビーコンからの電波が干渉して機器の解析に混乱が発生した場合には自動的にアッテネーターが働き、最短距離にいるの埋没者の探索を容易にする機能もあります。(画像↓)

Axio_4
(上部BAND25の表示は探索範囲を自動的に25mに狭めた状態)

また操作性もシンプルで、初心者が直感で操作をしても、ほぼピンポイントで後は渦巻きプロービングでの探索に移行可能な数十センチ以内の誤差で埋没者の位置を特定できるといっても良いでしょう。
ただし進行方向を指示する矢印の表示は、“PULSE Barryvox”よりやや見にくく、また、“PULSE Barryvox”のようにプローブポイントまでは表示されませんので数値の一番小さくなるポイントを探索者自身が読み取ってプローブを刺す必要があるのは従来機種と同様です。

二昔前の、アバウトな方向表示と音の強さで埋没者に辿り着くという職人芸が必要だったアナログ・ビーコンとは全く別物と言っても良い出来になりましたし、もちろん、アナログモードを併用しする上級者にも対応できる性能も秘められています。

ただし、外観はお洒落なフランス人好みなのかもしれませんがチョット安っぽい感じで、私としては重厚な“PULSE Barryvox”の意匠の方が好感を持ちました。

Axio_7
(付属するホルスターの造りはイマイチかな?)

また、ジョイスティックによる操作も悪くは無いのですが、まだこの機械に慣れていないせいか、“PULSE Barryvox”と比較しても格段に操作性が進化したようには感じられません。
メインスイッチも、これまでのほとんどのビーコンが誤動作防止にメカニカルな構造を採用していたのに対し、“ARVA/Axio”はONはメインスイッチを押すだけですが、OFF する時はメインスイッチを長押ししてからジョイスティックをクリックするというチョット解りにくい方法なので、レンタルなどで初めて渡された方はONはできてもOFFにするのに少々手間取るかもしれません。

また、発信モードから探索モードへの切り替えは赤いZ軸アンテナを起こすだけの操作ですが、付属のホルスターだと雪崩に揉まれた時、万が一にもこの赤いアンテナが起きてしまう可能性が無いかが、(発信モード自動復帰機能があるとはいえ)やや心配ではあります。


そんな訳で、ビーコンメーカー各社の新鋭機中でも、この“ARVA/Axio”はベストバイと言っても良いとは思いますが・・・、とは言え“PULSE Barryvox”はディスプレイにカタカナ表示もでき、また分厚い日本語マニュアルも非常に充実しています。(“ARVA/Axio”のマニュアルは折り畳んだ1枚の紙のみ!)

さらに、“PULSE Barryvox”は約10年前の製品とはいえ、ファームアップで最新の機能を維持していますし、設定可能な項目も“ARVA/Axio”より格段に多く熟達者向けの詳細なカスタマイズも可能です。
北米のプロガイドからの“PULSE Barryvox”の定評がずば抜けているのもこのためでしょう。

そんな訳で、私としてはこの2機種のどちらをお薦めしたら良いかは非常に迷うところです。

まぁ、古い機種ですがトレーニングを重ねればプロガイド並みに使いこなせるかという多機能性を優先する方は通好みの“PULSE Barryvox”を、探査距離が長く、どちらかというと簡単な操作を優先される新しいモノ好きの方は “ARVA/Axio”を選べば後悔しない・・・、と言ったところでしょうか。

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2017年4月23日 (日)

“山道具道楽”について

当ブログは、管理者の山道具への拘りを綴ったもので、山道具というハードウェアーのみに特化し、記録等の記述は基本的に掲載しない方針です。

記事の内容は私の主観に基づいてお、り多分に偏った表現も多く、また、時々コラムで個人的な意見を述べてみたり、近況などを記事にすることもありますが、それも御愛嬌と思って御容赦ください。

※ なお、当ブログ開設の経緯などは“山道具道楽へようこそ”(旧、トップページ)をご覧ください


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※当ブログも2007年の開設以来、早いものでもう10年目に足を踏み入れました。
したがって古い記事の中にはかなり陳腐化した内容も含まれていますので記事の日付を確認してご覧いただければ幸いです。



(近況)

GWは八甲田に行ってました。
昨年は雪も少なくイマイチ楽しめませんでしたが、今年は平年並みの残雪といったところでしょうか。
幸いにも終盤を除いて天気に恵まれ、楽しいツアーと温泉を楽しむ事ができました。

Dscf0171

しかし、以前に比べシャトルバスの本数も少なく、運行ダイヤも不適当なのは困ったものです。
これではガイドツアー参加者以外の、普通の山スキーヤーや山ボーダーの八甲田離れがさらに進んでしまわないか・・・、チョット心配してしまいますね。








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2017年4月14日 (金)

ステンレス“ウィペット”を更に改造!

便利度 :★★★★☆
工作度 :★★★☆☆
推薦度 :★★★★☆
危険度 :★☆☆☆☆


Sp_4
(今度はこんな風にしてみました!)

BDのセルフアレストポール“ウィペット”は私のお気に入りの山道具です。
ピッケルには及びませんが、これさえあればそこそこの急斜面でも安心感を持って行動できますので、私にとってはBCでの必需品といっても良いでしょう。

以前から私はアルミシャフトの2セクションの物を3セクションに改造しBCボード用に使っていました。(現在はカーボン製のみ3セクションの物がありますが、仕舞寸法が長すぎます!)

今回は、現在使っているステンレスヘッドのウィペットも以前のクロモリ製でやったのと同じようにピック部を握った時手袋が傷まないよう更に改造してみました。

スキーやスノーシューで登り坂が続くときは普通にグリップを握るより、ヘッドの樹脂製カバー部分を上から握ったり、反対向きにしてヘッドの金属部分を握った方が力が入り易いのですが、オリジナルの状態ではヘッドの横に張り出した三角形の先端が掌に当たったり、場合によっては手袋を傷めてしまう事もあるのです。

そこで以前からこの三角形の部分をカットして大きなRに成型して使い勝手を良くしていましたが、今回はこれに加え、更にカラビナホールを追加してみる事にしました。

Sp_3

工作は画像をご覧になれば一目瞭然だと思います。
こうしておくとボード滑降時にザックに取り付ける時など、ブラブラせずに適切な位置にしっかり固定できて大変便利です。

Sp_5

なお、この部分は軟雪にピックを刺した時に支持力を高める部分なのですが、角を丸くしたり穴をあける位では体感できるほどの効果の低下は無いと思います。

注意する事としては、ヘッド全体としては熱処理で然程高い硬度が出ているわけではなく、通常の工具でも加工が可能ですが、表面は肌焼き状態でやや硬めになっているので、穴をあける時は超硬チップ付きのホールソーを使うと切削工具の損耗も避けられると思います。

長く使える便利な道具ですから、多少手間は掛かりますが少し手を加えてより使い易く改造するのも悪くないと思いますよ!

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2017年4月 4日 (火)

300gのショベル?!

便利度 :★★★★★
工作度 :☆☆☆☆☆
推薦度 :★★★★★
危険度 :☆☆☆☆☆

Arva300
(軽量ショベル、ARVAの“ULTRA 3”)

雪山でパートナーが雪崩に埋まってしまった時、埋没位置の探索に絶対必要なのがビーコンとプローブです。
しかし、位置を特定できたとしても雪を掘るショベルが無くては話になりませんよね。

先日の那須での雪崩事故でも、全員がビーコンを持っていなかったと大きく報道されましたが、ビーコンだけ持っていれば良いという訳ではないのです。

全員がプローブとショベルを合せて持ち、さらに重要なのが全員が十分なビーコンのトレーニングを経験しているかという事ですが・・・、これは今回のようなケースでは事実上不可能な要求でしょう。

また、あれだけ多くの埋没者がいて、さらに周囲の何十人が全て発信状態のビーコンを所持していたと考えてください。
かえって探索が混乱する事は容易に想像がつくはずです。
(こんな場合は横一列の肩幅ゾンデ行進のほうが、よっぽど早く埋没者を見つけられる気がします)

さらに、高校生の年代での雪山経験やビーコンに対する知識と経験やスキルを前提で考えれば、単純にビーコン所持の有無だけで結果が大きく変わったとは思えませんし、現実を何も知らぬ者がこの点のみで堂々と論じていることにはとても違和感を感じます。
(いったい一般の冬山登山者の何パーセントがビーコンを所持していると思っているんでしょうね?)

また、ポピュラーでお手軽BCルートに接続する某スキー場では、ゲートに人員を配置しビーコンチェッカーまで設置して、ビーコン非装着者の入山を制限していますが、プローブやショベルの所持まではチェックしていません。
まぁ、入山制限(&レンタル屋の商売繁盛)には有効な手段なのでしょうが、事実上あまり意味の無い規制のような気もします。

かく言う私も、持ち前のいい加減な性格と、これまで私の使っていたショベルが800g近くあるせいで、正直なところザックにショベルを入れるのに毎回小さな決心が必要でした。

しかし、検索をしていたら、なんと300gのショベルを発見してしまい、これだったらザックに入れる事を躊躇せずに済む重さだ、と考えて早速購入。

Ultra3_3
(薄い7000系アルミのブレードとカーボンのシャフトの組みあわせ)

この軽量ショベルはARVA社の“ULTRA 3”と言う製品で、小振りなジュラルミン製ショベルブレードとカーボン製のシャフトの組み合わせで、手に取ってみると、本当にびっくりするほど軽いのです。

Ultra3_1
(メーカー公表のスペックを上回る軽さ!)

実際にテストしてみると、極端に乱暴な取り扱いには耐えられないかもしれませんが、見た目の華奢な印象に反し、結構丈夫で普通に使える感じでした。

もちろん雪洞を短時間で掘ったりするのには向きませんが、ブレードの形状から硬い雪にもよく刺さり、少なくてもプラスチック製のショベルよりは使い勝手が良さそうです。

まぁ、ブレードは小さすぎるし柄も短いのは事実ですが、万が一の非常時に持っててナンボ!、のショベルが、ザックに入れるのを躊躇しない軽さである事の意味は非常に大きいと思います。

ショベルを重いし邪魔だとお考えの方には是非お薦めしたい山道具です。

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